2002年12月
2002.12.31
こっそり更新します。
旭太郎・作/大城のぼる・画『火星探検』透土社が到着。ずいぶん前に晶文社から復刻が出ていましたが、それを買い損なったので、この再復刻は非常に嬉しい出来事。しかも、手塚治虫や小松左京らの対談などが付録で付いていて、内容も充実。これで2000円は実に安い。それにしなも、戦前のマンガはのんびりムードで楽しいですね。
バクスター「プランク・ゼロ」を読了。話が断片的すぎて、その上、未来世界や現象の説明のイメージ喚起力が弱くて、いまいちな感じでした。
パソコン販売店店頭のノートパソコンで確認しました。最新版のMS-WORDのルビの件です。前と違って、保存にテキスト(テキスト・ファイルで保存する場合は「書式なし」という奴を選択する。意味不明ですね、こんなのは)を選ぶと、非対称文字列の後ろに括弧付きで挿入されるようになっていました。こんな具合。
二階堂黎人(にかいどうれいと)
ただ、ルビを振った時に前の行との行間が勝手に広がる問題は治っていませんでした。
2002.12.29
今年最後の更新です。
今年一年、どうもありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。
お年玉プレゼント。カウンター400000番を踏んだ方は、その旨、掲示板に書き込んでください。何か著書にサインを入れて贈ります。
「スター・トレック/TNG シーズン6」のDVDボックスが転送降下到着。
AXNで「ダークエンジェル 第一シーズン」放送が始まったので鑑賞。
大城のぼる画『火星探検』が出たことを悪役ランプさんの日記で知ったので、ネット注文。amazonは引っかからず、bk1にて。
「SFJapan」の最新号が出たらしいのですが、家の近くの郊外型書店2店では見つからず、探索を継続。
収穫:世界の科学名作『ハンス月へいく』講談社
[新刊]
太田忠司 『笑う月』 富士見ミステリー文庫(レンテン・ローズ・シリーズ)
2002.12.27
『死への祈り』を読了。スカダーの一人称中に、物語の中盤から、犯人の心象に踏み込んだ三人称が混ざってくるわけですが、このシリーズに限って言えば、ひどく違和感がありました。
TVドラマ『犯罪心理捜査官 プロファイラー』の最終回を鑑賞。何の脈絡もない犯人が登場して、どっちらけ。それまでのレベルが高かっただけに残念。それとも、第4シーズンがあるのかしら。
2002.12.26
ローレンス・ブロックの『死への祈り」を読んでいたら、びっくりな場面が。スカダーの独白で、彼がこの小説(事件報告)を書いている、というようなことを述べているくだりがあったからです。過去の作品には、その手の記述はいっさいなかったはず。だいたい、スカダー・シリーズって、彼がしゃべっているのか、小説として書いているの、あるいは、ノンフィクションとして誰かに聞いてもらっているのか、その辺のことはぼかしてあったはず(というか、ほとんどの一人称私立探偵小説がその手のことの整合性には目を瞑って誤魔化してあるわけですが)。
スカダーが小説(だか何か)として、己のかかわった事件を文字にしているのだとしたら、友人(ミッチだっけ?)と一緒にたくさんの殺人を犯していることを一般に向けて公開しているわけで、そんな真似していいのかよ、とか、突っ込みを入れたくなります。
でも、このシリーズは面白いですね。好きです。
2002.12.25
用事があって、立川駅ビルルミネへ行ったので、7階に入っている本屋へ。黒田研二氏と私の合作『千年岳の殺人鬼』(カッパノベルス)は売れきれ状態。駅ビルの大手書店で2週間も経たずに欠本してしまうような配本(部数設定も含む)をして、それで本が売れません、出版不況です、と出版社の人に言われても、作家はまったく責任が負えません。
「SFマガジン」がスティーブン・パクスターと「スター・トレック」の特集号だったので、迷わず購入。一階へ下りて、スターバックスでチャティを飲みながらページをめくってみたら、バクスターの『プランク・ゼロ』という短編集が出ているとのこと。あわててもう一度7階まで行き、こちらも購入。
「ミステリマガジン」の方には、「このミス」に続いて、(サングラスはかけているけど)鯨統一郎氏が写真付で登場。謎の作家がついに素顔を見せるのか!?
2002.12.24
2月に講談社文庫から、ボクちゃん探偵シリーズの『クロへの長い道』が出るので、そのゲラ校正。
2002.12.23
e-novels(2002年12月24日号(隔週火曜日更新)[Vol.136])が更新されました。
「雷鳴の轟く塔の秘密」のPDFファイルの販売が始まりました。
同時に、PocketPC2002向けのPDA用PDFファイル版も発売開始になりました。『宇宙捜査艦《ギガンテス》』と「雷鳴の轟く塔の秘密」のPDA版もあります。こちらを読むには、PocketPC2002にAcrobat Reader for PocketPCをインストールする必要がありますので、Adobeのサイトから落としてください。
文芸春秋社の本格ミステリ・マスターズを5冊買って、応募券を送るともらえる「京極夏彦デザインのオリジナル・ブックカバー」ができてきました。まるで、ノートパソコンのカバーのような格好良さ。これはぜひ手に入れてください。
2002.12.22
『バルカン超特急』小学館が出たらしいというので、bk1で検索するも引っかからず、amazonでは見つかったので、こちらで注文。
『闇匣』と『スパイク』を読了。『スパイク』の意外な点にびっくり。
[新刊]
クライブ・パーカー『アバラット』ソニーマガジンズ 2600円
2002.12.19〜20
八ヶ岳の大泉・清里スキー場で、今シーズン初のスキー。ここは経営母体が変わったらしく、「キッヅメドウズ」が取れた模様。隣のザイラーも、お菓子のシャトレーゼになっていました。
19日は午後、足慣らし。コースは半分しか滑走可能になっていません。途中から水っぽい雪から霧に。早めに切り上げました。同行は、原書房のI編集者。
夜は笠井さんの所におじゃまして、夕食を御馳走になり、笠井さんとIさんの打ち合わせの模様を横で傍受。第3次本格論争とかで、「キミとボク本格の位置づけ」とかいうような議題を笠井さんに振られたのですが、実は半分眠っていて、何のことかよく解らない状態でした。
20日は笠井さんと清里スキー場へ行き、茂野裕子さんという有名なスキー・インストラクターから講習を受けました。笠井さんは、年が明けたら、大好きなスキーもやめて、小説書きに邁進するということなので、一緒に滑れるのもこれが最後かもしれません。すでに我孫子武丸さんの腕前も抜き、笠井さんの腕前もいずれ抜き去るのは確実です。あと邪魔なのは、貫井徳郎氏と黒田研二氏と。この二人を、スキー場のはずれの崖から突き落とすには……(東野圭吾さんはボーダーだからライヴァルにはならないし)。
帰宅すると、DVDボックス『スター・トレック/TNG 第5シーズン』が到着ずみ。
[情報]
辻真先先生が脚本を書き下ろした芝居の新春公演があります。
「ご霊前」劇団フーダニット
2003年1月11日〜13日。江戸川区総合区民ホール。
[新刊]
山前譲編 『本格一筋六十年 思い出の鮎川哲也』 東京創元社 1500円
島田荘司 『セント・ニコラスのダイヤモンドの靴』 原書房 1500円(書き下ろし短編あり)
2002.12.18
河内実加さん作画による『歯なしの探偵』の見本刷りが届きました。[表紙]に画像をアップしてあります。来年1月13日には、河内実加さんのサイン会もありますのでお楽しみに。私もできるだけ顔を出します。
東野圭吾さんの『ゲームの名は誘拐』を読了。サラッと読める作品ですが、けっこうスリリングな場面も。しかし、東野さんの作品だけに、もっと細部に凝ったものを期待してしまいます。
集英社文庫から『ドクター・ヘリオットの動物物語』というのが新刊で出まして、巻末を見たら「文庫オリジナル」というので、あわてて買いました。どうせなら、集英社からヘリオット先生の全集を出してくれればいいのに。
アーテンション「ニュー・ディスカバリー」久々におお!となったハードロック。
ジャーニー「レッド13」ミニ・アルバムじゃものたりない。
[新刊]
恩田陸 『ねじの回転』 集英社 1600円
2002.12.15
本格ミステリ作家クラブの執行会議。第3回本格ミステリ大賞選出のための準備を開始。近々、クラブ員の方には、アンケート用紙を送付しますので、回答をお願いします。
他には、ウェブサイト開設の準備、年鑑アンソロジー「本格ミステリ03」の収録作選びなど。
[新刊]
松尾由美 『スパイク』 光文社(犬だ、犬!)
2002.12.12-2
黒田研二氏との合作『千年岳の殺人鬼』(光文社カッパノベルス、819円)の見本ができてきました。昨年の『キラー・エックス』に続き、クイーン兄弟プロジェクトの第2弾となります(スキー・サイコ・シリーズの第3弾)。
過去の2作は、スキー場へ取材へ行っているのにあまりスキーの場面が出てこないと、一部から文句が出ていましたが、今回はほとんどがスキー場面です。スキー・ミステリーの傑作ができたと信じています。アッと驚く結末が待っています。
早ければ、明日13日には、都内の本屋に並ぶと思いますので、よろしくお願いします。
なお、『千年岳の殺人鬼』を、先着1名の方に私のサイン入りでプレゼントします。条件は、過去に一度でも『本格推理』か『新・本格推理』に応募したことがある人(落選でも可)。掲示板に、その作品の題名と、「『千年岳の殺人鬼』が欲しい」と書いてください(題名は「プレゼント応募」)。
2002.12.12
DVDボックス『スター・トレック/TNG 第4シーズン』が到着。
[新刊]
光文社文庫の今月の新刊の中から注目の作品を紹介。
鮎川哲也 『偽りの墳墓』 552円
ミステリー文学資料館編 『「X」傑作選』 705円(甦る推理雑誌(3))
井上雅彦監修 『酒の夜語り』 857円(異形コレクション)
講談社ノベルス第2弾。本日発売。
霧舎巧 『六月はイニシャルトークDE連続誘拐』 760円
上遠野浩平 『海賊島事件』 900円
2002.12.11
二階堂蘭子シリーズ『魔術王事件』の第四回「緋の魔術王」が、「小説現代1月増刊 メフィスト」誌(講談社、定価1400円)に掲載されました。
『新・本格推理』の候補作を全部読み終わりました。今年は全体的にレベルが高く、また、非常に才能のある新人を三人も見つけることができました。特に、その内の一人は三作同時に候補作が上がってきているなど、将来性も大です。『新・本格推理03』の刊行を心待ちにしてください。
2002.12.10
e-novels(2002年12月10日号(隔週火曜日更新)[Vol.135])が更新しました。PocketPC向けPDA用PDFファイルの発売予定発表など。
2002.12.09
[原稿城](新・本格推理への道)に、加筆しました。
2002.12.08
DVDにて、『スターウォーズ2」を再鑑賞。映画と違って、アナキンとパドメが二人っきりで出ている場面を飛ばして見られるので、充分に楽しめました。
DVD『スター・トレック/TNG 第3シーズン』の一枚のディスクに日本語音声が入っていない部分があり、ディスクを対策部署へ送って交換してもらいました。
2002.12.07
今月の「ダ・ヴィンチ」は凄い! 鮎川先生の解体新書はあるし、水野英子先生と山岸凉子先生の対談もあるんですから。山岸先生の写真はめったに見られませんもの。
リクエストがありました、原稿の書き方についてのページを作りました。題して[原稿城](新・本格推理への道)です。参考にしてください。また、何か解らないことがあったら、掲示板の方へお願いします。それを元に、内容を充実させたいと思います。
2002.12.06
石原藤夫『《光世紀世界》の歩き方 −近距離恒星の3Dガイドマップ−』(裳華房、1800円)を購入。私家版をずっと探していたので、これは嬉しかったですね。。
西谷祥子先生他の少女マンガが読めるオンラインウェブ女性マンガ雑誌「うたて」に注目のこと。
「ROM」116号、到着。レビューはノーマン・ベロウとマックス・アフォード、ポール・アルテが中心。読みたいものばかり。
某書店のアダルト・コーナーを通り過ぎる際、とてもはずかしい内容の雑誌に、とても恥ずかしい表紙絵を喜国さんが描いているのを発見。いくら喜国さんのファンでも、これは買えない、と、断念しました。
「SKI」と「SKI増刊 大人のスキー」を購入。後者には黒田研二氏の寄稿が(しかも、51頁というほぼ巻頭じゃないか!)。黒田さん、このエッセイは、我々の間で、連載になるんですよね。そのように編集者に頼んでくれましたよね。
2002.12.05
さて、いよいよ、今年も出ます。『2003 本格ミステリ・ベスト10』(原書房、850円)が。ベスト10投票もそうですが、各コーナー、各コラムの充実度がかなり上がっていて、非常に読み応えのあるものになっていました。隅から隅まで読むのにたっぷり2時間かかりまして、満足感もたっぷり。
ベスト20までで私が読んでいなかったのは、『はじまりの島』と『撓田村殺人事件』。選評を読むと面白そうなので、これからの読書予定に入れておきます。
あと、座談会を見ると、私が提唱している「ボクとキミ本格」という造語が、笠井さんの「脱格」という造語を押さえて、広く認知されたようですね。今年の流行語大賞をありがとうございます(笑)。
「ボクとキミ本格」について、誤解のないように書いておきます。私は、これらが本格ではないとか、それらがくだらないとか、そのようなことを言っているわけではありません。あくまでも、私の個人の読者の趣味としては好きではないという心情を表明しているだけです。本格推理には、ガチガチのものから、境界線上のものまで、どんなものも存在してかまいません。むしろ、ジャンル全体のためには、その方が(多様化した方が)好ましいと思っています(選択肢が多いほど楽しい)。
ただ、一読者としては好き嫌いがあるのは当たり前で、私は「ボクとキミ本格」はもう読みたくない(だって、ボクとかキミのことなんて、43歳の私は43歳分よく知っているわけだから)。これまで、本格に関してはできるだけ多くの作品を読んできましたが、時間的な制約もあるので、これからは、好きな傾向のものに読書が偏るのも仕方がないでしょうね。
話は変わって、もう一冊、なかなか素敵なガイドブックが出ました。『J's ミステリーズ
KING & QUEEN』(荒地出版社、1500円)がそれです。戦後人気作家を広く紹介し、新本格推理作家にも多くのページをさいています。北村薫さんと折原一さんの対談も楽しい企画。
2002.12.04
先の日記で書いた、投稿原稿におけるあまり好ましくない印刷書式の例を以下の画像に実例として挙げます。クリックすると、大きな画像が開かれます。左側が文字間、行間がほとんど同じもの。右側がWordでルビを振った時の例。右側のWordのものは絶対にだめだとは言いませんが、格好悪いですよね。少なくとも、私は格好悪いと思います(だいいち、行間が揃わずに読みにくい)。それに、本ではこんな形で印刷されたものは見たことがないでしょう?
「新・本格推理」の選評ににも書いておきましたが、原稿を新人賞に応募する時には(どんな新人賞でも)、次のような3点に留意してください。
(1) 応募要領に従う。
(2) 原稿の書き方そのものは、標準的な原稿の書き方を踏襲する(国語事典や用語用例辞書などを調べること)。
(3) 印刷時の、文字の大きさ、文字間や行間の設定が解らなかったら、小説などの本を開いてみて、本の印刷された文章と同じように読みやすい形にする。
[新刊]
今月の講談社ノベルスの内、5冊です。密室本が3冊あります。
黒田研二 『闇匣』 740円
清涼院流水 『秘密室ボン』 700円
浅暮三文 『殺しも鯖もMで始まる』 740円
西澤保彦 『ファンタズム』 760円
西村京太郎 『おれたちはブルースしか歌わない』 800円
「別冊シャレード71号 天城一特集8」甲影会
2002.12.03
あまりにHDDレコーダーの使い勝手が良くて、もう一台購入しようと電気店へ行きましたが品物がなくて断念。代わりに本屋で、ぶんか社『絶対ミステリーが好き2』1300円というのを購入。何しろ、「特集 本格ミステリーは「密室」で読め!」というものですから、密室ファンの私としては猫に鰹節でした(密室現場の見取り図がたくさん載っているのが特に嬉しい)。カーの紹介があったり、横溝正史生誕100年の特集があったり、明らかに昨年のこの本よりグレードがアップしています。できれば、執筆者の紹介を載せてほしかったですね。
2002.12.02
昨夜は、映画『アザース』をDVD鑑賞。とても良い(正統的な)恐怖(幽霊)映画でした。じわじわと恐怖を煽っていくのがうまいし、場面はけっこう短めに切り替えていくので、私は退屈しませんでした。結末の真相も意表を突いて面白いですよね。ただ、ああいう結末なら、何でもありになってしまって、別の結末でもいいわけで、もっと年代や個人を特定する手がかりを物語中に埋没してほしかったという欲もあります。その点は、『シックス・センス』の方に軍配が上がります。
今朝は、WOWOWで『レッド・プラッネット』を鑑賞。『ミッション・トゥ・マーズ』(しかし、このカタカナ題名はどうにかならんものかしらん)がひどかったので、これも同じだろうと敬遠していたのですが間違いでした。こちらはよくできています。一つだけ気にくわないのは、火星に変な虫が生息していて、その出生の謎が説明されないこと。他は映像効果も含めて完璧。
2002.12.01
『新・本格推理』の候補作を半分読み終わりましたが、今年はなかなか高いレベルで大いに喜んでいるところです。常連組の安定度が増していますし、新人組の中に、いっぺんに3作も候補作になっている人がいます。この人がもしかすると、なかなかの逸材かもしれないという気がします。
ところで、原稿の中に2、3、変な印刷状態のものがあります。ルビが振ってある行とその前後の行が、やけに開いているのです。これって、もしかして、マイクロソフトのMS-WORDか何かを使って書いて、それで印刷しているんでしょうか。そんな状態で印刷して、自分で読んでみて気持ち悪くないんでしょうか。最近は使っていないんで、確定的ではないのですが、MS-WORDの場合、ルビを振って行間が開いてしまったら、行間を狭める指定をいちいちその行に与えれば、なんとかある程度は見栄えを整えられるのではなかったでしょうか。できれば、そこまで気を使って欲しかったですね。まあ、いろいろな点で、MS-WORDは日本語の小説書きには向かないワープロソフトですから(しかも、格好の悪いMS明朝なんかで印刷されていた日には……)。