ライン

不定期日記(過去ログ)

2003年11月



2003.11.30
 昨日は、立川南口にブックオフができるというので(ブックスいとうのすぐ近く)、開店時間の午前10時に、雨が降っているけれども行ってみた。しかし、例によって何もなし。胃炎で朝から吐いていたのだが、がっかりして、ますます気持ちが悪くなった。

 幻冬舎の「ポンツーン」12月号には、日本推理作家協会賞編「ミステリーの書き方」の第3回目が載っている。森村誠一さん、東野圭吾さんらの有益な助言がある。作家候補生は必ず読んだ方が良い。

2003.11.27
[情報館]を更新。

[新刊]
 『ミステリー迷宮読本』洋泉社(MOOK ムックy 033)
 加納朋子『レインレイン・ボウ』

 スキー雑誌を見ようと本屋に行ったら、『ミステリー迷宮読本』なるものが出ていた。表紙があまりにキワモノ的だったので、期待せずに買ったら、これが非常にすぐれた読書ガイドであった。テーマ別に別れていて、なかなか詳細で楽しい解説が付いている。年末年始に読む本を探している人は、これを手引きにすれば良いだろう。

 Tenの「Far Beyond The World」を聴く。悪くはないが、やはり1〜3には劣る。
 ついでに、元サバイバーのメンバーが作ったプライド・オブ・ライオンズというグループのアルバムを聴く。これが笑っちゃうほどの型にはまった産業ロック。でも、こういうのは嫌いじゃないので、嬉しがりながら何度も聴いてしまう。

2003.11.26
「週刊文春」のミステリー・ベスト10へ、亜空間通信にてアンケート回答。
 今年から、文藝春秋のWEBサイトで、全コメントが公開になるとのこと(雑誌より1週遅れで公開予定)。

 12月10日発売予定の「メフィスト」には、急遽、島田荘司先生の書き下ろし中編(200枚)「UFO大通り」が載るそうである。また、「メフィスト」はリニューアルになるそうだ。どんな風になるんだろう。

2003.11.22
[新刊]
 柴田よしき『蛇 ジャー』上・下 徳間書店トクマ・ノベルス
 「大人のスキー」実業之日本社

 殊能将之氏の『子どもの王様』を読了。殊能氏の作品とは思えないほど普通の内容(つまらないという意味ではない)。

 12月に発売になる「メフィスト」のゲラ(「赤の魔術王」他)が届く。今回、佳多山大地氏の「往復電子書簡 RALLY」では、拙著『猪苗代マジック』が取り上げられている。ネタバレで回答しているので、読了ずみの人は、こちらもどうぞ。

 男子バレーボールであるが、攻撃パターンの単調さが気になる。AクイックとBクイックが同時に飛ぶとか、ダブルBを使うとか、一人時間差をやるとか、大古が発明したZ攻撃(女子のブロードの原型)とか、そういうのがぜんぜんない。スーパー・エースはオープンで打つだけなのか。

2003.11.21
[情報館]を更新。

 実業之日本社の「大人のスキー」を買いに立川駅のルミネのオリオン書房へ行ったら、何故か入荷しておらん。結局、別の店へ買いに行くことになった。だらしないぞ、オリオン書房。
 で、「大人のスキー」だが、マテリアル情報もスキー場情報もいろいろと載っていて面白かった。「スキー」第2号よりこっちの方がぜんぜん中身が良い。

 光文社文庫の「新・本格推理04」の候補作が送られてくる。全81編中の19編である。
 以前、私は、このサイトと「新・本格推理03」の選評で、原稿の書き方や印刷の仕方について厳しく注意した。そのためもあってか、今回は皆、たいへん綺麗に印刷されている。したがって、まだ表紙を見て、中をペラペラとめくっただけだが、どれもこれも力作に見える。今から読むのが楽しみだ。

 三雲岳斗氏の『聖遺の天使』を読了。この時代ならではの雰囲気を持った正統派の本格。でも、私はやはり、三雲氏のSFミステリーが読みたい。

2003.11.19
[新刊]
 千街晶之『水面の星座 水底の宝石』光文社
 パトリック・ハミルトン『二つの脳を持つ男』小学館(名作映画『ロープ』や『ガス燈』の原作者だっていうんだから、読んでみたいよね)
 有栖川有栖『白い兎が逃げる』光文社 カッパ・ノベルス
 歌野晶午『家守』光文社 カッパ・ノベルス
 伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』東京創元社(『ミステリ・フロンティア』という新しいレーベルの第一弾)

 昨日は胃炎で吐き気がひどく、病院へ行って点滴を受ける。今日もプリンペランという自立神経に作用する薬を飲んでいるので、フラフラの状態。

 千街晶之氏の『水面の星座 水底の宝石』は連載時に読んでいたが、加筆があるというので読み返す。大上段に構えた評論ではなく、いくつかの主題を新旧の作品を通して比較検討した内容は、読み物として面白い。できれば、全体を締めくくる大きな結論なり考察なりがあったらもっと良かった。

2003.11.17
[新刊]
 「首都圏発 スキー場と宿 EAST2004」実業之日本社
 西澤保彦『実況中死』講談社文庫

[古本]
 ドレツァール『太陽系ようさい』岩崎書店(SF世界の名作)

 ビッグホーンにスキー・キャリアを取り付ける。

2003.11.16
[新刊]
 三雲岳斗『聖遺の天使』双葉社

 昨日は、谷川岳の天神平スキー場のスキー開きというので行ってみたが、短い、幅が狭い、荒れている、スノーボーダーばかり、というので滑るのをやめ、伊香保で温泉に入るだけにして帰ってくる。

 それにしても、女子バレーボールは興奮しましたな。やはり日本人のDNAにはバレーボール因子が組みこまれているのだ。何を隠そう、私はけっこうバレーボールにはうるさい。なにしろ、『ミュンヘンへの道』を見て、『サインはV』と『アタックNo.1』を読んで育った世代だから(日本人の国技は相撲じゃなくて、バレーボールだと思うね)。
 中学生の時には「月刊バレーボール」を毎月購読していたし、生沼スミエ選手のグラビアが欲しくてバックナンバーを漁ったりしたのだ。それに、当時は、日立武蔵の応援をしに東京体育館へ何度も足を運んだものである。その上、同級生に、日立武蔵のチームドクターの息子がいたので、大好きだった岡本真理子選手のサイン入り写真をもらったりした。そして、もっとすごいのが、新年会でフォークギターを片手に歌う白井貴子選手のカセットテープ(生録だ!)を手に入れたのである(どうも、同級生が、盗み録りしたらしい)。これらは門外不出のお宝として、我が城の宝物殿にしまってある。もちろん、松平康隆監督の書いた本は全部読んだ。

 というわけで、バレーボールについてうるさい私だが、やはり、現在のチームではセッターに問題がある。いくらうまかろうと、背の高いセッターの有利さにはかなわない。その点を何とかしてほしいなあ。

 それから、テレビ局と日本バレーボール協会に言いたい。タイムの時の監督の指示などを集音マイクでひろうのはやめろ。こっちの手の内や情報を外国チームに盗まれる(聞かれる)ようなことをしてどうするんだ。(というか、ほとんど励ますだけで、作戦指示がないのがバレバレ(笑))。

2003.11.13
[情報館]を更新。

[新刊]
 光文社文庫の新刊から。乱歩の『幻影城』は凄い。何が凄いかというと、まず、これまでの生前刊行未収録評論が付録として収録されていること。新保博久さんが、ゲラに赤を入れているのを見せてもらったが、真っ赤だった。題名・作家名等、完璧なものになっているはず。

 江戸川乱歩全集 第26巻『幻影城』
 ミステリー文学資料館・編『甦る推理雑誌(9) 「別冊宝石」傑作選』
 愛川晶『カレーライスは知っていた』
 新津きよみ『氷の靴を履く女』
 エリス・ピーターズ『氷のなかの処女』

[古本]
 浦野千賀子『泣かないでビンゴ』笠倉出版社

 生垣真太郎『ハードフェアリーズ』、関田涙『七人の迷える騎士』、北山猛邦『『アリス・ミラ ー城』殺人事件』を一気読み。それぞれに凝っていて、充分楽しめた。個人的に面白かったのは、この逆の順番。
『ハードフェアリーズ』文章も構成も、一作目同様にたいへんしっかりしている。ただ、ホラーとミステリーのハイブリッドという方向性には(倉阪鬼一郎さんのホラー&ミステリーと同じで)、あまり私の方で嗜好が湧かない。結末や真相の焦点がぼやけるからだ。
『七人の迷える騎士』見立てが愉快。趣向にも力が入っている。ただし、密室トリックの小道具が古すぎる(20年前の乱歩賞じゃないんだから)。そして、この女主人公を使い続けることは、やっぱり作者本人にとって損だと思う。
『『アリス・ミラ ー城』殺人事件』。小説世界の設定が地に足がついたものになってきたので、舞台の異様性を充分に生かせる形になってきた(城に関しては、まず全体像を説明し、それから細部を語った方が良いと思う。でないと、どんな形をしているか、読者に伝わりづらい)。一作目から比べると各段の進歩。今後にも期待できそう。

2003.11.12-2
 あまり忙しかったものだから(「メフィスト用に『魔術王事件』の「赤の魔術王」を書いていたり)、すっかり原書房の「本格ミステリ・ベスト10」に投票するのを忘れてしまった。というより、投票〆切が5日で、来年の予定の〆切が10日だったので、全部の〆切が15日(つまり、足してしまったのだ、馬鹿だね)だと思っていたのである。
 下書きは書いてあったので、ここに発表する。
(下書きのため、個々に確認はしていないので、昨年度の作品名が上がっていたらご愛敬ということで)


○国内部門
小説家・二階堂黎人

【国内】(順位なし)
『ネジ式ザゼツキー』島田荘司
『透明人間の納屋』島田荘司
『ミステリアス学園』鯨統一郎
『被害者は誰?』貫井徳郎
『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午

『ネジ式ザゼツキー』は、現代版「マリー・ロジェの秘密」である。それを「21世紀本格」理論で「奇想」に裏打ちされた「本格ミステリー」にまで昇華させた傑作。
 歌野作品は、サスペンスの衣装を脱がすと、その下に見事な本格の魂と技巧を隠している(隠してないけど)。
 他にも『街の灯』『桃源郷の惨劇』『月の扉』『クレイジー・クレーマー』『スパイク』『歌の翼に』『OZの密室』『緋友禅』『QED 竹取伝説』『赤ちゃんがいっぱい』『模倣密室』などが面白かった。

2003.11.12
[情報館]を更新。

[古本]
 牧野和子『なんたって18歳』全5巻 若木書房

 9月中旬からほとんど休みなく聞き続けてきたのが、昨日で一段落した。2、3日は雑用を片づけるだけにする予定。お犬様たちをお風呂に入れるとか……。

 角川書店から月刊誌「野生時代」が再創刊となった。逢坂剛氏と北村薫氏が、江戸川乱歩の棋譜を基に対談をしている。これが面白い。

2003.11.08
[情報館]を更新。

[古本]
 ジュール・ベルヌ『彗星飛行』偕成社(集英社やパシフィカの全集に入っていない、ベルヌ作品)
 ハインライン『超人部隊』エスエフ 世界の名作 偕成社(最近、岩崎書店から何冊か復刻されたが、エスエフではなく、ファンタジー冒険と、銘打たれていた。しかも、変なアニメ絵の表紙。悲しい)

 装丁家の辰巳四郎氏が亡くなられたそうだ。もちろん、講談社ノベルスの装丁において、『十角館の殺人』を皮切りに、新本格推理のカラーを作ってくれた方だ。私の蘭子シリーズの装丁ももちろんやってもらっていた。次作以降の、講談社ノベルスと講談社文庫の装丁を誰に頼めばいいのか……。

2003.11.06
[新刊]
 中野晴行・編『BLACK JACK CUIZ101』秋田漫画文庫
 鳥飼否宇『密林』角川文庫(書き下ろし)

 以下は、講談社ノベルスの新刊。霧舎巧氏の作品は一挙2冊刊行だ。

 霧舎巧『七月は織姫と彦星の交換殺人』
 霧舎巧『八月は二夜限りの心霊探偵』
 高田崇史『月に酔』
 西尾維新『きみとぼくの壊れた世界』西尾維新
 森博嗣『四季 夏』
 田中啓文『邪馬台国の研究』

 ヘレン・マクロイの『割れたひづめ』を読了。『家蠅とカナリア』ほどの切れ味はない。同じ趣向のカーの『赤後家の殺人』がいかに優れているか、比較的に解ってしまうという皮肉な面も。

2003.11.05
 原書房のサイトでは、『2004本格ミステリ・ベスト10』読者投票コーナーを開設中。締め切りは11月5日23時59分。投票はこちらから

 e-novels(2003年11月04日号(隔週火曜日更新)[Vol.158])が更新。e-novelsの所信表明演説あり。

2003.11.04
[新刊]
 別冊シャレード78号『加納朋子特集』甲影会

[古本]
 冒険絵物語雑誌「ワイルド」山川惣治(タイガー書房)箱入り第1集(1号から8号)。
 ブレッド・ハリデイ『夜に目覚めて』ポケミス
 水野英子傑作集「薔薇と墓標」芸文社

 昨日は体調悪く、完全休養。
『人食いバラ』をゲラゲラ笑いながら読了。百万本のバラが大きな口をあけて襲ってくる場面が怖かった(嘘)。

2003.11.02
[新刊]
 西条八十『人食いバラ』ゆまに書房

「少女小説傑作選・カラサワ・コレクション」として復刻された『人食いバラ』が嬉しい。装丁も昔の感じのまま。西条八十には、題名を忘れたが、前半しか単行本になっていない長編の少女探偵小説があったはず。あれを通して読みたい。(あ、思い出した。『あらしの白鳩』だ)。
 それから、カラサワ・コレクションで、橘外男の『双面の舞姫』を復刻したらどうか。といっても、内容的に無理だよな。

2003.11.01
[情報館]を更新。

[新刊]
 デイヴィッド・イーリイ『ヨットクラブ』晶文社(晶文社ミステリ)
 クリスチアナ・ブランド『ハイヒールの死』ハヤカワ・ミステリ文庫
 「SFJapan」2003 VOL.08 徳間書店

 光文社文庫の「新・本格推理」は、第4回に引き続き、第5回作品の募集を開始しました!
 応募要領はこちら

  小野不由美『くらのかみ』を読了。ジュブナイルを書いてきた人だけに、この年齢層に向けて設定した話が「うまい!」と、素直に感じられる






アイコン
戻る
アイコン
表紙

ライン