ライン

不定期日記(過去ログ)

2003年08月



2003.08.29
[新刊]
 マックス・アフォード『魔法人形』国書刊行会(世界探偵小説全集45)

 昨夜、『魔法人形』が到着。一行目を読んだだけで痺れた。「人形殺人という中世まがいの特異な出来事が、この入り組んだ不可解な事件の発端であった」

2003.08.28
[新刊]
 森青花『さよなら』角川書店

 22日にbk1に注文した『魔法人形』がまだ来ない。乱歩の本じゃないよ。

 自己改造型親指シフトLOOXだが、大活躍である。前にも書いたが、家の前で分譲住宅の造成工事をやっていてうるさくして仕方がない。それで、親指シフトLOOXを持って、午前1時間、午後1時間、どこかの喫茶店へ避難している。この時、大容量バッテリーを積んだ親指シフトLOOXは、実働4時間は楽に行くので、安心して仕事用に持っていけるわけだ。先月「小説推理」に書いた「B型の女」と、今書いている「長く冷たい冬」も、半分以上はこれで書いている。
 ただし、JISキーボード・ドライバー+親指ひゅんQ+ATOK16で使っていると、最上段の数字のキーフックが始終はずれてしまう。仕方がないので、試しに親指ひゅんQをQ's Nicolatterに代えてみたところ、ほとんどはずれなくなった。というわけで、さっそくQ's Nicolatterをレジストリ。これでさらに快適になった。
 なお、A4型親指シフト・ノートFMV-LIFEBOOKを何故喫茶店に持って行かないかと言うと、重量が3キロ以上もあり(親指シフトLOOXは大容量バッテリー込みでも1.1キロ)、しかも、バッテリーが標準で30分くらいしか持たないからである。

2003.08.27
[新刊]
 松尾由美『安楽椅子探偵アーチー』東京創元社

[新・本格推理04への道]
「ポンツーン」9月号はに、日本推理作家協会編の「ミステリーの書き方」第2回が載っている。今回の教師は、逢坂剛、野沢尚、福井晴敏の各氏。

 松尾由美氏の新作は、本物の安楽椅子が安楽椅子探偵をやるという凝った、そして、楽しい設定。読むが楽しみ。

「ミステリマガジン」10月号は、E・D・ホック特集。笠井潔氏と法月綸太郎氏の対談もある。「論理のないものはだめだろう」との主に最近のメフィスト賞作家系作品に対して注意を含むこの本格観は、島田荘司氏の『21世紀本格』の主張と同一である。

2003.08.26
[情報館]を更新。

 e-novels(2003年8月26日号(隔週火曜日更新)[Vol.153])が更新。また、メールマガジンを発刊したので、こちらで登録を。http://www.so-net.ne.jp/e-novels/mailmag.html

 双葉社の「小説推理」で、10月号から5ヵ月連続でボクちゃん探偵シリーズの連載を行なう。昨日発売の10月号には第1話の「B型の女」が載っている。最初は「ネルトン事件」という題名で書こうと思ったのだが、この題名に落ち着いた。
 来月は「長く冷たい冬」。結局、この題名に落ち着いた。現在、半分ほど書き上げている。またスキー場の話だ(笑顔)。

2003.08.22
[情報館]を更新。

「うっふーん、しょちょーん」っていきなりリンゼイ・ワグナー(田島玲子か)。実は、アクション・チャンネルで、あの「バイオニック・ジェミー」を連日放送中なのだ。全部録画しようと思っていたら、こっちがお盆休みしている間にもう始まっていてがっくり。でも、いいのだ。私は本家の「600万ドルの男」(リー・メージャース主演。「元祖チャーリーズ・エンジェル」のファラフォーセットの元夫)の方が好きだから。「バイオニック・ジェミー」の話って、「600万ドルの男」の話の焼き直しが多いしね。

2003.08.21
[新刊]
 東川篤哉『完全犯罪に猫は何匹必要か?』カッパ・ノベルス
 石持浅海『月の扉』カッパ・ノベルス
 乾くるみ『林真紅郎と五つの謎』カッパ・ノベルス
 鯨統一郎『ヒミコの夏』PHP研究所

 Kappa-Onet作家二人の新刊が嬉しい。鯨さんは、これで今年何冊目だ? マン・オブ・ザ・イヤーは決定か(笑)。

 文藝春秋「本の話」9月号に、探偵小説研究会の波多野建氏による『猪苗代マジック』に関する書評が掲載されている。感謝。

「小説推理」11月号に掲載予定のボクちゃん探偵シリーズ「長い尾別れ(仮)」の執筆開始。もしかして、「100キロでは重すぎる」という題名になるかも。

2003.08.20
[新刊]
 鮎川哲也『材木座の殺人』創元推理文庫
 福田栄一『ア・ハッピー・ラッキー・マン』光文社

『被害者のV』が意外に面白い。冒頭にきっちり謎があるからだろう。しかし、途中で警官の視点から容疑者の視点に切り替わった部分は御都合主義でどうかと思った。

2003.08.13
 書店でローレンス・トリートの『被害者のV』ポケミスを発見。おお、これはモジェラー型警察小説のはしりではないか。心を入れ替えた早川書房さんは、最近、いい本を出してくれるなあ。

 実業之日本社「月刊・ジェイ・ノベル」9月号を見たら、東野圭吾さんにたいへんなことが! 気になる方は雑誌を見よう。
 その雑誌の書評で、西上心太氏が『猪苗代マジック』を取り上げてくれている。この本の巻末インタビューで、私は評論や書評の評価は気にしないと述べているが、取り上げてくれればもちろん嬉しい(自分勝手だ)。というわけで、評者に感謝。

2003.08.12
 あたりまえのことだが、当サイトに掲載されているものは(文章や写真を含むすべての素材)の無断転載・無断転用を禁じている。これはこのサイトだけではなく、多くのサイトが著作権を保護する目的で掲げている事柄である。また、あえて掲げてなくても、当然守られるべきことだろう。
 一部の心ない人が著作権をないがしろにすると、こうしたサイトは運営できなくなる。結局は自分たちへの不利益として跳ね返ってくるので、必ず守ってほしい。

 e-novels(2003年8月12日号(隔週火曜日更新)[Vol.152])が更新。
  昨日も書いたが、e-novelsはメールマガジンを始めた。作家のリレー・エッセイなどもあるので、ぜひ登録を。

2003.08.11
 e-novelsがメールマガジンを発刊します。e-novels作家や新作の情報を逃したくない方は、こちらで登録してください。http://www.so-net.ne.jp/e-novels/mailmag.html


 京極夏彦氏の『陰摩羅鬼の瑕』を読了。堪能。満腹。某先生の出現や、随所に出てくる探偵小説論がこちらのツボをくすぐってくれた。同じことを三回(角度を変えて)読ませられても、読んでしまうのだから、語りの旨さは相変わらずたいしたもの。普通の作家なら、前半は半分以下の分量で書くのだが。

(以下、ネタバレ 注意)










 榎木津が活躍すればするほど、犯人が特定できてしまう。痛し痒し。ただし、それでも動機は巧妙に(大胆に)隠されている。
 動機は思想的なものを要因としているため、犯人の年齢や経歴や生活環境(あそこは意外に開放的だし)から考えると、(外的要因や病気などを理由とした時と比べて)説得力がちょっと弱い気がする。館ものとして、もっと外界との隔絶を強くして、閉鎖的にするべきだったのでは。
 現在、黒田研二氏と共に執筆中の『キラー・エックス3 永遠の館の殺人』が、同趣向のネタを扱っているため、少し困っている(いや、大いに困っている。苦笑)。










2003.08.09
「名探偵モンク」のビデオが4巻まで出ているのだが、忙しくて見ている暇がない。9月になったらゆっくり見よう。

 昨日は、嬉しくて、光文社文庫の「江戸川乱歩全集」の2冊を抱きながら眠りに就いた。

 何となくロス・マクの『一瞬の敵』を再読。瀬戸川 猛資氏の『夜明けの睡魔』の中で、これはクイーンの国名シリーズをやっていると書いてあるのだが、どうもピンと来ない。どれのことだろう。

2003.08.08-2
 光文社文庫の新刊から。江戸川乱歩全集刊行開始!
 江戸川乱歩『孤島の鬼』(江戸川乱歩全集 第4巻)
 江戸川乱歩『大暗室』(江戸川乱歩全集 第10巻)

 西村京太郎『寝台特急「北陸」殺人事件』
 「ジャーロ」傑作短編アンソロジー(1)『探偵稼業はやめられない』

 ついに、光文社文庫から江戸川乱歩全集全30巻の刊行が始まった。乱歩研究の第一人者の山前譲氏と新保博久氏が監修だから、中身の充実度がこれまでのものとは違う。編年体は乱歩の作家としての軌跡がよく解るから興味深い。解題の詳しさに瞠目。小見出しをちゃんと目次にしていて、しかも、色違いにするなど、演出は心憎いばかりだ。探偵小説の雰囲気の中で、この小見出しの醸し出す味わいには格別のものがある。さすがにお二人は解っていらっしゃる! (その意味では、角川文庫版なんかはまったくダメ)。帯も、捨ててまったくおしくないデザインであるのが嬉しい。さっそく捨てた。
 ただ、『大暗室』は『怪人二十面相』の表題の方が良かった。
 

2003.08.08
[新刊]
 岩崎正吾『風よ、緑よ、故郷よ』創元推理文庫
 日下三蔵・編『氷川瓏集 睡蓮夫人』ちくま文庫(怪奇探偵小説名作選−9)

『陰摩羅鬼の瑕』の読書を開始。おお、今回は館ものか! 鳥が生理的に嫌いな人(関口)が、あんなに鳥に詳しいというのは、少し変。

「メフィスト」9月号到着。拙著『魔術王事件』第6話「緑の魔術王」か掲載されている。次回はいよいよ最終回の予定。あれ、喜国さんのマンガは終わってしまったのか? 

 5日に階段から落ちて足をくじいたのたが、なかなか直らない。クック様とコロン様の散歩にも支障がある。

2003.08.07
[新刊]
 まずは講談社ノベルスの今月の新刊から。ついに京極夏彦氏の『陰摩羅鬼の瑕』が刊行されたのだ。
 京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』
 赤川次郎『月もおぼろに三姉妹』
 山口雅也『続・垂里冴子のお見合いと推理』

 次は第49回江戸川乱歩賞受賞作。今回からまた、選評が後ろに載ることになった。
 赤井三尋『翳りゆく夏』
 不知火京介『マッチメイク』
 
 最後は小学館ミステリーの新刊
 ベルンハルト・シュリンク『ゴルディオスの結び目』

 鯨統一郎氏の『タイムスリップ明治維新』を読了。ルンルンと楽しい作品。
 島田荘司先生の『透明人間の納屋』を読了。題材の今日性と主張性が怪異な事件の中に綺麗に織り込まれている。物語を作るために用意した数々の素材を自在に編み上げる構成力が見事でもある。

2003.08.05
[新・本格推理04への道]
「新・本格推理」や他の小説新人賞への応募に役立つものを見つけたので、紹介しておく。
 日本エディタースクール編集「校正記号の使い方」500円がそれ。
 ワープロ等で書いた小説を印刷した後には、必ず読み返し、できれば、誰か他人にも読んでもらう。
 そして、誤字・脱字、あるいは、訂正したい文章等があった時には、校正記号を使って、朱(アカ)を入れる。少量のアカだったら、そのまま投稿して良い。アカがたくさんある場合には、書き直して再度印刷する。
 というような作業の時の、校正記号の使い方が書いてある小冊子。値段も安いので、一冊持っていても良いだろう。めでたく小説家になった時には、また役立つだろうし。

2003.08.04
[新刊]
 手塚治虫『夜明け城』学研
 京極夏彦『姑獲鳥の夏』講談社(ハードカバー版)

『夜明け城』は、現行の原稿版と、雑誌連載時のオリジナル版の2冊組みという面白いもの。
『姑獲鳥の夏』のハードカバー版は、なるほど、これは美しい本だ。思わず保存版としたくなる。

 amazonに、007シリーズの最新DVD「ダイ・アナザー・デイ」を予約してあったのだが、到着したのが2日の夜。これって発売日は8月1日(店頭には31日午後には並ぶ)なんですが。しかも、7月31日には発送したとの通知があってのこと。普通、今の宅配便事情なら翌日には届くでしょうが。
 で、映画の方はというと。見所満載なのに、何故か、ダラダラした印象。どうもニュージーランドの新人監督を使ったのが裏目に出て、撮ったものをろくに編集せず、すべて繋いでしまったようだ(つまり、退屈な日本映画みたいな感じ)。不必要な所をもっとカットしてもらいたい。たとえば、冒頭のサーフィン場面だって3分の1になるでしょうに。
 それに、もうここまで来ると、スパイ映画じゃなくて、戦争映画ですな。

2003.08.02
[新刊]
 浅暮三文『似非エルサレム記』集英社
 甲影会「別冊シャレード74号 天城一特集9」(随筆他集)
 甲影会「別冊シャレード76号 天城一特集10」

 数日前から家のすぐ側で分譲住宅の建築が始まって(現在は土地の掘り返し等)、うるさくて仕方がない。喫茶店を点々としながらボクちゃん探偵シリーズ「B型の女」を書く日々であった。LOOX親指君が大活躍。






アイコン
戻る
アイコン
表紙

ライン