2007年7月−12月
2007.12.30-2
[新刊]
北村薫『北村薫のミステリびっくり箱』角川書店
山口雅也『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』角川文庫
追補(笑)。
『北村薫のミステリびっくり箱』は、乱歩や甲賀三郎の肉声が聞けるCDまで付いてたった二千円。装幀や中のデザインも楽しい。
『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』は、山口さんの初めてのアンソロジー。ええっ? 初めて? って驚いた。前書きだけでもワクワクものの内容である。
2007.12.30
[新刊]
三雲岳斗『少女ノイズ』光文社
太田忠司『奇談蒐集家』東京創元社
限界小説研究会『探偵小説のクリティカル・ターン』南雲堂
読者の皆さん。業界関係者の皆さん。今年も一年間、ありがとうございました。
来年もまた、みんなで、本格推理小説の世界を盛り上げていきましょう。
2007.12.25
[新刊]
島田荘司『島田荘司veryBEST10』講談社(講談社BOX)
[お知らせ]
e-novelsの旧サイトが、2007年12月25日(火)午前11時を持ちまして終了しました。
今後は、Timebook Town内にある新サイトで、サービスが提供されます。旧サイトで販売されていた作品群はすべてではありませんが、新サイトでも販売されます。そちらの方でもよろしくお願いします。
2007.12.21
論創海外ミステリの今月の新刊は、ロジャー・スカーレットの『ビーコン街の殺人』。待望の完訳で、スカーレットのデビュー作である。『サファリ殺人事件』を読んでいるところだったが、投げ出して、さっそくこちらを読み始めた。
もう一冊、論創社から、北原尚彦編『日本版 シャーロック・ホームズの災難』が出る。収録された作品の吟味も素晴らしいし、解説を読むだけでも面白い。
2007.12.20
[情報館]を更新。
amazonでも、島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2008」(南雲堂)の発売が開始される。大手書店にも並んでいると思います。御購読よろしくお願いします。
「読者に勧める 黄金の本格ミステリー」選出作品は、皆さんの予想と当たりましたか?
2007.12.19
bk1で、島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2008」(南雲堂)の発売が開始される。amazonはまだの模様。
ぜひ、御購読ください。
THUNDERの「ROBERT JOHNSON'S TOMBSTONE」を今頃になって入手。題名とジャケからしてブルース色が強いのではないかと敬遠していたのだ(1曲目をCD屋で視聴して、やっぱりと思ったし)。ところが、1曲目以外は適度にブルージーないつもの良質なハード・ロック・ナンバーが揃っていた。できの良いアルバムであった。
そうそう。クロケンの新刊も読んだ。なかなか良かったし、小説がうまくなった(時間経過を無視した無理な展開がなくなったし)。あとは何を書くか、であろう。つまり、代表作となるようなものを、という意味で。
光文社文庫『新・本格推理08』の入選作を決定。今回は9作。今まで以上にバラエティーに飛んだ顔ぶれになった。お楽しみに。
2007.12.18
ある方に教えていただいたのだが、トーハンの今週の新書判・ノベルス・ランキングで、『双面獣事件』が第3位に入っているそう。上が田中芳樹さんと西村京太郎さんの作品で、『双面獣事件』の値段は他の本の2倍するから、そう考えると、大健闘ではないだろうか。これも、読者の皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。
以下は、『双面獣事件』の表紙に使われた〈双面獣〉のオブジェと、サイン会の風景(私の隣は、『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』の合作者・千澤のり子さん)。
2007.12.17
土曜日のサイン会に来てくださった皆様、どうもありがとうございました。おかげさまで盛況でした。時間が限られていたので、ゆっくりお話ができず申し訳ありませんでした。また、お花や御菓子の贈り物をくださった方々に、重ねて感謝いたします。
「ROM」130号が届く。何と、別冊まで付いた分厚いSFミステリ特集であった。嬉しい内容である。本誌にはアイザック・アジモフ(ポール・フレンチ名義)のラッキー・スターものまで訳されているという贅沢さ。
タイムトラベルものだというので、ハヤカワ文庫SFの新刊『超人類カウル』を読み始めたが、70ページあたりで挫折。やはり、音楽も小説もパンクは性に合わない。
2007.12.14
Mクラスの書店で、エルスペス・ハクスリー『サファリ殺人事件』を転送収容。これを読めるようになるとは、実に嬉しいではないか。できれば、デビュー作の方も読みたい。
2007.12.13
島田荘司監修『本格ミステリー・ワールド 2008』南雲堂の見本刷りができてきました。20日に書店店頭に並ぶ予定です。よろしくお願いします。巻末には、何人かの作家のサイン本プレゼントのコーナーもありますので、お楽しみに。
サイン会用のおまけ。蘭子さんとシンちゃんの台湾版マンガ。あと、南雲堂さんが特製しおりを多数くださったので、これも同封。
あと、「二階堂黎人の黒犬黒猫館 情報館−別館」と称して、これからの予定なども書いてみた。
2007.12.12
サイン会用のおまけ。「新本格ミステリフェスティバル」の広告を7枚。シンちゃんのマンガが載ったコンビニ本、台湾版シンちゃんなど。
あと、最初に『小説 鉄腕アトム 火星のガロン』を買ってくれた人に、来年の手塚治虫カレンダーをプレゼントの予定。
2007.12.11
[情報館]を更新。
[新刊]
「メフィスト」2008年1月号 講談社
「ミステリーズ!」2007年12月号(vol.26) 東京創元社
「SFJapan」2007年冬号 徳間書店
サイン会用のおまけ。秋田書店の「サスペリアミステリー」に連載中の「二階堂黎人のリバイバルミステリー」の刷り出しを、5回分5組。水乃サトルが出てくる「白ヒゲの紳士」という短編の前後編が載っている「しゅっぱんフォーラム」という雑誌2冊を、5組。光文社文庫特製の、BDバッジを1個。
2007.12.09
[新刊]
山田正紀『私を猫と呼ばないで』小学館
昨夜は、国立一中昭和50年卒業同窓会。例によって、国立市の旭通りにある居酒屋「おばこ」で開かれる。久しぶりに会った友人F君が、飯田橋にある、日本で唯一の劇人形専門店『Puppet House/パペットハウス 』の経営者だと知ってびっくり。じゃあ、東京創元社の元社長さんや編集者も良く知っているよね、うん、とかいう話で、大いに盛り上がる。
おかげで、『劇人形館殺人事件』なる本を書きたくなった。
メディアパルから出る『本からはじまる物語』の見本刷りが届く。「本」や「本屋」を舞台にしたアンソロジー。有栖川有栖さんの作品なども収録されている。私のものは、水乃サトルの番外編のような話。
2007.12.08
サイン会用のおまけ。晶文社から出ていた、ピエール・ボワローとトーマ・ナルスジャックの『大密室』。図書館の廃棄本なのだが、非常に状態が良いので拾っておいたもの。
2007.12.07
[情報館]を更新。
[新刊]
鮎川哲也『わるい風』光文社文庫
石持浅海『温かな手』東京創元社
我孫子武丸『狩人は都を駆ける』文藝春秋
1日かかって、おまけのCDを50枚焼き、レーベル印刷をする。その他、台湾版の蘭子シリーズや台湾版のシンちゃんのマンガなどが10冊ちょっとある。他にも何かないかと家捜ししているところ。
2007.12.06
[情報館]を更新。
[新刊]
太田忠司『五つの鍵の物語』講談社ノベルス
黒田研二『ナナフシの恋』講談社ノベルス
短編小説やエッセイのPDFファイルを収録したサイン会用のおまけCD「オオカミ通信 第3号」を制作中。先着50人分用意する予定。
太田忠司さんのサイン会も、名古屋であるとのこと。そちら方面の人は要確認。
2007.12.04
[情報館]を更新。
上記のように、私のサイン会が開かれます。整理券が必要なので、弘栄堂書店さんにお問い合わせください。
今回も、trick・trapでやったサイン会の時のように、いくつかのおまけを用意しようと考えています。たとえば、サイン入りの台湾版『人狼城の恐怖』とか。pdfファイルを納めた特製CDとか。
昨日のこと。『双面獣事件』の見本刷りができてきたということで、編集さんから受け取る。同時に、表紙に使われている〈双面獣〉の造形物(オブジェ)の実物を見せてもらう。それほど大きなものではないが、重量感や迫力があって素敵だ。制作者は、『魔術王事件』の表紙で使われた黄金仮面を造ってくださった松野光洋さん。うっかりデジカメを忘れたので、後で編集さんに写真を撮ってもらうことにした。届いたらお見せしたい。
黒田研二氏の新刊と並べてみると、『双面獣事件』の厚さがお解りいただけると思う。
2007.12.03
[お知らせ]
吉祥寺の駅ビルロンロン内にある書店『弘栄堂書店』で、『双面獣事件』の刊行に合わせ、12月15日(土)午後4時から、講談社ノベルス25周年記念の一貫である私のサイン会が開かれます。詳しくは『弘栄堂書店』か、講談社ノベルスのサイトと講談社のメール・マガジン「ミステリーの館」における今後の情報で、ご確認ください。
[情報館]を更新。
[新刊]
太田忠司『カッサンドラの嘲笑』実業之日本社(ジョイ・ノベルス)
光文社文庫の『新・本格推理08』の候補作23編を読み始めたところ。常連と新人が半々くらい。
2007.11.30
[新刊]
岸田るり子『ランボー・クラブ』東京創元社(ミステリ・フロンティア)
物質転送機で、ナイオ・マーシュ『道化の死』が届く。国書刊行会の世界探偵小説全集は、これで全45巻が完結したらしい。この企画が、今日の古典本格翻訳ブームを巻き起こした功績は大きい。
講談社の方から、あらためて『双面獣事件』のカバー・デザインの画像を頂戴した。御覧のように魅力溢れる表紙である。実物は文字が金色に光っているので、もっと素敵なのだ。
2007.11.29
[新刊]
土屋隆夫『人形が死んだ夜』光文社
土屋隆夫さんの新刊は、何と90歳での刊行である。
講談社のメールマガジン「ミステリーの館」用に、『双面獣事件』に関するエッセイを書く。たぶん12月号に載るはず。
『双面獣事件』のカバー見本が届く。恐ろしく格好いい表紙になっていて嬉しい。背表紙も素敵である。残念ながら、スキャナーにかけると、金箔押しされた題字部分の色が飛んでしまって、以下のような画像になってしまう。発売されたら、実物をぜひ見てほしい。
2007.11.27
[情報館]を更新。
明日28日に発売になる『小説 鉄腕アトム 火星のガロン』の見本刷りが届く。
2007.11.26
[新刊]
クリフォード・ナイト『ミステリ講座の殺人』原書房(ヴィンテージ・ミステリ)
新津きよみ『わたしはここにいる、と呟く。』徳間書店
物質転送機で、アレクサンドル・デュマ『カトリーム・ブルム』が届く。「フランス初の推理小説」と帯にはあるが、その点ははたして。デュマを訳してくれるのは本当にありがたいのだが、訳文はもう少し噛み砕いてほしい。
ゲイリー・ヒューズの新譜『ヴェリタス』を聴く。わりと良し。
2007.11.24
「24」の最後だけど、アレを回収しなくていいのか、バウアー。
南雲堂から12月上旬に刊行される「本格ミステリー・ワールド 2008」は、こんな表紙になる。ベテラン・インタビューでは、台湾におられる島崎博さんが登場。昨年は、「新人対談(鼎談?)」コーナーがあったが、今年は人数が多かったので、各人に「私の履歴書」を書いてもらった。また、新たに「ミステリー論壇」というコーナーを設けて、若手のホープである北山猛邦氏と道尾秀介氏に、ミステリー論を書いてもらった。もちろん、「読者に勧める 黄金の本格ミステリー」では選出作品作家の自作解説も読めるのだ。何が「黄金の本格ミステリー」に選ばれたのかは、お楽しみに。
2007.11.22
[情報館]を更新。
「24」第6シーズンのBOXが届き、見始める。正直、テロものには飽きが来ている。というか、アメリカの勝手な論理に違和感を覚えて仕方がない。
雑誌「ディズニーランド」の創刊号(1964年発行)を入手する。手塚治虫の『ジャングル大帝』の連載もあるため。
2007.11.18
『双面獣事件』のゲラの再稿に赤を入れ、火星航路のロケットで送り返す。
D・M・ディヴァインの『悪魔はすぐそこに』を読了。前へ戻って読み返すと、随所でニヤリとするわけ。ただ、例によって、人物関係とかはちまちましている。
論創海外ミステリの今月の新刊は、ヘスキス・プリチャード『ノヴェンバー・ジョーの事件簿』という非常に貴重なもの。ホームズのライヴァルなのだ。
2007.11.15
[情報館]を更新。
南雲堂から12月に出る「本格ミステリー・ワールド 2008」の、「作家の計画・作家の想い」と「読者に勧める黄金の本格ミステリー!」選評のゲラに赤を入れる。今年の「本格ミステリー・ワールド 2008」は大増ページで読み応えたっぷりである。「旬な作家たち」のグラビアには柄刀一さんと三津田信三さんがお目見えするが、これが無類の格好良さ。一度はこのグラビアに出てみたいと思うほどの出来映え。
2007.11.14
[情報館]を更新。
[新刊]
歌野晶午『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』光文社カッパノベルス
中断していた、秘密プロジェクト『K・A』の清書を再開する。「K」はカンボジアをローマ字で綴った時の頭文字であるが、英語では「Cambodia」だから、『C・A』とするべきだったか。この作品は、カンボジア在住のNさん(男性)という学者との合作である。
2007.11.13
R・オースティン・フリーマン『ベンローズ失踪事件』を読了。他のフリーマンと同じで、良くもなければ悪くもない。
12月15日か16日に、中央線沿線の駅ビルにある有名書店でサイン会を行なうことになるかも。講談社ノベルス25周年「感謝祭」の一貫で、『双面獣事件』の刊行に合わせてのもの。
2007.11.09
amazonでも、『ルームシェア』の発売が開始された。
『双面獣事件』のゲラ1500枚の朱入れを終わる。700ページを超えているので、ノベルス版『魔術王事件』とほぼ同じ厚さになるはず。ちょっと類例のない、凄い話になったと思う。
2007.11.08-2
[お知らせ]
「WEBメフィスト」にて、『双面獣事件』のWEB版第5回(最終回)が公開されました。なお、事件における最大の真相は、12月に講談社ノベルスから出る『双面獣事件』のエピローグで明かします。そちらでお読みください。
2007.11.08
[情報館]を更新。
bk1では『ルームシェア』の発売が開始される。Amazonはまだのようだ。
今月中旬に講談社文庫から発売になる『魔術王事件(上)』と『魔術王事件(下)』の見本刷りが届く。来月、講談社ノベルス出る『双面獣事件』と合わせて読んでいただけると嬉しい。なお、両者は同じラビリンス・サーガに属するが、まったく違う趣向の作品になっている。
2007.11.07
今月の論創海外ミステリの新刊は、A・A・ミルンの『パーフェクト・アリバイ』。戯曲による推理劇と短編2作が収録されている。
ジェニファー・ロペスの新譜『ブレイヴ』がなかなか良かった。
2007.11.03
[新刊]
高田崇史『クリスマス緊急指令』講談社ノベルス
矢野竜王『左90度に黒の三角』講談社ノベルス
ついに、宗形キメラ名義の合作ミステリー『ルームシェア』の見本刷りができたというので、池袋まで取りに行く。作家二人と編集さんとで、昼食を取りながら完成を祝う。この1作目はスタートから完成まで4年近くかかってしまったが、次作『レクイエム(仮)』はなるべく早く出そうと、三人で決意を新たにする(すでに執筆中)。
早い所では、6日頃から大手書店に並びますので、よろしくお願いします。
池袋への行き帰りの電車で、折原一さんの新刊『黒い森』を読む。途中で寄った池袋の古本屋で、「プチフラワー」の創刊号を買う。萩尾望都の名作「訪問者」が載っているのだ(この作品は部分的に、ナボコフの『ロリータ』が下敷きになっていると思う)。昔、リアルタイムで買った雑誌なので懐かしくて。
2007.10.31
[新刊]
柄刀一『紳士ならざる者の心理学』祥伝社ノン・ノベル
「サスペリアミステリー」の連載原稿を書いて亜空間通信で送る。今回は鈴原研一郎の短編を取り上げる。
「僕らが愛した手塚治虫」の原稿を書き、亜空間通信で送る。今回も雑誌「COM」のことの続きで、さらに「COMコミックス」と「COMコミックと、「COM」復刊号のことに言及する。
「古典籍展観大入札会目録」というものすごく立派な古書目録が送られてきた。しかし、写本とか版本類とか、中国書画などの目録なので、用事はなし。
2007.10.26
なんと、芦川澄子先生の全作品が一冊の本にまとまった。芦川澄子『ありふれた死因』東京創元社がそれ。装幀も美しい。
2007.10.24
鳥飼否宇氏の『異界』と石崎幸二氏の『首鳴き鬼の島』を読了。前者は、南方熊楠を主人公にした伝奇寄りの作品。
後者は、レトロな舞台設定の中で現代的な素材を基にした大胆なトリックを施してあり、そこから生じる結果に意外性があった。構成にも面白みがあり、お勧め。
ウイルスバスターを2007から2008にパージョンアップする。メーラー、エディター、その他、ソフトの起動する度に、「IEをどうたらこうたら」というエラー・メッセージが出てうるさい。「書き換え監視」をすぐにOFFにする。
2007.10.23
富士通製親指シフト・キーボードFMV-KB611の後継機種FMV-KB613が出た。とりあえず、親指シフト・キーボード愛好者としては嬉しいが、値段が31500円と、KB611の倍になったのは痛い。
エデンズ・カースの「エデンズ・カース」というハードロック・アルバムを聴く。哀愁感もあり、歌も演奏も良質。メンバーのルックスはデス・メタル系なのに(笑)。
石持浅海氏の『左手と心臓』を読み、続いて石崎幸二氏の『首鳴き鬼の島』へ突入。
2007.10.22
霞流一氏の『夕陽にかえる』、倉阪鬼一郎氏の『四神金赤館銀青館不可能殺人』、道尾秀介氏の『ソロモンの犬』を読了。前者2冊は、良い意味で突飛。『ソロモンの犬』はあえて青春小説にふってあるので、ちょっと小粒だが、手がかりのばらまき方と誤誘導が綺麗に決まっている作品。
2007.10.21
[情報館]を更新。
愛川晶氏の『道具屋殺人事件』を読了。きっと落語好きにはたまらない作品集であろう。分野は違うが、戸板康二の中村雅楽シリーズが好きな人に向いているはず。
2007.10.19
今月の論創海外ミステリの新刊は、クリスチアナ・ブランド『ぶち猫 コックリル警部の事件簿』。解説は山口雅也氏。
西尾維新氏の『不気味で素朴な囲われた世界』を読了。二番目の殺人トリックが、英米黄金時代の有名作とまったく同じ。偶然か、意図的なのか、ちょっと興味がある。
鮎川賞受賞作・山口芳宏氏の『雲上都市の大冒険』を読了。とっても楽しくて、わくわくしながら読み続けた。
トリックは無茶をしているが、その無茶が愉快、愉快。二人出てくる探偵も、それぞれに名探偵らしく、物語全体を覆うそこはかとないユーモアも好ましい。
ただ、時代色や舞台色がぜんぜん出ていないのが残念な点で、時代考証にも怪しい所がある。昭和二十年代の東北が舞台なのに、方言をしゃべる者が一人もいないというのも、少しもったいない。
――というような文句は出てくるが、それも許せてしまう。今から二作目が待ち遠しいぞ。
某社と打ち合わせ。ついでにMクラスの書店に寄り、『山本周五郎探偵小説全集(1) 少年探偵・春田龍介』(作品社)と、『ぜんぶ手塚治虫!』(朝日文庫)を転送収容。
2007.10.17
台湾版『吸血の家』の見本刷りが宇宙輸送船で到着。
秋梨惟喬氏の『もろこし銀侠伝』を読了。よくできた中国昔話風作品。ただ、2作目以降の謎が小粒で、もっと破天荒な不可思議が扱われていたらと惜しまれる。
近藤史恵氏の『サクリファイス』を読了。これはとっても面白い。ただ、ミステリー色(特に本格色)は薄い。普通の小説と思って読むのが吉。
有栖川有栖氏の『女王国の城』を読了。丁寧で完成度の高い作品。あれは何故? あれは何? と、疑問に思ったことが、最終的にすべて回収されて見事に解決されているのだった。お勧め。
2007.10.15
[お知らせ]
光文社文庫『新・本格推理08』の応募は、9月末日で締め切りました。おかげさまで、応募総数は例年並みの85通にのぼりました。すでに一次選考に入っています。投稿者の皆様、ありがとうございました。最終結果は来年の1月に出て、発表は来年の3月となります。
パズル雑誌「ニコリ」用の連載原稿「名探偵Zの事件簿 第11話 果物の名前」を書いて、亜空間通信で発送。
2007.10.12
[新刊]
鮎川哲也『早春に死す』光文社文庫
島田荘司『龍臥亭幻想(上)』 『同(下)』光文社文庫
アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの事件簿』光文社文庫
11月に講談社ノベルスから出る『ルームシェア ―私立探偵・桐山真紀子―』の再稿ゲラの手入れを行ない、宇宙輸送船で発送。
この作品は〈宗形キメラ〉名義で出る合作だが、相方は千澤のり子さん。本作品が作家デビューとなる女性だ。すでにシリーズ第二弾『レクイエム(仮)』も執筆を開始しており、できれば、来年前半中には出したいと考えている。元女性警察官の桐山真紀子という三十代の私立探偵が主人公で、味わいとしては、ハードボイルドと本格とサスペンスの間くらいのミステリー。
2007.10.11
物質転送機による取り寄せは、R・オースティン・フリーマン『ベンローズ失踪事件』長崎出版。
2007.10.10
ミステリーズ!新人賞受賞作「夜の床屋」を読む。そこはかとないユーモアがあり、宮沢賢治の童話めいた雰囲気があり、泡坂妻夫風の論理があり、なかなか面白い作品。しかし、探偵役が、探偵役しか知らない事柄を持ち出して事態を説明するのはどうかと思う。ここは冒頭に、主人公が誘拐事件のニュースをそれとなくテレビで見ていたとか、夕方まではパトカーによく出会ったとか、そういう場面をそれとなく書き込んでおきたい。
「僕らが愛した手塚治虫」の原稿を書き、亜空間通信で送る。今回も雑誌「COM」のこと。
2007.10.06
[新刊]
山口芳宏『雲上都市の大冒険』東京創元社(鮎川賞受賞作)
「ミステリーズ! Vol.25」東京創元社
霞流一『夕陽はかえる』早川書房
昨日は鮎川賞授賞式&パーティ。
ひな壇の横に、審査委員の、島田荘司、笠井潔、山田正紀、有栖川有栖、綾辻行人、若竹七海氏らがずらっと並び、会場にも、訳が解らないほど本格ミステリー作家がいるのだから、面白くないわけがない。桜庭一樹さんが浅暮三文さんの顔を見て、「ディクスン・カーに似ていますね」と言ったのが、一番おかしかった。
写真は、鮎川賞受賞の山口芳宏さんと、ミステリーズ!新人賞受賞の沢村浩輔さん。
2007.10.05
[新刊]
島田荘司『リベルタスの寓話』講談社
西尾維新『きみとぼくの壊れた世界』講談社(ハードカバー版)
西尾維新『不気味で素朴な囲われた世界』講談社(ハードカバー版)
西尾維新『不気味で素朴な囲われた世界』講談社ノベルス
古野まほろ『天帝の愛でたまう孤島』講談社ノベルス
中西智明『消失!』講談社ノベルス(復刊)
阿井渉介『列車消失』講談社ノベルス(復刊)
皆川博子『聖女の島』講談社ノベルス(復刊)
まだ4日だが、たくさん本が出たし、明日は忙しいので、もう書いておく。
島田先生の『リベルタスの寓話』の装幀が凝っている。カバーの素材が素材だけに、ツルツルして、本や帯との引っかかりが悪いが。
2007.10.04
[新刊]
柴田よしき『ア・ソング・フォー・ユー』実業之日本社
[お知らせ]
「WEBメフィスト」にて、『双面獣事件』のweb版第4回が公開になりました。
あと、講談社ノベルスのサイトを見ると、11月の新刊予定に、秘密プロジェクト『R・S』の予告も載っています。見慣れない合作ペンネームの作品がそれです。
2007.10.03
[情報館]を更新。
講談社文庫版『魔術王事件』のゲラに手を入れていたら、ポール・アルテの『狂人の部屋』に出てきた死体トリックとほぼ同じようなことが書いてあるのを発見、驚いた(自分で書いたことをすっかり忘れていたので)。
待てよ。翻訳は新しいが、発表年は『狂人の部屋』の方が先か(とすると、こちらの負けである)。
それにしても、本当にフランスには、ポール・アルテという作家がいるんだろうか。彼の本(翻訳本)って、実は、ROMの人たちとか、森英俊さんとか、平岡敦さんがみんなグルになって、新本格ミステリーを研究しなから書いているハウスものなんじゃないだろうか。デビュー年が綾辻さんのデビューと一緒というのもできすぎているし、以前、歌野さんの長編に、そっくりのトリックがあることでも話題になったし。だいいち、フランスの作家が、こんなカーみたいな本格作品を書くなんて、未だに信じられないし……。
2007.10.02
二階堂蘭子シリーズが映画化されることがあったら、ぜひ、沢尻エリカさんに蘭子の役をやってほしい(笑)。
2007.10.01
[新刊]
新津きよみ『ユアボイス』理論社
昨夜、武蔵村山のダイアモンドシティー・ミューへ行き、レイトショーで、映画「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」を見る。100分程度の時間にうまく話をまとめてあり、とても面白かった。
早川書房からも、「このミス」みたいなムックが11月下旬に出るらしい。例年「ミステリマガジン」の3月号でやっていたアンケートを拡大して前倒しにしたもののようだ。一応、海外部門のみ回答しておく。
「このミス」の「私の隠し玉」などの原稿を書いて送る。20周年らしい。
ついでに宣伝。島田荘司監修「本格ミステリー・ワールド 2008」(南雲堂)は、今年は12月中の発売となる。すでに編集作業、原稿依頼作業を開始している。
2007.09.30
西澤保彦さんの『収穫祭』を読了。普通に面白い犯罪小説。
事件の冒頭、男の子が女の子を性的に襲いかけるが、心理的にあまり納得できない。昔、ボール・ギャリコの『ポセイドン・アドベンチャー』を読んだ時のことを思い出した。船がひっくりかえって惨劇が起きたばかりなのに、恐慌を来したウエイターが主人公級の若い女性を強姦するという場面。いろいろな出来事があって、最終的に自暴自棄になった男がそういう衝動を抑えられないというのなら解るが、そんな早くでは無理矢理な話だと思った(1970年頃のアメリカの小説は、やたらにセックスを持ち込む癖があったにしても)。それと同じ違和感を覚えたわけである。
VOICES OF ROCKという名のバンドの「MMVII」というアルバムを聴く。10人のシンガーに一曲ずつ歌わせた、メロディアス・ハードロック。良質であった。
2007.09.28
[新刊]
倉阪鬼一郎『留美のために』原書房
Mクラスの書店で、『原作完全版 鉄人28号(24)』を転送収容。これで全24巻が完結。
ついでに、「ミステリマガジン」の笠井さんの評論を読む。『アクロイド殺し』みたいな、クリスティーの中ではかなりの凡作について、あれだけ熱意を込めて書けるのは凄いと思う(皮肉ではないよ)。
2007.09.27
『双面獣事件』最終回230枚を書いて亜空間通信で送る。この後、連載用の手入れと、12月にノベルス化するので、全体的な手入れとが、作業的には同時進行するのである。
小説版『鉄腕アトム 火星のガロン』は、出版社の都合で、11月28日発売に決定。
米澤穂信氏の『インシテミル』を読了。ゼロサムゲーム型ミステリーの佳作で、お勧め。本格ファンをくすぐってくる要素も多い。個人的な趣味では周辺事情とかがもっと知りたいところであるが、この年代の作家は皆、その辺はあまり書き込まない傾向だ。
Sクラスの書店で、横山光輝『夜光島魔神』(講談社漫画文庫)を転送収容。
2007.09.21
[新刊]
有栖川有栖『女王国の城』東京創元社
念動力による取り寄せは、『ヘルマン・ヘッセ全集(14)』臨川書店。これには、「ナルツィスとゴルムント」、つまり、これまでの邦題「知と愛」が収録されている。
小説版『鉄腕アトム 火星のガロン』のカバー・デザインが上がってきた。
2007.09.20
[情報館]を更新。
[新刊]
山田正紀『白の協奏曲』双葉社
D・M・ディヴァイン『悪魔はすぐそこに』創元推理文庫
石持浅海『心臓と左手』光文社カッパ・ノベルス
追い打ちをかけるように、11月に講談社文庫から出る『魔術王事件』のゲラが届く。1127ページ分。たぶん、2分冊になるはず。
2007.09.15
[新刊]
小森健太朗『探偵小説の論理学』南雲堂
ウィリアム・ブリテン『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』論創社(論創海外ミステリ)
10、11、12月と毎月新刊が出る予定だが、それらの本のゲラと連載原稿のゲラ、連載原稿の下書きが、すべて目の前に山積みになっている。大変な事態だ。
10月に出る予定の、小説版『鉄腕アトム 火星のガロン』のゲラには、以下の写真のような挿絵が加わった。
2007.09.11
[新刊]
山田正紀『ゴースト 創造士・俎凄一郎 第 1部』講談社ノベルス
[お知らせ]
Timebook Town内に、「e-NOVELS」のコーナーがオープンしました。
貫井徳郎氏の『ミハスの落日』を読了。謎解き要素もあり、人間心理も描ききっているなど、バランスの取れた作品集。
『双面獣事件』最終回の下書きができる(210枚)。
2007.09.07
[新刊]
ミステリー文学資料館・編『江戸川乱歩と13の宝石 第2集』光文社文庫
歌野晶午『ハッピーエンドにさよならを』角川書店
ポール・ドハティー『赤き死の訪れ』創元推理文庫
最近、日本の小説を読んでいて(ほとんどはミステリーだが)、ちょっと気づいたことがある。「彼」とか「彼女」とかいった三人称の代名詞があまり使われなくなってきたことだ。そのかわり、一段落の中でも、「太郎が」「太郎は」みたいに、同じ人物の名前が連続的に使用される傾向がある。
一昔前の翻訳だと(たとえば、世界文学全集などに入っている作品とか)、1ページ以上にわたって、代名詞しか出てこないことも多々あった。
もともと、日本語には「彼(he)」とか「彼女(she)」といった三人称としての代名詞はなく、確か、明治期に森鴎外とかが翻訳して作ったものだったはずだが(最初は、女性も「彼」と記されていた)、それにしても、最近の変化は何から生じたものだろうか。と、ちょっと不思議に思う。
実際のところ、自分自身の文章でも、代名詞が減ってきた感じがする。が、それが何に起因しているのかはよく解らない。ミステリーの場合には、キャラを立てたい(人物をコマとして区別化したい)という要求があるので、できるだけ固有の名前を連呼した方が印象づけられる度合いが強いかも、ということなのだろうか。
2007.09.06
[情報館]を更新。
「WEBメフィスト」にて、『双面獣事件』のWEB版第3回が公開された。
宮尾登美子の『湿地帯』を読む。驚いたことに、平凡なミステリーであった。
「ニコリ」に載った拙作「名探偵Zの事件簿 第10話 おクマさん殺し」のトリックが、「メフィスト」の最新号に載っている島田荘司先生の「リベルタスの寓話」ともろにかぶった。こちらは10枚の冗談にしかできなかったが、島田先生の奇想理論を使うと、あんなにスケールの大きな350枚の作品になるのかと、非常に感心したしだい。
2007.09.05
昨日は、講談社の編集さんと、11月と12月に出る予定の本についての打ち合わせ。
勇嶺薫(はやみねかおる)氏の『赤い夢の迷宮』を読了。いつものような少年少女向きの文体だなあと思ったら、いつのまにか変化していて、最初にそう思った時点で、作者の術中にはまってしまったのだった。お勧め。
2007.09.03
今さらの話。講談社ノベルスの25周年記念復刊だけど、顔ぶれとしては、仁木悦子の『陽の翳る街』を入れて欲しかったな。
2007.09.02
『ファイロ・ヴァンスの犯罪事件簿』を読了。小森健太朗氏が、ヴァン・ダインの長編を全部、新しく翻訳してくれないだろうか。で、論創社か原書房か東京創元社から、単行本で出ると。
2007.09.01
ミステリ・チャンネルの『モンテ・クリスト伯』を最後まで見る。途中まではよくできていたのに、結末が原作と違っていて、すべてを台無しにしてしまった。
詠坂雄二氏の『リロ・グロ・シスタ』を読む。これほど気取ったハードボイルド的文章(というか言い回しというか)は、近頃珍しいね。
8月中旬から続いている腰痛が治らない。整体に2回、タイ古式マッサージに2回、行ったが、快復せず。
2007.08.31
[新刊]
石持浅海『Rのつく月には気をつけよう』祥伝社
S・S・ヴァン・ダイン『ファイロ・ヴァンスの犯罪事件簿』論創社(論創海外ミステリ)
道尾秀介氏の『片眼の猿』とクレイトン・ロースンの『虚空から現れた死』を読了。
前者は探偵の設定などに旨味がある。しかし、軽ハードボイルドにふるか、本格にふるか、ちょっとどっちつかずになった印象。
後者はパルプ・マガジンに発表されたということで、やや活劇的な部分もあるが、まずは強烈な不可能犯罪の提示に驚き(2編目なんか、E・D・ホックの有名な短編を思わせる)、次に、そのトリックを奇術的趣向によって解いてしまう手腕に感心する。ロースンはやはり、長編より、短編か中編なんだな。
さて、ロースンの傑作短編集『The Great Merlini』の翻訳を出してくれるのは、原書房? 論創社? それとも別の出版社?
2007.08.30
[新刊]
米澤穂信『インシテミル』文藝春秋
「サスペリアミステリー」の連載原稿「二階堂黎人が選ぶリバイバル・ミステリー」を書いて、亜空間通信で送る。今回は、江原伸の『のろいの黄金塔』を取り上げた。
柴田よしきさんの『小袖日記』を読了。風刺あり、ユーモアあり、推理味ありで、小気味の良い面白さであった。
物質転送機で、宮尾登美子の『湿地帯』を取り寄せ。
2007.08.29
Mクラスの書店で『原作完全版 鉄人28号(23)』を転送収容。
論創海外ミステリの今月の新刊は、S・S・ヴァン・ダイン『ファイロ・ヴァンスの犯罪事件簿』。編・翻訳は小森健太朗氏。ヴァン・ダインの短編集としては、世界初だという。こういうオリジナル企画はとても嬉しい。
チクマ秀版社から、手塚治虫『カラー完全版 スーパー太平記』が出た。要するに、雑誌連載のまま、全ページを収録した本ということだ。これと、講談社の全集などに入っている『スーパー太平記』を見比べると、単行本化の際、手塚治虫がどういう編集作業を行なうか、よく解るだろう。
2007.08.28
物質転送機で『ヘルマン・ヘッセ全集(15) ガラス玉遊戯』を取り寄せる。実を言うと、ヘッセの小説で、『ガラス玉遊戯』だけはまだ読んでいない。正確には、半分まで読んでやめている。高校生の時に読み始めたが、難解で歯が立たなかったのだ。よって、隠居したら、じっくり読もうと思っている。
霧舎巧氏の『新本格もどき』を読む。新本格パロディだが、一つ一つの短編にきっちりとトリックやアイデアが盛り込んであり、中には長編ネタすらある。こういう作品はアイデアを出し惜しみしてはいけないわけで、その点でも及第点以上。個人的には、サラダの話が、綺麗に伏線も張ってあって、とても良かった。新本格ファンにはお勧め。
2007.08.27
[新刊]
北村薫『1950年のバックトス』新潮社
滝田務雄『田舎の刑事の趣味とお仕事』東京創元社(ミステリフロンティア)
昨日の夕方は、仕事をこっそり抜けて(?)行ってきましたよ。神保町の三省堂書店で行なわれた『北原尚彦×牧眞司トークショー「『SF奇書天外』ライブ!」に。何しろ、SF者にして古本者の強者二人で、ミステリーで言えば、森英俊さんと日下三蔵さんが対談するようなもの。だから、面白くないわけがない。で、まさしく抱腹絶倒の2時間でした。私はSFは詳しくないので、飛び交う本の95パーセントは知らないわけだけど、その合間に挟まる、古本探し談義だけで満腹しましたとも。
牧さんには『世界文学ワンダーランド』に、北原さんには『SF奇書天外』にサインをしてもらったのは言うまでない。
2007.08.25
e-NOVELSが変わります。トップページのニュース欄に重要なお知らせがありますから、御覧ください。
今日もゲラに朱入れ。
2007.08.24
[新刊]
篠田真由美『センティメンタル・ブルー』講談社文庫
愛川晶『道具屋殺人事件』原書房
小説版『鉄腕アトム』と『双面獣事件』のWEB版第4回のゲラに朱入れ。両方合わせて500枚超え。ゲラは重なるもの。
小説版『鉄腕アトム』の方は、挿絵のラフも出てきたので、どんどんそれらしくなってきた。
「サスペリアミステリー」連載の資料として「週刊マーガレット」1966年1月23日号を見ていてびっくり。水野英子、西谷祥子、鈴原研一郎、石森章太郎などのマンガにまじって、吉田竜夫の『少年エース』まで載っている(といっても、竜の子プロ作品だが)。
高田崇史氏の『毒草師』を読了。一つ目の鬼や一つ目の山羊を見た人物が密室から消失し、しばらくして別の場所で死体として見つかるという謎が強烈。が、旧家ならぬ超旧家に伝わるあるものの正体の方に瞠目。『伊勢物語』に関する蘊蓄もあり、お勧め。
2007.08.21
[情報館]を更新。
[新刊]
鮎川哲也『白昼の悪魔』光文社文庫
柴田よしき『やってられない月曜日』柴田よしき
『双面獣事件』の最終回を執筆中。
2007.08.22
[新刊]
山口雅也『續・日本殺人事件』創元推理文庫
講談社BOX & Amazon.co.jp共同企画の『島田荘司 very BEST10』において、読者投票の中間発表が行なわれている。私も、「作家が選ぶBEST5&コメント」に回答している。
2007.08.19
[新刊]
霧舎巧『新本格もどき』光文社カッパ・ノベルス
詠坂雄二『リロ・グロ・シスタ』光文社カッパ・ノベルス(Kappa-One)
Mクラスの書店で、白土三平『貸本版 風の石丸』マンガショップと、最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』新潮社を転送収容。
2007.08.09
[情報館]を更新。
[企画進行中]を更新。
[新刊]
道尾秀介『ソロモンの犬』文藝春秋
秋梨惟喬『もろこし銀侠伝』東京創元社(ミステリ・フロンティア)
「WEBメフィスト」にて、『双面獣事件』のWEB版第2回が公開された。今回は、あらすじも入れてもらったので、雑誌版(第1部)を読んでいない方にも見通しが良くなったと思う。
『僕らが愛した手塚治虫』の連載原稿を書き、亜空間通信で送る。今回も雑誌「COM」について。
2007.08.08
[情報館]を更新。
[新刊]
「メフィスト」2007年9月号 講談社
桜庭一樹氏の『青年のための読書クラブ』を読了。第2章が好きかな。
ミステリチャンネルで始まった、デュマ原作の『巌窟王 モンテ・クリスト伯』の第1回を見る。非常によろしいでき。
2007.08.06
[新刊]
「ミステリーズ!」VOL.24 東京創元社
『双面獣事件』第2部第3回のゲラに赤を入れて、火星航路の輸送船に載せる。
夜、映画館で「トランスフォーマー」を見てくる。よくできていて、派手で、それなりに面白い。が、やはりスピルバーグなので、肝心な所を外してしまっている気がする(『宇宙戦争』で言えば、何で、ウォー・マシンが地下から出てくるんだよ、みたいな所)。
Mクラスの書店で、高田崇史氏の『毒草師』を転送収容。
2007.08.04
[新刊]
「SFJapan」2007年夏号 徳間書店
『双面獣事件』第9回(第2部第4回)を書き上げ、亜空間通信で送付。下書きは140枚だったが、清書したら、191枚になってしまった。ああ、疲れた。
講談社文庫版『ドアの向こう側』(ボクちゃん探偵 3.0)の見本刷りが届く。カバーデザインは松木美紀さん、解説は松尾由美さんなのだ。発売は、15日前後だと思う。
2007.08.03
[新刊]
高田崇史『QED 九段坂の春』講談社ノベルス
辻真先『急行エトロフ殺人事件』講談社ノベルス(復刊)
連城三紀彦『敗北への凱旋』講談社ノベルス(復刊)
竹本健治『狂い壁 狂い窓』講談社ノベルス(復刊)
講談社ノベルスは、今月から、綾辻さんと有栖川さんの選択による復刊が3冊ずつ出る。
2007.07.31
[新刊]
綾辻行人『アヤツジ・ユキト 1996-2000』講談社
綾辻行人『アヤツジ・ユキト 2001-2006』講談社
平山雄一『江戸川乱歩小説キーワード辞典 』(東京書籍 )を、Lクラスの書店で発見。
ペラペラめくっていて読んだら面白くなり、気づいたら転送収容していた。項目にも注釈がいっぱいあるという詳細さ。
2007.07.30
[新刊]
桜庭一樹『桜庭一樹読書日記』東京創元社
柴田よしき『朝顔はまだ咲かない』東京創元社
石崎幸二『首鳴き鬼の島』東京創元社
8月1日発売予定の綾辻行人さんの新刊『アヤツジ・ユキト 1996-2000』と『アヤツジ・ユキト 2001-2006』(講談社)を読了。当たり前なのだが、なるほど、これは多角的な見地に立つ本格愛の発露なのだなと、しみじみ思う。帯の惹句を見て、そうか、今年は新本格20周年だったのか、とも気づく。
桜庭一樹氏の『桜庭一樹読書日記』も、最初から最後まで高揚感があって楽しめる。こっちの気持ちもウキウキしてくる。
『双面獣事件』の原稿150枚を清書中。あと8月に200枚書いて、終わりになる予定。
2007.07.28
[新刊]
北川歩実『天使の歌声』創元推理文庫
一昨日は、某社と来年の書き下ろしについて打ち合わせ。
昨日は、連載「僕らが愛した手塚治虫」のゲラに朱入れ。
藤木稟氏の『堕ちたイカロス』を読了。プリーストの『双生児』は途中で挫折。後半は斜め読み。『奇術師』や『魔法』の方が面白かった。
Mクラスの書店を探査。『原作完全版 鉄人28号(22)』と米沢嘉博『手塚治虫マンガ論』を転送収容。
2007.07.25
[新刊]
クレイトン・ロースン『虚空から現れた死』原書房(ヴィンテージ・ミステリ)
本日の、物質転送機による取り寄せは、『完訳 ファーブル昆虫記 第5巻 下』(集英社)。
ヴィンテージ・ミステリ・シリーズが始まった時からリクエストしていた『虚空から現れた死』が刊行されたので、とても嬉しい。
「WEBメフィスト」版『双面獣事件』(第2部第2回)のゲラに朱入れ。
2007.07.23
[新刊]
加納朋子『ぐるぐる猿と歌う鳥』講談社(ミステリーランド)
「ROM」129号が到着。ドイツ・クラシック・ミステリー特集が冒頭にあり、ジャール・ベルヌの未訳本まで紹介してくれているのがありがたい(正確には、『毛皮の国』の題で、明治時代に翻訳があるらしいが)。
を更新。
[新刊]
祐光正『浅草色つき不良少年団』文藝春秋と柄刀さんの
西澤保彦『収穫祭』幻冬舎
「ニコリ」の連載原稿〈名探偵Zの事件簿 おクマさん殺し〉を書き、亜空間通信で送る。
クレイトン・ロースン『虚空から現れた死』(ヴィンテージ・ミステリ)が、いよいよ原書房から出るらしい(25日頃)。
これは、中編集で、「過去からよみがえった死」と「見えない死」の2編が収まっている。探偵は、ドン・ディアボロという奇術師。「過去からよみがえった死」は、過去に「別冊・宝石」で訳出されたことがあり、奇術的手法で不可能犯罪を解き明かす傑作であった。というわけで、期待大なのである。
『ミステリ・リーグ傑作選 下』の長編「角のあるライオン」ブライアン・フリンを読む。まあ、はっきり言ってできは良くない(予想通り(^_^;))。通俗的で華のないクイーン、というところ(というか、もともと、そこを楽しむ小説だろう(^_^;))。
2007.07.13
[新刊]
鳥飼否宇『異界』角川書店
三津田信三『禍家』光文社文庫
アーサー・コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』光文社文庫
松尾由美氏の『九月の恋と出会うまで』を読了。2章目に入って、「えっ、こんなことが起きるのか!?」と驚き、続いて、「えっ、こんなことも?」「こうなふうにも?」と驚きが続く。良い話が好きだけど、ただの良い話ではないものが好きな人にお勧め。例によって、きちんとした推理味があるところも、松尾さんらしくて良い。
「僕らが愛した手塚治虫」の連載原稿を書いて、亜空間通信で送る。「COM」に関する3回目。
2007.07.10
京王百貨店の大古書市の目録が来たので見ていたら、福島鉄次の『砂漠の魔王』全9巻が、たったの85万円で出ているではないか。安い! 注文せねば! ということで、まずは宝くじを買ってきた。
本格ミステリ作家クラブ・編『本格ミステリ07』を読了。『06』はカタログ的になりすぎ、?な作品もあったが、今回収録の小説はどれも面白かった。特に、芦辺拓さんと大倉崇裕さん(ただ、名刺や警察手帳ではなく、警察バッジというのは、ちょっと苦しい)の作品が良かった。
2007.07.08
[新刊]
青木知己『偽りの学舎』小学館(小学館ミステリー21)
昨日は、弥生美術館へ『武部本一郎展』を見に行く。これが素晴らしいのである。一階と二階を使って、紙芝居から絵物語、SFやミステリー、児童書の挿絵や絵本などの原画とその印刷物、水彩画など、多種多様な絵が飾ってある。が、それがどれも、精密で美しく、力強い上に、構図にも秀でているので、ちょっと見始めただけでも鳥肌が立ってしまった。
原画と本が並べて飾ってあるのだが、原画の方が色合いも艶や階調表現もずっと綺麗であることが解った。印刷だとちょっとした質感が潰れてしまうのであった。
ミステリー・コーナーには、戸川さん所蔵のカー『どくろ城』(氷川瓏訳)の最初に刊行された方の本とか、南洋一郎が池田宜政名義で翻訳した方の『アルセーヌ・ルパン全集』全20巻、ポプラ社、箱入り本がすべて飾ってあったりとか、特に目を惹いた。
一階を見終わった時、アドバイザーの大橋博之氏と合流できたので、もう一度、いろいろと説明してもらいながら見ていたら、今度は、武部本一郎氏の御子息・嗣郎氏がお見えになり、一緒に館内を見て回ることに。武部本一郎氏が絵を描いていた時、あるいは普段の様子など、いろいろな話を聞くことができて、ずいぶん徳をしてしまった。
この写真は、弥生美術館の特別の許可により 撮影したものです。 |
2007.07.07
[情報館]を更新。
昨晩より、「WEBメフィスト」の公開が始まった。拙作『双面獣事件』の第2部の連載も始まった。御覧あれ。
2007.07.04
[新刊]
倉阪鬼一郎『四神金赤館銀青館不可能殺人』講談社ノベルス
朝日ソノラマが九月で店じまいをするんだね。子供の頃、朝日ソノラマのソノシートやサンコミックスという新書判のマンガに親しんだので、ちょっと残念である。
2007.07.03
『武部本一郎展 〜紙芝居からSFアートまで〜 永遠のヒーロー・ヒロインの世界』が、弥生美術館で、7月7日より催されるとのこと。来週あたり、見に行こうかと思う。
ラピュータから、大橋博之編『武部本一郎少年SF挿絵原画集(上)』と『同(下)』も発売になった。
2007.07.02
台湾版『人狼城の恐怖 第4部完結編』の見本刷りが届く。
花村えい子先生の『霧のなかの少女』を読む。あえて貸本雑誌と同じソフトカバーとしたところが洒落ていて、表紙レイアウトも綺麗である。以前出たマーガレットコミックス版は第1部までしか収録されていなかったが、これは第2部まで完全に収録されているので、読み応えたっぷり。
大村友貴美氏の『首挽村の殺人』の読了。ちょっと人物の書き分けが悪い。
2007.07.01
[情報館]を更新。
映画「ダイ・ハード4.0」を映画館で見る。非常に面白かった。
Mクラスの書店で、横山光輝『原作完全版 鉄人28号(21)』と、桜庭一樹『青年のための読書クラブ』を発見。転送収容する。