ライン

不定期日記(過去ログ)

2004年03月〜12月



2004.12.25
 ようやく『江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集 子不語の夢』を熟読。乱歩と不木の往復書簡も意義深いけれど、脚注が素晴らしく学識に富んでいる。ここ数年の乱歩研究の中でも教えられるところが一番多かった本だ。《本格ミステリ大賞》の評論・研究部門で候補になるようなことかあったら、ぜひ一票を投じたい。

 CORNERSTONEのセカンド・アルバム「HUMAN STAIN」を聴く。ファーストよりわずかにハード寄りで、これはこれでかなりのツボ。

2004.12.24
[情報館]を更新。

[新刊]
 柴田よしき『窓際の死神』双葉社

 ようやく「メフィスト」の1月号が発売になった。今回より、蘭子さんが活躍する新しい長編『双面獣事件』を連載する。舞台の中心は、奄美大島や、その付近の南海の孤島となる予定(あの辺を南海というかどうか知らないが)。もちろん、ラビリンス・サーガの第3弾なのだ。

 山川惣治が興したタイガー書房が発売していた絵物語雑誌「ワイルド」の11号から17号までを入手。1号から8号までは前から持っているので、9号と10号をこれから捜そうと思う。

2004.12.23
 ホーナングの『二人で泥棒を』と、辻真先先生の『信州・高原列車殺人号』を読了。

「サスペリア」の原稿を年末進行で書き、亜空間通信で送付。今回取り上げたのは、西岸良平の『鎌倉ものがたり』。

2004.12.21
[情報館]を更新。

『新・本格推理05』の選評を執筆中。

2004.12.20
 石持浅海氏の『水の迷宮』を読了。物語を謎解きの応酬で引っ張る技術は高水準。今回は、部外者(警察他)が介入しない理由付けにも無理がなかった。

2004.12.19
 論創海外ミステリ・シリーズの『フレンチ警部と漂う死体』が小型宇宙輸送船で届く。もちろん、クロフツのこれまだ未訳だった作品だ。

 柄刀一氏の『御手洗潔対シャーロック・ホームズ』を読了。想像どおり、質の高い「偽作」であった。
 よく、「贋作」と言うが、「贋作」は悪い意味で偽物を作ることで、本物に似せた作品を創造することは「偽作」と呼んだ方が良かろう。

2004.12.18
「スタートレック/ヴォイジャー」第4シーズンDVDボックスが、小型宇宙輸送船で届く。やっぱりセブン・オブ・ナインが出てくると面白さ倍増である。

 富士通アクセスのサイトで、オリジナルB5ノート親指シフトモデル(FMV-830MG/S FMVMG3H3S)の写真が見られるようになった。店頭販売しているMG50は黒いキーボードだが、こちらの親指シフト・キーボードは白基調で、キートップの文字が見やすい。これでCPUがCeleronM 1.50GHzではなく、2.0GHz以上だったら即座に買いなのだが、1.5GHzだとちょっとスペック不足だしなあ。悩むところである。

2004.12.17
[新刊]
 本格ミステリ作家クラブ・編『紅い悪夢の夏』講談社文庫

 本格ミステリ作家クラブの年刊アンソロジーが文庫になった。『本格ミステリ01』が2分冊され、今月と1月とで刊行される。2冊買うと、次回の《本格ミステリ大賞公開開票式》に出席できるかもしれない。詳しくは帯を見てね。

「ROM」121号が小型宇宙輸送船で到着。

2004.12.15
[新刊]
 鯨統一郎『すべての美人は名探偵である』光文社カッパ・ノベルス
 米澤稲信『春期限定いちごタルト事件』創元推理文庫
 「別冊シャレード vol.86 山沢晴雄特集9」甲影
 「別冊シャレード vol.48 笠井潔特集」

 光文社文庫の「江戸川乱歩全集」の景品であるBDバッジをもらってしまった。役得役得。しかし、これを道ばたに投げ捨てて、犯人の行方を仲間に告げるには、あと3000個ぐらい必要ではあるな。

2004.12.14
[情報館]を更新。

[新刊]
 光文社「ジャーロ」18号2005年冬
 磯田和一『東京遊歩東京乱歩』河出書房新社

「ジャーロ」にて、本格ミステリ作家クラブのロゴマークを発表。実に素敵なマークができたのだ。また、連載企画「私の愛する本格ミステリ ベスト3」第2回も掲載。

 光文社文庫編集者と亜空間立体映像無線にて相談。『新・本格推理05』のラインナップを決定する。今回も、両者の選出にほとんど違いはなかった。8作は即座に採用で、あと2作は改稿の上、片方採用、両者採用、両者不採用、のどれかとなる。『新・本格推理03』では3作同時掲載という新人が登場して斯界に衝撃を与えたが、今回も2作同時掲載という強力な新人が出現したことを、大いにアピールしておこう。

2004.12.13
 ネット予約してあったA・B・コックスの『プリーストリー氏の問題』が届く。

 デジカメのZ55が゛暗所(といっても、夜の室内とか、パーティ会場)に弱いのにがっかりして(ISO200だとノイズだらけ)、感度が高いというだけで、富士フィルムのF710を衝動購入。そうしたら、これがかなりの正解。オートでISOが160〜だし、マニュアルだと200〜1600まで使える。しかも、200ではぜんぜんノイズが出ない。400でもほとんど気にならない。フラッシュもけっこう遠くまで届く。というわけで、暗所で写真を取るには最適な機種だ。画質もしっかりとした色乗りで好み。欠点は、コンパクト機としてはやや大きく、重いということ(そのかわり、かなりの高機能・多機能だ)。
 F710はスキーに行く時、胸ポケットに入れるにはかさばるかもしれない。となると、Z55も併用かなあ。

2004.12.11
 ビッグホーン遊星号(「遊星号」という名前に改名した)に、スキー・キャリアを付ける。これで冬支度は万全。

 河内実加さん作画の――渋柿信介の事件簿(1)―― 歯なしの探偵』の中国語版ができた。これは許諾をちゃんと取ったもの。ごらんのとおり、紙面は中国語ばかり(当たり前か)。


2004.12.09
[情報館]を更新。

[新刊]
 「ミステリーズ! vol.8」東京創元社
 江戸川乱歩全集20『堀越捜査一課長殿』光文社文庫
 佐々木俊介『模像殺人事件』東京創元社
 辻真先『信州・高原列車殺人号』光文社文庫
 シオドア・スタージョン『時間のかかる彫刻』創元推理文庫

 ビッグホーンのタイヤをスタッドレスに替える。冬支度。次はスキー・キャリアを付けねばならない。

 バークリーの別名義作『プリーストリー氏の問題』の予約特典があるというので(昨夜まで)、bk1で申し込もうとするのだが、接続状況が悪く、なかなか承認されない。一時間もかかってしまった。

2004.12.08
[新刊]
 芦辺拓『切断都市』実業之日本社

『新・本格推理05』の応募作をすべて読み終わり、採点を完了。毎年レベルが高いと言っているが、今年は一番高かった。傑作目白押しである。スケジュール的には、来週、担当編集者と相談の上、どれを採用するか、最終決定となるが、ある新人の作品を2編いっぺんに載せたいと考えているところ。これは間違いなく、新しい才能の発見となろう。

2004.12.07
[新刊]
 西澤保彦『生贄を抱く夜』講談社ノベルス
 島田荘司『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』講談社ノベルス

 久々に富士通アクセスのサイトを覗いたら、驚くべきニュースが! オリジナルのB5ノートの親指シフトモデル(FMV-830MG/S FMVMG3H3S アクセス特価: 189,800円)を発売するというではないか。LOOXSで大不評を買った「快速親指シフト」ではなく、ちゃんとした「親指シフト」仕様である。
 軽量モバイルの方は1キログラムを切るレッツノートR3をそのまま使い続け、家で使うA4親指シフト・ノート機の買い換えとして(上記のものは1.6キロほどだと思うので、さすがに外へ持っていくには重い)、これを手に入れるのも良いかもしれない。購入意欲大で検討中。

2004.12.06
[本格ミステリ作家クラブ]
 [12月の本格トピックス]を更新。

[情報館]を更新。

 昨日は、本格ミステリ作家クラブの執行会議。人事問題、第5回本格ミステリ大賞の準備、サイトやアンソロジー文庫化の件他。
 その後、光文社と『稀覯本の不思議』と新世紀「謎」倶楽部の『EDS 緊急推理解決院』に関する打ち合わせ。

 EXILIM ZOOM EX-Z55だが、確かにバッテリーのスタミナはたいしたもの。DMC-FX7の2倍は楽に保つね。

 4日土曜日の夜に、国立市で中学時代の同窓会(昭和50年春国立一中卒業)があって、30年ぶりに旧友たちに会った。子供の頃には学校嫌い、集団行動嫌いの私であったから、昔のことなど思い出したこともなかったのだが、これが意外なほど楽しい一時であった。自分でもびっくり。

2004.12.04
[新刊]
 探偵小説研究会編『2005 本格ミステリ・ベスト10』原書房

『新・本格推理05』の応募作は3分の2を読み終わったところ。常連組強しだが(それだけ文章を書き慣れているので)、新しい才能も出てきて、最終結果は予断を許さない。創意工夫に富んだ作品が多いので、選考では嬉しい苦しみを味わいそうだ。

 よく考えもせず、DMC-FX7をEXILIM ZOOM EX-Z55に交換したのは失敗だった。後者は、テレビに繋がらないし、連写ができない。本体をクレードルに差さないと、充電もできないし、PCとUSB接続もできない。面倒極まりない。格好ばっかりのクレードルなんて要らないのに。

2004.12.03
[情報館]を更新。

 機械関係が不調続き。まずは、デジカメのLUMIX DMC-FX7が2度目の故障。今度はシャッターカバーが開かなくなる。またも初期不良交換となったが、例によって色物がなく、結局、カメラ屋の勧めもあって、他社の製品と交換ということになった。新しいデジカメは、EXILIM ZOOM EX-Z55。正直言って、もう何でもいいや、という感じ。IXYは3台使ったけど、一度も壊れなかったのになあ。
 次が、東芝のハイブリット・レコーダーRD-XS53の初期不良交換。DVDドライブの不調によるもの。
 三番目は、CATVインターネット。半年ほど前から接続状況が思わしくなく、最初はルーターが悪いとサポートに言われて、ルーターを買い換えたのであるが、状況は改善されず。再度、詳細な調査を行なった結果、CATVのモデムとルーターの相性が悪いという結果になり(サーバー側の特定のIPを通ると、通信ロスが出るとのこと)、モデム交換となったしだい。以前は海外物のモデムだったが、今度は東芝製。

 原書房から「2005 本格ミステリ・ベスト10」が届く。年々、投票者とこちらの嗜好が乖離していく。法月作品の1位も不思議(「このミス」ならともかく)だし、西澤保彦氏の『パズラー』や谺健二氏の『星の牢獄』の順位の低さも不思議。

2004.12.02
『双面獣事件』のゲラが出る。今頃出るということは、「メフィスト」の発売はいつもより(いつもは10日くらい)遅れるということだろう。

 ぶんか社刊行の『エラリー・クイーンPerfect Guide』の見本刷りが届く。バラエティに富んだ内容で面白いし、コラムがなかなか勉強になった。私もアンケート回答している(なんか、すっごく書いている人がいて、字数を守って損したなあ)。

2004.12.01
[新刊]
 柄刀一『御手洗潔対シャーロック・ホームズ』原書房
 野崎六助『風船爆弾を飛ばしそこねた男』原書房
 伊井圭『仮面の義経』イーグルパブリシイグ

 柄刀一さんの『御手洗潔対シャーロック・ホームズ』だが、絶対に面白いと思うよ。単行本や雑誌に載った分は読んだけど、見事なパステーシュだったからね。書き下ろしを読むのが大いに楽しみなのだ。

 仕事の合間に、平沢文雄『大人のベストスキー』や実業之日本社の雑誌「大人のスキー」を読みながら、スキーのイメージトレーニングをしているところ。今年は〈あさま2000〉に行ってみたい。

2004.11.29
 某所より特別に入手した山川惣治の『虎の人』の画像(本を入手したのではなく、画像を入手)を、[別館]の方に掲載した。『別館』−[博物館]−[山川惣治]と進んで見てほしい。昭和24年の本で、非常に手に入れにくい本だ。

2004.11.26
[情報館]を更新。

[新刊]
 e-NOVELS編『黄昏ホテル』小学館
 桐野夏生『アイム ソーリー、ママ』集英社

 e-NOVELSの連絡企画『黄昏ホテル』の見本刷りが届く。
 短編を書くのが苦手な私としては、苦しい仕事であった(ははは)。

2004.11.26
 ホームページ・ビルダー9をインストールしてみたが、かなり動作が重い。編集ページを開くにも一拍ある感じ。相変わらず、パレットが他のパレットと密着しない仕様で、横に並んでいくだけ。それだけ編集領域が狭くなるわけだ。V6の時には密着したのに、何故?。結局、未だにV6が自分的には一番使いやすいのであった。
 表の行列の初期値の設定もできないみたいだし(V9では4行4列が初期値)。
 新機能のHTMLクリーンアップ(無駄なタグを取ってくれる)は便利。しかし、一頁ずつ行なうしかなく、サイト全体に一挙に訂正ができたらもっと良かったのにと思った。

縦書きで文字が書けるという機能は面白いかも。でも、これで長文の小説を表示するにはちょっと無理があるよね。


2004.11.25
[情報館]を更新。

[新刊]
 浜田雄介編/乱歩蔵びらき委員会発行『江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集 子不語の夢』皓星社
「ファウスト VOL.4」講談社

 おお、まさかこんなものが! と、驚いたのが、『江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集 子不語の夢』である。題名どおり、乱歩と、乱歩の恩師小酒井不木の手紙のやり取りだ。CDまで付いていて、パソコンにセットすると、往復書簡の内容が映像で見られるのだ。封筒の裏表まで画像として取り込んである凝りよう。それにしても、昔の人は、ずいぶん丁寧な手紙を書いたものだなあ、と、感心してしまう。

2004.11.24
[新刊]
 石持浅海『BG、あるいは死せるカイニス』東京創元社
 甲影会『別冊シャレード Vol.87 特集宮原龍推』
 E・W・ホーナング『二人で泥棒を』論創社(論創海外ミステリ3)

 ついにホーナングのラッフルズ・シリーズが出た。20年以上前に、創元推理文庫の「ホームズのライヴァルたち」で予告されたっきり出なかったものである。しかしながら、解説はもっと詳しくできなかったのか。ラッフルズ・シリーズが何冊あってその原題は何というのかとか、もっと深く知りたいではないか。

 小学館から、松本零士/日高 敏編・著『漫画大博物館』が出たので、書評を書いた。だいぶ以前に、ブロンズ社から出た『漫画歴史大博物館』の大改編本である。

2004.11.20
[情報館]を更新。

[新刊]
「ミステリーズ! extra」《ミステリフロンティア特集》東京創元社
「SFJapan 2004年冬号」徳間書店

 昨年出たファースト・アルバムが良かったので、LAST AUTUMN'S DREAM の「II」を鑑賞。それほど悪いわけではないが、ファーストほどではなかった。残念。

 年末放送に向けて、Wチューナーを搭載した東芝のRD-XS53を購入してみた。マルチドライブ搭載なので、RAMだけではなく、-Rも使えるので良しとしてみた。LANが組めたりしてパイオニア機より多機能だが、標準的な使い勝手が悪い(たとえば、起動時間がパイオニアよりもっと遅いとか、ディスクのマウントに失敗するとか、市販ソフトでさえ再生中に時々映像が止まるとか)。値段のわりにたくさんのHDD容量があるのは魅力的だが(320GBもある)、またすぐパイオニア機に買い換えるかもしれない。

2004.11.19
 e-NOVELSで発表された連作シリーズ『黄昏ホテル』の単行本が、11月25日に小学館から発売になる。定価1680円。

 先日のことだが、この日記を読んでくれているある読者から、私の探求本の一冊『ジュニア版世界のSF 地底の冒険』集英社を頂戴した。大いに感謝するしだい。これで、このシリーズはあと1冊、レムの本で揃いとなる。残りはゆっくり探そう。

2004.11.17
[新刊]
 柄刀一『fの魔弾』光文社カッパ・ノベルス

 昨年デビューしたアメリカの産業ロック・グループ PRIDE OF LIONS のセカンド・アルバム「THE DESTINY STONE」が出たので聞いてみたが、今ひとつ。特に心に残る曲がなかった。

2004.11.16
『新・本格推理05』応募作を3作読んだ。常連さん2作と新人さん1作。それが、いきなりgood! good! good!で、大変喜んでいるところである。

2004.11.13
[情報館]を更新。

[新刊]
 江戸川乱歩全集6『魔術師』光文社文庫

 今年は、プリーストの『奇術師』、二階堂黎人の『魔術王事件』、ディーヴァーの『魔術師』ときて、最後が乱歩の『魔術師』ときた。ミステリー界もマジックばやりである。そう言えば、私のデビュー作は『地獄の奇術師』。いずれ、『地獄の奇術師対魔術王』なんていう作品も書きたいものだ(ちょっと嘘)。
 ところで、イリュージョンの日本語って何だろう。《大魔術》だろうか。《幻術》なんてのはだめだろうか。カッパフィールドみたいなイリュージョニストを幻術師って呼ぶのは変だろうか――うーむ、しっくりこない。

2004.11.12
『新・本格推理05』の候補作21本が小型宇宙輸送船で届く。応募総数は85本だった。残念ながら評論は候補作の中に含まれていなかったし、応募も極少数だったようだ。この点では来年に期待しよう。
 パラパラと候補作をめくってみたが、かなり期待できそう。題名が面白いし、題材も凝っていて、意欲の感じられる作品ばかり。読むのが非常に楽しみである。

 ジェフリー・ディーヴァー『魔術師』を読了。誤導に関する記述は面白かった。

2004.11.10
 ふう。滑り込みセーフ! 『双面獣事件』のプロローグ105枚を書き上げ、講談社に亜空間通信で送付。今回は、二階堂蘭子対魔獣という趣向。『魔術王事件』の舞台は北海道であったが、今回は南の方、奄美大島やその近辺の孤島なのだ。12月発売の「メフィスト」1月号に載るよ。

2004.11.08
『双面獣事件』のプロローグ、95枚の下書きを書き上げ、清書に移る。ふと気づくと、ガーン! 何故か、途中で、バックアップ・ファイルで上書きをするというミスを犯していて、加筆修正した10枚分くらいが消えていた。がっかり。

2004.11.04
[本格ミステリ作家クラブ]
 [11月の本格トピックス]を更新。

 CORNERSTONEのファースト・アルバム「ARRIVAL」を聴いたら、これが素晴らしいでき。様式美もたっぷりのメロディアス・ハード・ロック。しばらくの間、愛聴盤となりそう。

「メフィスト」で連載を開始する『双面獣事件』の原稿を執筆中。ローマ字タイプで書いているので、いつもの二倍から三倍の時間がかかる。

2004.11.02
 ウイルスバスターに新しくスパイウエア検知機能が付いたのでさっそく使ってみたら、スパイウエアが一つDELLフライヤーに紛れ込んでいた。さっそく退治。しかし、どこから入ったのだろう。油断も隙もない。

 大山誠一郎氏の『アルファベット・パズラーズ』を読了。
 氏の才能については、すでにe-NOVELSで発表した、犯人当ての『彼女がペイシェンスを殺すはずがない」や、私が編者である『新・本格推理3』に収録された「聖ディオニシウスのパズル」ではっきりと見えていたわけであるが、この短編集で、それが確固たるものになったのである。今年度最高峰に位置する短編集と言って良いだろう。的確な論理展開、さりげなくもだいたんな手がかり、証拠を基に披露される美しい演繹推理――と、どこを取っても文句のない作品集である。

2004.11.01
 ウイルスバスターを2005にバージョンアップ。細かい所は、相変わらず使い方がよく解らないので適当に設定。

 原書房の「本格ミステリ・ベスト10」に、来年の予定を送付。

 指の怪我はまだ治らない。爪の脇に肉がはみ出して盛り上がり、その周囲が紫色になって腫れている。触ると痛い。

2004.10.31
 11月下旬に、e-NOVELSで発表された競作シリーズ『黄昏ホテル』が小学館から出る。

 12月と1月に、本格ミステリ作家クラブ編の『本格ミステリ01』が文庫になって、二分冊で出る。京極夏彦さんに、本格ミステリ作家クラブの新しいロゴをデザインしてもらった。これからの本格ミステリ作家クラブの刊行物には、これが付く予定。東京創元社のおじさんマークのように、読者諸氏に愛されるロゴになると思う。どんなロゴかは、文庫刊行まで丸秘。
 あ、そうそう。その文庫を2冊買うと、素敵なプレゼントが当たるかも。

『双面獣事件』の資料を集めたり、目を通したり。事前準備にあと一週間はほしいところなのだが……。

2004.10.29
[新刊]
 グレッグ・イーガン『万物理論』創元推理文庫

 本屋で「Ski」2号を買って帰ってきたら、ポストに増刊号の「家族でスキー」が入っていた。多謝。

 指は相変わらず紫色で触ると激痛が走る。だが、もう「メフィスト」用の『双面獣事件』を書き始めなくてはならない。『魔術王事件』事件以上に恐ろしい事件が展開することを、ここに華々しく予告しておこう。今回は、最初から最後まで、蘭子さんと黎人君が出ずっぱりになる予定。

2004.10.28
[新刊]
 柴田よしき『ワーキングガール・ウォーズ』新潮社

 岸田るり子氏の『密室の鎮魂歌』と、柄刀一氏の『火の神の熱い夏』を読了。後者は本格の教科書のような端整なまとまり。

2004.10.27
[新刊]
 大山誠一郎『アルファベット・パズラーズ』東京創元社(ミステリ・フロンティア)

  指が痛くて原稿を書けないので、「スタートレック/ヴォイジャー」DVDの鑑賞と、読書。恩田陸氏の『夏の名残りの薔薇』を読了。杉江松恋氏の解説が秀逸。
 今年、解説を読んでいて、うまいなあ、面白いなあ、と感心したのが、杉江松恋氏のものと、西澤保彦氏のものと、横井司氏のもの(論創ミステリ)。ただ、西澤氏の解説は、だんだん論文的になってきて、内容が難しくなってきたのが気に掛かる。杉江氏の解説は解りやすく要をつくしていて、その上、芸があるので楽しく読むことができる。
 ところで、杉江氏が会う度に体が大きくなって、外見的に、だんだん西上心太氏と区別できなくなってきたような気がするのは私だけだろうか(笑)。

2004.10.26
 神津慶次朗氏の『鬼に捧げる夜想曲』を読了。細かい瑕はたくさんある。荒削りな所も。しかし、横溝追随という無茶な道を選らんだ勇気をまず買いたい。将来が楽しみな逸材が出現した。

 左手薬指が、「ひょうそう」というものになってしまった。ズキズキとものすごく痛い。昨日、病院へ行ったら、包帯をグルグル巻きにされた。左手はキーボードを叩けず、非常に困った状態に。これも、右手一本で(ローマ字)で書いている。

2004.10.25
 北村薫氏の『ミステリ十二か月』を読了。北村薫氏の本格ミステリへの愛が全開になった本。というより、北村薫という作家の凄さと怖さを垣間見ることができる特別な批評集だった。

 原書房から12月に刊行になる「本格ミステリ・ベスト10」で、読者投票ページが設置されている。投票したい人はここから。

2004.10.24
[情報館]を更新。
[企画進行中]を更新。

[新刊]
 北村薫『ミステリ十二か月』中央公論社
 神津慶次朗『鬼に捧げる夜想曲』東京創元社
 岸田るり子『密室の鎮魂歌』東京創元社

 C・デイリー・キング『海のオベリスト』を読了。冒頭がムチャクチャ面白い。しかし、例によって中盤にサスペンスがない。古典的価値。

2004.10.22
 昼過ぎは、本格ミステリ作家クラブの執行会議。第5回本格ミステリ大賞の準備を開始。

 場所を移して、夜は、第14回鮎川哲也賞と第1回ミステリーズ!短編賞の受賞式。鮎川賞は、2作受賞という豊作。しかし、短編賞は受賞作なし。下の写真は、鮎川賞受賞者。神津氏はなんと、19歳とのこと。
 会場はいつも以上に人、人、人で、移動するのも大変なほどの盛況ぶり。たくさんの人と話をして写真を撮ったけれども、それでもまだまだ足りない状態。
 島田荘司先生が、俳優の金田賢一氏を同行していて、紹介してくださった。背が高くてハンサム。何でも、舞台で御手洗潔役をやるとのこと。
 他に嬉しかったのが、ポール・アルテの翻訳者の平岡敦氏にお会いできたこと。最近、とある事情から翻訳者という人種にビビっていて、もっと学究的で気難しい方かと勝手に想像していたのだが、まったくそんなことはなかった。とても気さくで温かな感じの方だった。もちろん、「ポール・アルテを年2冊訳してください!」と、強くお願いしておいた。

神津慶次朗氏 岸田るり子氏


2004.10.21
[新刊]
 有栖川有栖編『有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー』角川文庫

 デジカメの話。DMC-FX7黒ボディの交換品が予定より早く入荷。明日、某所で使うことができるので良かった、間に合った。

 東京創元社の「ミステリーズ!」の「私の一枚」の原稿を書き、CDのジャケットのスキャナーで取り込み、亜空間通信で送付。

 原書房より「本格ミステリベスト10」のアンケートが届く。今年は9月、10月にどっと本が出ているから、みんな回答するのに苦労するだろうなあ。かくいう私も、あと二、三冊、読み残しがある。

「バビロン5」第5シーズン終了(これで、レギュラー放送は終わり)。第5シーズンは正直言ってしょぼかった。「アンドロメダ」は第4シーズンに入っているが、第3シーズンからあまり面白くない。

2004.10.20
[新刊]
 黒田研二『霧の迷宮から君を救い出すために』実業之日本社ジョイ・ノベルス

 ROMに注文を出しておいたROM叢書1「シャダーズ ―サッチャー・コルトの事件簿1:寒気―」アンソニー・アボットが届く。事件簿1となっているが、確かコルト・シリーズの最終作だったように記憶する。続いて、マージョリー・アリンガムなども出るらしい。

  DVDレンタルで「タイムライン」を鑑賞。タイムマシンが恐ろしくチャチ。タイムトラベル理論が貧弱。問題点も回収されず。

2004.10.19
[情報館]を更新。

[新刊]
 山前譲編『日本ミステリー名作館(1) 名探偵登場!』KKベストセラーズ
 ジェフリー・ディーヴァー『魔術師』文藝春秋

 島田荘司先生の『龍臥亭幻想 上』『龍臥亭幻想 下』を読了。1のものを10倍にして語るのが小説家だが、島田先生は1のものを100倍にしてしまう。たいしたものだ。
 何度も述べているが、これは(島田流奇想トリックは)島田先生だからできることで、他の人は絶対に真似をしてはいけない。特に、素人作家はやめるべきである。派手な技術はすぐに真似をしたくなるが、それを成功できるのは、基本がしっかりしている人だけである。

 昨今は奇術ブームで、テレビでも連日奇術が披露されている。というわけではなかろうが、ジェフリー・ディヴァーの新作は、名探偵対殺人鬼の魔術師という、まるで拙著『魔術王事件』みたいな話らしい。ちょっとこの偶然が面白いので、読んでみようと思う。

2004.10.17
[新刊]
 柳広司『聖フランシスコ・ザビエルの首』講談社ノベルス
 
 ポール・アルテの『赤い霧』を読了。いやあ、面白い、面白い、面白い! 今年もやっぱり海外本格系ベスト1は、ポール・アルテだった! これで三年連続1位だね。前半は、カーの中期の作品、たとえば『死が二人をわかつまで』や『別れた妻たち』みたいな感じできっちり不可能犯罪を解いて、後半で思いもかけぬ方向へ転回していくんだからびっくり!

2004.10.16
[新刊]
 乾くるみ『リピート』文藝春秋
 島田荘司『龍臥亭幻想 上』光文社カッパ・ノベルス
 島田荘司『龍臥亭幻想 下』光文社カッパ・ノベルス

 おっと、ついに真打ち登場かあ! 『龍臥亭幻想 下』の表紙カバーには、「御手洗潔と吉敷竹史!」とか書かれているぞ!

 たった今、原付を飛ばして、ポール・アルテの新刊『赤い霧』を立川で買ってきたところ。現在、C・デイリー・キングの『海のオベリスト』を読んでいるところだが、中断して、アルテを先に読もうと思う。

 うーん、でも、『龍臥亭幻想』が先か。悩む(下巻の粗筋を読んで、ちょっと嫌な予感がしているんだよな。次回の「メフィスト」から連載の始まる『双面獣事件』と、何か素材が被っているんじゃないかと思って……)。

2004.10.15
 喜国さん、森さん、彩古さん、石井さん、よしださんなどの古本荒しが絶対に来ないであろう穴場の古書展がある。それは、立川のフロム中武で時折行なわれる古書展だ。というわけで、昨日、初日に行ってきたのだが、何も収穫なし。荒しようもない場だった。

 パナソニックのDMC-FX7がもう壊れた。バッテリー接合部の異常。初期不良ということで交換になったが、私が買った黒色のボディがなく、とりあえず、銀色を使っていてくれと代替え品を渡される。色物が入荷するのは、1ヵ月か1ヵ月半後だという。初期不良は仕方がないが(というか、今はもう初期不良ごときで怒っていたら、家電製品やパソコンは買えない)、パナソニックの製造計画の杜撰さには呆れたぞ。
 この1ヵ月間、オリンパスのC-770、DMC-FX7と使ってきた結果だが、以前より持っていたIXY400が一番綺麗に取れる。ピンぼけ写真もほとんどない(たぶん、ISOとシャッタースピードの組み合わせが良いのだろう)。DMC-FX7には手ぶれ補正があるが、元々カメラはしっかり構えているせいか、あまり恩恵を感じない。
 というわけなので、IXY500の後継機種が出るのなら(薄くなって、液晶が大きくなったら)、DMC-FX7を売って、そちらに買い換えるつもり。

2004.10.14
[新刊]
 江戸川乱歩全集18『月と手袋』光文社文庫
 太田忠司『藍の悲劇』祥伝社ノン・ノベル

 最近はまっているテレビ・ドラマ。「24 twenty fore」、「エイリアス/2重スパイの女」(しかしまあ、ここまで御都合主義で展開していく話も珍しい)。もちろん、「CSI:マイアミ」の第2シーズンも始まったしね。何でも、アメリカでは、「CSI:ニューヨーク」というのまでやっているらしい。

2004.10.13
 鳥飼否宇氏の『太陽と戦慄』を読了。《モンド氏の逆説》シリーズの延長線上にある作品。確かにアナーキー。

 そろそろ年末に近づいてきたので、心覚えのために、これまで《お勧め》とした作品を思い出してみよう。各種アンケートには、これを基に回答していくつもり。

 谺健二『星の牢獄』原書房
 高田崇史氏の『QED 龍馬暗殺』講談社ノベルス
 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』原書房
 芦辺拓『紅楼夢の殺人』文藝春秋
 加賀美雅之『監獄島 上』『監獄島 下』光文社カッパノベルス
 綾辻行人『暗黒館の殺人 上』『暗黒館の殺人 下』講談社ノベルス
 小酒井不木『小酒井不木探偵小説選集』論創ミステリ

2004.10.12
[本格ミステリ作家クラブ]
 [10月の本格トピックス]が更新。

[新刊]
 石持浅海『水の迷宮』光文社カッパ・ノベルス

 今日の愛聴盤は、Dareの「Beneath the Shining Water」。もうすっかりハードロックというよりただのポップスになってしまったが、哀愁感は最高の域にある。

2004.10.11
 私の場合、パソコンに親指シフト・キーボードを繋いでいるのではなく、親指シフト・キーボードにパソコンを繋いでいるのであるから、親指シフト・キーボードが使えないと仕事にならない(仕事をする気にならない)。そこで、調子の悪くなったRboard Pro for PCの清掃を行なってみた。キートップを全部外し、ケースを分解して、中の埃をすべて取り去った。基盤などをいじるスキルはまったくないので、私にできるのはここまで。組み立て直してパソコンを繋いでみたが、結果は変わらず。キーボードが認識されない(されても、変なキーコードが出る)。
 というわけで、残念ながら、第2代目Rboard Pro for PCはお陀仏になられたのであった。まったく悲しい。このキーボードは今後、部品取り(キートップ取り)用とするしかないのであった。
 押し入れから、以前使っていたRboard Pro for PCを引っ張り出し(ややキーのバネが甘くなっている)、パソコンを繋ぐ。こっちは快調に使える。この初代のRboard Pro for PCは、5年間くらい使っているが故障知らず。ところが、今回壊れた方は2年間も使っていなかった。機械というのは、予想のつかない壊れ方をするものである。

『このミス』の「私の隠し玉」に回答。亜空間通信にて。もうそんな時期か。

 それとは別のあるガイド本のアンケート回答も。

2004.10.09
[新刊]
 恩田陸『夏の名残りの薔薇』文藝春秋(本格ミステリ・マスターズ)

 デスクトップ・マシンDELLフライヤーのトラブル続き。最初は、電子地図ソフト「ゼンリンZ7」が来たのでインストールしようとしたら、DVDメディアを認識しない。他のDVDソフトやDVD-Rはちゃんと読み込むのに、これはだめだ。「ゼンリンZ7」を他のDVDドライブに持っていたっら、ちゃんと読むので、どうもDELLフライヤーのドライブ(ロジテック製で、以前、自分組みこんだもの)とメディアの相性か悪いようである。

 次は、Windowsのスタートボタンが勝手に押されてしまったり、「keyboard failure」というエラー・メッセージが出て、keyboardが認識されなかったり。Windowsを復元したり、別のキーボードを接続してみたり、キーボード・ドライバーを入れ替えたりして様子を見ているが、まだ完調には戻らず。三台あるRboard Pro for PCのうちの1つが壊れたとなると、けっこう痛いかも。

 というわけで、昨日の午後から、ほとんど仕事ができず(結局、言い訳だったりして)。

「ゼンリンZ7」の方は、モバイルパソコンの方にインストールしてみた。これがなかなか良いのだ。タウンページ・データーが入っており、最寄りの古本屋100件なんてのが検索できて、地図上にアイコンを表示させられる。かなり役に立ちそうだ。

2004.10.08
 法月綸太郎氏の『生首に聞いてみろ』を読む。ここまでロス・マクドナルド化するのなら、綸太郎の一人称で書いた方が良かったのではなかいと思った。

『魔術王事件』のカバーで使われているオブジェの写真。製作は松野光洋さん。いやあ、不気味だ(笑)。


2004.10.07
 光文社文庫編集部より亜空間通信あり。『新・本格推理』の今年度の応募も90弱あり、例年通りとのこと。応募者の皆さん、ありがとうございました。これから一次選考が始まり、11月中には、私の所に候補作が上がってくることになります。今から読むのがとても楽しみです。今年度から評論も応募化としたので、そちらの方から優秀作が出るかとどうかも興味深いところ。

 プレゼント。トップ・ページのカウンターで、650000番を踏んだ方は掲示板にその旨、書き込んでください。『魔術王事件』にサインを入れて贈ります。

2004.10.06
[情報館]を更新。
[企画進行中]を更新。

[新刊]
 東京創元社「ミステリーズ! 2004年第7号」
 鳥飼否宇『太陽と戦慄』東京創元社(ミステリ・フロンティア)
 法月綸太郎『生首に聞いてみろ』角川書店

 「IN☆POCKET」のアンケートに回答。

  来年、「ジャーロ」の春号、夏号に分載する『緊急推理解決院 EDS(emergency detective services)』の編集作業に着手。今回の新世紀「謎」倶楽部のメンバーは、石持浅海、高田崇史、松尾由美、柄刀一、加賀美雅之、黒田研二、北森鴻、鳥飼否宇、小森健太朗、二階堂黎人という豪華で強力なもの。素晴らしい原稿が集まってきている。乞うご期待!

2004.10.05
[情報館]を更新。

 集英社のジュニア版世界のSF5「銀河王国の地球人」を入手。これでシリーズ全巻揃いまで残りはあと2冊となった。

『魔術王事件』ができあがってとても嬉しい。三年ぶりの蘭子シリーズだし、ヴォリュームも目論みも相当のものだ(と、ちょっと自慢をさせてもらおう)。特に、今回は装丁にも力を入れてもらった(書影のとおり)。たいへん気に入っている。しばらく本を見てはニヤニヤしそうだ。
 内容的には、もろに怪人対名探偵である。江戸川乱歩の怪奇冒険長編探偵小説(通俗長編などという言い方をする人もいる)を目標にして書いてみた。次々に残虐な事件が起きて、次々に摩訶不思議な謎が登場人物たちに襲いかかる。殺される被害者の数もびっくりするくらい多い。20人まで数えたが、作者にもその後は解らなくなった。ちまたで起きている江戸川乱歩ブームの最中にこの本を出せて、本当に良かった。

2004.10.04
 速報! たった今、できあがってきた『魔術王事件』(講談社ノベルス)の見本刷りの書影である。発売は早いところは10月5日頃から。
 すっごく分厚いよ〜。


 ロナルド・A・ノックス『閘門の足跡』が小型輸送宇宙船で届く。

2004.10.02
 ちくま文庫から10月8日頃に発売になる『二階堂黎人が選ぶ! 手塚治虫西部劇傑作集』の見本刷りが届く。手塚先生のマンガを多く収録したかったので、解説が窮屈になってしまったのがちょっとだけ残念なところ。

 グラディス・ミッチェル『月が昇るとき』が小型輸送宇宙船で届く。

2004.10.01
 麻耶雄嵩氏の『蛍』を読み終わる。やっぱり油断も隙もなかった。

 ケーブルインターネットのMACアドレス書き換えが終わっていることを願いつつ、昨日の作業の続き。まず、メルコの新しい無線ルーターを、古い物と入れ替える。メルコ独自のAOSSというセキュリティを使わず、WindowsXPのWEPを設定する方法が解らず、デスクトップ1台、ノート2台の設定を終えるのに半日かかってしまった。今のところ、接続状況は調子良い。これで少し様子を見るつもり。
 それにしても、ルーターは安くなった。2年前に買った時には、本体だけで2万5000円はしたのに、今は無線カード付きで1万1000円で買えたのだから。

「サスペリアミステリー」の連載原稿を亜空間通信で送付。

2004.09.30
[新刊]
 辻真先『奥飛騨、殺人慕情』実業之日本社ジョイ・ノベルス

 三、四日前からインターネット接続状況が悪い。繋がったり繋がらなかったりする。繋がっても、やたらに時間がかかったりする。奇妙なのは、午前中は最悪の状態で、午後になるとだんだん症状が改善されることだ。いったい何なんだ?
 うちはケーブル・インターネットに入っていて、そのサポートと共にpingを打ったりしてみたら、gateway側でlostがある。それも不定期に。ルーターがどうも不良ではないかと、一応の推測。メルコのサポートにも尋ねてみたが、初期化してみるしか手はないとのことで、初期化して設定をし直すのも面倒なので、新しいルーター(54Mbpsが出る奴)を買ってきた。ところが、ケーブル・モデムには、新しいルーターのMACアドレスを読み込ませなくてはならず、これはサポート側がやるのだが、一晩かかるとのこと。というわけで、途中で、元の環境に戻さねばならなかった。残りは明日。

 実業之日本社の編集さんから、『日本のスキー場 全国版2005』をいただいてしまった。つまり、スキー場ガイドである。そう、我々スキーヤーにとっては、もう今シーズンは始まっているのだ。このガイドを見ながら、今年はどこへ行こうかと考えるのが無類の楽しみである。
 お礼というわけではないが、書店へ行き、同社の雑誌「大人のスキー」を買ってきた。

2004.09.29
[新刊]
 喜国雅彦『本棚探偵の回想』双葉社

 喜国さんの『本棚探偵の回想』は、今回も凝った装丁に、抱腹絶倒の内容であった。前の『冒険』の時には、私の名前が七、八回も出てきたように記憶するが、今回は一、二回しか出てこない。それも仕方がない。かつては古本の師であった私であるが、あっという間に弟子に追い抜かれてしまったのである。たとえるなれば、こちらはかつては威勢を誇ったジェダイの騎士であったが、今は山奥に隠遁する老いぼれオビ・ワン。かたや喜国さんはアナキン・スカイウォーカーで、暗黒面のフォース(意欲と金だ)を武器に、あっという間に古本皇帝にまでのし上がった血気盛んな若者というところだから。

 で、『本棚探偵の回想』(9月30日発売)の刊行を記念して、喜国雅彦さんのサイン会が以下のとおり行なわれるそうだ。

 池袋ジュンク堂 10月16日(土)午後3時より
 神田三省堂 10月25日(月)午後6時より

2004.09.28
《閘門》は、《こうもん》と読むのだと、何人かの方から教えていただいた。感謝。

2004.09.26-2
 サイン会の前に、書店の新刊コーナーへ行き、ノックスの『閘門の足跡』(新樹社)を探すが、まだ出ていなかった。ということで、先ほどネット書店で注文。それにしても、《閘門》って何と読むのだろう。

2004.09.26
[新刊]
 折原一『偽りの館』講談社
 北森鴻『蛍坂』講談社

 昨日は、河内実加さんのサイン会。私もゲスト参加。河内さんは前日に37度の熱があったとかで、会った瞬間から、「二階堂さん、ニフティのfsuiriかなくなっちゃいましたあ〜」と、訳の解らないことを叫び続けている状態。顔もほんのりと赤い。大丈夫かな、と一瞬思ったが、さすがにペンを取ると、シャキッとした感じになったので一安心。
 総勢50人からのファンの人たちに、河内さんは丁寧に絵を入れて(それもカラー)サインをしていく。というわけで、サイン会は間に小休止をはさみ、第1部、第2部と進んだ。延べ3時間の長丁場である。こんなに長い間サインしている人を初めて見た。すごいプロ根性だ。
 マンガ家の喜国雅彦さんや、デザイナーの松木美紀さん(ボクちゃん探偵シリーズの文庫などの装丁家)など、著名人も忙しい中、わざわざ来てくれた。他にもネットで同じみの深川拓さんとか、八木健威さんとかの顔も。皆さんに感謝したい。
 河内実加さんがサインをしている間、私は何をしていたかと言うと、何もしていなかったのである。横でただ見ていただけ。
 第1部で一人、第2部で一人、スペシャルプレゼントを贈呈する。私が自分で造った「ボクちゃん探偵Tシャツ」を差し上げた。世界に2枚しかない珍品である。
 下の写真は、あゆがテレビで宣伝しているパナソニックのFX7で撮影。


 綾辻さんの『暗黒館の殺人 上』『暗黒館の殺人 下』を読み終えた。下巻に入ったら、途中でやめられなくなった。読み終わった感想は、やはり綾辻さんは格が違うなあというもの。謎の盛り上げ方がうまいし、論理を積み重ねて幻想を構築する手腕が素晴らしい。雰囲気にどっぷり浸りながら読むのが良いだろう。お勧め。

2004.09.24
 山川惣治の『少年王者』を第8集まで手に入れたことはこの前書いた。そこで、ネット書店を検索してみたら、ちょうど第9集と第10集を売っている本屋があるではないか。しかも、神保町値段の3分の1。即座に注文したのは言うまでもない。届いたのが下の本。インターネットはありがたいやね。
 中味を見てびっくり。何と、第9集の終わりの部分と第10集の部分は、以前角川文庫から出た『少年王者』全10巻にも収録されていない場面なのであった。その上、第10集の終わりには、第11巻に続くと書いてある。何と、何と、『少年王者』の単行本は未完だったのね。こうなると、集英社から出ていた月刊誌「おもしろブック」を当たるしかないではないか。大変なことになった。

 予約をしておいた「スター・ウォーズ トリロジー DVD-BOX 」も届く。やっぱりDVDだと綺麗だし、迫力があるね。

2004.09.23
[新刊]
 河内実加・作画/二階堂黎人・原作――渋柿信介の事件簿(2)―― スマイルは遠すぎる』秋田書店

 河内実加・作画/二階堂黎人・原作のマンガ――渋柿信介の事件簿(2)―― スマイルは遠すぎる』(秋田書店)が発売になった。出版を記念して、9月25日に、芳林堂書店高田馬場店で河内実加さんのサイン会が行なわれる。私もゲストで顔を出す予定(ただし、私は腕の故障のため、サイン等はしません)。詳細はこちら
『渋柿信介の事件簿』の1巻目と2巻目を2冊買うと、何か抽選でもらえるらしい。僕も何かを提供しようと思っている。具体的には当日までヒ・ミ・ツ。

 ネット注文した麻耶雄嵩『蛍』、サックス・ローマー『怪人フー・マンチュー』、論創ミステリ叢書『久山秀子探偵小説選 I』が届く。しかし、『蛍』にはちょっとした落丁があった。交換してもらわねば。

 綾辻行人さんの『暗黒館の殺人 上』を少しずつ読んでいる。もったいないので、毎日20頁までと決めている。次にいつ新しい館シリーズが読めるか解らないからだ(^^;)。

 論創ミステリ叢書と言えば、『小酒井不木探偵小説選集』がとても良かった。少年探偵ものがまとまっているのだが、小酒井不木が、こんなに科学的・論理的な面を持っているとは知らず、新鮮な驚きを感じた。

2004.09.22
[新刊]
 霞流一『フォックスの死劇』角川文庫

 情報2題
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ミステリーの魅力
 2004年花園大学公開講座
 10月9日(土) 無聖館 5階ホール(入場無料)
 パネルディスカッション 篠田真由美 vs 近藤史恵
 (パネラー 佳多山大地)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
野間美由紀サイン会
10月3日(日) 午後3時より
山下書店 新宿本店 (新宿駅ビル・マイシティ6F)にて
TEL:03-3352-6685 (電話予約可)

白泉社・文庫版『パズルゲーム★はいすくーる』10巻
秋田書店・『新・パズルゲーム★はいすくーる』2巻、『cat's-paw』
3冊のうち、いずれか1冊をお買いあげの方に整理券を差し上げます。
整理券番号は当日の並び順ではなく、来場した順番にサインとなります。

また、2冊以上お買いあげの方は複製原画プレゼントの対象となります。
詳しくは山下書店にお問い合わせください。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

2004.09.21
[新刊]
 山口雅也『play』朝日新聞社

 上にも大きく書いておいたが、光文社文庫の「新・本格推理」の締め切りが近づいてきた。毎年、有能な才能を見出しているこの企画。吾こそは! と思わん方は、どんどん応募してほしい。入選作の中から日本推理作家協会賞候補作か出るなど、業界も大注目の新人賞である。残りの日にちは少ないが、頑張って書いておくれ。今年も、アッと驚くような作品やトリックを読ませてほしい。待っているよ!

2004.09.20
[新刊]
 手塚治虫『リボンの騎士』ジェネオン エンタテインメント(株)
 氷川透『逆さに咲いた薔薇』光文社カッパ・ノベルス

 少女クラブ版オールカラーの『リボンの騎士』が届く(ただし、白黒ページは白黒)。限定3000部で税込み5250円だが、これは絶対的に安い。もちろん、中味も一級品。物語も絵も着色も素晴らしくて――感動の嵐である。ようやく、『リボンの騎士』が本来の姿で読者の前に姿を現わしたわけだ。
 次は、光文社「少年」版『鉄腕アトム』完全復刻、なんてものを実現したいところだが。

2004.09.19
 歌野晶午『魔王城殺人事件』講談社ミステリーランド
 『江戸川乱歩賞全集 17』講談社文庫
 太田忠司『狩野俊介の記念日』徳間書店

 ヤフー・オークションで、山川惣治のおもしろブック版『少年王者』第1集から第8集を落としてしまった。それも、最初の所有者が自分で製本に出し、合本にしたという変わり種。そのためか、中の状態もすこぶる良い。残念なことがあるとしたら、合本になっているためバラせず、表紙をスキャンできないことか。第8集で第1部が完結した後、第9集と第10集が出ているので、いずれそれも買わねばいけなくなった。第8集までは、後に集英社から復刻版として全3巻本が出ており、これはもちろん所有しているけれども、やはり原本の手触り・見触りは違っている。


2004.09.18
[新刊]
 ジョン・ディクスン・カー『月明かりの闇』ハヤカワミステリ文
 エドワード・D・ホック『サム・ホーソンの事件簿 III』創元推理文庫
 竹本健治『トランプ殺人事件』創元推理文庫

 昨日は推協の理事会及び乱歩賞パーティー。帝国ホテルへ。
 道中、一軒の古本屋に寄ったら、以前買い漏らしたDAI-X出版社の『スタートレック エンサイクロオペディア ニュー・エディション』を発見して購入。これが百科というぐらいだから、大きくて重い。ノートパソコンやらデジカメやら入っているバッグに詰めたら、パンパンに膨れて大変なことに。
 会場ではいろいろな人と会っていろいろな話をしたが、新しく買ったオリンパスC-770で撮影をするのも楽しみであった。十倍ズーム機なので、壇上の様子も以下のとおり、あまり近づかなくても撮れるのは良かった。ところが、みんなとツーショットで撮った写真のほとんどがボケボケ。どうやら、広域側ではピントが合いづらい機種のよう(3点AFがないのもその理由)。つまり、IXYのようにスナップ写真を撮るのにはまったく向いていないカメラなのだった。これなら、IXYを持っていけば良かった。


2004.09.16
[本格ミステリ作家クラブ]
 光文社の季刊誌「ジャーロ」にて(2004年秋号から、本格ミステリ作家クラブ編の「私の愛する本格ミステリ ベスト3」の連載が始まりました。

[新刊]
 C・デイリー・キング『海のオベリスト』原書房
 黒田研二『幻影のペルセポネ』文藝春秋
 綾辻行人『暗黒館の殺人 上』講談社ノベルス
 綾辻行人『暗黒館の殺人 下』講談社ノベル
 篠田真由美『美貌の帳』講談社文庫
 柄刀一『火の神の熱い夏』光文社文庫
 柴田よしき『猫と魚、あたしと恋』光文社文庫
 石持浅海『アイルランドの薔薇』光文社文庫


 『魔術王事件』のゲラ校正を終了。結局、778頁のまま。装丁も扉も非常に凝ったものを作ってもらっている。今回も大量に死人が出る。

 こんな本が出ているとはまったく知らず、さっそく横溝正史の『横溝正史探偵小説コレクション1 赤い水泳着」出版芸術社をネット注文。
 河内実加さんのサイン会には、腕の具合が悪いので(サイン、握手ともできない)欠席する予定だったが、編集部からのたっての要請で顔を出すことになった。体調不良にならなければ、高田馬場に行く予定。ツーショット写真でも撮りましょう>皆さん。

2004.09.08
 ちくま文庫から出る『二階堂黎人が選ぶ! 手塚治虫西部劇傑作選』の解説ゲラの最終確認。

『魔術王事件』のゲラの第二校が届く。まだ校閲のチェックは入っていない。778頁なり。

『ゴールデンサマー』を読了。そうかあ。クイーンとかカーの世代は、ホームズをリアルタイムに読んでいたのかあ。やはり幼児教育は大事だと思ったしだい。

2004.09.07
[情報館]を更新。

『作家と電脳書斎 美しい日本語、素敵なパソコン』を、e-NOVELS『親指シフト・キーボードを普及させる会』で、公開した(無料)。小説家やライターがどうやって電脳書斎を構築しているか、また、パソコンを使って快適な日本語入力環境を構築しているか、その秘訣をズバリ明かしている。
 これは以前([企画進行中]を見てくれた人なら御存じだろうが)、某出版社から単行本として刊行される予定だったものだ。それが出版社の都合で頓挫してしまい、お蔵入りになっていたのだが、それを再編成して、PDFファイルで公開することになった。
 執筆者の顔ぶれは、 歌野晶午、太田忠司、大地洋子、折原一、笠井潔、久美沙織、小森健太朗、すがやみつる、辻真先、二階堂黎人、貫井徳郎、姫野カオルコ、山田正紀、他という豪華なものだ。
 作家志望の方には必読、とお勧めしておく。

2004.09.06
[本格ミステリ作家クラブ]
 サイト情報。[9月の本格トピックス]が更新。
 今月から、賛助会員(出版社)のコメントが、執行委員の一言と共に載ることになった。

 結局、Windows XP Service Pack 2を削除。外部接続のマウスが使えないのは痛いので。

2004.09.05
 Windows XP Service Pack 2(以下SP2)の配布が始まったので、導入してみることにした。
 いきなりメインマシン(DELLフライヤー)に入れるのは心配だったので、とりあえず、親指シフトノートR3に導入してみた。サイトからのダウンロードもインストールも何の問題もなく終了。しばらく使ってみたが、特に問題があるとは思えなかった。セキュリティがうるさいばかりだが、これも「警告の方法」という項目を全部はずすと、タスクトレイから消えることが解った。
 しかし、だんだん問題が出てきた。まず、「卓駆」というファイラーで、複数起動時に、「縦に並べて表示」、「横に並べて表示」、「重ねて表示」などの表示不良が生じることが解った。これは開発元でも確認済みの傷害であるようだ。
 次に、外付けマウスをUSBに繋いだら、ブルースクリーンになって完全に落ちた。繋いだままだと何度も起動を繰り返すが、ブルースクリーンになって繋がらない。セーフモードでの立ち上げもできない。はずすと普通に起動する。
 マウスのドライバーを削除してみるかと思い、コントロールパネルを出そうとしたがこれも出ない。
 何度か立ち上げ直したところ、WindowsXPが修復されたとのメッセージが出て、ようやくコントロールパネルを表示できた。
 しかし、マウスを使うとまた不都合が起きる。
 というわけなので、SP2はさっそくアンインストールしようと思っている。
 過去の例から言っても、マイクロソフトのOSのバージョンアップはこんなの(不都合が起きる奴)ばかり。だから嫌いなんだ。

2004.09.04
[情報館]を更新。

 漫画家の花村えい子先生から暑中見舞いをいただいた。とても涼しげで素敵です。嬉しかったので、[博物館]の方に収容したいと思っている。その前にちょっとお裾分け。


 飛鳥部勝則氏の『レオナルドの沈黙』を読了。初期の高木彬光を思わせる雰囲気だった。

2004.09.02
[新刊]
 鯨統一郎『いろは歌に暗号』祥伝社ノン・ノベル

『魔術王事件』のゲラ校正終了。1500枚は読み応えがあった(笑)。『魔術王事件』は、江戸川乱歩の『蜘蛛男』とか『吸血鬼』とか『魔術師』などのいわゆる通俗長編の味を狙ったものである。怪奇冒険本格探偵小説という奴ね。

「スタートレック/ヴォイジャー」の第2シーズンDVDボックスが届き、見始める。

 本日の買い物。『スタートレック全シリーズ完全ガイド』(別冊宝島 1048)と、アイザック・アシモフの『コンプリート・ロボット』。後者は初訳作品も含むというので買ってみたが、解説がないのはどういうことか。不親切である。

2004.08.28
 貫井徳郎氏の『追憶のかけら』を読了。なかなか奥深い話で、特に主人公の性格設定が秀逸。

『魔術王事件』のゲラ校正は半分まで。

2004.08.27
 [本格ミステリ作家クラブ情報]
 サイトの「大賞」ページが更新されました。「選評」「結果」「授賞式」などが掲載されています。御覧下さい。

[新刊]
 飛鳥部勝則『レオナルドの沈黙』東京創元社
 ダニエル・ネイサン『ゴールデン・サマー』東京創元社

 飛鳥部さんの新作は、降霊会もので、探偵小説談義がふんだんに盛り込まれているらしい。好みである。

 論創ミステリ叢書の『松本恵子探偵小説選』が、どこの本屋にいってもないのだけれど、どういうわけだろう。これだけが売れに売れているのだろうか。

2004.08.26
 今日の収穫は、虫プロが出していた雑誌「鉄腕アトムクラブ」の1966年9月号と10月号の2冊。これで、「鉄腕アトムクラブ」は全冊揃った(ちなみに、最終号は11月号)。一冊1500円以下で集めていたのだが、最後の二冊はそれぞれ3000円出してしまった。この雑誌の後を継いで、あの「COM」という雑誌が刊行されたのである。

2004.08.25
 10月に講談社ノベルスで刊行になる『魔術王事件』の校閲ゲラが超小型輸送船(バイク便とも言う)で届く。分厚い。今週はこれに没頭しよう。

 最近の愛聴盤は、デアー(DARE)の「カーム・ビフォア・ザ・ストーム」。哀愁たっぷり。

 女子バレー、日本対中国。ようやく日本本来の結束力が出たが、力負け。4年後、8年後を考えたら、やはりセッターは背の高い人に変えないとだめだね。今のままだと、背の低いセッターで、ブロックできない点数が1セットに3、4点あるわけだから。それだけで、世界では負けでしょ。速攻だって、背の高いセッターと背の高いアタッカーの方が早いに決まっている。僕が監督なら、木村をセッターにする(さらに2セッター制を取るとか)。そうすると、攻撃もできるセッターが生まれるわけだ。

2004.08.24
[情報館]を更新。

2004.08.23
[新刊]
 甲影会「別冊シャレード84号 坂木司特集」

 殊能将之氏の『キマイラの新しい城』を読了。逆タイムスリップというアイデアに脱帽。ますます和製アントニー・バークリーといった感じのひねたユーモアが冴えてきた。

2004.08.19
[情報館]を更新。

[新刊]
 加賀美雅之『監獄島 上』光文社カッパ・ノベルス
 加賀美雅之『監獄島 下』光文社カッパ・ノベルス
 西澤保彦『方舟は冬の国へ』光文社カッパ・ノベルス
 
 ここ三、四日は、仕事をすべて捨てて、加賀美雅之氏の『監獄島』を読むことに没頭した。そうして非常に良かったと思っている。何故なら、この『監獄島』は、こちらの期待をはるかに上回る傑作であったからだ。
 ただし、ここで言う傑作とは、新規なものや珍奇なものをもてはやして喜ぶような評論家的な発言ではない。そういう観点で言えば、この作品には、これまで見たこともないような斬新なトリックとか仕掛けが秘められているわけではない。そうではなくて、これは、芳醇なロマンと正統的な恐怖に彩られた、まさに堂々たる昔ながらの探偵小説――王道的な本格探偵小説なのである。いったんページをめくり始めたら、あまりの面白さに手を止めることは容易ではない。事件全体に潜んでいる大陰謀。そして、次々と襲いかかる絶対不可能犯罪、甘い恋愛、深い疑惑、名探偵の理詰めの推理、唯一無比の論理を生む巧妙な手がかり――何もかもが、我々探偵小説愛好家の琴線をブルンブルンと震わせるに足る、最高の道具立てとして作者から提供されているのだ。その筆の勢いは、原稿用紙2400枚の物語を、読者に一瞬の退屈も感じさせないほどである。というより、読者はすっかり物語に没頭してしまい、一人の登場人物として、この監獄島での大惨劇におののき、強大な謎に翻弄され続けるであろう。
 これからこの本を読む読者に至福の時間が待っていることを、私が保証しよう。

2004.08.13
 横山光輝の『魔法使いサリー』が届く。発行所を見たら講談社だった。bk1でも普通に売っている。焦って注文して、送料分を損した。

2004.08.12
 鯨統一郎氏の『喜劇ひく悲奇劇』を読了。回文の機関銃掃射。

 カラープリンターとアイロンプリント用紙を使って、「ボクちゃん探偵」Tシャツを2枚(2種類)作ってみた。絵は、河内実加さんにお願いして、使わせてもらったものである。今のところ、この世に2枚しかないTシャツである。


2004.08.10
[新刊]
 加賀美雅之『監獄島 上・下』光文社カッパ・ノベルス
 江戸川乱歩全集第2巻『パノラマ島綺譚』光文社文庫
 小林信彦『回想の江戸川乱歩』光文社文庫 

 打ち合わせで新宿へ出る。手塚プロ、小学館との三者会談の予定だったが、都合により、小学館との二者会談となる。書き下ろしミステリー・シリーズのことや、あれやこれや。
 まず高田の馬場へついて、駅ホームからビッグボックスを見ると、何故か古書展がやっていない。おかしいなあと思いつつ、新宿へ。実は九階特別催事場でやっていたことを、さっき、よしだまさしさんの日記を読んで知る。ショック。
 新宿で、「実写版 サンダーバード」の吹き替え版を見る。しかしこれ、おこちゃま映画であった。つまり、「スパイキッズ」なんである。どうしてこんな映画にしてしまったのか(それなりに面白かったが)。アメリカ人に作らせたのが根本的な間違いなんだろうね。
 そうそう「実写版」て言うが、マリオネーションの原作は「実写版」であろう。

 行き帰りの電車の中で、レッツノート親指シフトR3をずっといじっていたが、まったくバッテリー不足にはならなかった。新宿プリンスホテルでもフリースポットに繋がるし。よしよし。

 で、今日である。ついに、加賀美雅之氏の『監獄島 上・下』の見本刷りが届いた(作者本人に無理を言って送ってもらったのだ。ありがとう)。2400枚の超弩級の本格的な本格ミステリである。今年度、最大の注目作であるのは間違いない。読む前から傑作だと解っているのだ(雰囲気で解る)。今から読むのが楽しみだ。

2004.08.09
 本格ミステリ作家クラブのサイト情報。[執行会議メンバー・今月の一言]コーナーが更新。

 高田崇史さんの『QED 鎌倉の闇』を読了。鎌倉の真相は「なるほど!」と膝を打つもの。殺人事件が付け足しみたいだったのが少し残念。

2004.08.08
 昨日から、TNTの「My Religion」が気に入って聴いている。良い意味でポップ。ドライブ向きかも。

2004.08.07
[新刊]
 辻真先『改訂・受験殺人事件』創元推理文庫

 とっても嬉しい漫画本の復刻二種類を予約。
 一つめは、手塚治虫の少女クラブ版『リボンの騎士』。しかも、オールカラーと来た。これはすごい。5000円という定価は安すぎる。詳細はここ
 もう一つは、横山光輝の『魔法使いサリー』。「りぼん」版の完全復刻らしい。書店で売られるのかどうか解らないが、昨日の時点で残部20冊だったので、あせって予約してしまった。詳細はここ
 ところで、サリーは、連載当初はサニーという名前だったはず。そのまま復刻になるのかな。

2004.08.06
[新刊]
 津原泰水『綺譚集』集英社
「メフィスト」9月号 講談社
「ミステリーズ!」6号 東京創元社

 家の近くにある青空駐車場で車上荒らしがあった。警報機の付いていない車10台ほどがやられてしまった。鍵やドアハンドル部を丸ごと破壊するという荒っぽい手口である。外国人窃盗団らしいと、警察は言っていたそうだが、指紋すら取らなかったそうだ。日本にCSIがあれば、物的証拠を基に、一晩で犯人を特定してくれるだろうに。

 ほぼ完成したレッツノート親指シフトR3。[無変換][変換]キーの上に貼り付けたシールを、大型の物に変更した。左右が少しはみ出るが、この方が親指のあたり具合が快適であるから良しとする。右側の方のキーは、ほとんどKEYLAYで変更してある。[Up][Dn]などを[Fn]キーを押さずに使いたいので。


2004.08.05
[新刊]
 高田崇史『QED 鎌倉の闇』講談社ノベルス
 殊能将之『キマイラの新しい城』講談社ノベルス
 太田忠司『宙』講談社ノベルス

 高田崇史さんの新作QEDは鎌倉ですか。面白そう。殊能将之さんの新作はお城もの。これまた面白そう。

 レッツノート親指シフトR3のインストールもほとんど終わる。ちょっと無線LANのアンテナが弱いようで、メルコの無線LANカードより接続の取りこぼしが多い。レジュームからの立ち上がりにも、接続を忘れてしまうことが多々ある。
 それから、最近気づいたが、家の周囲に2件の無線LAN環境がある。そのうちの一軒は暗号を設定していない。不用心だ。

2004.08.04
『魔術王事件』の初稿ゲラが出てくる。一巻本で刊行されることに決まり、現時点で780ページ。京極夏彦さんの『陰摩羅鬼の瑕』よりも厚いのだ。

 映画『スパイダーマン2』を見る。アクションシーンは面白いが、他が退屈。私が監督なら、主人公がグジグジ悩むところを全部取って、90分でまとめる。放射能はどうなっているのか、とか、タコ足は何故磁力で引っ張られないのか、核融合は水に浸けたら消えるのか、とか、重箱の隅。

2004.08.02
 嘘のような本当の話。
 朝起きて、「そうだ。土曜日(7日)から映画「サンダーバード」をやっていたはずだ。ちょっと見てこよう」と、立川まで車で出かけたのは良かったが、昭和記念公園の横を走っている時に、「そうだ、今日はまだ2日で、映画はやっていなかった」とようやく気づいた。夏ばてと暑さ惚けがいっぺんにやってきたようだ。

 帰宅して、今は、パナソニックのレッツノートのインストール作業を行なっている。もちろん、単にソフトをインストールするだけではなく、快速親指シフト仕様にしなければならない。キートップには、OASYSの付録に付いていたシールを貼り、Q's NICOLATTERとKEYLAYというソフトを使って親指シフトをしやすいようにカスタマイズしているわけである。
 写真を見てもらうと解るとおり、[無変換]キーと[変換]キーには、親指シフト用の盛り上がったシールを貼った。こうすると、シフト動作がとてもやりやすい。間違って空白キーを押すこともなくなる。幸い、蓋をしめても、液晶部分には当たらないようで良かった(シールの上に白い粉を付けて、蓋をしめてみたが、大丈夫だった)。
 このマシンのキートップは、アルファベットの最下段が、普通のノートパソコンのキーボードと比べて、左に半文字分寄っている。これが、快速親指シフト仕様には合っている。親指シフト(無変換)+Bなどもけっこう押しやすい。
 そのあたりも、このマシンを購入した理由(もちろん、軽い、長時間バッテリーも理由だが。しかし、厚みはけっこうある)

 このマシンは、最初に電源を入れると、いきなりWindowsXPのセットアップが始まる。HDDのパーテンションを二つに分けたいので、BIOSを設定し直して、OSの再インストールとセットアップをもう一度やるはめになる。時間の無駄だ。

 USBマウスを繋いだら、ドライバがバッティングして、ホイールパッドのアクションができなくなった。

 ところで、ついさっきのこと、いきなり外付けCD-ROM/Rドライブが壊れてしまった(このところ、本当にいろいろと壊れる)。仕方がないので、デスクトップのドライブを共有にしながらやっているため、やたらにソフトのインストールに時間がかかっている。今日いっぱいはこの作業となるであろう。


2004.08.01
[新刊]
 鯨統一郎『喜劇ひく悲奇劇』角川春樹事務所 ハルキ・ノベルス

 西澤保彦さんの『パズラー』を読了。多彩で、かつ、意地が悪い。

 鯨さんの新刊『喜劇ひく悲奇劇』は、題名を見てニヤリとする人も多いはず。

「サスペリアミステリー」の原稿を書いて、亜空間通信で送付。

2004.07.30
 秋にちくま文庫から出る『二階堂黎人が選ぶ! 手塚治虫傑作選 西部劇編』の後書きを書き、亜空間通信で送付。

 書店店頭に何故かなかったので、水野英子先生の『こんにちは先生』(下)と、うっかり買い忘れていた西谷祥子先生の『学生たちの道』をネット書店で購入。おおらかでいいですなあ。

 ミネット・ウォルターズの『蛇の形』を読了。長い。

2004.07.26-2
 昨日は、本格ミステリ作家クラブの執行会議。年鑑アンソロジーの『本格ミステリ01』がそろそろ文庫化される年になったので、その件など。

 本屋に寄ったところ、ブッキングから、ジュール・ヴェルヌの『グラント船長の子供たち 上』『同 下』が出ているのを見つけ、買い入れる(集英社全集版も旺文社文庫版も持っているが)。ブッキングは、アレクサンドル・デュマの『赤い館の騎士』なども復刊していて偉い。

2004.07.26
[情報館]を更新。

[新刊]
 ミネット・ウォルターズ『蛇の形』創元推理文庫
 松尾由美『バルーン・タウンの手品師』創元推理文庫

 芦辺拓さんの『紅楼夢の殺人』を読み終える。奇想天外な謎のすべてが、逆説的な形で、紅楼夢という夢のまた夢の崩壊に収束していくところが綺麗だ。労作である。強力にお勧め。

2004.07.24
[情報館]を更新。

 河内実加さんが描いてくださっているボクちゃん探偵シリーズのマンガの第2弾が、9月22日に秋田書店より発売になる。題して、――渋柿信介の事件簿(2)―― スマイルは遠すぎる』。今回も、私の原作作品と、河内さんのオリジナル作品が両方収録される。
 この発売を記念して、河内実加さんのサイン会が、高田馬場の芳林堂書店で9月25日開かれる。詳細はこちら。ぜひ、お越しいただきたい。
  私はテニスエルボーのため、サインができないので(腱鞘炎と同じで、手書きは無理)、今回は顔を出せるかどうか未定。


2004.07.23-2
 某所より特別に、山川惣治の『海のサブー』全4巻を借りることができたので、書影をスキャナーで取り込み、[別館]の方に掲載した。『別館』−[博物館]−[山川惣治]と進んで見てほしい。
 なお、『本館』と『別館』の[博物館]は微妙に収蔵品に違いがある。いずれ『別館』の方で統一する予定。

2004.07.23
[新刊]
 中野晴行『マンガ産業論』筑摩書房
 八杉将司『夢見る猫は、宇宙に眠る』徳間書店(第5回日本SF新人賞受賞作)

 ようやく二階堂蘭子シリーズ『魔術王事件』の改稿が終わる。最終的に1500枚。予定より一ヵ月遅れてしまった。その分、他の仕事が山積み。 どこから手を付けたらいいのか……。

 昨日は、日本推理作家協会の理事会。帰りに新宿の京王百貨店に寄り、古書展を見てくる。特に珍しいものはなし。

 中野晴行氏の『マンガ産業論』は、これからのマンガ評論のスタンダードとなる傑作。各種データーを基に、客観的な考察で、マンガ産業の構造と人気の興亡のあり方を解説する名著だ。必見!

2004.07.20
[新刊]
 貫井徳郎『追憶のかけら』実業之日本社

 今度壊れたのは、車のドア・ハンドル。グリップ・タイプなのだが、右後ろのドアをあけようとしたら、バキッと折れてしまった。

 昨日は私の誕生日だったのだが、それとは関係なく、老眼であることをはっきり認めることにした。実は今年に入ってから読書量が落ちていて、それは近い所を見るのがけっこう辛い(目に圧迫感を感じる)状態だったからで、潔く、老眼鏡を注文することにした。
 原稿が遅れていたのは、そのせいだろう。

2004.07.18
[新刊]
 黒田研二/二階堂黎人『永遠の館の殺人』光文社カッパ・ノベルス
 篠田真由美『聖なる血』祥伝社ノン・ノベル
 柴田よしき『少女大陸 太陽の刃、海の夢』祥伝社ノン・ノベル

 ネット書店では、もう『永遠の館の殺人』が発売になっている。

 今度壊れたのは、カーナビ。起動しない、起動しても、リモコンが作動しない。いろいろ調べたら、リモコンの不良のようだった。デジカメなどの液晶を通すと、赤外線発光部の様子を見ることができるのだが、スイッチを押していないのにもかかわらず、連続点灯している。
 原稿が進まないのは、そのせい。

2004.07.15
[新刊]
 新津きよみ『生まれいづる双葉』角川春樹事務所ハルキ・ホラー文庫

 トップページのカウンターで610000番を踏んだ方は、掲示板にその旨書き込んでください。『永遠の館の殺人』に私のサインを入れて贈ります。

 物が壊れる時は立て続けに壊れる。書斎のエアコン(まだ買って半年なのに)に、レーザープリンター。原稿が進んでいないのは、そのせいである。

2004.07.14
[情報館]を更新。

[新刊]
「ファウスト」第3号
 江戸川乱歩全集第1巻『屋根裏の散歩者』光文社文庫 

 黒田研二氏との合作『永遠の館の殺人』の見本刷りが届く。前作『千年岳の殺人鬼』から2年がかりで完成に漕ぎつけたわけで(スキー取材をしながら)、喜びもひとしおである。7月20日頃に光文社カッパノベルスから刊行されるので、ぜひぜひよろしく。

 デュ・モーリアの『愛と死の記録』は、なかなか面白かった。たぶんこうなるだろうな、という終わり方をする点、どっちに転がるか解らない『レベッカ』より若干落ちるが。なお、この旧訳では、名前がレイチェルではなく、レーチェルだった。

2004.07.08
[情報館]を更新。

[新刊]
 芦辺拓『妖奇城の秘密』学研
 京極夏彦『百器徒然袋―風』講談社ノベルス
 宮崎学『警察はここまで腐蝕していたのか』洋泉社

 連載「僕らの愛した手塚治虫」の原稿を書き、亜空間通信で送付。
 デュ・モーリアの『愛と死の記録』を半分ほど読む。東京創元社から新版が出た『レイチェル』の旧版をわざわざ引っ張り出してきて。

2004.07.02
[新刊]
 西澤保彦『パズラー』集英社

 本格ミステリ作家クラブのサイト情報。[執行会議メンバー・今月の一言]と[アンソロジー]のコーナーが更新。

2004.06.27
「スタートレック/ヴォイジャー」のDVDボックス1号が、小型輸送宇宙船で到着。
 とりあえず、1話・2話を見る。それにしても、いつも以上に、違法複写警告やメニュー表示が長い。いいかげんにしてほしいぞ、映画会社。スキップ機能くらい付けろよな。

2004.06.26
[情報館]を更新。

[新刊]
 柴田よしき『宙都 第四之書』徳間文庫
 浅暮三文『ラストホープ』創元推理文庫

 昨夜は、長谷川伸賞のパーティー。受賞者は辻真先先生。湿気が凄く、青色吐息で、四ッ谷の会場に到着すると、ちょうどすがやみつるさんとエレベーター前で一緒になる。他に山前譲さんなども来ていた。時代小説同人の会なので、年齢層がかなり高い。しかし、朗らかな会であった。他に奨励賞というのがあって(たぶん、新人賞のようなものだと思う)、受賞者が二階堂令太さんという年配者なので、顔見知りの人から、「親戚か何かですか」と何度も尋ねられる。違います(笑)。だいたい、デビューはこっちの方がずっと早いし。


辻真先先生と私


『チャーリー退場』に突入したが、途中で投げ出した。後者は植草甚一推奨作品なので心配して読んだところ、やはり性に合わなかった。人物絡みの話なのに、キャラの立っていない中途半ばな人間ばかり出てくる。植草甚一が誉めて良かった本は、B・S・バリンジャーの『歯と爪』しかない。
 そう言えば、『本格ミステリこれがベストだ! 2004』の中で、千街晶之氏が『歯と爪』が本格ではないと書いていたが、そうだろうか。『歯と爪』には充分にトリックがあるので、例に出すなら、『消された時間』の方が良かったと思う。

「オール読物」7月号に、綾辻行人さんと歌野晶午さんの対談が載っている。新本格ファン必見の内容である。

2004.06.24
 麻耶雄嵩氏の『名探偵 木更津悠也』の中の一編を読んでいたら、「柵」「柵」「柵」と、「柵」の字が何度か出てきた。意味が解らず、辞書を引いたら、「しがらみ」と読むのであった。一つ物知りになった。

 7月にカッパノベルスから出る黒田研二氏との合作『永遠の館の殺人』の[著者の言葉]を書き、著者近影と共に、亜空間通信で送る。例によって、スキー場で撮ったもの。

2004.06.23-2
「アリー・マイ・ラブ」でアナスタシアを見たというのは、記憶違いのような気がしてきた。あれはMTVだったかも。

2004.06.23
 テンの新譜「リターン・トゥ・エヴァーモア」は、「BURRN!」誌流の点数なら90点。一曲一曲丁寧に作られているのが良い。その意味では、「BURRN!」誌の「一曲が長い」だの「いつもと同じフレーズ」というのは的はずれな選評。ファンとしてはそこが良いのだ。ただし、何となく、ファーストからサード・アルバムに比べると脆弱な感じが。リード・ギターが変わったからかな。

 それより、アナスタシアのサード・アルバム「アナスタシア」が素晴らしい。 全曲格好良く、歌い方もいつも以上にダイナマイト! 早くも今年度のナンバー1が決まった感じ。最高だ!
 アナスタシアを知ったのは、「アリー・マイ・ラブ」という弁護士コメディ・ドラマの中で、彼女が歌っているのを見た時。一発でノックアウトされてしまった。すかさず、アルバム「フリーク・オブ・ネイチャー」を買いにCD屋に走ったものだ。何しろ、絶世の美女が、似合わないへんてこなサングラスを掛けて、パワフルな声で歌っているんだから、驚いたの何のって。
 ちなみに、私は、「アリー・マイ・ラブ」を観る時(録画で)、アリーの出てくる部分はつまらないので、そこだけ早送りしている。

2004.06.22
[新刊]
 翔田寛『消えた山高帽』東京創元社(ミステリ・フロンティア)
 探偵小説研究会・編著『本格ミステリこれがベストだ! 2004』

 ミステリ・チャンネルで、『名探偵ポワロ』の「アクロイド殺人事件」「エッジウェア卿の死」「白昼の悪魔」を見る。一人称をうまく映像化した「アクロイド殺害事件」がけっこう良かった。
「エッジウェア卿の死」は読んだ時も無理無理、と思ったが、映像化すると、もっと無理無理のトリックだった。
「白昼の悪魔」はクリスティならではのきわどいトリックを使った傑作だが、映像化してみると、最初から最後まで偶然に頼っていることが解る。一人でも予定外の行動をしたら、犯人はどうするつもりだったんだろう(というか、するに決まっている)。だいいち、小瓶を窓の外に投げ捨てる理由が解らない。洗って、他の瓶に混ぜておく方がぜんぜん安全である。

2004.06.21
『風の歌、星の口笛』を読了。記憶障害ネタが良かった。自分の知っている人間を、まわりの人間がぜんぜん知らないという奴。このトリックは、設定と見事に適合。しかし、SF徹底度が低く、舞台も人間も未来社会に存在するように読めないところが残念。
(以下、反転部ネタバレ:荒筋を読んで想像した結末は当たってしまった。松本零士さんの某有名漫画を読んでいたら、解る人も多いのではないか)。

2004.06.19
 読者から教えてもらった本を購入。『エイトマン 新作2004年度版&絶対読めない幻の読み切り傑作選’69』(トラウママンガブックス 英知出版株式会社)というやたらに長い題名の本。桑田次郎(現在は二郎)の漫画である。新作やら旧作やら、単行本初収録作品が読める。

「ROM」120号到着。今回もなんとマニアックな。

 ローダン・シリーズの「旧ミュータント・サイクル」を10冊、一気読み。

2004.06.18
[情報館]を更新。

 この前、昭和記念公園の北東、大山団地から東中神へ抜ける道で、警察がネズミ取りをやっているのに遭遇。まったく姑息な奴らだ。確かにスピード違反は違反であるが、危なくもない箇所(ここは片側はただの網のフェンスで人通りも少ない)で、ネズミ取りを仕掛けるなど、品性が下劣である。
 そういうことをしているから、本来、警察は市民を守って良いことをしているはずなのに、ちっとも好かれないのだ。
 で、レーダー探知機を、9バンド対応の新型に買い換える。

2004.06.16
[新刊]
 A・A・ミルン『四日間の不思議』原書房(ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)
 村崎友『風の歌、星の口笛』角川書店(横溝正史ミステリ大賞受賞作)
 射逆祐二『みんな誰かを殺したい』角川書店(横溝正史ミステリ大賞優秀賞)

 まさか、『赤い館の秘密』のミルンの新作(?)が読めるなんて。森さんと原書房に感謝。
『風の歌、星の口笛』はSFミステリーらしいので、これも非常に楽しみ。ただ、荒筋を読んで、一つの結末が頭に浮かんでしまったのだが、これが当たっていたらどうしよう。

2004.06.13
[情報館]を更新。

[新刊]
 二階堂黎人『悪魔のラビリンス』講談社文庫

 本格ミステリ作家クラブのサイト情報。[執行会議メンバー・今月の一言]が8日付けで更新。

 先日のパーティーで、某編集者から貴重な情報を収集。麻耶雄嵩氏が新作長編を完成したらしいのだ。題名は『蛍』で、発行元は幻冬舎になるらしい。例によって、マニアックな結末が待っているそうなので、期待大である(未確認情報故、100パーセント信用せぬよう)。

 病院帰りに本屋に寄り、ハヤカワ文庫の『ローダン・ハンドプック2』と、創元SF文庫の『渦動破壊者』(E・E・スミス、レンズマンシリーズ(7))を発見。ローダンの今後の粗筋を読むと、ローダンのやることなすこと裏目に出て、どんどん人類は最悪の方向へ進んでいくとしか思えないのですが(^^;)。

 アントニー・バークリーの『絹靴下殺人事件』を読了。すらすら読めて面白い。でも、後一歩で傑作になりそこねたかな。

2004.06.12
[新刊]
「ジャーロ」2004年夏号 光文社
 船越百恵『眼球蒐集家』光文社カッパノベルス(Kappa-One)
 陰山琢磨『蒼穹の槍』光文社カッパノベルス(Kappa-One)

 昨日は、本格ミステリ作家クラブ主催、2004年度の本格ミステリ大賞の授賞式及びパーティー。以下の写真のような模様。
 司会は霞流一氏。毎年、軽妙なジョークを連発で会場を沸かせてくれる。冒頭の挨拶は北村薫氏。そして、有栖川有栖会長から、受賞者4人の方に、賞状と副賞のトロフィーが贈られた。その後、四人の方の受賞の言葉があり、それから主賓の逢坂剛日本推理作家協会理事長の実に楽しい挨拶があって、最後に、太田忠司氏による乾杯が行なわれた。この後、歓談へと移行。
 今年は、小説部門、評論部門の受賞者が推協賞もダブル受賞していたり、本格ミステリーの発展に多大な貢献があった編集者が特別賞を取るなど、例年以上に盛大な盛り上がりを見せたと思う。

 なお、「ジャーロ」2004年夏号には、本格ミステリ大賞の発表と、クラブ員による全投票の選評が掲載されている。

上から:
 北村薫事務局長
 千街晶之氏(受賞者)
 戸川安宣氏(受賞者)
 逢坂剛理事長(主賓)
上から:
 歌野晶午氏(受賞者)
 宇山日出臣氏(受賞者)
 受賞者四人
 太田忠司氏(乾杯役)


2004.06.11
[情報館]を更新。

 河内実加さんが、「サスペリアミステリー」で、『ドアの向こう側』に入っている「長く冷たい冬」を漫画化してくれることになった。そのネーム確認。原作より面白くなっているのが憎い(笑)。

 しかも、  ――渋柿信介の事件簿―― 歯なしの探偵 (秋田書店、河内実加・作画 二階堂黎人・原作のマンガ)に続く、単行本第2巻が、9月に刊行されることが決定したのだ。おめでたい。

2004.06.10
[新刊]
 江戸川乱歩全集第8巻『目羅博士の不思議な犯罪』光文社文庫
 鯨統一郎『九つの殺人メルヘン』光文社文庫

 講談社文庫から6月15日発売予定の『悪魔のラビリンス』の見本刷りが届く。100枚以上の加筆をしているので、ノベルス版を読んだ方も、ぜひご購入いただきたい。
 というわけで、上に書影を掲載した。

2004.06.09
[情報館]を更新。

[新刊]
 辻真先『盗作・高校殺人事件』創元推理文庫

 予告。カウンターで600000番を踏んだ方は、掲示板の方にその旨書き込んでください。何かサイン本を贈ります。

 持っているのに読んでいなかった本シリーズ。E・D・ビガーズの『鍵のない家』を読了。古びている。いや、古びているのは私にとって好ましいことが多いのだが、結局、ビガーズは、論理的推理という点で、どうも解決部分に面白みがないのである。

2004.06.08
[新刊]
 東京創元社「ミステリーズ!」2004年05月号

「ミステリーズ!」で、 笠井潔さん他のリレー本格推理作品の連載が始まった。この企画、10年以上も前に聞いていたものだし、原稿も最終回以外はほとんどでき上がっていた。ところが、ちっとも発表されなし、結末が書かれない(できあがっている原稿はこっそり読ませてもらった)。ならば、自分たちで別のリレー作品をやってしまおうと、一気に書き下ろしてしまったのが、あの新世紀「謎」倶楽部の超名作『堕天使殺人事件』なのだ。と、話題ついでに自己宣伝してみた。

2004.06.07
[新刊]
 本格ミステリ作家クラブ・編『本格ミステリ04』講談社ノベルス

 ここ2、3日のうちに、本格ミステリ作家クラブ・編『本格ミステリ04』が講談社ノベルスから出る。今年も厳選された本格短編・本格評論が収録されているので、ぜひお読みいただきたい。収録作の確認は、[企画進行中]でどうぞ。

2004.06.05
 高木彬光の『幽霊馬車』という少年探偵小説を読む。神津恭介は出てこなかった。

 SOULHEADの新譜を買おうとしたら、CCCDだった。当然、そんなふざけたものは買わない。
 
 CCCDについてよく解らないのが、ミュージシャンの態度。明らかにCDの規格違反をしていて、音質も悪いものを、何故、ちゃんとしたCDと同額で、平然と売る(あるいは売ることをレコード会社に許可する)ことができるのか。
 たとえば、これが本で、「コピー対策のため、文字が所々ぼけています、色が半分くらい薄いです」みたいなものを出版社が出そうとしたら、作家は、誰もそんなものを許可しないだろう。
 ラジカセやウォークマンやMDで育っていると、音質の良さなんてどうでもいいのだろうか。

2004.06.04
[新刊]
 篠田真由美『失楽の街』講談社ノベルス

 今日からだと思っていたら、彩の国古書展は2日からだったのね。しかし、主婦の友社の探偵漫画「レスター・リース」その他を拾う。

2004.06.03
 大御所少女漫画家の本が、全部で3冊も出たので、トラクター・ビームで捕捉。
 まずは西谷祥子先生の『レモンとサクランボ』白泉社文庫。名作「リンゴの並木道」とのカップリングで、しかも、別名義で発表した単行本初収録短編も入っている。
 次が、水野英子先生の『セシリア』『こんにちは先生(上)』ふゅーじょんぷろだくと。『こんにちは先生』は、これまでカットされていたページが復活するというので、嬉しいではないか。

2004.06.02
「私が愛した手塚治虫」の第12回を書いて、亜空間通信にて送付。1960年代後半の、新書判単行本の登場について言及。ここの件を書くに当たっては、悪役ランプこと中野晴行氏、江下雅之氏、すがやみつる氏から貴重な教示をいただき、勉強になった。

 本日の拝聴盤。
 KAMELOT「Epica」。傑作と名高いが、作り込みが強すぎて、わずかに私の好みから外れていた。
 ECLIPSE「Second to None」。こちらは逆に、ストレートすぎて面白みが少なかった。
 今月末には、Tenの新譜が出るので、それに期待しよう。それまでは、コーナーストーンの「ワンス・アポン・アワ・イエスタデイズ」を聴いているつもり。

2004.06.01
 近藤史恵さんの『二人道成寺』を読了。すっきりした逆転劇が美しい。

 『ダ・ヴィンチ・コード』の書評を書いて亜空間通信で送付。

2004.05.30
[新刊]
 加納朋子『スペース』東京創元社

 本日の拝聴盤は、THUNDERの「SHOOTING AT THE SUN」。1曲目が素晴らしかったので期待したのだが、2曲目、3曲目があまりにつまらなく、やはり往年の作品には及ばなかった。

 ある所から書評を頼まれ、『ダ・ヴィンチ・コード』角川書店を読了。上下巻と知っていたら、引き受けなかったかも(苦笑)。内容は、まあ、インディ・ジョーンズですな。かなり面白かったし、聖杯の正体は驚くべきものだったけど、あからさまに映画原作を狙った書き方(スティーヴン・キングが始めた奴ね)が非常に嫌だった。

2004.05.28
[新刊]
 竹本健治『将棋殺人事件』創元推理文庫
 霞流一・杉江松恋『浪人街外伝』宝島文庫

 昨日は、日本推理作家協会の総会と理事会。総会は来年度事業計画案の承認。理事会は、図書館問題とか、来年度の乱歩賞・推協賞の選考委員の選出とか。

 帰りに、本屋で、エドマンド・クリスピン『大聖堂は大騒ぎ』と、雑誌「Ski」1号を購入。「Ski」が出ると、スキーの今シーズンが始まった! って感じがするね。

2004.05.25
[新刊]
 麻耶雄嵩『名探偵 木更津悠也』光文社カッパノベルス
 愛川晶『ベートスンの鐘楼』光文社カッパノベルス
 柄刀一『レイニー・レイニー・ブルー』光文社カッパノベルス

 高橋美由紀さんの『悪魔の黙示録』秋田漫画文庫版の解説を書いて、通信ロケットにて搬送。

 今月のカッパノベルスのラインナップは力がこもっているね。毎月こうだといいのにね。そのためにも、カッバワン作家が頑張らなくては。
 柄刀一さんの短編集は、書き下ろしが2編も入っている。絶好調だなあ。

 もう一度告知。カウンターで、590000番を踏んだ方は、掲示板に書き込んでください。『ドアの向こう側』にサインを入れて贈ります。

2004.05.22
[情報館]を更新。

 カウンターで、590000番を踏んだ方は、掲示板に書き込んでください。『ドアの向こう側』にサインを入れて贈ります。

 本日の愛聴盤。コーナーストーンの「ワンス・アポン・アワ・イエスタデイズ」。曲はロイヤルハントよりメロディが勝っているし、ドゥギー・ホワイトの歌も良い。

2004.05.21
[新刊]
 三津田信三『シェルター 終末の殺人』東京創元社
 戸松淳永矩『剣と薔薇の夏』東京創元社

 6月に講談社文庫で出る、加筆版『悪魔のラビリンス』のカバー・ラフが上がってきた。辰巳四郎さんが亡くなられたので、今回から、二階堂蘭子シリーズの文庫は、『増加博士と目減卿』も担当してもらった山田維史氏にお願いすることにした。なかなかおどろおどろしい絵である(手元に来たのがカラー・コピーなので、お見せできないのが残念)。
 そうそう。加筆版『悪魔のラビリンス』には、短い後書きも付けた。

2004.05.20
[情報館]を更新。

[新刊]
 二階堂黎人『ドアの向こう側』双葉社

 歌野晶午氏と千街晶之氏が、本格ミステリ大賞に続き、推協賞も受賞したとのこと。おめでとう。

 たった今、『ドアの向こう側』(双葉社刊)の見本刷りが一冊届く。久しぶりのボクちゃん探偵ものなので、何だか嬉しい。ということは、早ければ、大都市圏大手書店には、明日くらいから並ぶかもしれない。
 と、思ったら、bk1にはもう登録されていた。こちら

 ボクちゃん探偵・シリーズは、これで3冊目。前2作は講談社文庫に収録されているので、未読の方は、これを機会に御一読いただきたい。今回、解説を書いてくださった河内実加さんが、漫画も描いてくれていて、こちらも単行本として出ている。
 以下のとおり、ボクちゃん探偵シリーズの題名は、今のところ、7文字で統一している。

 私が捜した少年 (講談社文庫)
 クロへの長い道 (講談社文庫)
 ドアの向こう側 (双葉社)
 ――渋柿信介の事件簿―― 歯なしの探偵 (秋田書店)
 (河内実加・作画 二階堂黎人・原作のマンガ)

2004.05.18
[情報館]を更新。

[新刊]
 芦辺拓『紅楼夢の殺人』文藝春秋(本格ミステリ・マスターズ)

 昨日は、小学館編集者と打ち合わせ。
 e-novelsと小学館がタイアップする〈小学館・書き下ろし新本格ミステリー(仮)〉は、春から刊行開始の予定だったが、若干、進行が遅れている。あわててレベルの低いものを出すより、作者・読者の納得できるものを出したいということで、鋭意準備中である。すでに数人の作家が原稿を執筆中で、プロットの提出されたものもある――というわけで、読者の皆さんには、もう少しお待ちいただきたい。

2004.05.17
 講談社文庫版『悪魔のラビリンス(加筆版)』のゲラ校正を終えて、小型輸送船で搬出。6月中旬刊行。また、黒田研二氏より、『永遠の館の殺人(仮)』の校正済みゲラが到着。さっそく最終確認を行なう。

 山本弘氏の『神は沈黙せず』を読了。神を形而上学的に追いかけるのではなく、形而下へ引きずり下ろしてきたところがうまい。

 掲示板の方で、『天城一の密室犯罪学教程』の感想を、というリクエストがあったので、簡単に。
 天城一さんの、理知の推理小説を追求する真摯なスタイルには敬服するが、作法的には賛成できかねる部分もある。贅肉のない推理小説は確かに理想型だが、筋肉まで削いでしまって、骨だけになったら美しくもなんともない。私が『新・本格推理』の選評などで書いているとおり、トリックを生かすためには、それを生かすだけの雰囲気と演出が必要だ。物語やトリックをより美しく見せるためには、それに足る充分な装飾を施すべきである。
 そうでないと、非凡な着想で書かれた作品は自ずから優れたものになっても、凡庸な着想で書かれた作品はただの凡作のままで終わる。凡庸な着想や小粒なトリックでも、たっぷりと味のある雰囲気や入念な演出によって、充分な見せ場を形作ることができる。それこそ、作者の腕前であり、やりがいのある仕事と言えよう。

2004.05.16-2
[新刊]
 東野圭吾『ちゃれんじ?』実業之日本社

 東野圭吾さんの、とっても楽しいスノーボード・エッセイである。この本、黒田研二氏の変態ぶりを全国に知らしめるために書かれたようなものなのだ。18禁である。

 7月に出る黒田氏との合作『永遠の館の殺人(仮)』の題名がまだ正式に決まらない。編集者ともどもいろいろと案を出し合うが、ピッタリのものがない。

2004.05.16-1
 13日のこと。
 公開開票会に出席するため(というか、執行会議メンバーなのだが)、護国寺へ向かう道すがら、本屋へ寄ったところ、何と、噂に聞いていたあの本が出ているではないか。
 そう。日下三蔵氏が編纂した、天城一初の公式短編集、『天城一の密室犯罪学教程』日本評論社)である。
 天城一の短編は、各種アンソロジーに収録の確率が高く、特に密室ファンにはお馴染みのものである。今回は短編作品の他、密室講義まで収録されているのたがら、買わない手はない。
 そこで、中味を見るまでもなく、この分厚い本を手に取ってレジに向かったのだが、2人の順番待ちがいて、その後ろに並んでいるうちに、「ちょっと待てよ」と思ってしまった。というのも、持っていたカバンがパンパンに膨れあがっていたからである。執行会議禄やモバイル・パソコン、行き帰りに読むつもりの本などで、もう別の本が入る余地がない。「これから大事な用事があるし、まあ、いいか。家に帰ってから、インターネット書店に注文するか」と、考えてしまったのである。というわけで、買わずに護国寺へ向かったわけだ。
 さて、公開開票会である。今回はちょっと作家さんの顔ぶれが少なかったが、評論家・各社編集者等、例年どおりの数の参加者があった(50人くらいかな)。
 歌野晶午さんは、現在は執行会議メンバーで、会議には出ていたのだが、開票会の間はどこか近くの喫茶店等で待機するとのことで、そそくさと退散してしまった。
 佳多山大地氏が司会で、いよいよ公開開票会が始まり、貫井徳郎氏が投票用紙を開封する。それを、篠田真由美氏、黒田研二氏、そして私が、選評の字数確認を行ない(200字以上、400字以下、ただし、字数超過は無効とはしない)、最後に北村薫事務局長が、投票された作品の名前を読み上げる。それはただちにグラフとして表示され、どれに何票入っているか解る仕組みになっている。
 結果は、昨日御報告したとおりである。
 その後、投票結果の確認を全員でもう一度行ない(昨年のミスの反省から)、受賞作決定の報告を、北村薫事務局長が行なったわけである。
 巻き起こる嵐のような拍手。
 そして、記者会見までちょっと時間があるので、みんなで軽く乾杯の儀。
 そこへ、何やら本をかかえた日下三蔵氏が颯爽と登場。私を見つけて、「二階堂さん! 例の本、持ってきましたよ!」と差し出されたのは、おお! 『天城一の密室犯罪学教程』ではないか!
「え、いいんですか! 出たら、読みたいと思っていたんですよ!」と、さっそく受け取る私。しかも、何を考えたか、この私は、「悪いですね、こんな高い本をいただいてしまって!」などと図々しいことを言い出す。というのも、「ああ、さっき買わなくて良かった。得した〜!」という考えが頭をよぎったからである。
 日下三蔵氏は私の勘違いにちょっと困ったような顔。本当は、みんなにその本を見せようと思って持ってきただけなのだが、しかし、そこは太っ腹な日下三蔵氏。「ははは。じゃあ、みんなに見せてからなら差し上げます。そのかわり、大いに宣伝してくださいね!」と、快く譲ってくださったのだった。
 というわけではなかいが、大いに宣伝しようと言うことで、データーを下に記す。
 この本は、天城一初の単行本ということなので、本格ミステリ作家クラブの規定では、来年の本格ミステリ大賞の候補にもなり得るのである。
 ついでに、来年の小説部門の候補予想をしておくと、次のようになる。

 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』原書房(400枚)
 天城一『天城一の密室犯罪学教程』日本評論社(1000枚?)
 芦辺拓『紅楼夢の殺人』文藝春秋(5月末予定、800枚?)
 加賀美雅之『監獄島』光文社カッパノベルス(8月予定、2500枚)
 綾辻行人『暗黒館の殺人』講談社ノベルス(9月予定、2500枚?)

 わはは。何にしても、読むのがたいへんだ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
『天城一の密室犯罪学教程』
 著者:天城一/編集・解題:日下三蔵
 出版社:日本評論社
 ISBN:4535583811
 サイズ:単行本/455頁
 発行年月:2004年05月
 本体価格:2,800円 (税込:2,940円)

 「幻の探偵小説作家」天城一の初単行本! アンソロジーに幾度となく採用されながら、なぜかまとめられることのなかった傑作短編が、ついに一冊に。論理と逆説と諧謔に満ちた天城ワールドの扉が今、開かれる。

2004.05.15
 13日に本格ミステリ作家クラブが主催する《本格ミステリ大賞》の公開開票会が行なわれ、本年度の受賞作が決定した。以下のとおり。

[小説部門]
 『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午(文藝春秋)

[評論・研究部門]
 『水面の星座 水底の宝石』千街晶之(光文社)

[特別賞]
  宇山日出臣
  戸川安宣


 当日の模様や受賞者の記者会見での挨拶を、評論家の杉江松恋氏が御自身のウェブサイトでまとめてくださっている。興味のある方は、こちらをどうぞ。

 当日の写真。最初が開票中の状況。二枚目が会場の雰囲気。三枚目が、特別賞受賞者の宇山さん。嫌がるのを無理矢理、記者会見に引きずり出した(笑)。四枚目が新聞社の質問に答える歌野晶午さんと千街晶之さん。五枚目と六枚目もそのお二人。


2004.05.12
[新刊]
 『乱歩賞作家 赤の謎』講談社

 東川篤哉氏の『学ばない探偵たちの学園』を読了。ユクワイ、ユクワイ。鯨統一郎氏の『ミステリアス学園』に似た設定の作品。偶然とはいえ、そこが面白い。

2004.05.11
 本格ミステリ作家クラブのサイト情報。[執行会議メンバー・今月の一言]が更新。
 これは記録に残らないので、毎月読んでほしい。

 貫井徳郎氏の『さよならの代わりに』を読了。洋の東西を問わず、この手の手段を用いた話が多すぎるような気がする。流行なのか。しかし、あれに関するシステムをきちんと説明して(発明して)もらわないと、個人的には欲求不満。
 って、帯の推薦者がうらやましいので、ちょっと文句を言ってみた(笑)。

 双葉社から刊行予定のボクちゃん探偵シリーズ『ドアの向こう側』は、5月21日頃から書店に並ぶらしい。

2004.05.10
[新刊]
 篠田真由美『Ave Maria』講談社ノベルス

 柴田よしき氏の『水底の森』を読了。けっこう救いのない話だったのね。

 津原泰水氏の『ルピナス探偵団の当惑』を読了。
 ジュブナイルを読み慣れていないせいか、地の文で、主語が「誰々くん」とか「何々さん」とか書かれていると、非常に気持ちが悪い(笑)。

2004.05.09
 クリストファー・プリーストの『奇術師』を読了。叙述に凝った前作『魔法』の延長上にある作品で、題名どおり、奇術に関する記述がたっぷりあったのでけっこう面白かった。前作はやや地味だったが、今回は見せ場もちゃんとある。ファンタジーというより限りなくミステリーに近い。SF味はラーメンにコショウをふりかけた程度。

2004.05.08
[情報館]を更新。

2004.05.07
[情報館]を更新。

業務連絡。
<本格ミステリ作家クラブ>会員各位

 第4回「本格ミステリ大賞」の投票の締め切りは本日です。
 5月7日(金)消印有効です。

 年間最優秀「本格ミステリ」表彰は、HMC活動の根幹を成します。
 ぜひ、会員の皆さんの投票をお願いいたします。

2004.05.04
[新刊]
『別冊シャレード81号 村瀬継弥特集2』 甲影会

「スタートレック/エンタープライズ」の第2シーズンを一挙に鑑賞。DVD-Rにも無事録画完了。第1シーズンよりぐんと面白くなっていた。アクション度、SF度が増したからだと思う。不満点は、クリンゴンとボーグが弱すぎなこと(笑)。あと、相変わらず、船体を守る防御シールドがないという設定はどうかと思う。

『フェッセンデンの宇宙』を読了。収録作がバラエティーに富んでいて良かった。しかしその分、早川書房版『フェッセデンの宇宙』や『星々の轟き』の完成度(傑作度)には及ばなかった感じだ。

『魔術王事件』の章見出しの引用を考えるのに一日かかる。御存じのとおり、蘭子シリーズの長編では、各章の頭に、古今東西の推理小説からの短い引用を載せている。内容に見合った文章を選ぶのはなかなか大変だが、楽しくもあるのだ。

2004.05.01
「サスペリア」や「本の窓」等の原稿を片づけ、さあ、今月は『魔術王事件』の原稿の加筆修正をやるぞ! っていう状態になったわけだが、今夜から明日の夕方まで、スーパーチャンネルで、「スタートレック/エンタープライズ」の第2シーズンを一挙に放送するのであった。それを録画しつつ、追っかけ再生で見なければならない(夜はちゃんと寝るから)。
 というわけで、今日は、『魔術王事件』のテキスト・ファイルの確認など。現時点で1320枚ほどある。1日70枚で20日あれば終わる計算だが……「計算できません!」というのは、ロボット・フライデーの台詞。

 桐野夏生さんの『OUT』はMWA賞を取れなかったそうで、残念でしたね。しかし、これで講談社インターナショナルが味をしめて、講談社で出ている推理小説を(つまり、新本格も含めて)全部英語に翻訳して出してくれたらいいのにな。「オー! クイーンとカーとホックばっかり!」とか、アメリカ人が驚いたりするかも。

2004.04.30
 ロイ・ヴィガーズ『老女の深情け 迷宮課事件簿 3』(ハヤカワ文庫)の杉江松恋氏の解説を読んで、今まで、「迷宮課事件簿」シリーズに関して、自分が間違った読み方をしていたことに気づいた。そうか、これは探偵側の活躍ではなく、犯人側の苦心を描いたものだったのだな。なるほど、勉強になった。

『宇宙家族ロビンソン』をゆっくりと鑑賞中。『タイムトンネル』とか『原子力潜水艦シービュー号』とか、アーウィン・アレン制作のテレビSFがもっとDVDで出て欲しい。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
業務連絡。
<本格ミステリ作家クラブ>会員各位

 第4回「本格ミステリ大賞」の投票の締め切り1週間前となりました。
 5月7日(金)消印有効です。

 年間最優秀「本格ミステリ」表彰は、HMC活動の根幹を成します。
 ぜひ、会員の皆さんの投票をお願いいたします。


2004.04.29
[情報館]を更新。

2004.04.28
 病院3件を回り、薬局2店を回って漢方薬3種類を購入。一日で5万円近く吹っ飛んだ。まあ、石油成り金の私には痛くもない金だが――痛い。5万円で、何冊の本が買えると思っているんだ。できれば古本成り金になりたい私だ(関係なかったか)。

「活字倶楽部」2004年春号は「ミステリー、好きですか?」特集。島田荘司先生や貫井徳郎氏のインタビューあり。

 角川書店のPR雑誌「本の旅人」5月号に、『硝子のハンマー』を素材にした、北村薫氏と貴志祐介氏の対談あり。

『宇宙家族ロビンソン』のDVDボックス(第1シーズン)が輸送宇宙船で到着。日本国内放映時にカットされた場面も収録されている(そこだけ字幕)。少しずつ楽しんでいるところ。

2004.04.25
 桐野夏生さんの『残虐記』を読了。

 ネット書店を何気なく見たら、エドモンド・ハミルトンの『フェッセンデンの宇宙』が発売開始になっていた。即座に注文ボタンを押す。早川書房版とは収録内容が違うらしいので、届くのが(読むのが)楽しみだ。

2004.04.24
『悪魔のラビリンス』の加筆修正を終え、ゲラと加筆分原稿を輸送宇宙船で送付。加筆分は亜空間通信で発信。加筆枚数は百枚ほど。
 講談社ノベルス版では、ラビリンスがほとんど出てこなかったけれど、今回の文庫版は最初から顔見せすることにした。どうせ、『魔術王事件』では蜘蛛男や黄金仮面や人間豹や黒蜥蜴のように暴れ回るわけなので、隠すこともないかと思って。

『アベラシオン』を読了。ゴシック建築のように絢爛な話。おお、結末でそんなことが起きるとは!

『攘夷と護憲』を読了。書かれていることや主張は100%正論でしょうね。でも、井沢さんを筆頭に、昭和20年代生まれの人の防衛論は、戦争を完全に美化していると思うな。勧善懲悪型のハリウッド戦争映画と現実とは明らかに違うよね。日本政府が軍隊を持ちたいのも、単に、軍隊があれば大金を動かせるからでしょう(見張りの目がうるさくなった公共事業と違って、軍隊なら無制限、無期限に税金を投入・浪費できる)。そのあぶく銭にたかりたい奴らが、この国の上の方にはいっぱいいるわけだ。

2004.04.23
[新刊]
 井沢元彦『攘夷と護憲』徳間書店
 西澤保彦『いつか、ふたりは二匹』講談社(ミステリーランド)
 高田崇史『鬼神伝 神の巻』講談社(ミステリーランド)
 森博嗣『探偵伯爵と僕』講談社(ミステリーランド)

 昨日は、コウダーンシャ帝国の使節大使と、482立川衛星基地で『魔術王事件』に関する打ち合わせ。
 その後、本屋にいったら、クリストファー・プリーストの『奇術師』(ハヤカワ文庫)が出ているのを発見。こんなの出るって知らなかったぞ。どうして誰も教えてくれなかったのよ! で、X攻撃で即座に買いだ。
 そして、これもハヤカワ文庫で、エリザベス・フェラーズの『私が見たと蠅は言う』も買い物カゴへ。改訳(新訳)になっていたので。ポケミスで読んだ時にはできの悪いサスペンスという印象だったが、今度はどう感じることやら。
 ついでに、たぶん読まないと思うけど、晶文社ミステリという理由で、ジョン・フランクリン・バーディン『死を呼ぶペルシュロン』も買い物カゴへ。
 それから「スターログ」誌を立ち読みしたら、何と、『宇宙家族ロビンソン』のDVDボックス(第1シーズン)発売の広告が。え、いつ発売なの? って見たら、4月23日じゃないか。うわっ! とか、わめきながら帰宅して、さっそくamazonで注文。これって、ちゃんと第3シーズンまで出るんでしょうね?

2004.04.22
[新刊]
 畠中恵『百万の手』東京創元社(ミステリ・フロンティア)
 貴志祐介『硝子のハンマー』角川書店
 辻真先『仮題・中学殺人事件』創元推理文庫

 火曜日はアルタイル星のブラウガ元帥と482立川衛星基地で打ち合わせ。某シリーズと某シリーズのことなど。

2004.04.20
[情報館]を更新。

『悪魔のラビリンス』のゲラに朱を入れている内に、蘭子さんの事件簿の日時に混同があることが解った。黎人君に確認したところ、これまで《変装の家》事件の解決日が、1969年11月7日となっていたが、これが誤りで、正しくは1969年11月1日(土)だそうである。というわけで、彼に成り代わって日付を訂正し、お詫びするしだいである。『バラ迷宮』の方の記載をいずれ訂正せねばならない。

2004.04.19
『逆説の日本史11』を読了し、篠田真由美氏の大作『アベラシオン』に突入。両者に共通の話題が書かれていることを知り、偶然に驚いてニンマリ。

 今週は、6月に刊行になる講談社文庫版『悪魔のラビリンス』のゲラ校正を行なう予定。加筆多々あり。

 バン・ヘイレンにサミー・ヘイガーが復帰したというのは、本当だろうか。サミーも好きだが、『バン・ヘイレンIII』が気に入っていたので、あのメンバーでもう一作アルバムを聴きたかった。

2004.04.18
 黒田研二氏との合作『永遠の館の殺人』の加筆修正を終える。最終確認のため、黒田氏に転送。週明けに彼の方から光文社あて、入稿予定。

 右腕の調子が相変わらず悪いので、ドクターエルボーなるサポートを購入して、肘の下に巻き付けてみる。効いているか効いていないか、よく解らない。

『逆説の日本史11』を読書中。豊臣秀吉の名前に関する演繹的推理が秀逸。

2004.04.16
[新刊]
 井沢元彦『逆説の日本史11 戦国乱世編』小学館

 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』を読了。
 まず、お勧め作品であるということを前提として書いておいて、個人的感想を。
(以下、トリックの傾向に触れますので、反転してあります。御注意ください)
  だから、叙述トリックは嫌いなんだ(笑)。
 作中人物に嘘を言わせて読者を騙し、それを作品構成(全体トリック)の説明でのみしか証明できないというのは、明らかにアンフェアであると私は思う。まあ、それが叙述トリックというものなんだが。

2004.04.15
[新刊]
 北村薫『語り女たち』新潮社

 関田涙『刹那の魔女の冒険』を読了。創意工夫がふんだんにある点は良。シリーズが内向的な方向へ進んでしまうのは否。

 矢野龍王『極限推理コロシアム』を読了。読みやすい文章は良。エピローグ部分の情感を生かすためには、本編をすべて三人称で書いた方が良かっただろう(あるいは、まったくその逆)。メイン・トリックを立証する手がかりがやや不足気味か。

 歌野晶午『ジェシカが駆け抜けた七年間について』を読了。なるほどっと、蘊蓄系。

2004.04.14
[情報館]を更新。

 前々から『見えない扉』という仮題で噂になっていたらしい、貴志祐介氏の初めての本格推理小説『硝子のハンマー』(角川書店刊行予定)を、ある週刊誌から書評を頼まれて、ゲラで読ませていただいた。
 衆人環視状態の鉄壁の密室殺人事件を扱った、どこを切っても完全な本格推理小説であり、かなり面白かったことを報告しておこう。
 題名のことなど、何点か述べたいことはあるのだが、これから出る本なので、ここでは言及を避けておく。

 講談社の「メフィスト」5月号が届く。今回が、二階堂蘭子シリーズ『魔術王事件』の最終回。結局、全体で1500枚近くなってしまった。これから加筆修正をして、年内には講談社ノベルスで出したいと考えている。
 で、次号からの「メフィスト」には、魔王ラビリンス・シリーズの第三弾を連載するつもり。当初、題名は、『白骨水族館の怪物』にしようかと思っていた。しかし、今は『双面獣殺人事件』にしようとかも思い出した。後者なら、初めて『〜殺人事件』という題名になるわけだが、もう少し考えてから決めたい。

2004.04.13
[新刊]
 江戸川乱歩全集第16巻『透明怪人』光文社文庫
 新津きよみ『彼女の深い眠り』光文社文庫
 井上雅彦・編『黒い遊園地』光文社文庫(異形コレクション)

 11日日曜は、本格ミステリ作家クラブの執行会議。5月に行なわれる公開開票式の準備。クラブ員は、本選回答の方を、締め切りまでによろしくお願いします。

 12日は、黒田研二氏との合作『永遠の館の殺人』の加筆部分の最終確認のため、群馬の丸沼高原スキー場へスキーをしに行く。この本は、スキー・サイコ・シリーズ(そして、キラー・エックス・シリーズ)の最終作で、叙述トリックものと館もののハイブリッドという野心作である。問題が出なければ、7月に光文社のカッパノベルスから刊行になるはず。暑い夏に読むと、背筋がゾッと寒くなって涼むことができるだろう。
 丸沼スキー場はまあまあ滑れる状態であったが、昼頃にはたいへん暑くなって、ボーダーの中にはTシャツで滑っている人もいた。
 私の今シーズンはこれで終わった。「スキージャーナル」5月号でも買って、来期のマテリアルの検討に入らねばならない。


(私のような運動音痴が本当に滑れるのかと疑うむきもあろう。
もっともである。そこで証拠の写真を。雪が緩く、外足の踏ん張
りが効かなかったので、内倒する悪い癖が出てしまった)


2004.04.10
 4月19日にPHP研究所から発売になる、『人間は素晴らしい 手塚治虫 愛と生命の言葉』の見本刷りが届く。前書きを私が書いている。

 霞流一氏の『ウサギの乱』を読了。サービス精神満載で、ちょっと無茶なトリックが例によって楽しい。

2004.04.09
[新刊]
 アレックス・アトキンスン『チャーリー退場』創元推理文庫
 倉知淳『幻獣遁走曲』創元推理文庫

「週刊現代」用に、近刊予定の『手塚治虫 人間は素晴らしい』(PHP研究所)の書評を書き、編集部へ亜空間通信で送付。

 『チャーリー退場』はまだ読んだことがなかったので、新訳が出たのはありがたい。次は『ハマースミスのうじ虫』をお願いしたい。

2004.04.08-2
 告知するのをうっかり忘れていた。本格ミステリ作家クラブのサイトにおいて、[執行部 今月の一言]というコーナーが設けられた。トップ・ページの、有栖川有栖氏の挨拶の右上に入口がある。これは記録に残らないので、毎月読まないと消えちゃうよ。

2004.04.08
[情報館]を更新。

 5月に刊行予定のボクちゃん探偵シリーズ第3弾『ドアの向こう側』の再稿を確認。松木美紀さんによる表紙のデザイン案も上がってきたので、サイトのトップに掲載した。また、河内実加さんによる素敵な解説(漫画もあり)が付くので、これもお楽しみに。

2004.04.07
[新刊]
 近藤史恵『二人道成寺』文藝春秋(本格ミステリ・マスターズ)

[古本]
 ジュール・ベルヌ『黄金の流星』偕成社(ベルヌ名作全集2)
 コナン・ドイル『海底の古代帝国』集英社(ジュニア版・世界のSF)

 しばらく休んでいた文藝春秋の本格ミステリ・マスターズだが、新刊『二人道成寺』が出た。次は5月末に、芦辺拓さんの『紅楼夢の殺人』が出る予定。
 それにしても、この本格ミステリ・マスターズは、個々の作家の特徴が非常によく出ていて、読んでいて楽しいシリーズである。これが新本格ムーブメントの良いところだ。その昔は、作家の個性は殺して流行に準ずることを強いられたわけだが(社会派やトラベルものなど)、そうした風潮は完全に過去のものとなり、めでたしめでたしである。

 ベルヌの『黄金の流星』は、この偕成社版(児童本)でしか翻訳が出ておらず、他では読めない作品。これで、ベルヌの翻訳はひととおり揃った。ベルヌもちゃんとした全集を出してほしい作家である、というか、出ていない方がおかしいのだが(集英社版もパシフィカ版も選集にすぎない)。

 河出書房の「文藝別冊」で丸ごと楳図かずお本が出る予定とのこと。で、短文を寄稿する。原稿を書いて亜空間通信で送付。

2004.04.06
 本屋でヘリオット先生の新刊を発見。集英社文庫のオリジナルで、『毎日が奇跡』の上下巻。これで、ヘリオット先生の長編は全部翻訳されたらしい。

 以前、「本格ミステリーを語ろう! [日本編]」を企画した時に作った『路標的  日本名作推理小説リスト(思案)』を[地下書庫]に掲載。あれからもう何年も経ったので、もっと付け加えなくてはならないのだが、とりあえずということで。

2004.04.05
[新刊]
 霧舎巧『霧舎巧傑作短編集』講談社ノベルス
 矢野竜王『極限推理コロシアム』講談社ノベルス

『殺人者と恐喝者』を読了。いやあ、やっぱり伏線や手がかりがビジビシ決まっていくところがいいよねえ。カー中期の特徴らしく、プロットは単純だが、技巧的な部分には手抜きはないし。一番いいのは犯人像かな。この犯人像をもってして初めて、あの叙述的なトリックと物理的なトリック(例の奴や毒殺トリック)がみごとに機能してくるわけだもんねえ。毒殺トリックなんて、マジックの手法を忠実に用いている。
 それにしても、『殺人者と恐喝者』『一角獣殺人事件』『かくして殺人へ』『九人と死で十人だ』『死が二人をわかつまで』なんかが、簡単に単行本で読めるんだから、今の読者は幸せだなあ。私が学生の時には、それこそ赤城山の秘宝を捜すつもりで必死に古本屋や古書店巡りをして集めたもので、それでも滅多に見つからなかったんだから。

 ハヤカワ文庫で『パンチとジュディ』の新訳も出たことだし、あとは、『蝋人形館の殺人』の新訳、『髑髏城』の完全訳(若干の省略があるらしい)、誤訳のある『三つの棺』と『死者のノック』の改訳などを期待したいね。

 本日の愛鳥盤ならぬ愛聴盤は、サンダー「ビハインド・クローズド・ドアー」。こういう出来の良い作品を聴くと、ブリティッシュ・ハードロック侮りがたし、と思ってしまう。

 整形外科で腕の治療。左手の握力が39.5キログラムあるのに、右手の握力が13キログラムしかない。一週間後に具合が改善されていないと、いよいよ何か注射を打たれてしまうことになる。

2004.04.04
 弓弦さん制作のディクスン・カーのサイト「ディクスン・カー事件レポート」が移転しました。こちら

『殺人者と恐喝者』の読書開始。スラスラ読めるなあ。カーの本は全部、森英俊さんの個人訳で訳し直してほしいと思った。それにしても、H・Mの自伝は抱腹絶倒だ。

2004.04.03
 島田荘司先生の『島田荘司「異邦」の扉に還る時』を読んでいたら、「デジカメ日記」の中に、私も写っている写真があったりしてビックリ。もうこの日記は3年も前のことなんですね。写真では、私の左横が評論家の野崎六助氏で、右側がさて誰でしょう。−−−−−−−−−−−−−−−−井上夢人さんなのです。この時、パーティーで、いきなり太った井上さんに出会ってギョウテン。以前の井上さんは、この3分の1くらいのスマートさだったのに。
 最近、井上さんは誰からも目撃されていないが、噂では、もう自宅の書斎から出られないほど膨れあがってしまったとか。

2004.04.02
 6月に講談社文庫から出る『悪魔のラビリンス』は、少し加筆することにした。「メフィスト」で連載が終了した『魔術王事件』が1500枚級なので、それとの整合性を取るためである。

 下の写真は、昔、必死に集めたカーの文庫本。中でも手に入って嬉しかったのは『毒殺魔』(写真右上)。国書刊行会から別題『死が二人をわかつまで』が出るまでは、カーの本の中で一番手に入らないものだった。20年以上経つが、今でも見つけた場所を覚えている。吉祥寺の、アーケード街を抜けた先を左に曲がった所にある古本屋さん。その店頭ワゴンの中に、50円で落ちていたのだった。


2004.04.01
[新刊]
 カーター・ディクスン『殺人者と恐喝者』原書房(ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)
 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』原書房(ミステリー・リーグ)
 島田荘司『島田荘司「異邦」の扉に還る時』原書房

 さて、今日は何の日か。四月馬鹿ではなく、今日は、カーター・ディクスンの『殺人者と恐喝者』の発売日なのである。大手書店なら、今日、これが店頭に並ぶはずである。
 まったく久しぶり(創元推理文庫版から40年以上)の新訳である。長い年月、これだけの佳作が眠っていたのだから、まったく驚きである。簡単に読めるようになって嬉しい限りだ(もちろん、私は「旧・宝石」版も創元推理文庫版も持っているが)。
 実はこの新訳は、以前は新樹社から出る予定だった。ところが、向こうの出版社の都合でなかなか顔を見せず、ある時、翻訳者の森英俊さんに、「どうなっています?」と尋ねたら、「どうもミステリーから撤退する感じでしてね」と言うので、「だったから、原書房から出しませんか」と私が尋ねると、「そうですね、新樹社に訊いてみます」という話になり、さっそく二人は、それぞれの出版社に電話をして、了解を取り付けたのであった。その間、15分とはかかっておらず、結果としてめでたく、この『殺人者と恐喝者』が原書房から刊行されることになったのだった。
 というわけだから、カー・ファン、本格推理小説ファンは、森英俊さんや私に感謝するように(笑)。
 原書房のヴィンテージ・ミステリ・シリーズは、夏にE・E・ミルンが、秋にはC・デイリー・キングが出る予定。いずれ、ディクスン・カーの最後の未訳作品『PAPA LA-BAS』もここから刊行されるはずなので、もう少し待っていてほしい。

2004.03.31
 だいぶ前に存在を知り(そのことはこの日記に書いた)、うっかり購入するのを忘れていた、チャールズ・ディケンズの『ニコラス・ニクルビー』上下、『ドンビー父子』上下(両方とも、田辺洋子訳)をネット書店に注文。ところが、『ドンビー父子』の方が「品切れ」ということで手に入らず。がっかりしてしまう。あわてて版元にも電話したが、やはり在庫なしとの返事。2000年に刊行された本がもうないというのだから……。
 どこか大手書店の店頭に残っているようなものを捜すしかないだろう。

 まあ、チャールズ・ディケンズの全集が、戦後、日本では一度も出たことがない、ということがそもそも変だと思うのだが。小池滋あたりが個人訳全集を出してくれていたら一番良かったのに。

 腕の調子は相変わらず悪い。仕方がないので、DVDボックスの『DS9』シーズン7を見て、リハビリ中である。

2004.03.30
 お勧めの海外名探偵ドラマ「名探偵モンク」がBS2で今夜から放映される。私は主義としてNHKは見ないが、面白い作品なので、興味がある方はどうぞ。

 ところで、今一番好きな海外ドラマは、「エンタープライズ」(スーパーチャンネル)などのSFや「名探偵ポワロ」(ミステリーチャンネル)などのミステリーではなく、FOXチャンネルで放映されている「マルコム・イン・ザ・ミドル」だったりする。4月中旬から第3シーズンが始まるので、早くやれ! っと、待っているところなのだ。

2004.03.29
 よく調べたら、「読んでココ! バージョン10」の読み込みドット数は400dpiで良いわけで、となると、認識の差はスキャナーの精度ではないことが判明(買い換える必要がなかった……)。結局、ソフト側で、傾き補正その他、認識率を上げる手立てを手動で細かく設定して、だいたい95パーセントぐらいまで達成することができた。

2004.03.28
[新刊]
 貫井徳郎『さよならの代わりに』幻冬舎

 エプソンのスキャナーGT-6600+「読んでココ! バージョン10」で自分の文庫本を取り込み、OCRにかけると、認識率が90パーセントくらい。もう少し認識率を上げたいと思い、スキャナーを買い換えることに。で、どうせならつよインクのプリンターもくっついている複合機のA850を買ってみた。が、これが失敗。というのも、かえってOCRの認識率が落ちてしまい、80〜85パーセントくらいになってしまった。A850の方が解像度が高いのに何故だろう。やっぱり複合機なんていう中途半端なものはダメだということなのか。

2004.03.27
[新刊]
 カーター・ディクスン『パンチとジュディ』ハヤカワ文庫

『パンチとジュディ』を店頭で発見。保存用に一冊買う。平積みの山が減っているのは明らかだったので、好評のようだ。

 25日に、高田崇史氏の『QED 龍馬暗殺』を読了。今、講談社ノベルスの中で一番面白いシリーズ。そして、もっとも本格推理しているシリーズと言って良いだろう。正直言って、最初は龍馬が誰に殺されても(どうせ暗殺なら、無名の侍ということもあるわけだし)たいしたことはないと思っていた。しかし、さすが高田崇史氏。なるほど。龍馬の謎をそこ(ここに傍点)で解いたか! と、感心してしまう。現代の事件の方も、これだけで横溝風の作品を造り上げることが可能なネタ。ちょっと惜しいのは、過去の謎と現在の殺人事件の密接度が弱いことかな。
 何にしても、今回もコストパフォーマンスは高い。お勧め。

2004.03.26
[情報館]を更新。

[新刊]
 津原泰水『ルピナス探偵団の当惑』原書房

「金の魔術王」のゲラ校正も無事に終え、昨日は取材のため、黒田研二氏と奥志賀・焼額山でスキーを敢行(取材です、取材)。
 しかし、この日記を読んで下さっている諸氏は、ぎっくり腰でスキーなどできるのか、とお思いになるだろう。私も滑るまではそう思っていた。とにかく、前々から決まっていたことなのでキャンセルができなかったのである。そこで、前日、整体を受け、スキーは可能かどうか整体の先生に尋ねると、「スキーそのものは腰にいい。ただし、負担がかかるので、滑り終わったら氷か雪でちゃんと冷やすように」との注意を受ける。
 幸い、奥志賀へはビーム転送で瞬時に行き来できたので、というようなことはなく、車で奥志賀まで送り迎えしてくれる人がいたので(さすがに、長時間自分で運転することは無理だと解っていた)、スキー取材を実行することにしたのだ。
 で、滑ってみたら、これが何とか滑れるのだった。ブーツを履く時など、中腰になるのは辛いが、滑りで腰をひねるような動作にはたいして支障がない(ちょっと溜めがないが)。
 むしろ、テニスエルボーの左手が痛い。カーヴィングで腕に力を入れた時、ストックを付いた時、肘に響く。
 奥志賀はガラ空き。寂しいくらい。焼額山もかなり空いていた。
 例によって黒田氏が、「ねえ、ねえ、二階堂さん、西館のレストランに外人のお姉さんの給仕がいますぜ。エヘヘヘヘ」と、涎を垂らしながら言う。私は別に見たくもなかったが、黒田氏の取材に付き合うことにした。すると――――西館のレストランはもう何日も前に閉館になっていたではないか。当然、外人のお姉さんなどというものも影も形もない。
 そう言えば、3年前に笠井さんなどと奥志賀へ行った時にも、黒田氏は同じことを言っていたのを思い出した。
 などなどして、夜やや遅めに帰宅。

2004.03.20
[情報館]を更新。

 三日前のこと。私は、双葉社から5月に刊行になるボクちゃん探偵シリーズの『ドアの向こう側』のゲラ校正を終え、ゲラを整えて封筒に入れ、椅子から立ち上がろうとした。すると、突然、左脇腹後ろの腰に強烈な痛みが走った。そう、ぎっくり腰になってしまったのだ。ただ立ち上がっただけなのに……。
 テニスエルボーも治っていないに、もう満身創痍の状態である。
 一応、整体にいって、痛みは半分に減ったが……。

 本日、ハヤカワ文庫のカーター・ディクスンの『パンチとジュディ』の見本刷りが届く。解説は私が書いている。表紙がとても格好いい。気に入った。

2004.03.16
[企画進行中]を更新。

 光文社文庫『新・本格推理03』収録の、「Y駅発深夜バス」青木知己が、6月刊行予定の本格ミステリ作家クラブ編『本格ミステリ04』に選ばれた。また、「とむらい鉄道」小貫風樹が、本年度の日本推理作家協会賞の短編部門の候補に選ばれた模様(まだ正式発表はされていないが)。編者としてとても嬉しい。もちろん、どちらの作品も優れていたからこその結果ではあるが、「新・本格推理」(と、そこから登場する作家たち)が業界に認知され、注目されてきた証でもある。このことを一番喜んでくださるのは、きっと、亡くなられた鮎川哲也先生だろうと、ニュースを聞いて思ったしだいだ。

 最近、仕事をしながら聴くことが多い洋楽CDは次の二枚。結局、フェアウォーニングから別れた二グループなのだった。仕事(執筆)をしながら本が読めたら、一番いいんだけどね。それは無理なので。
 ドリームタイド「ドリームス・フォー・ザ・デアリング」
 ラスト・オータムズ・ドリーム「ラスト・オータムズ・ドリーム」

 久しぶりにCD屋へ行き、ミーシャと倖田來未の新譜を買おうと思ったら、どっちもCCCDだったので、買うのをやめ、柴咲コウ『密』を買う。CCCDは、どう考えてもまっとうなCDとは思えない。違法コピー対策を行なうのは理解できるが、それならば、それはレンタルCD屋に卸しているものだけにすれば良いわけで、店頭で販売して、きちんと購入しているユーザーに負担や不便や不快を与える手段はとても奇妙。逆に言えば、CCCDなら、レンタルで充分ということになる。

2004.03.13
[新刊]
 江戸川乱歩全集第15巻『三角館の恐怖』光文社文庫
 辻真先『上州・湯煙列車殺人号』光文社文庫
 二階堂黎人・編『新・本格推理04』光文社文庫
 柴田よしき『水底の森』集英社
 「ジャーロ」2004年春、第15号 光文社

 ようやく少し時間ができたので、10日から始まっていた所沢の「彩の国古書展」へ行ってみる。が、当然のことながら、砂漠状態。帰りに、ブックスいとうで、新潮文庫のSFアンソロジー『スペースマン』を拾ったのが唯一の収穫。

「金の魔術王」の図面を描き、亜空間通信にして送付。

2004.03.12
[新刊]
 篠田真由美『アベラシオン』講談社
 日明恩『そして警官は奔る』講談社
 山田正紀『イノセンス』徳間書店
 「ミステリーズ!」2004年04号 東京創元社

 ピーター・ラヴゼイ『最期の声』を読了。けっこう良かった。

 PHPから出る『人間は素晴らしい〜手塚治虫 愛と生命の言葉〜』という本の前書きを書き、亜空間通信で送る。

 篠田真由美氏の『アベラシオン』は、綺麗な函に入った、物欲をそそる美しい本。

2004.03.11
[情報館]を更新。

 昨日、ようやく、『魔術王事件』の最終回「金の魔術王」を書き上げる。282枚。死んだー!ってほど疲れた。二階堂蘭子の超絶名推理が読みたい方は、4月上旬発売のの「メフィスト」5月号をお楽しみに。

 折原一さんが、ウェブサイト「折原一の沈黙の部屋」を開設しました。こちらです。

2004.03.06
 そうそう。柄刀一氏の『殺意は青列車が乗せて』は、もう十日ほど前に読み終わっていたのであった。メイン・トリックうんぬんよりも、その周囲の小道具や手がかりの固め方がうまい作品、という印象。

『新・本格推理04』の中に、執筆者アンケートがあって、採用者の青木知己氏が、ミステリーについての新しい分類(定義?)を発表している。これが明解で、秀逸。今後、私もこの考えを評論等で採用したいと思ったほど。詳細は、『新・本格推理04』をどうぞ(笑)。

2004.03.05
[新刊]
 黒田研二『白昼蟲』講談社ノベルス
 霞流一『ウサギの乱』講談社ノベルス
 「SF Japan」VOL.09 徳間書店

 光文社文庫『新・本格推理04』の見本刷りができた。副題は「赤い館の怪人物」とした。今回は読み応えたっぷりな内容。3月10日に発売になるので、どうぞよろしく。

2004.03.03
[新刊]
 司田武己『手塚治虫バカ一代』集英社インターナショナル
 桐野夏生『残虐記』新潮社

 書いても書いても「金の魔術王」が終わらない。200枚を突破。

 東野圭吾氏からスノボー・エッセイの中で「あんなアホが」と言われた黒田研二氏。私との合作『永遠の館の殺人(仮)』の改訂原稿を彼が仕上げ、一昨日、メールで送ってきた。そこには、「僕の担当分は終わったよーん。あとの仕上げは二階堂さんに任せるぴょーん。僕はこれから白馬でスキーをしてくるもんねー。二週間も予定より原稿を上げるのが遅れたけど、別にいいですよねーん! かまいませんよねー!」とかいうようなことが書いてあった。その上、彼は、本格ミステリ作家クラブの執行会議も欠席していたし。
 もしかして、この時期、私が白馬へスキーに行けないのは、黒田氏のせいではないだろうか。

2004.03.02
 小森健太朗『大相撲殺人事件』を読了。とても面白くて、ウシシシと笑いながら読むのに最適。ただ、外人探偵より推理オタク力士の方が目立っていたぞ。

 2月29日は、本格ミステリ作家クラブの執行会議。本格ミステリ大賞の公開開票会に向けての打ち合わせ。
 帰りに池袋の西武デパートの書籍売り場に行き、E・E・スミス『三惑星連合』創元SF文庫他、いろいろと買う。思わぬ発見物が、「のどかで懐かしい『少年倶楽部』の笑い話」講談社という本。確かに、内容はのどか(笑)。







アイコン
戻る
アイコン
表紙

ライン