2008年7月〜12月
2008.12.28
来年3月に出る予定の『新・本格推理09 特別編』。その「7番目の椅子」に応募された作品の候補作が、今、手元にある。予選を通ったAクラス7作とBクラス3作である。今回は1作しか入選作が出ないので、その分、投稿も最初から絞られていたようで、予選委員からの報告によると、ほとんどの作品が、例年のBクラス以上のできだったそうである。
候補作の名前を見ると、常連組強し、だが、それも当然のことかもしれない。
というわけで、年末年始は、候補作を読み、選評を書いてすごす予定。
読者の皆さん。今年一年、ありがとうございました。
来年も良いお年を。そして、楽しい読書ができますように。
2008.12.26
Mクラスの書店を探索して、手塚治虫・あかしや書房傑作選『ひょうたん駒子』ポプラ社、諸星大二郎『巨人譚』光文社、横山光輝『原作愛蔵版 伊賀の影丸(9)』講談社、を転送収容。
本田正一・編『幻影城の時代 完全版』講談社の見本刷りが届く。すごく分厚くて立派な本になった。というのも、泡坂妻夫さんや田中芳樹さんらの書き下ろしまで含まれているからである。『幻影城』世代・ファンにはたまらない内容の本であろう。
黒田研二氏と合作した『永遠の館の殺人』光文社文庫版の見本刷りが届く。来年1月8日頃の発売予定。どうぞよろしく。
2008.12.21
[新刊]
鏑木蓮『エクステンド』講談社 08.12.22
ようやく、ピープロの特撮ドラマ『マグマ大使』のDVD-BOXが発売されることになった。だけど、この値段は高いなあ。
2008.12.20
[情報館]を更新。
[新刊]
エドワード・D・ホック『サイモン・アークの事件簿』創元推理文庫
佐々木丸美『雪の断章』創元推理文庫
朝暮三文『ぽんこつ喜劇』光文社
「本格ミステリ大賞」の候補作決定のための推薦作アンケートに回答する。
2008.12.18
[情報館]を更新。
[新刊]
蒼井上鷹『最初に探偵が死んだ』実業之日本社 08.11.25
坂木司『短劇』光文社 08.12.25
来年も、手塚治虫先生の復刻は続く。講談社から『リボンの騎士(少女クラブ版)』の最初の単行本全3巻がセットとバラで。デビュー長編の『新寳島』の復刻は小学館クリエイティブより。ジェネオンエンタテインメントからは『手塚治虫予告編マンガ大全集(仮)』が……。
2008.12.17
小学館から出る『僕らが愛した手塚治虫2』の見本刷りができてきた。一所懸命、そして、楽しく作った本なので、満足感は大きい。1巻と合わせて御購読いただければと思う。発売は22日の予定。
2008.12.14
[新刊]
「ジャーロ 2009年冬 No.34」
島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2009」(南雲堂)の見本刷りが届く。これが出来上がると、今年一年の仕事が終わったという気がする。
今年度は、さらに内容が充実。ついに笠井潔さんが対談によって参戦とか、つずみ綾さんによるポール・アルテへのインタビューとか、島田荘司さんと綾辻行人さんの対談とか、霧舎巧さんの館論とか、大倉崇裕さんの倒叙論とか、読み所はたくさん。
なお、『読者に勧める 黄金の本格ミステリー』での私の発言や、対談での綾辻さんの発言、有栖川有栖さんの新人賞応募者へのアドバイスなどで、皆が偶然にも、〈叙述トリック〉について同じ注意を行なっている。これから、本格ミステリー関係の新人賞に応募される方は、ぜひ参考にしてほしい。
Sクラスの書店で、ハリー・ベイツ他『地球の静止する日』(角川文庫)を転送収容。一昔前の新潮文庫みたいな装丁で、思わずニヤニヤしてしまった。
2008.12.12
19日発売予定の島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2009」(南雲堂)が、amazonで予約できます。こちらから。
2008.12.11
[新刊]
「ミステリーズ! 2008.DEC Vol.32」東京創元社
「メフィスト 2009年1月号」講談社
一昨日の夜は、立川で、作家六人のこじんまりした忘年会。最年長は私であった(年を取るわけだ)。
「メフィスト」に、「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」決定の報告と選評が載っている。受賞作『玻璃の家』のあらすじを読むと、非常に面白そう。刊行は来年3月の予定。
最近、二ヵ月でマンガ(の古書)に400万を使う人(手塚マニアの先輩にして、アニメ・オタクの先駆者)とよく会ったり、電話で話したりする。こっちの金銭感覚までおかしくなりそうだ。
2008.12.07
[情報館]を更新。
昨夜は、国立市の居酒屋「おばこ」にて、国立一中昭和50年卒業同期「忘年会」。毎年、少しずつ顔ぶれが違うので、新しい思い出話が出て面白い。
デスクトップマシンTNG号のDドライブが調子悪い。時々、認識しなくなる。そろそろ交換時か。
2008.12.05
[新刊]
島田荘司『Classical Fantasy Within 第6話 アル・ヴァジャイヴ戦記』講談社BOX 08.12.01
島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2009」 (南雲堂)は、19日発売予定です。大手書店、Amazonなどでは、この日に入荷するはずです。
2008.11.29
[新刊]
桐野夏生『女神記』角川書店
有栖川有栖/安井俊夫『密室入門!』メディアファクトリー
笠井潔『探偵小説は「セカイ」と遭遇した』南雲堂
『密室入門!』は図版が多数入っていて、非常に解りやすく、面白い。だけど、こんなに原理を紹介されては、私のような密室専門作家にとっては営業妨害である(笑)。
笠井潔氏の『探偵小説は「セカイ」と遭遇した』は、本格ジャンルとそれを取り巻く状況、そして、現状的問題点を理解するのには必読。
1月に光文社文庫から出る予定の『永遠の館の殺人』(黒田研二氏と合作)のカバー・デザインが出てきた。
2008.11.25
[新刊]
北山猛邦『踊るジョーカー』東京創元社 08.11.28
ポール・ドハティー『神の家の災い』創元推理文庫
山口芳宏氏の『豪華客船エリス号の大冒険』を読了。とにかく、愉快、痛快な読み物。わくわく、ニヤニヤしながら読むのが大吉。
2008.11.24
[新刊]
鮎川哲也『無人踏切 新装版』光文社文庫
『僕らが愛した手塚治虫(2)』のカバー・デザインが出てきた。12月下旬の発売予定。今回も図版をたっぷり用意したのでお楽しみに。
2008.11.23
物質転送機で、エミール・ガボリオ『ルルージュ事件』国書刊行会を取り寄せ。これが初の完訳。世界初の長編ミステリーにして、ちゃんとトリックもある。解決は早い時点で訪れてしまうなど、今日的な観点からすると構成が甘いが、古典的名作として必ず読んでおきたい。
物質転送機で、手塚治虫あかしや書房傑作シリーズの『光』と『サボテン君』ポプラ社を取り寄せ。
昨日から、12月下旬に小学館から出る『僕らが愛した手塚治虫(2)』のゲラ校正をしている。
2008.11.22
南雲堂より出る島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2009」
は、12月18日頃の発売の予定。今年の内容はさらにすごくなって、もりだくさん。無駄遣いせずに、これをぜひ購読してください。
内容は、
巻頭言:島田荘司
対談:笠井潔×小森健太郎(今の本格ミステリ評論に求められるもの)
対談:島田荘司×綾辻行人(作家を目指す人たちへの道標)
ポール・アルテへのインタビュー(つずみ綾)
旬な作家:高田崇史、岸田るり子
本格ミステリー論壇:大倉崇裕、霧舎巧
黄金の本格ミステリー:各作家の自作解説、選評座談(小森健太郎×つずみ綾×二階堂黎人)
作家の計画・作家の想い(北村薫他、多数)
デビュー作家の履歴書(汀こるもの他)
私のお勧めミステリー:森谷明子、日下三蔵他
評論その他:森英俊、横井司、喜国雅彦、渡邉大輔、鏑木蓮、三門優裕、黒蜘蛛クラブ他
新人賞応募へのアドバイス:有栖川有栖
台湾事情:ミスター・ペッツ
島崎博さんの会レポート:本多正一
各氏・各社の計画
巻末評論:小森健太郎
その他
2008.11.21
[情報館]を更新。
エンタープライズD5号に、新品のスタッドレスタイヤを履かせる。これで冬支度ができた。
2008.11.20
[情報館]を更新。
[新刊]
山口芳宏『豪華客船エリス号の大冒険』東京創元社 08.11.25
手塚治虫+小林準治『手塚治虫クラシック音楽館』平凡社
E・D・ビガーズ『チャーリー・チャン最後の事件』論創社
『新・本格推理09 特別編』の「七番目の椅子」への投稿は、全部で41編でした。応募者の皆さん、ありがとうございました。
今回は入選作1編を、プロ作家の作品6編と一緒に掲載します。
2008.11.16
[新刊]
辻真先『宗谷・望郷列車殺人号』光文社文庫 08.11.20
太田忠司『まいなす』理論社 08.11
松尾詩郎『百色眼鏡の灯』 08.11.05
エンタープライズD5号に、スキー用の、TERZOのスライド・ダウン・キャリアを取り付ける。ベース・キャリアと合わせて2時間以上作業時間がかかった。
2008.11.15
夜、急に思い立って、映画『X−ファイル:真実を求めて』を見てくる。観客は私を含めて2人。面白さは、まあ、普通。
Mクラスの書店で、『手塚治虫大全(3)』光文社知恵の森文庫を転送収容。
2008.11.12
[情報館]を更新。
昨日は、来年出す予定の合作『カンボジア・アポカリプス』の打ち合わせ。下書きは2年前に出来ていたのに、私の都合でここまでずるずる引きずってきてしまったので、そろそろ決着を付けなくはいけない。と思っていたら、カンボジアが舞台の映画が公開されたり、島田紳助氏らがカンボジアに学校を造るとかで、俄然、カンボジアに注目が集まっている。偶然は恐ろしい。
小学館「本の窓」の『僕らが愛した手塚治虫』の連載原稿を書いて亜空間通信で送る。今回は、『青いトリトン』について。
12月に南雲堂から出る、島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2009」。その「読者に勧める 黄金の本格ミステリー」の座談が終わる。メンバーは、私、小森健太朗氏、つずみ綾氏。今年はちょうど10作が選出された。いずれも素晴らしい作品ばかりだ。
今年の「本格ミステリー・ワールド 2009」は、某大家と小森健太朗氏の対談とか、つずみ綾氏による某海外有名作家のインタビューとか、例年以上に盛りだくさんの内容なのでお楽しみに。
2008.11.09
小森健太朗氏に、初野晴氏の『1/2の騎士―harujion』が面白いですよと教えてもらい、読んでみたら、確かに面白かった。青春ミステリをファンタジーで包んだような感じで、探偵役の主人公たちが都市伝説的な犯人と対決するというもの。謎解きの手筋もしっかりとしている。表紙が読者を選ぶアレなもので、うっかり読み逃すところであった。
T・S・ストリブリング『ポジオリ教授の冒険』河出書房新社を物質転送機で取り寄せ。
2008.11.06
小島正樹氏の『十三回忌』を読了。島田流奇想ミステリーの佳作。前半は素晴らしく面白い。
その他に、芦辺拓氏の『彼女らは雪の迷宮に』、藤木稟氏の『化身』、柳広司『ジョーカー・ゲーム』、大村友貴美氏の『死墓島の殺人』などを読了。いずれも満足。
2008.11.05
[新刊]
高田崇史『カンナ 飛鳥の光臨』講談社ノベルス 08.11.06
綾辻行人『びっくり館の殺人』講談社ノベルス 08.11.06
メフィスト編集部・編『学び舎は血を招く メフィスト学園(1)』講談社ノベルス 08.11.06
メフィスト編集部・編『忍び寄る闇の奇譚』講談社ノベルス 08.11.06
一昨日は、講談社によるミステリーランドのパーティに参加。ミステリーランドが、次回の配本で25冊に達するため、そのお祝いの会である。したがって、講談社の編集者と、ミステリーランドに書いている作家(これから書く人も)と、挿絵を描いているイラストレーターだけの集まりという、非常に潔いものであった。そういうわけなので、人数的にも少なくて、かなりアット・ホームな雰囲気だった。
なお、刊行順に挨拶をしてくれということになって、大慌て。島田先生から北村薫さんまで、順番に(私も)ミステリーランド執筆の思い出を語ったのだが、このシリーズを企画した故・宇山氏の話が多かったのは当然であった。
写真は、飾られた本と宇山氏の遺影。最初に挨拶した島田荘司先生、北村薫さん、私、これからの予定者の一人として挨拶をされた内田康夫先生。そして、最後に撮った集合写真。
2008.11.01
台湾版『悪霊の館』の見本刷りが届く。なかなか格好いい表紙絵である。
2008.10.30
[新刊]
島田荘司『Classical Fantasy Within 第5話』講談社BOX 08.11.04
小森健太朗『大相撲殺人事件』文春文庫
昨日は、12月中旬に小学館から出る『僕らが愛した手塚治虫(2)』の原稿と図版がまとまったので、データを持って、小学館まで行く。神保町では古書まつりをやっていたが、打ち合わせの後、スキー・ショップを3軒ほど覗いて帰ってきた。
Mクラスの書店で、「芸術新潮」11月号を転送収容。特集は「手塚治虫を知るためのQ&A100」。
これから、室内に散乱している手塚マンガと資料を片付けねば……。
2008.10.24
[新刊]
芦辺拓『彼女らは雪の迷宮に』祥伝社 08.10.30
Sクラスの書店を短時間の探査。「横山光輝プレミアム」の第3号を転送収容する。
2008.10.22
[情報館]を更新。
エデンズ・カースの『ザ・セカンド・カミング』を聞く。これはセカンド。ファーストも良かったが、期待を裏切らなかった。
2008.10.21
[新刊]
笠井潔『探偵小説論V』東京創元社 08.10.30
西澤保彦『スナッチ』光文社 08.10.25
ホームページビルダー12をインストールしてみるが、結局、バージョン6の方が使いやすい(6の方が起動が速いし)。
七河迦南氏の『七つの海を照らす星』と谺健二氏の『肺魚楼の夜』を読了。
ミステリーズ!新人賞、梓先優氏の「砂漠を走る船の道」を読了。動機が面白い。文章がキビキビしている。次も読んでみたい。
2008.10.16
[新刊]
新津きよみ『トライアングル』角川書店 08.09.30
山田正紀『神獣聖戦(上)』『同(下)』徳間書店
12月中旬に、小学館から『僕らが愛した手塚治虫』の第2巻を出すので、その原稿をまとめ、図版を写真で撮ったり、スキャナーで取り込んだりしている最中。
鮎川賞作家・麻見和史氏の受賞後第1作『真夜中のタランテラ』を読了。片足切断の理由とその論理が非常に良い。
2008.10.12
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[新刊]
七河迦南『七つの海を照らす星』東京創元社(第18回 鮎川哲也賞受賞作)
「ミステリーズ! Vol.31 2008年秋号」東京創元社
10日夜は、鮎川賞の授賞式とパーティー。残念ながら、受賞者の七河迦南氏はよんどころない事情で壇上に上がれず、友人が代わって挨拶を述べた。ミステリーズ!新人賞の受賞者は、梓先優氏。ハンサムな好青年。
会場に来る前に、光文社で、柄刀一氏と対談を行なう。来年刊行の『新・本格推理09』用。
下の写真は――選考経過を発表する山田正紀先生。ミステリーズ!新人賞の梓先優氏(2枚)、乾杯の音頭を取る紀田順一郎先生。この時とばかりに食いだめをするクロケン。鳥飼否宇、柄刀一、二階堂黎人のトリック・トリオ。
2008.10.11
[情報館]を更新。
[新刊]
芦辺拓『月触姫のキス』理論社
新津きよみ『トライアングル』角川書店
光文社文庫版『稀覯人の不思議』が発売になりましたので、よろしくお願いします。
光文社知恵の森文庫から出ている『手塚治虫大全』(全3巻、現在は2巻まで刊行)には、未収録エッセイが追加されている。
マイケル・ボンド『パディントンの大切な家族』福音館と、藤木稟『化身』徳間ノベルスを書店探査で転送収容。
2008.10.10
[新刊]
大村友貴美『死墓島の殺人』角川書店 08.08.31
早川、講談社文庫、宝島社のアンケートに回答。亜空間通信で送る。
2008.10.08
[新刊]
島田荘司『Classical Fantasy Within 第4話 アル・ヴァジャイヴ戦記』講談社BOX 08.10.01
「パンドラ」2008年秋 VOL.2-A 講談社
bk1で光文社文庫版『稀覯人の不思議』の取り扱いが始まりました。よろしくお願いします。
講談社BOXの雑誌、「パンドラ」2008年秋 VOL.2-A には、島田荘司先生のインタビューも載っているよ。
2008.10.07
[新刊]
小島正樹『十三回忌』原書房 08.10.22
飯城勇三編「天城一読本・補遺」甲影会
『十三回忌』は、島田荘司先生と合作した『天に還る舟』(南雲堂)の作者の、単独デビュー作。
某所で、古い「少女クラブ」を調べていたら、横溝正史の短編に出会った。以下はその写真。
2008.10.06
THE RASMUSの「BLACK ROSES」を聴く。いつもどおりの哀愁感に、力強さも加わった良盤。
有栖川有栖氏の『妃は船を沈める』を読了。「猿の手」の別解釈が秀逸。三段論法で理詰めするところが、まさに本格推理。「本格読みの性よのう」とか言いたくなる。
『樺島勝一 昭和のスーパーリアリズム画集』の絵は、どれもすごい迫力。
2008.10.03
[新刊]
『樺島勝一 昭和のスーパーリアリズム画集』小学館クリエイティブ
島田荘司『UFO大通り』講談社ノベルス
有栖川有栖『乱鴉の島』講談社ノベルス
汀こるもの『フォークの先、希望の後』講談社ノベルス 08.10.06
大倉崇裕氏の『聖域』を読了。森村誠一氏などの山岳ミステリーを好んでいる方には、良いプレゼント。
詠坂雄二『遠海事件』を読了。構成も凝っていて、一般人に埋没した殺人鬼というアプローチに工夫があり、なかなか面白い作品。惜しいのは結末。真相の根拠となる事柄にあやふやな点か残っているので、真相も確実なものにならない。そこがビシッとしていれば、傑作になったかも。
柄刀一氏の『黄昏たゆたい美術館』を読了。絵画的主題と事件の絡ませ方が絶妙。お勧め。
2008.09.30
10月10日頃に発売になる、水乃サトル・シリーズの光文社文庫版『稀覯人の不思議』の見本刷りが、フェレンギ人の輸送船で届く。ちょっとチャーミングな装幀。解説は、マンガ編集プロの中野晴行氏にお願いした。
2008.09.29
[新刊]
有栖川有栖『火村英生に捧げる犯罪』文藝春秋 08.09.30
グラディス・ミッチェル『踊るドルイド』原書房
Mクラスの書店を探査。予定では、ポプラ社から出た、手塚治虫・あかしや書房傑作選シリーズ『スリル博士』(1)(2)を採取する予定であったが、講談社の『横山光輝プレミアム・マガジン』(1)(2)を見つけて、同時に転送収容。後者には何と、手塚治虫原作で、横山光輝が絵を描いた付録マンガが復刻で付いているのだった。
こういうこともあるから、時々は、書店探査をしなくてはいけないね。
2008.09.25
[新刊]
麻見和史『真夜中のタランテラ』東京創元社 08.09.30
芦辺拓『十三番目の陪審員』創元推理文庫
芦辺氏の『十三番目の陪審員』だが、装幀を見て、私と同じようにニヤニヤッとなる人は多いと思う。その昔の創元推理文庫の雰囲気を、絵柄も、色合いも、時計マークが付いている所も、忠実に再現しているからだ。
2008.09.23
柄刀一氏の『ペガサスと一角獣薬局』を読了。不可能犯罪解明に徹しているのが良いし、ロマンもある。お勧め。
2008.09.20
[情報館]を更新。
[新刊]
鯨統一郎『哲学探偵』光文社カッパ・ノベルス 09.25
ウイルスバスター2009をTNG号にインストール。今回はあまり操作性に変化がなくて助かった。
夜、突然スーパー銭湯に行きたくなり、エンタープライズD5号で出かける。途中、古本屋に寄ったら、新書判『キャンディ・キャンディ』全9巻、『山本周五郎探偵小説全集』2〜4巻、モーム編『世界100物語』1〜2巻などがあったので転送収容。
2008.09.18
今月の論創海外ミステリの新刊は、森英俊さんが編んだアーサー・ポージスの短編集『八一三号車室にて』と、チェスタトン『知りすぎた男 ホーン・フィッシャーの事件簿』の二冊。
2008.09.17
笠井潔氏の『青銅の悲劇』を読了。今、この時代にこれを書くという意図と意義を、もう少し考えてみたい。
倉野憲比古氏の『スノウブラインド』を読了。結末は(あの常套的なトリックは別として)なかなか良かった。出だしにもっとケレン味がほしい。構成や演出の面であと少しの工夫があれば、物語全体がぐんと面白くなるはず。
講談社文庫版『軽井沢マジック』の見本刷りが届く。水乃サトルのデビュー作であるが、徳間文庫版が品切れであったため、二度目のお披露目。たぶん、本日から発売です。よろしくお願いします。
2008.09.15
[新刊]
「ジャーロ 2008年秋号」光文社
「ジャーロ」の最新号で、霧舎巧氏が拙著『人狼城の恐怖』を題材に、〈新・新本格もどき〉「人狼病の恐怖」という短編を書いている。元の題材をどんなふうに料理しているか、ぜひ味わってみよう。
13日に、神保町の学士会館で、「島崎博さんをお迎えする会」が行なわれたので、私も参加してきた。高校−大学時代に読み耽った「幻影城」という雑誌がなかったら、私はたぶん作家になっていなかっただろう。その意味では、島崎さんは恩人の一人である。当然のことながら、島崎さんにも御挨拶をし(何と、山口雅也さんがわざわざ紹介してくださったのだ)、少しだけお話をする機会があった。大感激であった。
会の様子は、太田忠司さんの日記やよしだまさしさんの日記などを読んでもらうことにして、私は写真を撮ったので、御紹介しよう。
とにかく、一堂に会した面々を見ても、素晴らしい会であったことが解るというものだ。
なお、この会において、本格ミステリ作家クラブより、島崎さんに【本格ミステリ大賞・特別賞】が贈られた。
(1)主催者代表挨拶をする新保博久さん。(2)発起人スピーチをする権田萬治さん。(3)発起人スピーチをする二上洋一さん。(4)山辺辺若さんよりの記念品贈呈。(5)【本格ミステリ大賞・特別賞】に関する綾辻さんの説明。(6)大賞トロフィーを島崎さんに授与する北村薫さん。(7)謝辞を述べる島崎博さん。(8)乾杯の音頭を取る紀田順一郎さん。(9)乾杯の模様。(10)余興でピアノ演奏を披露する栗本薫さん。(11)余興でトランプ手品を披露する泡坂妻夫さん。(12)島崎博さんを囲んで。
2008.09.09
[情報館]を更新。
[新刊]
三津田信三『凶宅』光文社文庫 08.09.20
ミステリー文学資料館・編『江戸川乱歩の推理教室』光文社文庫
『僕らが愛した手塚治虫』の連載原稿を書き、亜空間通信で送る。
2008.09.08
忙しい時に限って、体の調子が悪くなる。
腰痛治療のため某所にある整体に行き、Mクラスの書店に寄って、平井隆太郎『乱歩の軌跡 父の貼雑帖から
』東京創元社、日下三蔵『ミステリ交差点 博覧強記の現代エンターテインメント時評』を転送収容。
2008.09.07
忙しい時に限って、パソコンの調子が悪くなる。
デスクトップのTNG号のHDDが異常を来たし、時々、立ち上がらなかったり、落ちたりする(実は、このHDD、冬の寒い日には立ち上がらないことがあるというへそ曲がりであった)。
そこで、HDDの換装を実行することに。
TNG号は、二年前にショップで組み立ててもらったものなので、仕様書を見ると、HDDはマクスターのSATA2と書いてある。そこで、PCデポへ言って、SATA2のHDDをくれというと、うちには置いていないという返事。仕方なく、ビッグカメラへ行くと、SATA2というのはケーブルの転送規格で、SATAのHDDならどれでも大丈夫だという。PCデポの店員さんが、もう少ししっかりしていてくれれば、時間を無駄にしないですんだのに。というわけで、ビッグカメラでバルクのHDDと、HDD完全コピーソフト(OSも吸い出してくれる奴)を買って、家に戻り、作業に取りかかる。
パソコンをばらし、HDDを取り付けようとしたら、マスタ/スレーブ切り替えジャンパがない。しばし混乱して、ネットで調べると、SATAのHDDにはジャンパがないとのこと。IDEのHDDは何度か交換したが、今はそんなことになっているとは知らなかった。
というわけで、一日かけて、TNG号の修理をしていたので、昨日は仕事ができなかった。
2008.09.05
[新刊]
柄刀一『殺人現場はその手の中に』祥伝社文庫
山口雅也『PLAY プレイ』講談社ノベルス
倉阪鬼一郎『紙の碑に涙を』講談社ノベルス
深水黎一郎氏の『トスカの接吻』を読む。前作『エコール・ド・パリ殺人事件』も良かったが、これも良かった。このシリーズはお勧めである。
ポプラ社から、あかしや書房版「手塚治虫傑作集」全7巻の復刻版が出る(9月末から)ことになったのだが、これを全冊揃えると、びっくりするようなプレゼントがもらえるらしい。
2008.09.02
[新刊]
D・M・ディヴァイン『ウォリス家の殺人』創元推理文庫
竹内オサム著の『手塚治虫』ミネルヴァ書房を頂戴したので、一気に読む。マンガ家手塚治虫誕生に関する最新の研究を元に、評伝を適切にまとめ上げたもの。『新宝島』の初版や再版に関する詳細な比較検討が行なわれていて、興味深い。そこに、ある謎が提示されているのだが、それについて面白い仮説を思いついた。その推理は、私が連載している『僕らが愛した手塚治虫』の方で書こうと思う。
2008.08.29
門前典之氏の『浮遊封館』を読了。アイデアの量と、驚愕性は一読の価値あり。
鏑木蓮氏の『屈折光』を読了。乱歩賞系に相応しい(医療)情報サスペンス。
2008.08.27
有栖川有栖『有栖川有栖の鉄道ミステリー旅』山と渓谷社 08.09.15
田中啓文『辛い飴』東京創元社 08.08.25
アレクサンドル・デュマ『メアリー・スチュアート』作品社が、小型宇宙輸送船で到着。
2008.08.26
[新刊]
太田忠司『予告探偵 木怏ニの謎』中央公論新社(Cノベルス) 08.08.25
柄刀一『ペガサスと一角獣薬局』光文社 08.08.25
横山光輝『原作愛蔵版 伊賀の影丸(5)』を物質転送機で取り寄せ。
秋田書店「サスペリアミステリー」用の原稿を書く。今回は吾妻ひでおの「由紀子の肖像」という短編を取り上げる。
2008.08.22
[新刊]
谺健二『肺魚楼の夜』光文社 08.08.25
谺健二氏も久々の新刊。今年はどうやら、鮎川賞作家の当たり年のようだ。
小森健太朗氏の『星野君江の事件簿』を読了。舞台がインドなどの第三世界となった作品が含まれる短編集で、不可能犯罪集と言っても良い。諧謔味も強く、解決がとんでもない方から飛んでくることも。ギャグになる一歩手前のネタもあるなど、良い意味で非常にユニークで楽しめた。
2008.08.21
[情報館]を更新。
[新刊]
石持浅海『ガーディアン』光文社カッパ・ノベルス 2008.08.25
9月に講談社文庫から出る『軽井沢マジック』の表紙のラフ・デザインが届く。イラストレーターは、『宇宙捜査艦ギガンテス 聖域の殺戮』でも担当してもらった二見敬之さん。解説は霧舎巧さんにお願いした。
2008.08.20
高田崇史氏の『毒草師 白蛇の洗礼』を読了。千利休に関する謎解きは堂に入ったもの。毒殺の方のトリックは、毒殺ものを書いたことがある本格作家なら、蘊蓄として触れたこともあろうというもので、それを主たるトリックとして話を作った勇気は立派。
2008.08.19
ポール・アルテ『七番目の仮説』を読了。最初の事件に、ギョギョッと目玉が飛び出そうになり、続く展開にも驚天してまた目玉が飛び出そうになる。
2008.08.08
Mクラスの書店に探査機を送る。しかし、何もないという報告が届く。納得がいかず、エンタープライズD5を発進。再探査を行なったところ、ポール・アルテの『七番目の仮説』を発見。転送収容する。
2008.08.06
[新刊]
高井忍『漂流巌流島』東京創元社(ミステリ・フロンティア) 2008.07.30
倉野憲比古『スノウブラインド』文藝春秋 2008.06.30
「メフィスト」2008年9月号 講談社
「ミステリーズ!」vol.30 AUGUST 2008 東京創元社
書店さんからのリクエストがあったので、『鬼蟻村マジック』にサインを入れる。30冊。
このところ、やたらに雷がなるので、無停電電源装置を一つ導入してみた。
2008.08.02
[新刊]
北村薫『野球の国のアリス』講談社(ミステリーランド) 2008.08.03
島田荘司『帝都衛星軌道』講談社ノベルス 2008.08.06
深水黎一郎『トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ』講談社ノベルス 2008.08.06
石崎幸二『復讐者の棺』講談社ノベルス 2008.08.06
石持浅海氏の『君の望む死に方』を読了。被害者の方が、加害者の望むように殺人をお膳立てしてやるという、逆転の発想が秀逸。しかし、加害者が殺害行為を必ず実行すると、どうして被害者が確信できるのか、その基調となる点に納得がいかなかった。また、そういうことを他の登場人物が疑いもせずに受け入れてしまう点も、いつもどおり(の石持作品に共通の欠点)で、違和感を覚えた。
昨日は、南雲堂から12月に出る島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2009」の編集会議に参加。またまた凄い企画が複数あるので、お楽しみに。
2008.07.31
岸田るり子氏の『めぐり会い』を読了。主人公の女性の感情や機微は絶妙な書き方をしてある。基本的にサスペンス小説だが、恋愛小説としての比重が高い。
2008.07.30
[新刊]
折原一『クラスルーム』理論社(ミステリーYA!) 2008.07
黒田研二/前川かずお『逆転裁判(4)』講談社
「SFJapan」2008年夏号 徳間書店
柄刀一『御手洗潔対シャーロック・ホームズ』創元推理文庫
連日、水乃サトル・シリーズの新作『智天使の不思議』を執筆中。8月末までには書き上げたい。
買いそびれていた、EMPIREの「chasing Shadows」を聞く。前作がかなり良かったので、今回も期待。ボーカルがcornerstoneなどのドゥギー・ホワイトに代わっていて、前作の黒っぽいうねり感がちょっと減ったが、その分、rainbowっぽくなったので、プラマイ・ゼロかな。
夏はラテンかアフリカン・ミュージックってことで、Amazonを使って、アメリカからOsibisaのベスト盤を購入。
2008.07.25
[新刊]
門前典之『浮遊封館』原書房 2008.07.28
グラディス・ミッチェル『タナスグ湖の怪物』論創社(論創海外ミステリ)
『原作愛蔵版 伊賀の影丸(4)』を物質転送機で取り寄せ。
2008.07.24
霞流一氏の『死写室』を読了。今回は動物題名じゃないの? と思ったら、ちゃんと隠れていたんですね(実は、作者にこっそり教えてもらった)。奇抜なトリックのオンパレード(異様な動機とかも含めて)。映画業界と、それらのトリックとの融合性が見事で、お勧め作品。
これを読むと――霞流一氏は何と言うか解らないが――バカ・ミステリーは存在しても、バカ本格は存在しない、ということがよく解る。
bk1とamazonで、拙著『鬼蟻村マジック』の取り扱いが始まった模様。
2008.07.23
[情報館]を更新。
[新刊]
笠井潔『青銅の悲劇』講談社 2008.07.24
宮尾登美子『錦』、諸星大二郎『バイオの黙示録』を書店で転送収容。
2008.07.20
[新刊]
竹本健治『せつないいきもの 牧場智久の雑役』光文社カッパ・ノベルス 2008.07.25
詠坂雄二『遠海事件』光文社 2008.07.25
JOURNEYの新譜『REVELATION』を聞くが、楽曲がイマイチで、うーん、だった。新ボーカリストはスティーブ・ペリーそっくりに歌うのだが、それがかえって、JOURNEYのコピー・バンドみたいな雰囲気を醸し出してしまう。
蒼井上鷹氏の『まだ殺してやらない』を読了。次々に予想を裏切る展開がなされる。
2008.07.18
[情報館]を更新。
[新刊]
柄刀一『黄昏たゆたい美術館』実業之日本社 2008.07.25
有栖川有栖『妃は船を沈める』光文社 2008.07.25
水乃サトル・シリーズの新刊『鬼蟻村マジック』の見本刷りができてきたので、原書房の担当編集者さんより受け取る。写真は帯付きと帯なしとを並べてみた。
週明けから書店に並ぶとのことですので、どうぞよろしくお願いします。
2008.07.16
ハヤカワ文庫SF『サイボーグ士官ジェニー・ケイシー』の1巻目を読む。この半分の長さだったら、面白かったかもしれない。
2008.07.15
山口雅也氏の『キッド・ピストルズの最低の帰還』を読了。いつもどおり、稚気に溢れた作品集。
太田忠司氏の『奇談蒐集家』を読了。基本設定が素敵だ。これだけで勝利。ショート・ショートの手法で話を落としているところもうまい。非常に楽しめた。
昨日は小学館へ行き、『僕らが愛した手塚治虫』の第二巻の単行本化について打ち合わせをする。手塚治虫生誕80周年の間に出したいわけである。
2008.07.12
近々、USB接続による親指シフト・キーボードの新型が、富士通から出るらしい。型番は、FMV-KB232。関連ページはこちら。購入は、青山通りにある富士通アクセスが簡単そう。
2008.07.11
[新刊]
篠田真由美『綺羅の柩』講談社文庫
田中啓文『落下する緑』創元推理文庫
京王百貨店『大古書市』の目録が届く。一冊だけ注文してみようと思う。
2008.07.09
9月に講談社文庫から『軽井沢マジック』が出るので、ゲラに赤を入れているところ。十年一昔というが、パソコン通信が重要な小道具となっているあたり、すでに古くなっている箇所がたくさんある。
コンビニ本の『ジャングル大帝』(ホーム社)を買う。これで何冊目(何種類目)の『ジャングル大帝』だろう。
久しぶりにメガネを作ろうと思ったが、やたらにフレームの小さなものばかり。遠近両用のレンズを入れようとすると、どれも入らない。結局、作らず。だいたい、フレームの小さな(細くて、横に長い)デザインのものは、(一般的には)日本人の顔には合わないだろうに。
2008.07.05
[新刊]
柴田よしき『神の狩人 2031探偵物語』文藝春秋 08.06.30
みなもと太郎『手塚治虫WORLD 青年マンガ編 これがホントの最終回だ!』ゴマブックス
みなもと太郎先生の『手塚治虫WORLD 青年マンガ編 これがホントの最終回だ!』には、雑誌連載版の『ひょうたん駒子』が丸ごと収録されている(復刻されている)。が、もちろん、みなもと太郎先生の機知と蘊蓄に富んだ解説が面白いのだ。
2008.07.04
[情報館]を更新。
「ROM」131号がスペースシャトルで到着。
2008.07.02
原書房から7月中旬発売予定の水乃サトル・シリーズ最新作『鬼蟻村マジック』のカバー見本ができてくる。作品世界の雰囲気がうまく演出されていて、とても満足。表紙にあしらわれているのは、ハンガリーの彫刻家が作った般若のパペットである。
ARI KOIVUNENのセカンド・アルバム「BECOMING」を聴く。良品。