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不定期日記(過去ログ)

2004年02月



2004.02.24
[情報館]を更新。

 ブリットニー・スピアーズの新譜を聞く。昨年のアレギラの新譜同様、作り込みすぎと思う(オーバー・プロデュース)。個性が死んでいる。

『パンチとジュディ』の解説は、結果的に30枚になった。そして、心優しいミステリ文庫の編集部がこれを採用してくれたのである。めでたしめでたし。
 また、原書房からは、ヴィンテージ・ミステリー・シリーズとして、カーター・ディクスンの『殺人者と恐喝者』が4月に出る予定。あの微妙な記述部分を、森英俊さんがどういう具合に訳してくれているのか、今から読むのが楽しみである。というわけで、今年は早くも春満開だ!

 4月刊行予定だった拙著『悪魔のラビリンス』の文庫は、こちらの予定と講談社文庫編集部の進行とがうまく噛み合わず、5月以降に延びてしまった。

2004.02.20
[新刊]
 米澤穂信『さよなら妖精』東京創元社(ミステリ・フロンティア)

 オラフ・ステープルトン『スターメイカー』国書刊行会を読了。壮大な話で好みの傾向のものだが、哲学的な味わいが強いため、ちょっと抽象的すぎるという感想。

2004.02.19
[情報館]を更新。

 カーの『パンチとジュディ』の解説だが、土星基地の副司令官より「8枚くらいでお願いします」という命令が届き、ならば楽勝だなと思い、二日かけて書いたら、いつの間にか36枚になっていて、必死に削ったら、ようやく32枚になった。

2004.02.17
 おっと。ホームページのカウンターで、555555番を踏んだ方は、掲示板で御報告ください。何か私のサイン本を贈ります。

 ひたすら原稿書き。ポケミスの『白い恐怖』やディケンズの『ボズのスケッチ』岩波文庫他、欲しい本がたくさんあるんだけど本屋へ行く暇がない。スキーにはもっと行きたい。

2004.02.16
 ビル・プロンジーニ『幻影』講談社文庫を読み始める。「おれ」って、いつの間に結婚したんだ?
 それにしても、最近の私立探偵は、みんな年寄りになって、女ができて(だいたい結婚する)、そして、金持ちになって幸せになるが、ハードボイルド探偵がそんなふうに堕落していいんだろうか?

2004.02.15
[情報館]を更新。

[新刊]
 柄刀一『殺意は青列車が乗せて』祥伝社

「ROM」119号が恒星間輸送船にて届く。驚くべきことに、「オースチン・フリーマン」の大特集。長編レビューを興味深く読んだ。

2004.02.12
[新刊]
 桐野夏生『王蘭』朝日文庫

 何と、嬉しや。 ハヤカワ文庫で出る予定のカーター・ディクスン『パンチとジュディ』の解説を、私が書くことになった。
  なお、同文庫で予告されているディクスン・カー『剣の八』の新訳版は、田口俊樹さんが翻訳中らしい。

2004.02.10
[新刊]
 愛川晶+二階堂黎人『白銀荘の殺人鬼』光文社文庫
 江戸川乱歩全集第15巻『三角館の恐怖』光文社文庫
 レックス・スタウト『ネロ・ウルフ対FBI』光文社文庫

「メフィスト」5月号に向け、『魔術王事件』の最終回「金の魔術王」を書き始める。

2004.02.09
 谺健二『星の牢獄』(原書房ミステリーリーグ)を読了。面白い。谺健二氏の作品の中で一番良い。これまでの作品は、迫力はあるのだが、人物性(キャラクター性)、物語性、トリック性(唐突に出てくる島田流奇想トリック)がうまく噛み合っていないことが多かった。が、これはすべてが綺麗に溶け合っている。

 DVDで映画鑑賞。
『トゥームレイダー2』面白い。が、観光名所案内の場面が多く、何だか『レイダース』系というより『007』的だった。
『ザ・コア』面白い。まったく予備知識なしに期待せずに見たので、余計面白かった。特に、冒頭から3分2くらいまでは感心した。ただ、帰りの方法が少し杜撰。ベルヌの『地底探検』の映画版と同じアイデアというのはちょっと残念である。

2004.02.08
[情報館]を更新。

[新刊]
 歌野晶午『ジェシカが駆け抜けた七年間について』原書房

 リュウドから、携帯電話用の折りたたみ親指シフト・キーボードが発売になった。現在は次の2種類。
 DoCoMo専用 親指シフト入力キーボード RBK-100iN
 au専用 親指シフト入力キーボード RBK-110CN

 山川惣治の「少年エース」のコピー(単行本未収録部分)を受け取る。後半はものすごく意外な展開。アダムスキー型の宇宙船や宇宙人が出てきたり、体長20メートルのマンモス・オケラと戦ったり、サルガッソー海で、巨大ウミヘビと死闘を繰り広げたりする。
 その一頁を紹介しよう。


2004.02.07
[古本]
 虫プロダクション友の会「鉄腕アトムクラブ」終刊号

 噂は本当だった!
 東京創元社の創元SF文庫が、エドモンド・ハミルトンの〈キャプテン・フューチャー・シリーズ〉を全巻復刻するという話は! 偉いぞ創元SF文庫! ここに告知が!
 ただ、合本というのはどうなのかなあ(バローズの「火星シリーズ」にも言えることだが)。本来的にこれを読ませたい、読んでもらいたい年齢層(小学生とか中学生とか高校生)は、合本だと値段が高くなって買いづらいよね。

 CD。NEGATIVE「War Of Love」が、なかなかいかしている。

2004.02.06
[新刊]
 関田涙『刹那の魔女の冒険』講談社ノベルス
 講談社「ファウスト」2号
 
 昨日は、昭和記念公園で、私とクック様とコロン様の写真撮影会。
 実は、昭和記念公園が近々開園20周年だとかで、記念誌を作るため、そこにエッセイを頼まれたのだ。写真はそのエッセイに添えるものである。〈みんなのひろっぱ〉で、お犬様たちと戯れるところを写真に撮られ、さらに女子高生の一群が歩いてきたので、一緒に集合写真まで撮られるという状況になったのだった。

 「ファウスト」2号。お願いだから、目次にページ数を入れて。

2004.02.05
 今日、大森望氏の1月5日付けの日記を何気なく見て、たいへん驚くと共に、大いに反省することがあった。
 氏は、私が書いた新聞書評について言及しているのだが、こちらの書いた文章の意図がちゃんと伝わっていなかったのだ。その書評は乙一氏の短編集について書いたもので、「キミとボク派」のことを説明するのに、若い10代の少女漫画家の状況を比較として引き合いに出している。概略を書くと、多くの若い少女漫画家が(これも漫画家としての「キミとボク派」なのだが)、身近な素材、家族、友人、学校、流行、恋愛を素材として漫画を描き(たいてい編集者の指導・意向の基に)、才能をすり減らして消えていく者がたくさんいると、私は書いたのである。
 この文章には、その後に、「だが、その中から、「キミとボク派」から脱却し、広い視野と様々な主題を描くことに成功した優秀な漫画家がわずかながら出てくる。よって、「キミとボク派」の小説家もそうであってもらいたい」ということを意味合いとして含めたつもりだった。
 ただ、依頼された文字数の制限もあり、そこはあえて省略したわけだ。省略してあっても、全体の文脈から、そのくらいは読み取ってもらえると思ったのである。
 だが、それは当方の甘えに過ぎなかった。大森氏のような著名な書評家にさえ誤読されてしまったとすると、私の書き方が悪くて、一般読者にはもっと伝わらなかったに違いない。それが反省点である。これからは、一から十まで懇切丁寧に説明することを心がけようと思う。

2004.02.04
[情報館]を更新。

 先日のこと。
 悪役ランプこと中野晴行氏から、産経新聞のマイクロフィルムが多摩図書館にあることを教えてもらう。  山川惣治の『少年エース』は単行本(産経新聞出版社刊)が3冊出ているが、話が途中で終わっている。たぶん続きがあるだろうというので、マイクロフィルムで調べることにした。産経新聞は縮刷版が出ていないので、マイクロフィルムを見るしかないのだ。
 その結果、昭和34年12月7日からまた多摩図書館へ行ってきました。
「少年エース」の開始日を確認。昭和34年12月7日から、昭和36年8月4日まで、602回連載されていることが解った。その前の連載物は、川内康範・原作/石原豪人・画の『太陽仮面』というもので、原作者を見れば解るとおり、『月光仮面』みたいなヒーローものであった。小説に挿絵がたっぷり付いた形の連載だった。
「少年エース」の方は、単行本では、1頁の体裁は3段だが(主に、1コマの絵に文章が付いている)、事前に想像していたとおり、連載時は4段であった。一番上に細いタイトルがある。手塚治虫先生の『青いトリトン』などと同じ体裁だった。
 単行本3巻の終わりの部分は、新聞では、昭和35年11月28日の第355回だった。よって、未収録部分は、昭和35年11月29日の第356回から602回目までとなる。最終回には、山川惣治氏の「挨拶」が余分に掲載されていて、「連載予定の600回を超えたのでこれで終わります」と記してあった。
 で、単行本にする時にけっこう手直ししてあることも解った。連載の時の大コマが単行本では小さくなっていたり、その逆もある。単行本の見出しページはだいたい書き下ろしか、そのあたりの場面を編集してある。文章も、新聞連載時の方か多かった。
 とりあえず、単行本未収録部分の複写を頼んできたのであった。
(注:角川文庫版「少年エース」は、産経新聞版の物語をさらに縮小したもの)。

2004.02.02
 今日は何もないので、最近買った、メンコの紹介。写真メンのデッドストックで、切られていないシートもの(子供の頃、これで盛んに遊んだのだ)。こんなものばっかり捜しているから、姫野カオルコさんに、男は後ろ向きだなんて言って笑われるんだろう。


2004.02.01
 ネットを散策していると、いろいろと嬉しい噂が見つかる。
 最初は、評論家の杉江松恋さんの日記で見つけた、イギリスの古典的ユーモア作家・ウッドハウスの傑作選が文藝春秋から出るという話。カーをはじめ、英米のミステリー作家もウッドハウスを読んでいたという記述をよく目にするので、前々から気になっていた作家である。たぶん、日本で言うなら夏目漱石みたいな位置なのか。

 次が、創元SF文庫で、エドモンド・ハミルトンの「キャプテン・フューチャー」を全部出す(夏頃から順次)という噂(以前は、早川SF文庫で出ていたんだよん)。何でも2話ずつの合本というから、12冊くらいになるのかしら。可能なら、解説を書かせてもらいたいものである>K浜さん、お願い。

 それから、とんでもないことに気づいた。岩崎書店がはるか昔に出していた「エスエフ世界の名作」を前々から集めていて、ようやく揃ったところなのに……。
(小学1年生から2年生の頃に、欲しくて欲しくてたまらなかった本なのだ)
 何があったかというと、箱が2種類あることに気づいたのだ。背表紙や、題名の文字の太さか違っているのである。中の本を見ると、初版や再版が入り乱れているので、箱だけ後から造り直したようである。最初の奴はややおとなしい感じで、後の方が背表紙にも絵が入って少し子供っぽくなっている。
 これって、もしや、両方集めろってことかい。






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