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不定期日記(過去ログ)

2000年02月



2000.02.05
 困りました。何が困ったかと言うと、こんなに本格的にホームページを作るつもりはまだなかったんです。4月下旬頃までスケジュールがいっぱいなものですから(その上、最近、病気がちで予定が狂っているので)、作るとしても、それからと考えていました。ところが、あの事件です。一太郎10を使って急ごしらえで作ってはみたものの、やはり見栄えが気に入りません。そこで、ホームページ・ビルダー2001を買ってきて、結局、今日一日がかりでここまで作ってしまいました。
 ホームページ・ビルダー2001は、わりと直感的にも操作できるソフトで、テンプレートもたくさん入っているので、なかなか良いソフトだと思いました。しかし、@NIFTYには困りものです。作成したサイトを、FTPでどこへファイルを転送したやら、そうした細々したことが、ちゃんと一覧になって記述されていないのです。適当に設定して、サイト転送を行なったら、やはりエラーが出て失敗しました。
 たとえば、「サービス利用状況確認」という所を見ても、FTPサーバー名はあるのに、ファイルを転送するべきフォルダがどこか、何も書いていません。結局、Q&Aを見ないと解らないのです。Q&Aにあるということは、多くの人から質問されているんだろうから、ちゃんと、解りやすい所に条件を一覧にしておけばいいのに! と、思わず独り言で文句を言ってしまいました。
 それでも、何とか、ここまで作り上げました。全体的には工事中ばかりで、一応の完成を見るにはまだまだ時間がかかると思います。
 ところで、僕が最近、何をしているのか御心配の方もいるでしょう。今は、小説の方では、立風書房の書き下ろし長編と、「メフィスト」用の中編『悪魔のラビリンス』を書いています。今年は、「メフィスト」に、毎回、名探偵・二階堂蘭子の中編か短編を載せる予定です。しかも、全部不可能犯罪もの。『悪魔のラビリンス』は、走っている寝台車の個室の中から、人間が一人消え失せ、しかも、別の人間が中で殺されているというとびっきり派手な事件を扱っています。
 その他、3月に刊行予定の『コミック×ミステリー 二階堂黎人の新本格推理、マンガを語る!』の仕上げをしているところです。これは「ダ・ヴィンチ」連載時のものより、ぐんと内容が増えています。法月綸太郎さんとの語り下ろしというボーナスもありますし、本が出る月には、「ダ・ヴィンチ」に、桐野夏生さんとの対談も載ります。

 当ホームページを掲示してから、たくさんの方から声援をいただいています。本当にありがとうございます。正義は必ず勝つ。

2000.02.06
 困りました。何が困ったかと言うと、ホームページをあれこれいじるのが面白くなってしまったことです。と言うか、前々からそうではないかと思い、暇ができるまでは手を出すまいと決めていたんです。ところが……。
 とにかく、先週は、一週間近く倒れていたので予定が大幅に狂っていて、こんなことをしている暇はないのに……。
 病気のことを書いておくと、3年ほど前から胃炎や軽い胃潰瘍を患っていて、365日中、360日くらい、具合が悪いのです。日記を書きたくないのも、書くと、ほとんど病状日記になってしまうかと怖れているからです。
 この病気のせいで、出かけていくような打ち合わせやパーティーなどはほとんど欠席しています。スキーだけは、頑張って参加しようと、スケジュールに合わせてた体調を整えるのですが、この前もあるスキー・ツアーに参加して、大失敗してしまいました。前夜のパーティーで食べてはいけない物を食べてしまい、具合が悪くなって、翌日のスキーがほとんどできなかったのです。

2000.02.07
 一応、ホームページ内のすべてのコンテンツに何某かの素材を配置し終えました。ただし、著作目録の所に画像は貼ってありません。実は、イメージ・スキャナーで本の表紙を取り込んだのですが、大きなbmpファイルを、小さめのjpegファイルに変換する際に、個々の縮小比率を一定にするにはどうするか、悩んでしまったわけです。つまり、四六版ハードと文庫だったら、同じ比率で縮小して、小さくなった画像の中でも、大きさの差が解るようにしたいわけです。
 ホームページ・ビルダーでも、PAINT SHOP PRO Light でも、画像の角をマウスで掴んでグーと動かすと小さくも大きくもなりますが、これだとアナログ的で複数の画像を全部、同じ比率で縮小できないんですね。
 で、その方法を考えている内に、時間になってしまいました。おいおい、何とかしてみたいと思います。
 昨日の収穫は、『風の証言』鮎川哲也の初版単行本。200円。ブックスいとうの某支店です。
 喜国さん、今度は、一日で、鮎川哲也の本を100冊見つけるという試みをやってみてください。

2000.02.07-2
 急転直下。いろいろありまして、[特集]は閉鎖いたしました。御心配をいただきました方、御声援をいただきました方、皆様にお礼を申し上げます。
 そのような訳で、細かく、全体のコンテンツを見直してあります。
 それから、自分の所持するソフトを子細に調べた結果、画像を%指定で縮小したり、拡大したりできるソフトがあることが解りました。PotoMagic 6.0J というソフトで、スキャナーにバンドルされていたものです。明日になったら、これまで取り込んだ書影を縮小してみようと思っています。そうしたら、著作リストに貼り付けられますから。
 あと、昔、新スタートレックのユニフォームを着た自分のデジタル写真を捜しています。HDDのどこかにあるはずなんですが。見つかったら、[趣味]のページにアップします。

2000.02.08
 結局、今日も、午前中いっぱい、ホームページをいじってしまいました。というわけで、原稿等が締め切りに遅れた場合、すべてホームページが悪いのです。僕のせいじゃありません。
 何とか、書影の画像を張り込みました。まだ、ラベルを付けるところまでいってませんが、それは一冊ずつの次作解説と共にだんだんに仕上げたいと思います。
   [趣味]のページには、「宝物」コーナーを設けました。マンガ家の喜国雅彦さんが、わざわざ作ってくださった『人狼城の恐怖』用の特製箱の写真があります。『人狼城の恐怖』が4冊ぴったり収まるものです。
 僕の使っているデジカメは、CASIO のQV-2000UXです。使い勝手は普通。ちょっと厚みがあるのが残念。あと5ミリ薄かったら文句なし。起動は、電源投入時(レンズカバーをあける)にフラッシュの充電も行なうので、スタンバイになるまで、やや時間がかかる(数秒)。書き込み速度は許容範囲でしょう。ただ、電池はむやみにくいます。そのため、ニッケル水素充電電池を別途購入しました。アルカリ電池4本ではすぐになくなります。
 新スタートレック姿の僕のデジタル写真は見つかりません。その内、新たに取り直すかも。ただ、太っている時に買ったユニフォームなので、今はブカブカなんですね(ちなみに、3年前の体重は72キロ。今は56キロ)。あれって、ぴっちりしていないと格好悪いんですよね。
 それにして、いつになったら、東京ではスタートレックDSNの新シーズン(第5シーズン以降)を放映してくれるんでしょうか。もう最初の方は3回ずつ見ました。スーパーチャンネル様、何とかしてください。

2000.02.09
 新スタートレックのユニフォームを着た僕の写真は、大森さんのホームページからDLさせてもらい、[宝物]のコーナーに張り込みました。まあ、見てください。僕は旧スタートレックはそれほど好きではありませんが、新スタートレックは大好きなのです。
 それにしても、35万画素で写したデジタル写真も、210万画素で写したものも、こうして縮小して表示してしまうと、あまり画質に差がないではありませんか。何だか納得できないなあ。
 まったく関係ないけど、ミツビシ・パジェロについて一言。あんなに大きくては、日本では(特に狭い道の多い都市部では)まったく使い物になりません(だって、横幅が1890ミリもあるんですよ。前のモデルより、10センチも幅広になったんですから)。大きくした理由は、海外で売るためだろうけど、日本車が日本の道路事情に合わせて作られていないなんて、変だと思いませんか。もっと自動車評論家の皆さんも、はっきりと、あれではだめだとメーカーに主張してください。
 パジェロに限らず、日本の車はモデル・チェンジする度にでかくなるのはどうしてなんでしょう。ユーザーがその大きさの車に乗っているのは、その大きさがちょうど良いからで、大きいのが欲しくなれば(あるいは、小さいのが欲しくなれば)、別の車種を買います。意味のない購買意欲の煽り方(ほとんどメーカーの自己満足)は不要です。
 何で、こんな文句を書いたかと言うと、実は、モデルチェンジしたら買おうかなあと思っていたんですが、うちの車庫には入らないことが解ったからなんです。でも、きっとそういう人は多いと思いますね。
 ついでに書けば、トヨタはエスティマの5ナンバー・モデル(エミーナ、ルシーダ)の新型は作らないと言っているらしいですが、本当ですか。信じられません。じゃあ、今まで、エミーナ等に乗っていた人はどうするんですか。ニッサンのセレナでも買いますか。それもいいかもしれません。
 写真関係ですが、一部の方から表示されないとの御指摘をうけました。自分の所でも、メインマシンでは問題がない(ISDNで接続)のですが、サブマシン(モデムで接続)の方では、やはり、表示されない写真かあることが解りました。
 たぶん、フォルダの名前に日本語を使っているものがあるのが原因ではないかと想像しています。IEは、4から5になった時、非常に接続が悪くなりました。サイトの名前に日本語を使っているものにうまく接続されないという症状が出て、多くの人が報告していました。その対応として、「表示」−「オプション」をいじると少しはよくなるというのを何かの雑誌で見て、チューニングしたので、メインマシンの方は若干接続状況が改善されていたんですね。たぶん、その辺の問題だと思います。だんだんと、アルファベットのフォルダ名に直しますので、お許しください。(というより、日本語にちゃんと対応しないIE5が良くないんですけどね)

2000.02.09-2
 写真が表示されない件なのですが、IE5.0の問題のようですので、次のように対処してみてください。
IEの、「ツール」−「インターネット・オプション」−「詳細設定」で、「いつもUTF−8としてURLを送信する」のチェックをオフにしてください。これで、次回のIEの起動以降、写真が表示されるようになると思います。また、他のサイトで、ファイル名に日本語を使っているような所も、わりと繋がったり、表示されたりするのではないでしょうか。

2000.02.10
 写真の表示対策として、日本語名のフォルダからはずしてみました。さて、どうでしょう。ただ、かなり写真の表示が重いようなので、もっと品質を落とさないとだめかもしれない。いずれ試してみるつもりです。
 リストのページに「足跡のない殺人リスト」を追加しました。また、「探求書」のコーナーを設けました。見てもらえば解るとおり、最近は、ミステリー本より、マンガの方を(特に少女マンガ)を捜していたりします。西谷祥子はあと二冊でコンプリートになるのですが、なかなか見つかりません。と言っても、私はあらゆる物に対しての蒐集家をやめてしまったので、無理に集めているわけではなく、目に止まったら買うという状況です。(じゃあ、探求本コーナーなど設けなくてもいいという気もしますが、そこはそれ)。
 なぜ、蒐集家をやめたかと言うと、どうせ死んだらあの世に持っていけるわけではないと、ある時、達観したからです。
 昨日の収穫は、忠津陽子『冬物語』と『セシルの場合は』でした。

2000.02.11
「プロフィール」と「書庫」に何かを追加しました。
 また、親指シフト・キーボードのページにも、親指シフト・キーボードや筆者が使っている親指シフト・キーボードのノートパソコンの画像を追加しました。辻真先さん、小森健太朗さんと私が発起人になって発足した『親指シフト・キーボードを普及させる会』では、OYAYUBI-USER.GR.JP というドメインを取得し、現在、ホームページを作成中です。協賛を表明してくれた方々への連絡の取り方にもついてもいろいろと検討している最中です。第3回目の意見広告も、近々、「月刊アスキー」に掲載してもらえる予定です。
 キーボードに関して筆者の考えをここに書いておきます。親指シフト・キーボードの意見広告での見出しにもなっていますが、パソコン・メーカーの開発者の皆さんには、ぜひもっと、効率的で使いやすいキーボードを考えてもらいたいと思います。少なくとも、現在のJISキーボードは最悪です。たとえ、ローマ字入力を選択したにしろ、キーボードのど真ん中にあんなに馬鹿でかいスペース・キーが置かれている必然性はまったくありません。あれは、アルファベットを打つ文化圏用です。英語などはスペースで単語を分かち書きするからスペース・キーの使用頻度が高いのであって、プログラムを書くなどは別ですが、日本語で文章を書くなど、普通にキーボードを扱うのなら、まったく意味ない配置です。これも理解が少ないのですが、ローマ字打ちする場合でも、親指シフト・キーボードの方が、JISキーボードよりもずっと使い勝手が良いのです。日本人が使う日本語キーボードとして考えるなら、最下段の中央には、もっともよく使う[無変換]と[変換]キーを配置するべきです。それだけでも、JISキーボードはかなり使いやすくなるでしょう。ATOKがデフォルトではスペース・キーを[変換]機能に割り当てているのだって、苦肉の策ですから。
 もう一度書きます。現時点では、キーボードは、パソコンと人間を繋ぐもっとも重要なインターフェースです。したがって、パソコン・メーカーの皆さん、日本語キーボードについて、もっと考慮してください。
 昨日の収穫は、『ロボット長島』貝塚ひろし、『ピアの肖像』里中満智子(KC)、『花嫁さんみつけます!』本山礼子、『死角に消えた殺人者』天藤真(角川文庫)でした。

2000.02.12
 今年の正月は、田舎のすぐ近くにある黒姫、妙高、タングラムに半日ずつスキーに行ってきました。あまり雪がありません。ここ数年、毎年、雪が降る時期が遅れているのが実感できます。明らかに、地球温暖化のせいだと言う気がします。したがって、どのスキー場も、状態はあまり良くありませんでした。下の方はずくずくだし、使えないコースもあります。
 しかし、妙高にはひどくがっかりしました。全体的には空いているのに、杉の原のクアッドと三田原のゴンドラが妙に込んでいるのです。その理由は、上に上がって解りました。杉の原のJバー・リストや、三田原の一人乗りリフトを動かしていないのです。効率優先で(設け主義で)一部のリフトを止めていたわけです。特に腹が立ったのは、Jバー・リフトを動かしていない理由です。積雪が少ないので動かしていないのか思ったら、「スノー・ボーダーは利用できないので止めています」と言うではありませんか。Jバー(とかTバー)というのは、ワイヤーについて棒を手で持ったり、お尻に引っかけたりして、そのまま、雪面を上の方へ連れていってもらうものです。したがって、レール感覚で移動できるスキーには適しているけれども、ボードでは左右にフラフラしてしまい、転倒続出ということになってしまうわけです。
 ですが、リフト券の代金には、当然、そのスキー場にある施設(リフト)を全部使うだけの権利が含まれているのではないでしょうか。まったく納得いきません。
 妙高は、コースが長く、また、上の方が広いので、とても良いスキー場です。しかし、もうこんなふうな不便を客にかけて平気な顔をしている所には行きたくありません。たぶん、来年は行かないでしょう。スキー人口が減っている中、このようなことに限らず殿様商売をしているスキー場は(たとえば、まずい食事を高く売りつけるとか)、どこでも潰れていく運命にあると思います。

2000.02.13
 さて、今日から、毎年恒例のスキー・ツアーです。私の場合、ここ数年、この時のために一年間の仕事のスケジュールを組んでいるので(この時期に入る単発の仕事は全部断わっているくらいで)、誰にも文句は言わせません。体調もまあまあ。良かったです。といっても、僕は肉類、油物類がまったく食べられない状態なので、宿泊するペンションの方にも無理を言って、僕だけ和食にしてもらうのです。
 というわけで、ホームページの更新は2、3日ありません。
 行く先は白馬です。白馬も、今年から前面スノー・ボードが解禁されたそうです。確かに若い人は皆スノー・ボードしかしないし、経営的には正しい判断でしょう。でも、それならば、体制をきちんと整えてほしいものです。昨年、あることを知って、白馬八方の評価は僕の中で低くなりました。何かとういうと、あんなに大きなスキー場なのに、パトロールがはないんですね。驚きです。怪我した人は自力で下山して、自力で病院へ行けと言うんです。今時、そんな無責任なスキー場ってないよ、って思ったわけです。
 西澤保彦さんの日記を読むと、毎日、今日は30枚原稿を書いた、とか、50枚書いたとか、誇らしげに書いてあるので、僕も書きます。今週は、30枚以上小説を書きました。「KADOKAWAミステリ」の「論理の聖剣」の原稿も5枚も書いたし。蘭子の短編は9割方完成。題名は『悪魔のラビリンス 寝台特急《あさかぜ》の怪奇』になる予定です。蘭子の宿敵、怪人《ラビリンス》シリーズ第一弾です。
 昨日の収穫は、忠津陽子の『エルベの王冠(1)』でした。ということは、(2)とか(3)とか何巻まであるか調べて、全部揃えなくはなりません。 (それはそれで嬉しかったりしてて)
 あ、そうそう。カウンターで、6000番を踏んだ人は、掲示板にその旨書き込んでください。サイン本をプレゼントします。

2000.02.17
 昨日、無事に白馬のスキー・ツアーから帰宅しました。誰と行ったかは、他の人たちが日記に詳細に書くだろうから私は詳しくは書きません。日程の前半は晴れで、後半が大雪、少し滑り足りない感じで欲求不満。例年、何某かのアクシデントがメンバー内に起きるのですが、今年は大きなものはありませんでした。ただ、上級こぶ斜面を滑らなくてはならなかったのが、予想外の出来事。
 ゴンドラでパノラマ・ゲレンデへ行き、滑り終わった後、林道を行こうとしたのですが、O氏が「そこに近道がある」と言いだしたのです。私はゲレンデ・ガイドなどを見ていたので、そこの表示が「むずかしい」になっているのを知っており、「僕は林道を帰ります」と言ったのですが、誰も付いてきません。「大丈夫、大丈夫。たいしたことないよ」と、O氏が無責任に言い、皆がその急斜面を滑り出します。仕方がないので、私も最後に下り始めました。すると、すぐに強烈なこぶ斜面に変わったではありませんか。
 まあ、結局は、皆、大事にも至らず滑り終えたわけですが、O氏は涼しい顔で、「終わりよければ万事良し」などと言っています。私も何とか滑り終えましたが、女性方には少しきつかったようです。
 この前、白馬にはパトロールがないと書きましたが、少し不正確でした。補足します。兎平というかなり上の方のゲレンデにはパトロールがあります。しかし、下の方のゲレンデ、咲花とか国際とかにはありません。白馬八方は非常に裾野が広く、また、下には初心者も多いので、下にもぜひパトロールを設置してほしいものです。
 帰りは八王子で下りて、某古書店に寄りました。行きに少し見て、買いたい本があったのですが、荷物になるので買わなかったものです。サンケイ新聞の新装版『少年ケニア』全10巻はありました。しかし、もう一つの目当てだった『お金ためます!』全2巻は売れてしまっていました。こちらは他の人に頼まれていたものです。見た時に先にお金を払って、取り置きしておけば良かったと後悔しました。古本とはいちごういちえです。
 それから立川駅ビルの新刊書店に行き、ミステリ文庫の『迷路』を捜しました。しかし、見つかりません。実は、スキーへ行く際にも捜したのですが、なかったのです。書店員がちょうど通りかかったので、だめ元で尋ねてみました。しばらくして、店員が持ってきたのはポケミスでした。そうなのです。何故か、ミステリ文庫だとばっかり思い込んでいたのでした。もう一冊『ドイル傑作選』を購入して帰りました。
 『迷路』は「ミステリマガジン」版を持っていますが、あの細かい字組みでは読む気がせず、未読でした。今回はちゃんと読んでみようと思います。でも、P・マクドナルドだからなあ……。
 富士通のホームページを見たら、親指シフト・キーボードのB5モバイル・ノートがモデル・チェンジされていました。どうせなら、薄型ノートの親指シフト・キーボード版を出してくれないかしらん。

2000.02.18
 あまり意味はないが、中学一年生のカケル君がホームページを作るのに、ジャバやフレームを使っているのを見て、このホームページもフレーム対応にしてみました。何でも試してみなくちゃね。ただ、よく解らないのが、フレーム対応でないブラウザで見た時に、自動的にフレームなしのページ表示になるものなのかどうかってこと。その辺のことが、ホームページ・ビルダーのマニュアルにはぜんぜん書いてないですね。少し不親切です。

2000.02.19
 私の使っている親指シフト・キーボードのノートパソコンが、数日前から少しだけ調子が悪いと気づいていました。Windows98の起動時に、「CD-ROMドライブがありません」というエラー・メッセージが出るのです。また、サスペンド機能も利かないことも解っていました。
 このノートは、フロッピイ、バッテリー、CD-ROMの3つの内、二つが本体に収納できるマルチベイを備えています。で、フロッピイとバッテリーの組み合わせの時に上記の症状が出るわけです。いろいろいじったのですが、直りません。それで、富士通のFMインフォメーションに電話しました。以前はなかなか繋がらなかったのですが、今回は3、4分待っていると繋がりました。状態を説明すると、しばらくして、担当者から電話が入りました。そして結論として、WindowsのPLUS98に入っているデラックスCDプレイヤーが自動ブートしていることを突き止めました。となれば、出番は、[窓の手]というフリーソフトです。このソフトを使って自動ブートからデラックスCDプレイヤーを除いたところ、エラーは出なくなりました。
 しかし、まだサスペンドができません。こちらは、どうやら、アドバンスド・パワー・マネージメント(APM)が働いていないということが推測でき、マイクロソフトのホームページにある対処方法をファックスしてもらいました。で、こちらも復旧できました。ただ、どうしてAPMが働かなくなったのかは解りません。「アドバンスド・パワー・マネージメント コンピューターは、何度か待機状態になり、応答を停止しました。今後、待機状態にならないようにしますか?」というエラー・メッセージも見たことがないですしね(このエラー・メッセージが出て、うっかり「はい」をクリックすると、ひどい目に遭いますから注意のこと!)。
 原書房からエラリー・クイーンの『青の殺人』とエリス・ピータースの『納骨堂の多すぎた死体』が出ます。どちらも良質の本格推理ですから、ぜひお読みください。ディクスン・カーとクレイグ・ライスの新刊も、4月までに刊行されます。

2000.02.20
 未発表小説やエッセイの行間が詰まっていて見にくいという指摘が前にあったので、スタイル・シートで行間を広げてみたのですが、私には広がりすぎているように思えて結局やめてしまいました。しかし、まだ試行錯誤の状況ですから、変える可能性もあります。エッセイや小説は、できればコピーして、ワープロかエディタで縦書きに表示して読んでみてください。
 新潮選書から出た『日本ミステリー事典』と『海外ミステリー事典』を読んでいます。こうした丹念で地道な仕事は、小説家が片手間にできることではなく、評論家・研究家の面目躍如たる立派な仕事です。内容も資料も非常に詰まっていて、ミステリー・ファン必携ですね。なお、「トリック」などという項目を読むと、『日本』と『海外』で微妙に違えてあるのが解ります。年輩のライターの方の書いた項目には古くさい部分(資料的にではなく、思想性において)も散見され、これは仕方ないところかもしれません。まあ、編者の権田萬治氏が、いまでも死に絶えたジュリアン・シモンズ説を信じておられるようですからね。ところで、私と芦辺さん、有栖川さん、小森さんが作った『本格ミステリーを語ろう![海外編]』が主要文献の中に取り上げられていないようですが、対談形式の本だからでしょうか(と、ちょっと皮肉を書いたりして)。
 あと、できれば、こういう事典は数年に一度、改訂して増補してほしいと思います。

2000.02.21
  遅ればせながら、ピーター・ラヴゼイの『地下墓地』を読みました。最近は国産本格ミステリーの方が圧倒的に面白いので、海外ものは古典も含めて後回しになりがちです。世界探偵小説全集の『国会議事堂の死体』もまだ読んでいませんし。
 で、『地下墓地』ですが、これは非常に良いです。ラヴゼイの最高領域に位置する絶品です。あるはずの家が何故かみつからないという、カーの『絞首台の謎』のような出だしから、予想もつかない方向へ話が進み、そして、最後に様々なエピソードが一つに綺麗にまとまります。『マダムタッソーがおまちかね』とか『苦い林檎』などの本格パズル的作品が好きな読者には絶対のお勧めです。『単独捜査』や『バースへの帰還』のような(現代ミステリーでは)わりとありきたりの話が好きな読者にはあまり向かないかもしれませんが、私は前者の支持者なので、とても気に入りました。
 それにしても、どうもこのピーター・ダイアモンドという主人公には馴染めません。ラヴゼイのような上品な推理作家が、下品な警察オヤジを書くという、イギリス・ミステリー界の流行りに迎合した姿勢がぜんぜん納得できないからです。そんなことは、デクスターやヒルに任せておけばいいのに。
 西澤保彦さんが、毎日、日記で原稿を何枚書いたと報告しているので、僕もします。昨日は50文字書きました(^^;)。

2000.02.23
 フィリップ・マクドナルドの『迷路』を読みました。裁判調書形式ということで、無味乾燥で平坦な内容かと思いましたが(それで、「ミステリマガジン」には手が伸びなかったのですが)、予想ははずれました。最初から緊張感に満ちていて、各登場人物がイギリス社会の階層に応じてはっきりとキャラ立てされており、非常にメリハリがあります。大立て者の死という探偵小説黄金期の一番オーソドックスな設定も、この場合は効果的です。各登場人物の証言のみで進んでいく形式も、無駄がないのでかえって心地良く読めました。大きなトリックとかはなくて、演繹的推理を発揮するための手がかりがどこにあるか捜すという内容です。傑作ではないけれども、なかなかの佳作、読んで損はありません。唯一の欠点は、結末で犯人の心理に踏み込もうとした点で(つまり、ゲスリン大佐の憶測以外の何ものでもなく)、まったくの蛇足。この部分の評価は、私は解説子とはまったく反対の意見ですね。
 これは未確認情報ですが、早川書房では、ヘイク・タルボットの『魔の淵』もポケミスに入れるそうです。

2000.02.24
 光文社のカッパノベルスは、現在、創刊40周年記念月刊を続行中。ベテラン作家の作品の多い中、今月は、柄刀一氏の新作『ifの迷宮』も出るのでちょっと目が離せません。また、カッパは昨年6月、本格推理作品を揃えて(島田荘司氏や愛川晶氏の作品など)ミステリー・フェアをやりましたが、今年も、同じ6月にやるそうです。何でも、とんでもない目玉があるらしいと聞いたのですが、詳細は教えてくれませんでした。
 廃刊になった『EQ』誌ですが、新誌名を得て、9月に新創刊になることに決定したそうです。最初は季刊で出るとのこと。私たちの新世紀「謎」倶楽部も、『新世紀犯罪展覧会』という新作を、創刊号、第2号に分載します。この新雑誌は、 一部に原稿が集まらないという噂が流れたがまったくの間違いであり、創刊号はかなり厚くなる模様。
 シェラザード財団(だっけ?)編集ということで、『プロフィール傑作選』とか『探偵趣味傑作選』も出るらしいのです(けっこう未確認情報)。というわけで、今年は光文社も元気いっぱいですね。講談社(講談社ノベルス)の一人勝ちでは寂しいので、他社にも頑張ってもらわないと。
 それから、現在募集中の『新・本格推理』でも、単に優秀作を文庫に収録するだけではなく、たとえばカッパノベルスで長編デビューできるような新人を積極的に発掘していく予定です。というわけで、ガンガン応募してほしいと思うのです。
  昨日の収穫。内田善美『草迷宮・草空間』。手塚治虫『ジャングル大帝(3)』ゴールデンコミックス。エドマンド・クーパー『遙かなる日没』。江戸川乱歩『吸血鬼・虫』桃源社。おおやちき作品集3『雪割草』。

2000.02.25
 それにしても、出版社の編集さんというのはたいへんな仕事だと思います。一番たいへんなのは、作家との付き合い方でしょう(公私ともに)。私のようにほとんど9時−5時で仕事(や遊び)をしている人もいれば、夜中に仕事(や遊び)をしている人もいるわけで、私のように締め切りを厳守する人もいれば、締め切りを破るのを常としている人もいるわけですから、そのすべてに臨機応変に対応しなければならないとすると、ほとんど24時間勤務のようなものです。私は不必要な(実際にどこかの喫茶店で会ってとかの)打ち合わせは面倒に思う質ですが、作家の中には、直接俺の所に挨拶に来なければけしからん!などと怒る人もいるでしょう。私はメールやファックスですませられることはそれで良しとする方ですが、作家の中には、いきなりメールやファックスを送りつけるとは失礼な奴だ!と怒る人もいると聞いています(何でも、ファックスする時には事前に電話をし、ファックス後には、着いたかどうか確認の電話を入れなければならないそうです。面倒ですね)。私は仕事の内容や原稿の訂正及び意見については単刀直入に言ってもらいたい方ですが、人によっては、宴曲に言わないと不機嫌になる人もいるそうです。
 とにかく、いろんな作家がいるわけですから、そのすべてを相手にして仕事を進めていく編集さんには本当に頭が下がります。

 あ、追記。私が締め切りを厳守するというのは、締め切りを守れそうにない仕事は最初から入れないことにしているからです。この前、早川SF文庫のソウヤーの新刊の解説依頼が来たのですが(これは心底やりたい仕事でしたが)、それがちょうど白馬スキー・ツアーと重なっていたので、「我孫子さんたちとスキーに行くのでごめんなさい。毎年恒例なんです」と丁重にお断わりしたのです。そうしたら、何故かその解説の仕事は我孫子さんに行って、さすがは我孫子さん。ちゃんとお受けになられたそうです(オイオイ)。

2000.02.27
 出版界というのは、いろいろと古い慣習の元に仕事が成り立っているところです。電話・メール・ファックス・宅急便・郵便などが発達した現在でさえ、いちいち、編集さんが作家の所に原稿を依頼に行く・取りに行くなどというのも、そうした部分が残っている証拠でしょう(もちろん、これにはこれで良い面も多いのですが)。そうした古い慣習の中で、一番困った点が、原稿料や印税の提示の問題です。一般的に、編集さんが作家に原稿を依頼する際、あまり、原稿料や印税の話をしません。作家の方も、なんとなく尋ねないまま、仕事を請け負ってしまいます。何故そうかと言えば、もともと日本人には、儒教の悪しき影響の元に、お金の話をするのははしたないという風潮があります。また、編集さんは出版社のフロントマンでありながら、経理担当ではない(セールスマンではない)という中途半端さもあるように思います。
 一昔前に、新進の作家が新しい仕事を依頼してきた編集さんに、「その仕事はいくらですか」と尋ねると、「若い癖に生意気だ!」とか、「原稿料のことを訊くのは100年早い!」とか、「そんな奴には仕事をやらなくていい!」とか、それこそ旧態依然のことを平気でのたまう編集さんもいたそうです。幸い、私個人はそうした人に当たったことはないのですが(間接的にはちょっと小耳に挟みましたが)、できればそうした人とは仕事を組みたくないというのが本音です。
 それは別に原稿料の金額の高い低いによって仕事を選ぶという意味ではなく、自分のしている仕事の単価がいくらなのかということを確認しておきたいだけなのです。単なる興味にすぎません。また、どこの世界であっても、売っている物の値段が解らずに物を買う人はいないでしょう。それと同じことなのです(ちなみに私は、ガソリン・スタンドでも、ガソリンや軽油の値段をきちんと掲示している所でできるかぎり給油します。また、掲示されていない場合でも、店員に訊いてから給油することにしています)。
 たぶん、いろいろな業種の中で、自分が今している仕事がいくらのものなのか、それを知らないで働いているのは作家ぐらいではないでしょうか。これは、振り込み通知が来るまで解らないわけです(訊けばいいのですが、つい訊きそびれます)。
 そう言えば以前のこと、ある雑誌から短編の依頼が来て、「長編にかかりきりなので今は短編が書けません」と状況を詳しく話してお断わりしたところ、いきなり、「うちの雑誌の原稿料が安いから、書いてくれないんですね!」と、文句を言われたことがあります。私はびっくりしました。相手から原稿料の話など一言も出ていないし、その雑誌の原稿料がいくらなのかも知らないからです。
 それから、これもある編集さんから、「うちで書いてくれないのは、うちが小さい出版社で、講談社みたく大きくないからですね!」と、嫌みを言われたことがあります。しかし、私が講談社(文3)をベースに執筆しているのは、ここが私という作家を見いだして(あるいは、拾って)、世に出してくれたからです。講談社が大きい出版社かどうかなんて関係ありません。今では新本格系作家もデビューした途端に引く手あまたの感じですが、私がデビューした頃には、ほとんど様子見でちっとも声をかけてくれなかったものです。
 私の仕事を選ぶ基準は(私は本格ミステリーのファン・ライターなので)、その仕事がどれほど本格ミステリーしているか、どれほど面白いか、その2点だけなのです。

 2000.02.28
 昨日は、どのくらい仕事をしたか、書き忘れました。一昨日が2004枚、昨日が1784枚です。肩こりや眼精疲労が激しく、あまり原稿執筆が進みませんでした。調子がよい場合の私のアベレージは、1日2600枚くらいなんですが――などと言ってみたいものです。「メフィスト」用の『悪魔のラビリンス』はおおむね完成。今は最終チェック段階です。蘭子シリーズ原点回帰みたいな話で、『地獄の奇術師』に雰囲気的には似ているかもしれません。
 国書刊行会の『国会議事堂の死体』は3分の1ほど読みました。変な話です。というか、各場面の繋ぎ方が妙にぎこちないのです(素人くさい)。面白いか面白くないか、最後まで読まないと解らないタイプの小説のようです。
 ところで、昨日から、4月に講談社文庫で刊行される『悪霊の館』のゲラをチェックし始めました。現在のページ数で864枚もあります。どのくらい厚いかというと、あのエドガー・ライス・バローズの文庫『合本・火星のプリンセス』(東京創元社)より厚いんです。うーむ。解説は小森健太朗氏にお願いしてあります。
 関係ありませんが、下の写真が今日の私のデスクトップです。起動時、終了時に『スタートレック・ヴォイジャー』の主題曲が流れて気持ちが良いのです。デスクトップ・テーマは、一週間に一回くらい、気が向いたら変更します。
 それにしても、外国のサイトにはやたらにデスクトップ・テーマがあるのに、日本には何故少ないのでしょう。日本のサイトからダウンロードできるものも、多くの場合は向こうから集めたものですしね。何か理由があるのでしょうか。

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2000.02.29
 完成しました。『悪魔のラビリンス』。短編のつもりが190枚の中編になってしまいました。今回も締め切り厳守伝説は守れました。といっても、その分、長編の執筆がお預けになっているわけですが……。4月刊行の「メフィスト」が厚かったら、私のせいです。
 それにしても、腐っているぞ、警察! 
 ちょうど私も『諏訪湖マジック』で警察機構の批判をしたところでしたが、それ以上に腐りきっています。はっきり言って、日本の高級官僚とかキャリアとかいう輩は名前ばかりで実体はお粗末極まります。仕事をまじめにしようと言う気がありません。己に保身に奔走し、身内をかばい(それが自分をかばうことになるから)、結局のところ、高給を取ることと退職金をせしめることしか考えていないわけですね。
 警察のだめな点ははっきりしています。一部のキャリア・准キャリアが、大勢の一般警察官の上に君臨する構造(単なる学歴・年功序列)と、利権への奔走です。後者は、パチンコ業界への天下りなどがその最たるものですし、免許証を取得したり、書き換える時に加入を勧められる何とか協会などもその悪しき実例です(東京は目立ちませんが、地方では依然力を持っています)。
 埼玉県警、神奈川県警、京都県警、新潟県警と不祥事が続いていますが、これは氷山の一角です。ああいう本部長や幹部連中が全国にたくさんいます。私もミステリーを書く人間として、警察のことを調べれば調べるほど、その内部の悲惨な状況(ヤクザ等との癒着とか、代用監獄の問題とか、自白の強要とか、オイコラ警官とか)が判明してきました。
 幼少のみぎりの頃、私は警察官は正義の味方だと信じていました。しかし、だんだん成長するにつれ、周囲の人間が警察官に好意を持っていないのを知って、不思議に思ったものです。どうして悪人を逮捕してくれ、平和を維持してくれるはずの警察官が、一般市民から人気がないのだろうと。もちろん、自分がその一般市民になるにつれ、その理由ははっきりしてきました。残念ながら、彼らはけっしてスーパーマンやウルトラマンのような正義の味方ではなかったということです。交番や警察署に用事があって行き、警察官から不愉快な対応を受けた人は多いでしょう。私も何回もそういう目に遭っています(くだらないネズミ取りなんかもそうですね)。
 私が警察官を書くような犯罪者小説に興味がなくて、名探偵ものが好きなのは、多分にそうした理由があるのです。
 それにしても、人の振り見て我が振り直さないんだから、キャリアなんて奴らは馬鹿ばかりです。







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