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不定期日記(過去ログ)

2009年01〜12月



[企画進行中]
[原稿城](新・本格推理への道)
 本の購入(bk1) [本の購入(amazon)]
[情報館]

2009.12.30
 昨夜、映画「アバター」を見てくる。非常に面白かった。3Dも楽しかった。

 本格ファンの皆さん、今年一年、ありがとうございました。来年も皆さんにとって、良い年でありますように。

2009.12.22
 小学館クリエイティブから復刻された、手塚治虫の『漫画少年版 ジャングル大帝』(豪華限定版)が、イオン・ロケットで届く。要するに、初出連載時の『ジャングル大帝』がこれによって読めるわけである。
 かつて、手塚治虫ファンクラブ京都が、会誌「ヒョタンツギタイムス」で分載復刻し、それを一冊にまとめた豪華愛蔵版(限定50部とか)を出したことがあるが、今回のは正式な本として出版されたということなので、非常な快挙である。なお、京都の豪華愛蔵版は、私の知っているかぎり、薄緑の箱と、青い箱の奴の二種類がある。
 で、今回の正式復刻本だが、ページをめくってみて、おやっと思った。何だか、昔見た京都の復刻と印象が違うのである。何故かと言えば、単色ページ(白黒ページ)が、それこそ黒いインク(やや茶色がかっているが)のみで印刷されているからだ。京都の復刻では、単色ページといえども、緑のインクや紺のインクや赤のインクが使われていた。今回のは隅々まで修正してあって見やすいけれど、何だか京都の復刻の方が時代色があって良かったような気がする。


2009.12.21
[情報館]を更新。

[新刊]
 ルーパート・ペニー『警官の証言』論創社(論創海外ミステリ)
 石持浅海『君がいなくても平気』光文社カッパ・ノベルス
 喜国雅彦『東京マラソンを走りたい』小学館101新書

 モバイル《セブン》号だが、環境も整い、それなりに便利に使っている。ただ、レッツノートより劣るところがある。それは、充電中のインジケーターが、上蓋(ディスプレイ部)を閉じていると見えない、という点だ。レッツノートは側面手前にインジケーターがあるので、バッテリーが残っているとか、充電中とか、電源に関する状態が表示されて、よく解ったのである。

2009.12.19
[新刊]
 李垠『美術館の鼠』講談社 09.11.20
 水天一色『蝶の夢 乱神館記』講談社 09.11.20

 東京の大手書店では、本日から、島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2010」(南雲堂)が店頭に並ぶと思います。一般書店では21日からです。よろしくお願いします。

 コクヨがこんなオフィス・チェアを出した。Avein(アヴェイン)というらしい。ものすごく格好良いので気になる。試座してみたい。しかし、肘掛けが固定で上下に動かず、しかも、取り去ることもできない。この設計仕様には疑問を覚える。私は肘掛けは嫌いなので、その点でこの椅子は購入できないかもしれない。

 イナバ(物置で有名な会社)も、こんなオフィス・チェアを出した。Xair (エクセア)というらしい。これも一度、座ってみたい。

2009.12.18
[新刊]
 カーター・ディクスン『一角獣の殺人』創元推理文庫
 フィリップ・マクドナルド『Xに対する逮捕状』創元推理文庫
 ヘレン・マクロイ『殺す者と殺される者』創元推理文庫
 佐々木丸美『罪・万華鏡』創元推理文庫

 今月の創元推理文庫は凄いね。『一角獣の殺人』や『Xに対する逮捕状』が文庫で読めるなんて。それに、『殺す者と殺される者』の新訳もあるし(これって、読んだ記憶がないなあ)。
 『一角獣の殺人』が原題に従った訳題になっていて、『一角獣殺人事件』じゃなかったのが、ますます良かった。

 ジェネオン・ユニバーサル・エンタテインメントから、予約しておいた『鉄腕アトム 《オリジナル版》 復刻大全集 ユニット2』が届く。
 さっそく通読。この辺の話は、単行本化の際に大幅にカットされている箇所があるので、読んでいて発見や面白みがふんだんにあった。

『鉄腕アトム 《オリジナル版》 復刻大全集 ユニット2』
手塚治虫

 

2009.12.15
 島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2010」(南雲堂)の見本刷りが、小型シャトルで到着。ようやく完成したわけである。さっそく通読したが、大変中身の濃いものになっている。ぜひぜひ御購読いただきたい。大手書店では19日から、一般書店では21日から店頭に並ぶ予定。


2009.12.11
[情報館]を更新。

 来年1月に講談社文庫から出る、宇宙捜査艦《ギガンテス》シリーズの『聖域の殺戮』の表紙イラストが亜空間通信で送られてきた。格好良くて力強い絵である。解説は、SFライターの大橋博之氏にお願いした。


2009.12.10
[新刊]
 有栖川有栖『本格ミステリの王国』講談社 09.12.07

 二年半ほど、外に持ち出すマシン(モバイル)として、パナソニックのCF-R5親指シフト改を使ってきた。重量は1sを切り、WindowsXPなのでそこそこOSの動作も小気味よく、バッテリーも実動で5時間は保った(カタログ値11時間)。だが、HDD容量が60GBしかなく、今となっては画像データーを収録することができず、かなり不便に思えてきた。
 そこで、新しく、富士通のLOOX R/C50を購入して(展示処分品が、まあまあの値段で売っていたのだ)、いつもどおり、親指シフト仕様とした。最初はWindowsXPにダウングレードしようと思ったのだが、Windows 7サービス・キャンペーン中だったので、まずはWindows Vistaでマシン内容を構築した後にソフトもインストールして、さらに、Windows 7にバージョンアップしてみた。

 LOOX R/C50の重量は1.3s弱。DVDドライブも載っているわりにこの重量なら我慢できる。キーボードのキーの一部に、変に小さなものがないところも良い。変換・無変換キーも、アルファベット・キーと同じ大きさなので、親指シフトもやりやすい(さらに、親指シフト用の盛り上がりシールを貼ってある。写真参照のこと)。
 ただし、パナソニックのレッツノートより劣る点が一つ。バッテリーのプランが、自動で切り替わらない。電源を差した時にはパフォーマンス、バッテリー駆動の時は省電力というような切り替えを、いちいち手動(アイコンをクリックして、ユーテリティー内より選ぶ)で行なう必要がある。これは不便だ。
 バッテリー駆動時間は、実動4時間から5時間(バランスという電源プランで。カタログ値12時間)。許容範囲だが、カタログ値からいえば、もう1時間ほど延びてほしかった(省電力プランにすれば、もう少し長いが、無線LANやカード・スロットなど、すべて電源offとなる)。

 Windows 7はWindows VistaよりましなOSだが、やはりWindowsXPの方が使いやすいように思う。Windows 7もWindows Vistaもメモリーを使いすぎ。しかも、見栄えばかりのエアロのせいで動作が遅い。
 一番困ったのが、マシン同士のファイル共有。Windows 7からはWindowsXP(デスクトップTNG号)の中の共有フォルダーが見えるのだが、WindowsXPからWindows 7の共有フォルダーが見えない。
 いちいち、ネットワークからワークグループを選び、次にWindows 7マシンを指定し、さらに、ログイン名とログイン・パスワードを打ち込まないとならない。これはとても面倒くさい。
(何か、設定か方法があるのかもしれないが、私には見つけられなかった)。
 エクスプローラーも改悪されている。共有フォルダーのアイコンに、あの手の形のしたマークが付かなくなった(エクスプローラーの下の方に文字で説明される)。そのため、パッと見て、どのフォルダーが共有されているか解りにくいのである。

 Windows 7のバージョンアップは、ほとんど支障なく終了した。ただし、キー・カスタマイズの「KEYLAY21」などは、動作がおかしくなったので、再インストールを行なった。そういうソフトが2、3あった。

 Windows Vista同様、UACやアクション・センターの警告が無駄にうるさいので、すべてオフとする。
 クイック起動バーを復活させる。
 スタート・メニューを、フリーソフトの「Vista Start Menu」に置き換える。
 親指シフト化は、「親指ひゅんQ」と「KEYLAY21」による。
 など、いろいろとチューニングを施す。

 なお、このモバイル・マシンの名前は、Windows 7にちなんで〈セブン〉とした。もちろん、スタートレック・ヴォイジャーの〈セブン・オブ・ナイン=セブン〉にかけてある。
 建造開始から、「発進!」まで、延べ5日間。


2009.12.09
[新刊]
 三津田信三『水魑の如き沈むもの』原書房 09.12.10
「ミステリーズ!」Vol.38 東京創元社

 小島正樹氏の『武家屋敷の殺人』を読了。見事な出来映えである。物語も抜群に面白い。前作(単独デビュー作)の成果によって、氏は、島田荘司流奇想ミステリーの継承者として大いに期待されたわけだが、早くもその期待に応えてくれた。多重構造のよく練られたプロットを、惜しみなく投入された不可能犯罪と奇想現象のトリックががっしりと支えている。多いにお勧め。

 Amazonで、「本格ミステリー・ワールド 2010」が予約可能になりました。ぜひ、御予約ください。

2009.12.06
[情報館]を更新。

[新刊]
「メフィスト」2009 VOL.3 講談社

 昨夜は、国立駅近くの居酒屋で、国立一中忘年会(同窓会)。総勢30人くらい。新しい顔ぶれもいて、30何年かぶりに会っても、懐かしい友人はぜんぜん変わっていなかったのであった。面白かった。

2009.12.04
[新刊]
 霧舎巧『私立霧舎学園ミステリ白書 十一月は天使が舞い降りた見立て殺人』講談社ノベルス 09.12.07
 霧舎巧『私立霧舎学園ミステリ白書 十二月は聖なる夜の予告殺人』講談社ノベルス 09.12.07
 白河三兎『プールの底に眠る』講談社ノベルス 09.12.07(メフィスト賞受賞作)
 石崎幸二『≠(ノットイコール)の殺人』講談社ノベルス 09.12.07

 霧舎巧氏の私立霧舎学園ミステリ白書シリーズが2冊いっぺんに出るが、その2冊が、シルバー・カバーで、特製クリアケースに入った、『私立霧舎学園ミステリ白書 二学期終了記念プレミアム版』も同時発売だそうである(限定2000部)。ファンやコレクターの方は、絶対にお買い逃しのないように。

2009.12.02
 島田荘司・監修「本格ミステリー・ワールド 2010」(南雲堂)における「読者に勧める 黄金の本格ミステリー」選出作品を発表します。
 今年は、この8作品が選ばれました。
 詳しくは、南雲堂のウェブサイトを御覧ください。選評の前半が立ち読みできます。

島田荘司・監修「本格ミステリー・ワールド 2010」
  南雲堂 12月20日発売予定 予価:1260円

「読者に勧める 黄金の本格ミステリー」
 選者: 小森健太郎×つずみ綾×二階堂黎人
 
松本寛大『玻璃の家』 講談社
三津田信三『密室の如き籠るもの』 講談社ノベルス
柄刀一『奇蹟審問官アーサー 死蝶天国』 講談社ノベルス
歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』 講談社ノベルス
北山猛邦『密室から黒猫を取り出す方法』 東京創元社
米澤穂信『追想五断章』 集英社
深水黎一郎『花窗玻璃 シャガールの黙示』 講談社ノベルス
麻生荘太郎『闇の中の猫』 東京創元社

(詳しい選評は、12月20日発売予定の「本格ミステリー・ワールド 2010」を御覧下さい)


2009.11.29
 山前譲・編/高木彬光『乱歩・正史・風太郎』(出版芸術社)を、物質転送機で取り寄せ。

2009.11.25
[新刊]
 新津きよみ『情動』徳間書店 09.11.30
 光原百合『扉守』文藝春秋 09.11.25
 エドワード・D・ホック『サム・ホーソンの事件簿(VI)』創元推理文庫
 佐々木丸美『罪灯』創元推理文庫

 ホックの『サム・ホーソン』ものもこれで終わりかと思うと非常に残念。素晴らしい短編集シリーズであった。完結にあたって、翻訳者と出版社に感謝したい。

 小学館クリエイティブから、12月末に、「漫画少年版」の『ジャングル大帝』が刊行される。雑誌連載版のままの復刻である。

2009.11.22
[情報館]を更新。

「本格ミステリー・ワールド 2010」の表紙や扉などのラフ・デザインが出てきた。

2009.11.20
[情報館]を更新。

「新刊」
 鯨統一郎『山内一豊の妻の推理帖』光文社カッパ・ノベルス

 12月20日頃に発売になる、島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2010」(南雲堂)の通しゲラが出てきた。素晴らしい内容なので、一読者になって、楽しく読んでしまった。また、「黄金の本格ミステリー」も決定。今年は8作品だ!

 来年1月に講談社文庫から発売になる拙著『聖域の殺戮』(宇宙捜査艦《ギガンテス》シリーズ)のゲラが出たので、校正作業を行なう。

2009.11.12
[情報館]を更新。

 綾辻行人氏の『Another アナザー』を読了。これから読む人は、後書きを本編より先に読まない方が良いと思う。

 画家の石塚桜子さんに、アトリエを見せてもらう。100号ほどの大きな絵がズラリとあって、迫力に満ちた、生の芸術作品を目の当たりにするのは大変な刺激だった。

 早川書房のSFアンケート、海外部門のみ回答。

2009.11.08
[新刊]
「シャレードヌーボゥ 6号 鳥飼否宇特集」甲影会
 ピーター・トレメイン『蛇、もっとも禍し(上)』『同(下)』創元推理文庫

 DVD『スタートレック』が届く。付録のエンタープライズ号のプラモもなかなか良いでき。音声日本語で映画が見られるのは嬉しい。私は字幕で見るのは嫌いなのだ。

 bk1で、『ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集(4)』と萩尾望都『レオくん』を取り寄せ。

2009.11.05
[情報館]を更新。

[新刊]
 綾辻行人『Another アナザー』角川書店 09.10.30

 国書刊行会に直接注文した『冒険狂時代・ピピちゃん (手塚治虫オリジナル版復刻シリーズ)』が届く。雑誌連載の復刻なので、カラーも含めて味わい深い。

「ニコリ」の「名探偵Zの事件簿」や「サスペリアミステリー」の連載原稿を書く。後者では、清水玲子『秘密』を取りあげる。

 12月中旬に南雲堂から出る、島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2010」の編集作業が急ピッチで進んでいる。今年も、たくさんの作家さんの協力の下、非常に内容の濃いものになっている。台湾での島田荘司賞を中心としたアジア本格の特集、ポール・アルテ氏とつずみ綾氏とのメール交換(第二弾)、北村薫氏と私の対談、笠井潔氏と渡邉大輔氏と小森健太朗氏の対談、本格ミステリー論壇(加賀美雅之、東川篤哉)、黄金の本格ミステリーなど、本当に盛りだくさん。

2009.10.31
[新刊]
 汀こるもの『赤の女王の下に』講談社ノベルス 09.11.05
 鯨統一郎『タイムスリップ忠臣蔵』講談社ノベルス 09.11.05
 小島正樹『武家屋敷の殺人』講談社ノベルス 09.11.05
 千澤のり子・二階堂黎人『レクイエム 私立探偵・桐山真紀子講談社ノベルス 09.11.05

 千澤のり子さんと私との合作『レクイエム 私立探偵・桐山真紀子』の見本刷りが届いた。シリーズ第2弾。11月5日頃に発売になるので、よろしくお願いします。
 なお、千澤さんが先に『マーダーゲーム』(講談社ノベルス)で単独デビューしたことなどを受けて、今回は連名としました。シリーズは今後、『ウエディング』『クレーマー』『ファッション』……と続く予定。

 昨晩は、WOWWOWで、映画『スタートレック』の緊急放映があったので見た。やっぱり面白いぞ、この映画。トレッキーとしては、細かい点で突っ込み所もあるけれど、そんなこといいや、という気にさせる娯楽作品。

 Amazonに、『冒険狂時代・ピピちゃん (手塚治虫オリジナル版復刻シリーズ)』を予約しておいたのに、昨日になって「本を確保できなかったから送れない」というふざけたメールを発信してきた。まったく、何のための予約なんだか。しばらくは、ネットで本を買う場合、bk1か楽天を使うことにする。


2009.10.29
[新刊]
 笠井潔『人間の消失・小説の変貌』東京創元社 09.10.30
 愛川晶『うまや怪談』原書房 09.10.26

 辻村深月氏の『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』、大村友貴美氏の『霧の塔の殺人』、詠坂雄二氏の『電氣人閧フ虞』、藤岡真氏の『七つ星の首斬人』などを読了。
 詠坂雄二氏の『電氣人閧フ虞』は、着想と結末が面白い。あと少し何かが加わるか違っていれば傑作になったかも。

2009.10.23
 国書刊行会から、近々、『冒険狂時代・ピピちゃん (手塚治虫オリジナル版復刻シリーズ)』という本が出る(定価:6300円/B5判・上製函入/210頁)。オール・カラーの雑誌連載版の復刻である。しかも、箱入りの愛蔵版。
 この後は、二ヵ月おきに、『サボテン君/怪傑シラノ』、『ケン1探偵長』とのこと。販売も好調なら、続刊もあり得るという話である。もちろん、私も買う。

2009.10.21
[情報館]を更新。

[新刊]
 辻村深月『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』講談社 09.09.14
 高田崇史『QED 出雲神伝説』講談社ノベルス 09.10.21
 森福都『マローディープ 愚者たちの楽園』講談社ノベルス 09.10.21

 貫井徳郎氏の『後悔と真実の色』を読了。抜群の安定感。迫真の警察小説+ニーリィ的サプライズ・エンディング。

 汀こるもの氏の『リッターあたりの致死率は』を読了。シリーズで一番良い。毒殺+誘拐+タナトスに新味と妙味が。

2009.10.18
[新刊]
 辻真先『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ アニメとはなにか』松籟社

 年末恒例の回答原稿は、「IN・POCKET」「このミス」「本格ミステリー・ワールド 2010」など。早川書房の「ミステリが読みたい!」は、今年は方式が変わるということで(「文春」方式に近い)、今年は辞退。

 11月に講談社ノベルスから出る、私と千澤のり子さんとの合作『レクイエム 私立探偵桐山真紀子』の再校ゲラが出たので、その確認。

 連載原稿『僕らが愛した手塚治虫』を執筆して亜空間通信で送付。今回は、旧・手塚治虫ファンクラブの発足時のことを書いた。

 北山猛邦氏の「名探偵音野順の事件簿シリーズ」の2冊、『踊るジョーカー』と『密室から黒猫を取り出す方法』を読了。物理トリックに拘泥しているところが立派だし、探偵たちがコミカルな感じなところが愉快で、非常に楽しめた。お勧め。

 鮎川賞受賞作の、相沢沙呼氏の『午前零時のサンドリヨン』も読了。良い意味で少女趣味な「日常の謎的小説」。一昔前に「花とゆめ」あたりに載っていた少女マンガを思わせる。文章や語り口は実に達者。

2009.10.14
[新刊]
 貫井徳郎『後悔と真実の色』幻冬舎 09.10.10

 Mクラスの書店で、中村融・編『ロマンティック時間SF傑作選 時の娘』創元推理文庫、辻真先他『探偵Xからの挑戦状!』小学館文庫、パブロ・デ・サンティス『世界名探偵倶楽部』ハヤカワ・ミステリ文庫を発見。転送収容。

 東川篤哉氏の『ここに死体を捨てないでください!』と山口雅也氏の『新・垂里冴子のお見合いと推理』を読了。どちらもニッコリ・マークを付けたい。

2009.10.11
[新刊]
 辻真先『四国・坊ちゃん列車殺人号』光文社文庫 09.10.20
 石持浅海『BG、あるいは死せるカイニス』創元推理文庫
「ミステリーズ! Vol.37」東京創元社
 相沢沙呼『午前零時のサンドリヨン』東京創元社(第19回鮎川賞受賞作) 09.10.15

 9日夜は、第19回鮎川賞のパーティ。例によって楽しいパーティなのだが、人が多すぎて、話がじっくりできないとか、顔を合わせることすらできない人がいたりして、そこが弱点。乾杯の音頭に立った北村薫さんが「ここにいる方々は、本格の家族です」というようなことを言われたが、まったくそのとおり。実に暖かい雰囲気であった。
 今回の受賞者の相沢沙呼氏は、マジックがプロ級に趣味ということで、挨拶代わりにマジックを見せてくれた。見事な腕前である。二次会の席でも、トランプを使ったテーブル・マジックを披露され、島田荘司先生や編集さんたちを喜ばせていた。

 写真は、(1)鮎川賞の選評を語る山田正紀さん。(2)ミステリーズ!新人賞の選評を語る有栖川有栖氏(受賞作なし)。(3)マジックを披露する相沢沙呼氏。(4)乾杯の音頭を取る北村薫さん。(5)一同並んでの写真撮影。(6)台湾で第1回島田荘司推理小説賞を受賞したばかりのミスター・ペッツ氏、通訳の張東君氏、私(受賞作は、来年3月に文藝春秋から刊行予定)。


2009.10.07
[新刊]
 望月守宮『無貌伝 〜夢境ホテルの午睡』講談社ノベルス 09.10.06
 山口雅也『古城駅の奥の奥』講談社ノベルス
 大村友貴美『霧の塔の殺人』角川書店 09.09.30

 山口芳宏『妖精島の殺人(上)(下)』を読了。根本的なトリックは見抜いた。というのも、自分が次に書こうと思っている『仮面王の不思議』にも同系統のトリックが出てくる予定だからだ。しかし、この大がかりさと、きちんとしたメカニズムの説明には感心した。この手の作品の弱点を、ようやく払拭したと言える。

 麻生荘太郎氏の『闇の中の猫』を読了。とてもデビュー作とは思えない手練れ。前半はことに面白く、キャラも実にうまく立っている。趣向的に、歌野晶午氏のライヴァルが現われたか、と思ったほど。

 どちらも「お勧め」だが、どちらも中盤がやや長くてだれるという欠点を持っている。これは、最近の新人の作品に共通して言える傾向でもある。もう少し刈り込んで欲しい。特に、新人賞応募作の場合には。

2009.10.02
[新刊]
 山口芳宏『妖精島の殺人(下)』講談社ノベルス 09.10.06

 花村えい子先生の自伝『私、まんが家になっちゃった!? 漫画家・花村えい子の画業50年』(マガジンハウス)を一気に読む。まるで、宮尾登美子が書いた女の一代記を読むような抜群の面白さ。もちろん、漫画ファンの資料としても重要度は大。

 久々にびっくりするほど面白いSFに出会えた。ジャック・ヴァンス『ノパルガース』(早川文庫SF)がそれだ。結末はいくらか尻つぼみ気味だが、出だしは唖然とするようなアイデアが炸裂。短くても面白いSFは書けるんだぞ、という見本にも。

 米澤穂信氏の『追想五断章』を読む。文学的芳香を漂わせる秀作。より純文的技巧に寄った『儚い羊たちの祝宴』と合わせて読みたい。

2009.10.01
[新刊]
 麻生荘太郎『闇の中の猫』東京創元社 09.09.25
 D・M・ディヴァイン『災厄の紳士』創元推理文庫 09.09.30

 麻生荘太郎さんは、島田荘司先生の命名による期待の新人。

 帝国ホテルで、北村薫さんと対談。その内容は、12月に南雲堂から発売される「本格ミステリー・ワールド 2010」を見てください。

 その後、乱歩賞のパーティーに顔を出す。挨拶と選評の間、一時間ほど立っていたら腰が痛くなり、早々に退散。というので、声を交わした人も、竹本健治さん、山前譲さん、太田忠司さん、有栖川有栖さんだけという結果。

 以下の写真は、(1)対談中の北村薫さんと私。(2)乱歩賞の挨拶をする推協理事長の東野圭吾さん。(3)選評を語る内田康夫さん。(4)受賞者の遠藤武文さん。


2009.09.26
[新刊]
 山田正紀『イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ』早川書房

 Sクラスの書店で、早川文庫のクレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』、アーサー・C・クラーク『都市と星』を転送収容。どちらも新訳ということで。

 島田荘司先生が監修する《アジア本格リーグ》の刊行が始まった。まずは、台湾の藍霄『錯誤配置』と、タイのチャッタワーラック 『二つの時計の謎』の2冊が講談社から。他にもインドや韓国のものを含め、全6冊が出るらしい。


2009.09.25
[新刊]
 詠坂雄二『電氣人閧フ虞』光文社 09.09.25
 大崎梢『ねずみ石』光文社 09.09.25

「サスペリア」などでミステリー・マンガを描いておられる横濱マリアさんが、御自分のブログの方で、拙著サトル・シリーズに出てくるシオン君の絵を描いてくださっている。そうなんです。シオン君はこんな感じですね(笑)。
 ブログ「横濱マリアの堂々とした推理」は、こちら

2009.09.24
[情報館]を更新。

 連休を利用して、以下の本を読む。

 神郷智也氏の『枯れゆく孤島の殺意』は、木々が枯れる理由が面白い。ただし、文章を含めて全体的なできはまだ習作という感じ。次作以降に期待。
 
 ミホ・ライト氏の『FRAGILE フラジャイル』は、翻訳警察小説の趣。

 恩田陸氏の『訪問者』は、プロットは凝ってはいるが、前提となるべき事実についての提示や検証が(その時々において)不充分で、後から明らかになる事柄を含めて、読者がどこまで信じていいのか解らない(全体がメタ構造なのではないかという疑いさえ、最初から最後まで拭えない)。よって推理不能の領域が大きく、サスペンスの枠内に留まっている作品。
(追記:後で気づいたが、『訪問者』の帯にはちゃんと「サスペンス」と書いてあったね)

2009.09.17
[情報館]を更新。

 ジェネオン・ユニバーサル・エンタテインメントから、予約しておいた『鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集 ユニット1』が届く。雑誌「少年」連載時のままの完全復刻は、手塚ファンの長年の夢であった。


2009.09.16
[新刊]
 篠田真由美『アルカディアの魔女 北斗学園七不思議 (3)』理論社 09.09
 中野晴行・編『ブラック・ジャック ザ・ミステリー』秋田書店

 某地のブックオフへ定点観測に寄ったら、早川書房のアガサ・クリスティー文庫がずらりと揃っているではないか。しかも、まったく読んだ気配がない新品同様の状態。この文庫のカバーは妙に弱くて(紙が薄いのか、ビニールコーティングをケチっているのか)、背中の一番上の所が潰れているものが多い(古本だと特に)。しかし、そこにあった本にはそうした損傷もまったくない。
 100巻全部買おうと思ったが、良く見たら何冊か抜けている。『そして誰もいなくなった』、『アクロイド殺し』、『オリエント急行』、『邪悪の家』が見つからない。途端に購買意欲が失われて、結局、残っているポアロとミス・マープルの長編をすべてと、ノン・シリーズでは『忘られぬ死』と『シタフォードの謎』を転送収容することにした。
 思わぬ出費であった。

2009.09.15
[新刊]
 桐野夏生『対論集 発火点』文藝春秋

 柄刀一氏の『UFOの捕まえ方』を読了。不可思議な謎に堅牢な推理。良質の作品ばかりが詰まった短編集で(表題作は短めの長編だが)、お勧め。

2009.09.10
[新刊]
 米澤穂信『追想五断章』集英社

 相変わらずびっくりするような不可能犯罪が出てくるミステリチャンネルの『ジョナン・クリーク』。昨日やっていた奴は、容疑者となる警部の名前がフェルで、事件関係者にランポールがいたりする。ニヤリとしちゃうな。

2008.09.08
 深水黎一郎氏の『花窗玻璃 シャガールの黙示』を読了。
 建築ミステリーと美術ミステリーの見事な融合にして、それらのジャンルの歴史に名を刻むような傑作。
 構成(文章を含む)として凝った部分や、建築と美術の含蓄に酔いながら、最後まで読むと、巨大なトリックが押し寄せて驚く。そのトリックを支える細かい証拠や伏線にも感心する。何より、結末において、若き名探偵の自己形成の物語として輪郭がくっきり浮かび上がるところが素晴らしい。こういう本物の感動なら大歓迎。美しさのあまり、大いにお勧め。

 三津田信三氏に、扶桑社文庫から『ミスター・ディアボロ』という本が出ていることを教えてもらう。扶桑社文庫はふだん私のセンサー領域外にあるので、存在をまったく知らなかった。慌ててSクラスの書店を探査し、転送収容する。

2008.09.05
[情報館]を更新。

[新刊]
 法科学鑑定研究所『犯人は知らない科学捜査の最前線!』メディアファクトリー
 ミステリー文学資料館・編『探偵小説の風景 トラフィック・コレクション(下)』光文社文庫 09.09.20
 三津田信三『赫眼』光文社文庫 09.09.20
 石持浅海『座間味くんの推理 心臓と左手』光文社文庫

 物質転送機で、『完訳ファーブル昆虫記 第7巻下』を取り寄せる。

2008.09.03
[新刊]
 深水黎一郎『花窗玻璃 シャガールの黙示』講談社ノベルス 09.09.07
 山口芳宏『妖精島の殺人(上)』講談社ノベルス 09.09.07
 倉阪鬼一郎『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』講談社ノベルス 09.09.07
 古野まほろ『探偵小説のためのインヴェンション「金剋木」』講談社ノベルス 09.09.07

 宗形キメラ名義の『私立探偵・桐山真紀子 レクイエム』は、講談社ノベルスから11月の刊行予定で進行中。

2008.09.02
 SクラスのHMVで、ゴットハードの新作『ニード・トゥ・ビリーヴ(SHM-CD)』を転送収容。値段の高いSHM-CD版しか置いてなく、仕方なくそれを購入。楽曲の内容は非常に満足のいくでき。

 コンビニを探査して、コンビニ本の『ジャングル大帝』(集英社)を転送収容。一昨年発売されたものを、5日にやるテレビアニメの『ジャングル大帝』(フジテレビ)に合わせ、表紙を付け替えたもの。

2008.08.30
 前々から欲しいと思っていた、ポプラ社の『百年小説』をとうとう購入。文字がめったやたらに大きいので(しかも、総ルビ)、老眼の身にはありがたい。収録作品も概ね納得。芥川龍之介や川端康成は他の作品の方が良かったが。


2008.08.29
 ヘレン・マクロイ『幽霊の2/3』は、旧版を持っているが読んでいなかったので、新訳で読んでみた。1/3ぐらいで、「何だか似た話を知っているなあ」と思い、2/3くらいで、「もしや、読んでいたか」と疑惑が生じ、3/3で、「やはり過去に読んでいた」と確信がいった。旧版で読んでいたことをすっかり忘れていたのである。

2008.08.27
[新刊]
 折原一『逃亡者』文藝春秋 09.08.30
 ヘレン・マクロイ『幽霊の2/3』創元推理文庫
 谷原秋桜子『手焼き煎餅の密室』創元推理文庫 09.08.28
 北山猛邦『密室から黒猫を取り出す方法』東京創元社 09.08.28

 ブックセンターいとうの福生店ができたというので(7月に開店したらしい)、行ってみた。収穫はなし。ブックオフ福生店と、ブックオフ瑞穂店も見てきたが、やはり収穫はなし。

2009.08.23
[新刊]
 光原百合『イオニアの風』中央公論社
 ドナルド・E・ウェストレイク『忙しい死体』論創社(論創海外ミステリ)

 いつもはリープチェアを愛用している私だが、ここ2週間は、仕事用の椅子としてコンテッサを使ってきた。その理由は、夏は暑いので、クッションよりメッシュの方が涼しいから。しかしコンテッサは、肘掛けの先端が机の手前に当たってしまってどうにも具合が悪い(前にも書いたたが、コンテッサの肘掛けは格好ばかりで、設計が悪い)、そこで改良を加えることにした。
 肘掛けは、根本に近い所で六角ボルト8ミリにより止まっている。それをはずして、左右の肘掛けを入れ替えて付け直す。そうすると、肘掛けの先端が後ろの方を向く。この状態ならば、座っていて、肘掛けが机の手前に当たることがなくなる。快適になった。


2009.08.22
[情報館]を更新。

[新刊]
 流星さがし『柴田よしき』光文社 09.08.25
 東川篤哉『ここに死体を捨てないでください!』光文社 09.08.25
 小川一水『煙突の上にハイヒール』光文社

 高田崇史氏の『カンナ』シリーズを、既刊分をすべて読み終える。

2009.08.20
[情報館]を更新。

[新刊]
 芦辺拓『少女探偵は帝都を駆ける』講談社ノベルス 09.08.19
 はやみねかおる『虹北恭介の冒険 フランス陽炎村事件』 09.08.19
 北村薫『元気でいてよ、R2−D2』集英社 09.08.30

 10年くらい前から噂にあった、エドガー・ライス・バローズの『火星のプリンセス』の映画化(ディズニー制作)が本格的に動き出したらしい。とはいえ、公開は2012年だし、これまでの経緯を見ると、公開されるまで安心はできないが。

2009.08.19
 近所のブックオフを探査したら、藤子・F・不二雄大全集の『オバケのQ太郎(1)』があったので転送収容。あらためて読むと、初期の『オバQ』って、藤子不二雄のマンガというより、(このマンガで脇役を描いている)石森章太郎のマンガみたい。『ドンキッコ』とかの雰囲気に感じに近い。

 Amazonを覗いたら、『スタートレック(11)』のDVDとブルーレイの予約が始まっていた。注文したのは、エンタープライズ号のプラモ付きのこれ。

スター・トレック エンタープライズ号BOX<7,000セット限定> [DVD] 


2009.08.18
 自分にお盆休みと言い聞かせて、本を読んで過ごした。
 高田崇史氏の『カンナ 飛鳥の光臨』は、『QED』シリーズよりも現代の事件がさらに軽い方にふってある。聖徳太子の謎解きは例によって説得力あり。
 柄刀一氏の『奇蹟審問官アーサー 死蝶天国』は、神学論争などもあって知的興奮たっぷり。不可能犯罪や神秘的な出来事が合理的に解かれていくが、その切れ味が素晴らしい。お勧め。
 歌野晶午氏の『密室殺人ゲーム2.0』。最初、シリーズものはまず書かない歌野氏が何故? と思いながら読みだしたら、「そういうわけだったのか!」っと、見事に驚かせてくれる。設定は斬新かつ先鋭的で、ふんだんに盛り込まれたユーモアがあり、しかも意表を突くトリックが次々に出てきて、緻密な推理が展開される。大いに満足ですごくお勧め。
 三津田信三氏の『密室(ひめむろ)の如き籠もるもの』。短編三つに、書き下ろしの中編(短めの長編)という構成だが、非常に立派な出来映え。特に書き下ろし作品が抜群に面白い。子供の目線から入るから、いつもに比べて解りやすいし、推理の組み上げ方が堂に入っている。どんでん返しも鮮やかで、抜群にお勧め。

2009.08.10
『ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集〈3〉』を物質転送機で取り寄せ。このエッセイ全集は十年後まで読まずに取っておくつもりだったけれど、自作解説集というので、すぐに読んでしまった。

 いよいよ『手塚治虫文庫全集』の告知が始まった。前のB6判の全集には未収録だった作品も入るという。ただ個人的には、文庫サイズではなく、大型の愛蔵版で出して欲しかった。

2009.08.08
[新刊]
「ミステリーズ!」2008.AUG Vol.36 東京創元社

 1日半かかって、ようやく、デスクトップ・マシンTNG号が復旧した。その経緯はこう。
 ソフト的には、レジストリの整理、デフラグ、スキャン・ディスク、キーボード・ドライバーの更新など。マシン的には、ケースを開けて、ゴミ掃除、各種端子や増設ボードの取り付け直し、メモリの接続箇所を変えたり、二つあるメモリを一つずつ付け直して様子を見るとか。BIOSの確認も。キーボードも、真新しい物に交換してみた。
 で、結局、何がいけなかったかというと、キーボード・ドライバーを更新した後、キー設定変更ユーティリティーを導入していたのだが、その際、ウイルスバスター2009が、一部のファイルを、「WindowsXPのシステム・ファイルを変更する」とか何とかで拒否していたのである。そのため、キーボードでの入力の不調が起きていたのだ。
 そのことに最後になって気づき、ウイルスバスター2009をOFFにして、キーボード・ドライバーとキー設定変更ユーティリティーを新たにインストールし直して、やっとマシンが快調に動くようになったのである。

2009.08.06
[新刊]
 歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』講談社ノベルス 09.08.06
 霧舎巧『名探偵はどこにいる』講談社ノベルス
 赤星香一郎『虫とりのうた』講談社ノベルス 09.08.06
 篠田真由美『angels 天使たちの長い夜』講談社文庫
「メフィスト」2009 VOL.2 講談社

 ノートパソコン(パナソニック CF-R5親指シフト改)のバッテリーの件。充電不足かと思ったがそうではなく、バッテリー・ランプが赤点滅していた。ヘルプを見ると、バッテリーの異常か、本体受電回路の異常とのこと。
 とりあえず、新しいバッテリーを取り寄せてみたところ、ちゃんと充電できた。ひとまず安心。
 富士通のノートパソコンのバッテリーは、メモリー効果でだんだんへたっていくが、パナソニックのバッテリーは、このように突然死ぬものなのだろうか。

 デスクトップTNG号も、まだ時々フリーズし、時々、文章を打っている時にBIOSからピッというエラー音が出る。調子悪い。

 昨日は、「日刊ゲンダイ」の取材。「死ぬまでに読みたい取って置きの本」について。

2009.08.01
 腰が痛くて朝早く目覚める。
 デスクトップ・パソコンも調子が悪く、二度もフリーズした。
 ノートパソコンで仕事をしようと喫茶店に行ったら、バッテリーがなかった。

 ピーター・ラヴゼイの『処刑人の秘めごと』を読んでいなかったことに気づき(うっかり買いそびれたようだ)、物質転送機で取り寄せ。

2009.07.28
[新刊]
 内田康夫『ぼくが探偵だった夏』講談社ミステリーランド 09.07.30

『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ 〈セカンド・シーズン〉』を、6巻までレンタルして見た。それなりに面白いのだが、やたらに未来からロボットや人間がタイムマシンでやってくる。そんなんだったら、どんな時間改変でも可能だろうと、ちょっと興醒めしてきた。

2009.07.27
 お陰様で、『智天使(ケルビム)の不思議』は好評なようである。刊行三週間くらいで、10人以上の知り合い(作家・編集者・ライター等)から面白かったという感想をもらったが、こんなに初速の良い作品は久々の気がする。
 ところで、犯人の大御所マンガ家の名前を「天馬ルミ子」としたが、加賀美雅之氏から、1970年代終わりに、そういう名前のアイドル歌手がいたという指摘を受けた。これにはびっくりした。「天馬」はもちろん、『鉄腕アトム』の「天馬博士」から取ったものだし、貸本マンガ時代の作家の名前を意識して――たとえば、赤松セツ子とか――こういうベタな名前にしたのだが、まさか同姓同名の人がいるとは。あの頃は、歌謡曲はほとんど聞かなかったので、まったく知らなかった。
 というわけで、文庫化の時には、「天馬ルリ子」とかに変えるかも。

 弥生美術館では、『昭和少年SF大図鑑』で使われた図版などの原画を展示した展覧会を開いているそうだ。
 9月になったら行こうかな。

2009.07.26
[新刊]
 藤岡真『七つ星の首斬人』東京創元社 09.07.30

 秋田書店の「プレイコミック」が1000号記念だとかで、手塚治虫先生の「空気の底」シリーズ3編を納めた付録を付けていた。コンビニで偶然発見し、トラクター・ビームで牽引。

 Sクラスの書店で、「ミステリマガジン」9月号と、堀江あき子『昭和少年SF大図鑑』河出書房新社を転送収容。「ミステリマガジン」は密室特集で、アルテやホックの短編が収録されている。


2009.07.25
[情報館]を更新。

[新刊]
 限界小説研究会『社会は存在しない セカイ系文化論』南雲堂 09.07.17

 天気が悪いと腰痛がぶりかえす。気圧のせいか。

 昨日は、某出版社の編集さんと打ち合わせ。その後、Sクラスの書店で、西岸良平さんの新刊『鎌倉ものがたり(26)』と『三丁目の夕日 夕焼けの詩(56)』を転送収容。

2009.07.22
[新刊]
 門井慶喜『おさがしの本は』光文社 09.07.25

 19日に満50歳になった。「少年マガジン」「少年サンデー」「創元推理文庫」「劇画」などと同じ年である。
 20日に、ある方々が吉祥寺で誕生会を開いてくださった。びっくりするくらい面白くて、感激した。

『手塚治虫の理科教室』(いそっぷ社)をMクラスの書店で転送収容。単行本未収録作品の収録があり。

2009.07.18
[情報館]を更新。

 レイトショーで、『トランスフォーマー/リベンジ』を見てくる。全体的には面白かったが、後半の軍事紹介シーンは長すぎてやや退屈した。

 水生大海氏の『少女たちの羅針盤』を読了。かなり良かった。青春ミステリーや佐々木丸美系が好きな人に向いている作品。

2009.07.17
[新刊]
 松尾由美『オランダ水牛の謎』創元推理文庫
 竹内真『文化祭オクロック』東京創元社 09.07.30

 パズル雑誌「ニコリ」の連載原稿を「名探偵Zの事件簿」を書いて、亜空間通信で送る。今回の題名は「物質転送機」。

 台湾で翻訳された拙著の見本刷りが届く。今回は、『魔術王事件』と『悪魔のラビリンス』と『名探偵の肖像』
の三冊。


2009.07.12
[新刊]
 青井夏海『シルバー村の恋』光文社文庫 09.07.20
 水生大海『少女たちの羅針盤』原書房 09.07.23

『少女たちの羅針盤』は、島田荘司選・第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作『罪人いずくにか』を改稿して、いよいよ刊行となったもの。

 芥川賞作家の多和田葉子さんは、僕の中学の時の同級生なのだが、13日月曜日に、こんな所に出没するという情報をつかむ。

2009.07.06
[新刊]
 高田崇史『カンナ 奥州の覇者』講談社ノベルス 09.07.06
 島田荘司『溺れる人魚』講談社ノベルス 09.07.06

 ポプラ社から、『手塚治虫・あかしや書房傑作選シリーズ』の全巻購読応募プレゼントが届く(予定より一ヵ月遅れだったね)。全7巻中、1巻から6巻までが入る紙箱(何故、7巻は除外?)と、増紙社版『サボテン君』の復刻版。この復刻版には、講談社の全集などに未収録の、『サボテン君』の短編が入っている。

 整体の帰りに書店探査。柴山達雄・小林準治『虫プロてんやわんや 誰も知らない手塚治虫』(創樹社美術出版)を転送収容。

2009.07.02
[新刊]
 大橋博之・編『光瀬龍 SF作家の曳航』ラピュータ
 千澤のり子『マーダーゲーム』講談社ノベルス 09.07.06

 私と合作で、私立探偵・桐山真紀子シリーズ(既刊は、宗形キメラ名義『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』)を書いている千澤のり子さんが、この度、『マーダーゲーム』で本格的に(単独)デビューする。ぜひ、御購読を。

 私も光瀬龍のSFを読んで育ったところがあるので、『光瀬龍 SF作家の曳航』は、たまらない贈り物だった。未だに美少女というと、NHKの少年ドラマ・シリーズ『暁はただ銀色』に出ていたテレサ野田を思い出すくらいだから。

2009.07.01
 28日は東京立川で、MIXIの「【紫煙】 “二階堂蘭子”倶楽部」コミュニティ」参加者と共に、「『智天使の不思議』刊行記念小サイン会&お茶会」を行なう。総勢8名というこぢんまりしたものだったが、その分、じっくりとファンの方々とお話ができたので、とても楽しかった。幻影城城主・黒蜥蜴さんまで来てくださった、昼間だというのに(笑)。

 腰と胃の調子が悪いので、整体院で鍼を打ってもらう。

 DVDで『007 慰めの報酬』を見る。イマイチ。ユーモアなし、秘密兵器なし、最後の盛り上がりなし。前回の女スパイなんて記憶にないし。
 次の『007』はCGで、ショーン・コネリーを出したらどうか(笑)。

 長い間探していたソノシートをようやく入手。「夢の超特急 ひかり号の旅」というもの。残念ながら、プレイヤーがうちにないので、音を聞くことができない。

2009.06.26
[新刊]
 後藤均『ゴルディオンの結び目』東京創元社 09.06.25

 北村薫氏の『鷲と雪』を読了。滋養がある。

 早川文庫SFの『スパイダー・スター』(上)(下)を書店で転送収容した。家の文庫用本棚に入れようとしたら、収まらなかった。文字を大きくした早川文庫SFは、背丈も伸びていたのね。

2009.06.24
 宗形キメラ名義(千澤のり子氏との合作)の、『レクイエム』をようやく脱稿。ボーグ・キューブに乗せ、トランスワープ・チューブを通して、講談社へ送ったところ。

 さて、休みなく、もう一つの合作『カンボジア・アポカリプス』の完成を目指さねば。

 最近聞いたハードロック盤。
 フェア・ウォーニング「AURA(初回限定盤)」 かなり良かった。
 プラス・ヴァンドーム 「ストリーツ・オブ・ファイア」 とても良かった。
 アンサン「ジ・エンド・オヴ・ライフ」 ずいぶん良かった。
 サンダー「バン!」 ブルース色が強すぎてイマイチだった。

2009.06.23
[情報館]を更新。

 北原尚彦氏の『古本買いまくり漫遊記』を読了。古本屋にいるような臨場感や匂いがする、抱腹絶倒の本。できれば、全県の古本屋探訪記であってほしかった。
 途中、読んでいて、ゲッと叫んでしまった。2年ほど前、所沢のほんだらけに2回ほど行き、その都度、ある本を買おうかどうしようか迷った。新書判コーナーにあった有栖川有栖さんのパロディ本で、ポケミスの装幀そっくりという凝りよう。結局買わず、数日後にパーティーで会った有栖川さんにその話をしたら、「あ、その本、知りませんね。買ってきてくれませんか」と頼まれる。で、翌日、ほんだらけへ行ったのだが、もうなくなっていたのだった。
 で、それを誰が買ったのか……それは、この『古本買いまくり漫遊記』を読めば解るのである。

2009.06.21
[情報館]を更新。

[新刊]
 ハーバート・ブリーン『メリリーの痕跡』論創社(論創海外ミステリ)
 乾くるみ『六つの手掛かり』双葉社

『ターミネーター4』をレイトショーで見てくる。近未来戦争アクションと思えば、なかなか面白い映画。だが、ターミネーター・シリーズだとすると、矛盾が多すぎるし、設定にも問題があるしで……ドンパチうるさい映画だった。

2009.06.19
 月曜から左の肩胛骨のあたりが痛くて、昨日、今日の朝は、その痛みで目覚めるほど。左腕が肩より上がらず、首も回しずらい。整形外科でレントゲンを撮ると、ストレート・ネックに背骨の湾曲(横方向)がはっきり写っている。痛み止めと筋肉弛緩剤と湿布をもらって、様子見ということに。

 北原尚彦氏の『古本買いまくり漫遊記』と、ポケミス『新・幻想の怪奇』を、物質転送機で転送収容。後者は、シェクリィの名に惹かれて購入。

2009.06.18
[情報館]を更新。

[新刊]
「CHARADE NEUVE 5号 大倉崇裕特集」甲影会

 水乃サトル・シリーズの最新長編 『智天使(ケルビム)の不思議』の見本刷りができてきた。装幀はこんなふうに格好良い。水乃サトル・シリーズは、大学生編(不思議シリーズ)と、社会人編(マジック・シリーズ)に分かれるが、これは、大学生と会社員の両方のサトルが出てきて謎を解き、稀代の悪女と対決する物語である。発売は23日の予定。
 なお、次の水乃サトル・シリーズは、『仮面王の不思議』の予定。


 大倉崇裕氏の『福家警部補の再訪』を読了。すごく良かった。お勧め。

2009.06.17
[新刊]
 山口雅也『新・垂里冴子のお見合いと推理』講談社

 山川惣治の最も入手困難な単行本『鉄のみち』の書影を、別館の山川惣治のページに掲載。こちらから。

 原書房から出る、二階堂黎人・編『不可能犯罪コレクション』の見本刷りができてきた。発売は、大手書店だと明日18日からの模様。題名どおり、不可能犯罪もののオンパレード。どの作品もとても面白いので、ぜひ読んでください。


2009.06.16
[情報館]を更新。

[新刊]
「ジャーロ」36号 光文社。

 13日は、都内某所にて、第9回本格ミステリ大賞の授賞パーティーに参加。
 その前に、神保町へ行って、昔から探していたマンガを発見。大枚をはたいてしまった。

 写真は、(1)受賞者の牧薩次(辻真先)先生と、円堂都司昭氏。(2)旧会長の北村薫氏より賞状が、牧薩次先生に渡されるところ。(3)主賓の挨拶をする、東野圭吾氏。推協理事長になったばかりで、初仕事だそうである。(4)会場をパノラマ写真で撮ってみた。手前は妖怪てかりオヤジ(笑)。


2009.06.10
[情報館]を更新。

[新刊]
「ミステリーズ! Vol.35」東京創元社

 Sクラスの古書店で、『私のモーツァルト』(帰徳書房編)を転送収容。手塚治虫のエッセイ「ぼくを導いてくれたモーツァルト」が載っているので。

2009.06.08
[新刊]
 黒田研二(脚本)『逆転裁判(5)』講談社
 黒田研二(脚本)『逆転検事(1)』講談社

『限定版オリジナルフィギュア付き アトムBOOK』(講談社)と、『手塚先生、締め切り過ぎてます!』(集英社文庫)を物質転送機で収容。
 前者は、アトム・グッズ蒐集第一人者の井澤豊氏のコレクションを写真集にしたもの。後者は、手塚治虫先生のチーフ・アシスタントの昔話。

2009.06.07
[情報館]を更新。

[新刊]
 浦賀和宏『荻原重化学工業連続殺人事件』講談社ノベルス 09.06.04
 古野まほろ『探偵小説のためのノスタルジア「木剋土』講談社ノベルス 09.06.04
 小前亮『セレネの肖像』講談社ノベルス 09.06.04
 楠木誠一郎『念写探偵 加賀美鏡介』講談社ノベルス 09.06.04

 Mクラスの書店で、水野英子『ローマの休日』祥伝社を転送収容。

 Amazonで、『鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集 ユニット1』の予約開始。
 商品の詳細は、こちらで。
 何とも嬉しいことよ!

2009.06.03
[新刊]
 本格ミステリ作家クラブ・編『本格ミステリ09』講談社ノベルス 09.06.04

『僕らが愛した手塚治虫』の原稿を書き、亜空間通信で小学館へ送付。今回は、『鉄腕アトム』の中に出てくる〈ベイリーの惨劇〉について書いた。

 光文社から連絡あり。新刊『智天使(ケルビム)の不思議』は、6月22日に取次に入るとのこと。東京の大手書店なら、その日の夕方くらいから店頭に並ぶかもしれない。

2009.06.01
[新刊]
 ミホ・ライト『FRAGILE フラジャイル』南雲堂SSKノベルス 09.06.11

『完全復刻版 リボンの騎士(なかよし版) スペシャルBOX』がUSSタイタンで到着。元版は持っているので、付録欲しさに購入。

2009.05.30
[新刊]
 石持浅海『まっすぐ進め』講談社 09.05.28

 昨日公開された、映画『スタートレック』を、劇場でも見てきた。やはりいいわあ、この映画。面白いし、楽しいし。スタートレック・ファンの壺をくすぐる所もたくさんあるし(ブリッジが明るいところが非常に良い。ヴォイジャーとかエンタープライズE型のブリッジは暗くて嫌だった)。最後に、例のナレーションが流れてくると、嬉しくて、ちょっと涙ぐみそうになってしまう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「裁判員制度」反対意見(4)

 これで最後。
(3)でも書いたが、裁判の審理は、素人にも解るように行なわれるべきである――きちんとした証拠に基づいて、有罪・無罪の事実判断を行なうということ。そこに、陪審員や裁判員が参加する意義や意味がある。

 しかし、量刑判断を裁判員にまで求めるのはやり過ぎ。量刑判断には、法律との照らし合わせや過去の判例を熟知している必要があって、素人には基本的には無理だからだ。この部分は、法律の専門家が行なうべきだろう。
 アメリカの裁判の場合には、陪審員は有罪・無罪の判断だけを行なって、量刑判断は裁判官などが行なう(だから、量刑を司法取引に使うことが可能となる)。
(なお、アメリカにも、量刑裁判というのがあるが、ここでは煩雑な話になるので触れないでおく)

 もう一つ、不思議なのが、何故、新しく始まる制度なのに、いきなり難しい重罪裁判に一般市民を参加させるかだ。軽い裁判から始めて、10年間くらい(5年でもいいが)訓練するとか、試験運用するとか、そういうことが、どうしてできなかったのだろうか。

2009.05.28
[新刊]
 歌野晶午『絶望ノート』幻冬舎 09.05.25
 神郷智也『枯れゆく孤島の殺意』講談社Birth 09.05.20

 講談社から、新しいレーベル《講談社Birth》が立ち上がった。新人発掘(作家及びイラストレーター、29歳以下)を目的とするもので、ジャンルは不問である。毎月20日頃に2冊から3冊出るそうだが、今月の創刊は特別に4冊とのこと。その中に、本格ミステリーの『枯れゆく孤島の殺意』も含まれている。

2009.05.27
[新刊]
 大門剛明『雪冤』角川書店(第29回横溝正史ミステリ大賞受賞作) 09.05.31
 白石かおる『僕と『彼女』の首なし死体』角川書店(第29回横溝正史ミステリ大賞優秀賞) 09.05.31

 台湾の新進気鋭のミステリー作家・ミスター・ペッツ氏が東京へ来ているというので、新宿でお茶会を開く。ちょうど、彼は、島田荘司先生の文庫版『摩天楼の怪人』の解説を書いたところだ。最新作の長編は、アンドロイドの出てくるSFミステリーだという。どこかの出版社が、日本語に翻訳して出してくれないだろうか。

 その後、彼と共に、角川の横溝正史ミステリ大賞のパーティーに顔を出してくる。


2009.05.24
[新刊]
 島田荘司『摩天楼の怪人』創元推理文庫
 佐々木丸美『風花の里』創元推理文庫
 獅子宮敏彦『神国崩壊』原書房 09.05.25
 ジュリアン・シモンズ『非実体主義殺人事件』
 中野晴行『マンガ進化論』ブルース・インターアクションズ

 6月下旬に原書房から出る、二階堂黎人・編『不可能犯罪コレクション』の通しゲラが出て来たので、確認する。
 これは、書き下ろしアンソロジーで、執筆者と作品は以下のとおり。すごく面白いのでお楽しみに!

  大山誠一郎『佳也子の屋根に雪ふりつむ』
  石持浅海『ドロッピング・ゲーム』
  鏑木蓮『花はこころ』
  岸田るり子『父親は誰だ?』
  門前典之『天空からの死者』
  加賀美雅之『〈首吊り判事〉邸の奇妙な犯罪』

2009.05.22
[情報館]を更新。

[新刊]
 桐野夏生『IN』集英社

 Amazonで、手塚治虫先生の『完全復刻版 リボンの騎士(なかよし版) スペシャルBOX』の予約が開始された。

 ペリー・ローダン・シリーズを、357巻まで読了。公会議サイクルが終わり、アフィリー・サイクルに突入。公会議の終わり頃からは、シリーズお得意のオデェセイもの(放浪もの)になったので、なかなか面白い。


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「裁判員制度」反対意見(3)

「裁判員制度」の反対者には、法律関係者(裁判官、弁護士他)が多い。彼らの主張は、「法律のような専門的なことは、素人には解るはずがない。だから、裁判は我々専門家に任せておけ」というものである。
 要するに、彼らは、特権的な立場の確保が目的で、このようなことを主張しているわけだ。

 しかし、この意見は大きな間違いだと私は思う。
 アメリカの裁判のように、判定者である陪審員(裁判員)は、すべて素人にすべきで、その素人にも解るように、裁判を進行しなければならない。つまり、アメリカの裁判のように、検事側、弁護士側とも双方がきちんと複数の確固たる証拠を提示して、「素人でも解るように」裁判を進めることが重要であろう。無論、裁判で使われる言葉・用語も、一般的なものの使用が望まれる。

 そうでないと、自白偏重の捜査や、現在までのような裁判の無意味な長期化を避けることができない。
 逆に言えば、証拠に比重が置かれるようになれば、警察も今までのような自白偏重とか代用監獄の使用などを慎むようになるだろう。これももちろん、冤罪防止に繋がるわけだ。

 しかも、今度の裁判員制度では、検察側は、自分たちが不利になる証拠を拒むことができるらしい。これでは、公正で公平な審理などできるはずがない。

2009.05.20
 望月守宮氏の『無貌伝 〜双児の子ら〜』を読了。世界観や構成は非常にしっかりしている。妖怪好きな人向けか。


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「裁判員制度」反対意見(2)

「裁判員制度」は憲法違反である。憲法の定める国民の義務は、教育、勤労、納税の3つのみである。それが裁判であろうとなかろうと、強制的に、他人の仕事を押しつけられてはたまらない。「裁判員制度」は、現行裁判制度の矛盾や不備、人出不足などの克服のため、その責務を我々国民に押しつけるものであり、憲法違反に他ならない。

 無論、アメリカのように、社会奉仕としての裁判参加が国民の間でしっかり確立していれば良い。しかし、日本ではまったくそうなっていない。昨日の言説にも関連するが、議論や意見の交換といった行為(ディペート))を、アメリカならば、子供の内から家庭や学校で訓練している。しかし、日本では、自分の意見を言わないことが美徳であるとして、それを暗黙のうちに強いている。このような状況下で、裁判員制度を行なっても、立派に機能することは望めないだろう。

「裁判員制度」では、裁判員に選ばれたことを公にしてはならないとなっている(名簿に入ったことなども)。しかし、これもおかしな話だ。「裁判員制度」がまともな社会奉仕だと言うなら、「私は裁判員に選ばれました(候補になっています)」と、堂々と発言できるべきで、周囲の人間も、(社会のためになるのだから)それを賞賛すべきである。そして、会社や地域から、その人を喜んで法廷に送り出すことが積極的にできるはずなのである。

2009.05.19
[新刊]
 島田荘司『島田荘司全集 III』南雲堂

 『島田荘司全集 III』は、5月25日頃の発売。付録のパンフレットの対談相手は、綾辻行人さんである。


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「裁判員制度」反対意見(1)

 いよいよ「裁判員制度」が始まるが、私はこの制度には反対である。したがって、裁判員に選ばれても拒否したいと考えている。
 反対の表明は以前にしておいたので、その理由を、今日から数回にわたって記す。

 なお、これが、アメリカで行なわれているような「陪審員制度」であれば、私は積極的にではないが、参加することも吝かではない。

 では、「裁判員制度」と「陪審員制度」のどこが違うのか。
 一番大きい点は、陪審員となる人の人数と、構成員の内容である。

 アメリカの裁判ドラマや映画などをよく見る人なら御存じのとおり、「陪審員制度」の陪審員の人数は12人であり、それは国民から抽選で選ばれた選ばれた素人(一般人)である。その12人は対等の存在であり、12人が、すべての証拠の吟味が終わったところで議論を行ない、全員の意見が一致しないと評決を下すことができない(一人でも反対がいれば、延々と議論が行なわれる)。

 対して、日本の「裁判員制度」は、原則、裁判官3人、一般人の裁判員6人の計9人という構成になっている。そして、多数決で評決を下すし、常に裁判官の方が一般人6人より上位に位置する。上位に位置するとは、たとえば、素人6人が有罪、裁判官3人が無罪と主張した時、多数決なら有罪となるはずなのに、多人数側に裁判官が一人でも入っていないと、この決定は無効となってしまうのだ。

 実は、アメリカの陪審員制度は、民主主義の根幹を成している。だから、奇数ではなく12人という偶数であり、合議によって評決が決まるのだ。

 日本人は、民主主義は多数に従う(あるいは、多数が優先される)ものだと勘違いしている人が多い。が、そうではない。様々な意見を持った人がそれぞれに主張し合い、意見を交換し、議論を行ない、最終的な一つの意見にまとまるのが民主主義である。話し合っている内に、少数意見だっものが良いということになり、それを全体で採択することもあろう。あるいは、少数意見も取り入れ、全体の意見を調整するようなこともあるだろう。

 ただ、この方法は時間がかかることも多い。そのため、政治などの場合には、緊急避難的に多数決を取り、それに従って動いていくのである。

 日本人という民族の出自は農耕民族であるため、体制に黙って従うことをよしとし、話し合いとか議論とか論争ということをまともにできない人が多い。きちんと名乗った上で、意見を述べられる者は極少数だ。上役や権威的存在、グループの陰に隠れていたりして、匿名でないと発言ができない者も多い。そうした内向的で卑屈な性質が、日本人の威張り気質や虐め気質にも繋がっている。

 要するに裁判では、検事側、弁護側が提出した証拠(証言も含む)を吟味し、陪審員全員の意見がまとまり、「合理的な疑いの余地なく有罪が立証された」と判断されることが大事なのだ。逆に言えば、「疑いの余地がある」場合は、「無罪と推定する」しかないのである(そうでないと、自白偏重で、冤罪が横行する。冤罪が横行するということは、我々一般人にも、その不幸がいつ降りかかってくるか解らないということでもある)。

 それを、時間切れになるとかいって、安易に「多数決で決める」というようなことも、絶対にしてはいけないのだ。

2009.05.18
 水村美苗『日本語が亡びるとき』(筑摩書房)を読了。たまにはこういう本を読むのもいい。
 そう言えば以前、北村薫さんに、「水村美苗の『本格小説』を読みましたか」と尋ねたら、「二階堂さんは、純文学も〈本格〉を読むんですね」と笑われたことがある。

 面白い本を転送収容。『可笑しな家 世界中の奇妙な家・ふしぎな家 60軒』がそれ。新本格の館ものもびっくりの家がいっぱい出てくる。

2009.05.17
『ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集〈1〉省察1―折々の日記1・夢の記録』を、物質転送機で取り寄せ。


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 これから、翻訳家を目指し、将来、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」を翻訳される方へのアドバイスです。
(以下、内容に触れますから御注意を)。

 犯人が密室から逃亡する箇所の説明ですが、原文は以下のようになっています。

"The next question is that of the mode of descent. Upon this point I had
been satisfied in my walk with you around the building. About five feet and
a half from the casement in question there runs a lightning-rod. From this
rod it would have been impossible for any one to reach the window itself, to
say nothing of entering it.

 ここの避雷針の翻訳ですが、「新潮文庫」における佐々木直次郎氏の訳はこうなっています。

 つぎの問題は下へ降りる方法だ。この点については、僕は君と一緒にあの建物のま
わりを歩いているあいだにわかっていた。例の窓から五フィート半ばかり離れたとこ
ろに避雷針が通っている。この避雷針から窓へ直接手をかけることは誰にだってでき
ないだろう。入ることは言うまでもない。

 これは正しい訳です。

 しかし、時々ですが、勘違いされたのか、

 避雷針が、例の窓から五フィート半ばかり離れた所に「立っている」。

 と訳しているものがあります。が、それでは困ります。
 このように訳した方は、建物から少し離れた所に、ポール(細い柱)状の避雷針が突っ立っていると思われたようです。
 そうではなくて、小説中の避雷針の線(といっても、たぶん、細いパイプ状のもの)は、日本の家にある雨樋の縦樋のように、建物の壁や壁の角に密着しているわけです。犯人はそれをつかんで壁を上り、鎧戸に手を伸ばして飛び移り、開いていた窓から犯行現場に入り、逃げる時には、その逆の順序で、避雷針をつかんで地面まで下りました。

 避雷針が壁にくっついていることは、上記の文章の後に、「窓にある鎧戸を充分に(完全に)押し開けば、避雷針から二フィート以内の所まで届く(if swung fully back to the wall, reach to within two feet of the lightning-rod. )」と書いてあることからも解ります。

 つまり、原文では「RUN」という単語を使っていますから、そのまま、「窓の横の少し離れた所の壁に、避雷針が走っている(通っている」)と訳せばいいのではないかと思います。

 この辺の描写や避雷針の詳細な状態は、原文ではほとんど書いてなくて、曖昧に表現されているため、勘違いが生じるようです。

 

2009.05.16
[新刊]
 三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』原書房 09.04.28

『ヘルマン・ヘッセ・エッセイ全集(2)』(臨川書店)を発見。即座に転送収容。すでに刊行が始まっていたのね。

2009.05.14
[企画進行中]を更新しました。

[新刊]
 東川篤哉『学ばない探偵たちの学園』光文社文庫
 ミステリー文学資料館・編『探偵小説の風景 トラフィック・コレクション』光文社文庫

 昨日は、都内某所で、本格ミステリ作家クラブ主催による、投票式が行なわれた。その結果は以下のとおり。写真は受賞したお二人。

 第9回「本格ミステリ大賞」決定!
〔小説部門〕『完全恋愛』牧薩次(マガジンハウス)
〔評論・研究部門〕『「謎」の解像度』円堂都司昭(光文社)


2009.05.09
『智天使の不思議』のカバー・デザインが3種類、出てくる。まだラフの段階だが、どれも素晴らしくて、どれにしようか目移りしてしまう。今回の担当は、 坂野公一氏である。やはり、のりにのっているデザイナーというのはすごいと思った。柄刀一さんの『密室キングダム』などの装幀を手がけた方だ。

2009.05.03
[新刊]
 島田荘司『最後の一球』講談社ノベルス
 初野晴『トワイライト・ミュージアム』講談社ノベルス 09.05.07
 手塚眞『「父」手塚治虫の素顔』誠文堂新光社

 手塚眞氏の『「父」手塚治虫の素顔』は、以前、出版された『天才の息子』の加筆増補版。

2009.04.28
[新刊]
 加納朋子『少年少女飛行倶楽部』文藝春秋 09.04.25

 マスコミ試写会にて、映画『スタートレック』を見てきた。抜群の面白さ。スタートレックであることの要素をあえて抜いて、単なる宇宙SF冒険ものとして見ても、星5つ(☆☆☆☆☆ 星5つが満点で)。ここにスタートレックらしさが加わって、星7つ(☆☆☆☆☆☆☆ 星5つが満点で)。

『智天使の不思議』(光文社、6月20日発売予定)のゲラの朱入れを終える。今回は倒叙ものにして、大ネタ一発ものなので、逆に細かいところの整合性に気を使う。

2009.04.23
[新刊]
 泡坂妻夫他『あなたが名探偵』創元推理文庫
 矢野龍王『織姫パズルブレイク』講談社 09.03.17

「奇術探偵ジョナサン・クリーク」の第1話であるが、拳銃を撃つ方法は、どこかの小説で読んだ記憶がある。が、思い出せない。何だっけ?
 第2話も大胆な不可能設定とトリックで、面白かった。
 1話も2話も、謎解きの手がかりに凝っている点が非常に良い。

2009.04.21
 本格ミステリ大賞の投票を、郵送で行なう。

「GOOGLEブック検索和解」問題に関しての説明書きを、講談社、筑摩書房、小学館、文藝春秋、光文社からもらっている。何だか理不尽な問題なので、各社の対応をありがたく思っている。

2009.04.18
[情報館]を更新。

 本日から江戸東京博物館で始まる『生誕80周年記念特別展 手塚治虫展 未来へのメッセージ』の開会式・内覧会・レセプションが昨夜あったので、出席する。立派な図録をお土産にもらってきた。
 会場内には、なかなか珍しい資料も展示されているので、マンガ・ファン、手塚ファンはぜひ足を運んでほしい。


2009.04.16
[新刊]
 北村薫『鷺と雪』文藝春秋 09.04.15

 一昨日の夜、左足の付け根、腰の左側が急に痛くなる。翌朝になると、痛みが強くなり、びっこを引かないと歩けない。整形外科に行ってレントゲン写真を撮ると、小さな石ができていて、中の筋肉が腫れているという。痛み止め注射をしてもらい、薬を二種類と湿布薬もらって帰ってきた。
 しばらく運動はできそうにないから、春スキーは諦めだなあ。

 パソコンを立ち上げて仕事をしようとすると、今度はパソコンの具合も悪い。一太郎は起動しないし、エディターは終了しようとするとエラーが出て、落ちてしまう。
 復元、ソフトのアンインストール、インストール、レジストリのスリム化、プリンター・ドライバーのインストールなどを4、5回繰り返して、ようやく調子が戻った。
 というわけで、昨日1日は潰れてしまったのであった。

2009.04.12
 ペリー・ローダン・シリーズの公会議サイクルを何冊か読んだところだが、今回の敵のラール人というのがヒューマノイドで、しかも、地球人とメンタリティがたいして変わらず、7つの銀河を支配しているようにはとても思えない。というわけで、面白さは今一つ。

「奇術探偵ジョナサン・クリーク」の第一話(前編)を見る。犯人が密室にいるという、これぞ不可能犯罪。解決編が待ち遠しい。

 ようやく、アドエスに、pocketpc用のAdobeReader2.0を入れることができた。アドエスに標準で付いてくるpdfビューワーはおそろくできが悪いので、これで少しは安楽な読書ができそう。


2009.04.10
[新刊]
「ミステリーズ! Vol.34」東京創元社

 BSで「名探偵モンク 6」が始まったのだな。また誰かに録画してもらわねば。
 ミステリ・チャンネルの「奇術探偵ジョナサン・クリーク」も、密室犯罪ものが多いというから、楽しみだ。

2009.04.09
[新刊]
「メフィスト 2009 Vol.1」講談社
 貫井徳郎『愚行録』創元推理文庫

『智天使の不思議』のゲラが届く。ページ数からすると、原稿用紙で600枚くらいのようだ。

 レーザープリンターLBP-1210が、IE8で使えないのも不自由なので、LBP-3310に買い換えた。これは両面印刷が標準でできるため、紙代の節約にもなる。最初、インストールCD-ROMに入っていたドライバー(1.03)では、やはりIE8から印刷すると、何故かエラーが出てしまった。しかし、キャノンのウェブサイトから最新版のドライバー(1.05)を落として入れ替えたら、ちゃんと印刷できるようになった。

2009.04.03
[新刊]
 三津田信三『密室の如き籠もるもの』講談社ノベルス 09.04.07
 柄刀一『奇蹟審問官アーサー 死蝶天国』講談社ノベルス 09.04.07
 汀こるもの『リッターあたりの致死率は』講談社ノベルス 09.04.07
 鳥飼否宇『人事系シンジケート T−REX失踪』講談社ノベルス 09.04.07
 霞流一『ロング・ドッグ・バイ』理論社 09.04
 佐野洋『ミステリーとの半世紀』小学館

 オカモトからコンテッサの修理(リコール)のため、技術者が来る。問題のボルトは左側は少し緩んでいて、すぐに交換できた。ところが、右側のボルトがまったく動かない。無理に取らない方が良いという結論になって、結局、半分のみ作業が完了ということに。

 少し前に、富士フイルムのコンデジF200EXRを購入。液晶の中央に指で押したような黒い色むらがあることに気づき(白い所を撮ったり、パソコンと接続して白い画面が出るとすぐに解る)、サービス・ステーションに持ち込む。結局、新品交換ということで、本日、新しいものが送られてきた。
 一つ前のF100は操作系(ボタンの配置など)が悪くて、ほとんど使わなかったが、F200EXRは使い勝手も写りも良い。

2009.04.02
 ようやく、リープチェアにヘッドレストが付いた。上下に動くだけで、前後には動かない。それでも、凭れる時はだいぶ楽になった。


2009.03.30
 IE8と、キャノンのレーザープリンターLBP-1210(のプリンター・ドライバー)の相性が悪い。印刷をしようとすると、エラーが出て、IE8が落ちてしまう。WindowsXPのデータ実行防止(DEP)が働いてしまうからのようだ。キャノンに問い合わせたが、プリンター・ドライバーでの対応はなさそう(泣)。

2009.03.28
[新刊]
 パーシヴァル・ワイルド『検死審問ふたたび』創元推理文庫
 佐々木丸美『花嫁人形』創元推理文庫
 菊池秀行『トレジャー・キャッスル』講談社ミステリーランド

 IE8を、デスクトップ・マシンTNG号に導入。IE7は動作が不安定で使わなかったが、IE8は快適に作動。

 結城充考氏の『プラ・バロック』を読了。柴田よしき氏のリコ・シリーズをちょっとサイバーな感じにしたような。

2009.03.20
[情報館]を更新。

 オカムラが、コンテッサのリコールを発表した。その内容はこちら。うちにあるコンテッサの製造番号を調べたら、該当していた。さっそく電話したところ。

2009.03.19
[新刊]
 エラリー・クイーン『死せる案山子の冒険』論創社
 ジョン・ブラックバーン『壊れた偶像』論創社
 中野晴行・編『杉浦茂の摩訶不思議な世界 へんなの』晶文社

 小型輸送シャトルにて、『手塚治虫 予告編マンガ大全集』(ジェネオン エンタテインメント)が届く。マニアックで中身の濃い本で、手塚ファン、マンガ・ファンは必携。なのだが、2000部完全限定本だから、もう売り切れなのである。

 17日は、光文シエラザード文化財団主催の「第十二回 日本ミステリー文学大賞」の授賞式とパーティであった。大賞を受賞されたのが島田荘司先生だったので、私も出かけてみた。途中、池袋のミステリー資料館による。ちょうど、島田先生の展示会が行なわれている最中であったから。
 展示は、斜め屋敷の模型から島田先生の直筆まで、貴重な資料がいっぱいあって良かった。また、書架を見ていたら、南洋一郎の本がずらりと並んでいるではないか(山前さんに訊いたら、御遺族が寄贈されたとのこと)! 今度から、ここで南洋一郎を読み耽ろう。

 大賞受賞者が島田荘司先生で、新人賞は結城充考氏。受賞作は『プラ・バロック』で、すごく面白いと、前評判も高い。
 授賞式、パーティとも盛大なもので、島田先生の立派なスピーチにも圧倒されてしまった。賞をもらっても権威にはならない。これからも本格のために尽力する。新人をさらに応援していきたい――などなど。



2009.03.18
[新刊]
 米澤穂信『栗きんとん事件(上)』創元推理文庫 09.02.27
 米澤穂信『栗きんとん事件(下)』創元推理文庫 09.03.13
 結城充考『プラ・バロック』光文社 09.03.30

 第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作、松本寛大氏の『玻璃の家』を読了。
 1読も2読もする価値がある秀作。細かい点では改善の余地があるが、島田流奇想ミステリーと21世紀本格を融合することに挑戦した野心作として、大いに賞賛できる。意表を突くアリバイ・トリックとガラスを屋敷からすべて消した理由に、感心した。

2009.03.13
[新刊]
 松本寛大『玻璃の家』講談社(第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作)
「ジャーロ 2009年春号」光文社

 いよいよ、島田荘司先生が一人で選出した、第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作『玻璃の家』が刊行となる。どんな内容なのか。非常に楽しみである。

 鏑木蓮氏の『エクステンド』を読了。大いに満足。写実派系の秀作。キャラが立っていて、特に女主人公の刑事の設定が良い。読み終わった時、「そうだよなあ、昔の乱歩賞作家の書く推理小説って、こんな感じだったよなあ」と、独りごちた。正統的だが、そこが良いのである。

2009.03.12
[情報館]を更新。

[新刊]
「別冊シャレード 79号 リンゼイ・デイヴィス特集」甲影会
「SFJapan 2009春号」徳間書店
 島田荘司『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』光文社文庫
 柳広司『シートン(探偵)動物記』光文社文庫


 光文社文庫から、『新・本格推理 特別編 不可能犯罪の饗宴』が発売になった。

『僕らが愛した手塚治虫』第59回の原稿を書き、亜空間通信で送る。今回も『ブッダ』について。

 今年はまだ2回しかスキーをしていない。忙しかったのと。腰痛のせい。
 で、今年の新しいスキー・マテリアルは、板である。サロモンのX-WING10という、昨今の流行りの、セミ・ファットな板。昨年のモデルを安く買った(今年のモデルより、上等なビンディングが付いていたのも理由)。
 1月に、この板をはき、妙高で滑った時には、安定感はあるが、切れ上がらない、つまらない板だと思った。
 ところが、先々週の金曜日、苗場で滑った時にはちょっと印象が変わった。山の上が濃いガスで何も見えず、下のゲレンデで滑るしかなかったのだが、雪はやや湿り気があり、ズクズクになる寸前という感じだった。ここで滑ると、安定感が際立ち、雪に影響を受けずに、中回りや大回りで、楽しくクルージングできたのであった。やはり、こういうセミ・ファットな板が真価を発揮するのは、悪雪なのだなあと、よく理解できたしだい。来年は、これに、デモ用の板を買い足したいものである。

2009.03.08
[新刊]
 北村薫『紙魚家崩壊』講談社ノベルス 09.03.05
 高田崇史『カンナ 吉野の暗闇』講談社ノベルス 09.03.05

 物質転送機で、『完訳 ファーブル昆虫記 第7巻上』を取り寄せ。

「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」を見るが、どうということなし。

2009.03.06
[新刊]
 小森健太朗『英文学の地下水脈』東京創元社 09.02.27
 霧村悠康『ロザリアの裁き』二見文庫 09.03.25

 ようやく、小森健太朗氏の傑作評論『英文学の地下水脈』が出る。「創元推理21」に連載されているものを読んだ時から、この評論の価値は計り知れないものがあると感心していた。しかもその後、『幽霊塔』の原書を彼が発見して、『灰色の女』として翻訳まで出たことから、英国推理小説と日本の推理小説のミッシング・リンクが埋められて、このジャンルの歴史に新たな光が当てられたのである。そして、今は忘れられた作家をあらためて研究することによって、ミステリーの発展に関するスリリングな発見も数々浮かび上がった。
 一つ残念なのは、彼が以前から研究しているガボリオやボアゴベに関する論考が含まれていないことだが、それはフランス文学なので仕方がない。次の機会があるのだろう。
 というわけで、「大」の付くお勧め本である。

2009.03.04
(今頃、)映画『スカイキャプテン』をDVDで見る。面白い! 無茶苦茶はまった! あら探しをしようと思えばいろいろできるけれど、私はこういう世界観(初期、『鉄人28号』みたいな)が好きなのだから、何でも許してしまえる。

2009.03.03
 3月12日頃に発売予定の、二階堂黎人・編『新・本格推理 特別編』(光文社文庫)の見本刷りが届く。
 内容は以前も紹介したが、以下のとおり。

 前書き 二階堂黎人
 小説 光原百合 「花散る夜に」
    加賀美雅之 「聖アレキサンドラ寺院の惨劇」
    石持浅海 「ハンギング・ゲーム」
    東川篤哉 「時速四十キロの密室」
    三津田信三 「死霊の如き歩くもの」
    鏑木蓮 「かれ草の雪とけたれば」
 評論 村上貴史 「地上最高のゲーム道場−『本格推理』シリーズの功績」
 対談 柄刀一×二階堂黎人「『本格推理』の時代は終わらない」
 7番目の椅子 「?」
 選評 二階堂黎人


『完全復刻版 新宝島 豪華限定版』(小学館クリエィティブ)が、小型宇宙輸送船で到着。普及版の方は、本に箱が付いているというので、そっちも買わなくてはならないようだ。

2009.02.24
[新刊]
 貫井徳郎『乱反射』朝日新聞出版 09.02.28

 山本弘氏の『アイの物語』を読了。非常に満足いくものだった。

 ようやく、水乃サトル・シリーズの新作長編『智天使(ケルビム)の不思議』の原稿が書き上がった。今回はバリバリの倒叙もの。

2009.02.23
[情報館]を更新。

 リープチェアに関する補足。リープの良い点の一つに、座面の前の部分をわずかに下げることができる機能がある(レバー操作で行なう)。つまり、前傾姿勢に向いていて、また、少し前の方を下げることで、座面が太股を下から押し上げるのを防げるのだ。
 この機能も気に入っていたが、新型(V2)になって、改良があった。レバーがなくなり、前に体重を掛けると自然と座面の前が下がるようになったのだ。しかし、これは僕には気に入らない。前傾するには太股で圧を掛けねばならず、ということは、下からの反発もあるということだからだ。

 なお、リープには、この前傾チルトやランバーサポートが、あるモデルと、ないモデルがある(つまり、値段によって違う)。ランバーサポートは、初期型以外は単なるプラスチックの板が入っているだけなので、あってもなくても、あまり座り心地に関係がない。

2009.02.22
[新刊]
 山田正紀『神君幻法帖』徳間書店
 新津きよみ『ひとり』角川ホラー文庫
 早見江堂『人外境の殺人』講談社 09.01.09
 鏑木蓮『思い出探偵』PHP研究所 09.03.02

 これまで購入したリープチェアは、次の3つ。

4621211
46214139(ピロータイプ)
46216179

 最初に買ったのは4621211。アーロンチェア対抗として売り出された初期型。大柄でクッションも厚く、いかにもアメリカ人が座る椅子、という感じのものだった。見た目も機能も、15万円の椅子として相応しい貫禄。
 リープの最大の特徴は、背中の湾曲に、背凭れの湾曲がピッタリくっ付いて追従するところ。それからリクライニングすると、座面が前にせり出す。これで、座面の上で尻がずれることを防いでいる。
 ただ、4621211の座面は単なるクッションで(これといった機能性は何もないウレタン)、どうも尻の収まりが悪かった。
 4621211の表皮は、つるつるした銀色の布で、ピロータイプが売り出された時に内田洋行に文句を言い、もっとざらざらした布に張り替えてもらった。

 二番目は46214139(ピロータイプ)、座面と背凭れが取り外し・交換ができるようになったもので、同時に、HDという日本向けの小型リープも売り出された。46214139自体も、4621211に比べると、若干、小降りになっていて、私にはちょうど良い大きさだった。座面は4621211よりは良くなった。しかし、薄いために、底突き感(下のかたい板の感触が尻に当たる)があって、イマイチだった。このモデルは、見た目が10万円くらいの椅子になってしまった。

 三番目は46216179。2006年に出た、いわゆるV2というシリーズの、上級モデル。V2は内田洋行が売っている新型リープの一番安いもので、私の購入品は、上下移動のランバーサポートも付いているもう少し程度の上のもの(展示品を、オークションで購入)。
 V2はさらに小降りになったし、材質や造りがひどく安っぽくなった。見た目も感触も6万円程度の椅子でしかない。ただ、座面のクッションは充分な厚みがあり、三つの機種の中で、長時間座っていても一番疲れない。
 もう一つ良いことに、最近、この機種に、ヘッドレスト・タイプが発売になった。WSIなどを通じてアメリカから輸入するしかないが……。なお、WSIがヘッドレストを後付けしてくれるというので、今、発注中である。取り寄せ期間は8週間ほどらしい。
 リープは気に入っている椅子なのだが、モデル・チェンジする度に安っぽく、ちゃちになっていくのが残念である。

 写真は、左が46214139(ピロータイプ)で、右が46216179。見てのとおり、最新型はまったく高級感がない。


2009.02.17
 第9回「本格ミステリ大賞」候補作決定。こららを御覧あれ。

2009.02.16
[新刊]
 我孫子武丸/坂本あきら『探偵になるための893の方法』スクウェア・エニックス

 来月初旬に出る、『新・本格推理 〈特別編〉』(光文社文庫)の内容以下のとおり。

 前書き 二階堂黎人
 小説 光原百合 「花散る夜に」
    加賀美雅之 「聖アレキサンドラ寺院の惨劇」
    石持浅海 「ハンギング・ゲーム」
    東川篤哉 「時速四十キロの密室」
    三津田信三 「死霊の如き歩くもの」
    鏑木蓮 「かれ草の雪とけたれば」
 評論 村上貴史 「『本格推理』シリーズの功績」
 対談 柄刀一×二階堂黎人
 7番目の椅子 「?」
 選評 二階堂黎人

 プロ作家の方々は、自分の持ち味をふんだんに発揮した作品を提供してくれましたから、涎ものですぞ。
 さて、「7番目の椅子」の入選者は?
 乞うご期待!

2009.02.12
 今日、知ったのだが、島田荘司先生が第12回日本ミステリー文学大賞(光文シエラザード文化財団主催)を受賞されたとのこと。おめでとうございます。明るい話題だ。
 なお、東京池袋にあるミステリー文学資料館で、受賞記念の展示イベントがあるらしい。期間は3月13日から8月29日まで。斜め屋敷の大型模型も展示の予定だというから、ぜひ行って見てみたい。

 さて、椅子の話。
 今回はオカムラのコンテッサ。メッシュ、ポリッシュ、ヘッドレストあり。
 コンテッサは、デザイン性で、唯一、アーロンチェアに対抗できるもの。形が美しい。座面も背もたれも大きい。小さいがヘッドレストがオプションであるのも良い。リクライニングその他のスイッチが、肘掛けの先端に付いているのも便利。ゆったり座れるし、背もたれを立てると、座面の角度も変えずともやや前傾姿勢になるのも良い。
 ただ、メッシュがアーロンチェアのものに遠く及ばない。アーロンチェアのものは、座り心地や体圧分散などがしっかり考えられた特殊なものだが、コンテッサのメッシュはただの網でしかない。魚のびくに使うような奴。座っていると、お尻に網のザラザラした感じがするし(衣服がこすれて埃も付きやすい)、張りが弱いので、ぐっと沈んで、結果的に、周囲の枠に太股の裏やお尻の端が当たる。これが非常に嫌である。
 もう一つの欠点は、肘掛けが低く下がらないということ。私の使っている机の天板の端に、肘掛けの先端がぶつかる。一番下に下げてもだ。左右にもっと首振りができればいいが、それもできない。アーロンチェアやリープチェアなどの肘掛けはぶつからないから、設計的に間違っているとしか思えない。その証拠に、ネットで調べると、私以外にも肘掛けの上下運動で文句を言っている人がいた。

2009.02.11
[新刊]
 新津きよみ『星の見える家』光文社文庫
 井上雅彦『異形コレクション 幻想探偵』光文社文庫
 加藤実秋『チョコレートビースト』創元推理文庫
「ミステリーズ! vol.33」東京創元社

 花粉が飛び始め、頭痛が始まり、ちょっと不調。

 3月に出る『新・本格推理 〈特別編〉』に載る、柄刀一氏との対談ゲラに朱を入れる。

2009.02.06
[新刊]
 柄刀一『UFOの捕まえ方』祥伝社ノン・ノベル 09.02.20
 有栖川有栖『赤い月、廃駅の上に』メディアファクトリー 09.02.17

 泡坂妻夫先生が亡くなられたとのこと。大変残念です。ご冥福をお祈りします。

2009.02.04
[新刊]
 太田忠司『男爵最後の事件』祥伝社ノン・ノベル 09.02.20
 島田荘司『透明人間の納屋』講談社ノベルス

 うっかりしていた。椅子の評価には、座る人の体格も左右する。私の身長は170センチ、体重は65キロ(今はちょっと太り気味で67キロ)。つまり、日本人男性の、まあ、平均値くらい(だろう)。
 理想的な椅子は、背もたれ・座面ともメッシュ。何故なら、熱がこもらず、体重による圧力も分散してくれるから。また、表面が滑らないことも重要。
 執筆中はやや前傾(太股の裏が座面で圧迫されるのは嫌)で、思案中は背伸び系でくつろぎたいので、リクライニングができること。ヘッドレストも必要。
 とにかく、座面の良いもの(長時間座っても、お尻が痛くならないもの)。背中を背もたれがしっかり受け止めてくれること。背もたれの高さは肩のあたりか、もう少し上まで欲しい。
 個人的に、アームレストは使わないので、かなり下ろせるものが良い。ちなみに、今乗っているエンタープライズD5号も、車内(じゃない、宇宙船内)のすべてのアームレストは取っ払っている。

 残念ながら、未だに理想の椅子を発見できていない。

2009.02.02
 レカロEX。レカロなので値段が高い。定価は25万円。10年くらい前だったか、赤川次郎さんが5台だか10台、いっぺんに購入されたと聞いて、金持ちはすごい!と感心したものだ。偶然、中古品を半額以下で見つけたので、買って使ってみた。
 はっきり言って、車用のレカロ・シートに、事務用チェアの脚をくっつけただけのもの。機能的にはあまり見るべき部分はない。しかし、さすがに、がっしりしていて、座り心地も重厚である。座面、背もたれともに分厚くできていて、執筆時も、車を運転する時のように後傾姿勢で座ることになるが、完全に体重を支えてくれる。
 唯一の短所は、背もたれの両側が盛り上がっているため、肩胛骨が当たること。くつろぐには適当ではない。

2009.02.01
 今日から、仕事用の椅子について、少しずつ書こうと思う。昔から腰痛持ちで、現在は長時間座ったまま執筆を行なうので、いわゆるオフィス・チェアという奴には非常に関心があるし、いろいろと試してきた。
 紹介するのは、実際に購入した、アーロンチェア、ミラチェア、リープチェア(三種類)、コンテッサ、レカロEXなど。
 どれが一番良いかというと、どれも一長一短というしかない。個人的にはリープを気に入っているのだが、これも欠点がある。


 まずはアーロンチェア(ポスチャーフィット、Bサイズ、フル)。座面は最高。メッシュの張りと体重の支え方は分圧によるものなので、長時間、作業が続いてもまったく尻が痛くならない。それから、座った時の浮遊感も楽しい。形も美しい。定価で15万円くらいだが、それに見合った外観の椅子である。未だにこの手の椅子のスタンダードであるが、それも当然。
 欠点は、リクライニング(背もたれだけを倒す)ができず、ロッキング(揺り椅子のように、座面と背もたれが一定の角度を保ったまま、一緒に後ろに倒れる)しかできないところ。つまり、くつろげないのだ。
 それと、背もたれの高さが足りず、また、背もたれの角度が後ろに倒れているため、仕事中に、自分の背中をアーロンの背面が支えてくれないところ。逆に言えば、背もたれの高さがもっとあって、ヘッドレストがあれば、文句がないということになる。
 現在も、サブの椅子として一応保有。

 追記1:アーロンチェアのメッシュは、従来からのクラシックより、タキシードの方が座り心地が良い。微妙に柔らかくなっているからだ。ただ、ハーマンミラーの保守の人に聞いたら、耐久力は従来のクラシックの方があるということだった。
 追記2:工作精度は、アメリカ製なので低い。ショールームなどにあるのは、たいていどこか壊れている。私の購入した物も、ロッキングがすぐに壊れた。


 ミラチェアは、アーロンチェアの背もたれを改良したものと思って良い。背もたれは充分な高さがあり、作業中も背中をちゃんと支えてくれる。
 欠点は、アーロンチェアに比べて、ひどく安っぽいこと。定価は10万円くらいだが、6万円くらいの椅子にしか見えない。
 また、ヘッドレストがないのもアーロンチェアと共通した短所。
 一番の問題は、座面。座面の下(わりと前部の方)に変なクッション材が横一文字に入っていて、これが太股の下に当たる。何故、アーロンチェアと同じ座面にしなかったのか不思議。この点が嫌で、この椅子は1週間で使用を諦めた。

2009.01.22
[情報館]を更新。

[新刊]
 「CHARADE NEUVE 4号 大崎梢特集」甲影会

「ニコリ」原稿。「僕らが愛した手塚治虫」ゲラ校正。

2009.01.20
[新刊]
 島田荘司『Classical Fantasy Within 第7話 アル・ヴァジャイヴ戦記 再生の女神、アイラ』講談社

 ポール・アルテの『虎の首』を読了。カーとクリスティーを足して2で割ったような作品で、今回も非常に楽しめた。村での盗みの動機が特に面白い。

 手塚治虫『完全復刻版 リボンの騎士(少女クラブ版) スペシャルBOX』をMクラスの書店で発見。転送収容する。

2009.01.19
 1月16日、少年小説研究家の二上洋一先生が、入院中の病院でお亡くなりになりました。享年71歳。
 昨夜、お通夜があり、ご焼香だけさせていただきました。
 私の場合、ミステリーの大先輩であることはもちろんのこと、集英社の元ベテラン編集者として、少女マンガに関する歴史をいろいろと教わりました。「週刊マーガレット」時代のこと、「ぶーけ」を立ち上げた時のことなど……。
 いつも朗らかで、お人柄の良い、実に素晴らしい方でした。ご冥福をお祈りします。

2009.01.09
[情報館]を更新。

[新刊]
 篠田真由美『黒影の館』講談社ノベルス 09.01.08
 高田崇史『カンナ 天草の神兵』講談社ノベルス 09.01.08
 望月守宮『無貌伝 〜双児の子ら〜』講談社ノベルス 09.01.08
 ミステリー文学資料館・編『江戸川乱歩の推理試験』光文社文庫
 黒田研二/二階堂黎人『永遠の館の殺人』光文社文庫

 Mクラスの書店を探査。ポール・アルテ『虎の首』、わたなべまさこ『まんがと生きて』双葉社を転送収容。

 光文社の編集者F氏と話し合い、『新・本格推理09 特別編』の《7番目の椅子》を決定。3月に刊行予定。

2009.01.06
 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。

『新・本格推理09 特別編』における《7番目の椅子》の候補作を読み終えた。




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