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不定期日記(過去ログ)

2003年05月



2003.05.31
『猪苗代マジック』のゲラが出てくる。ページ数は421ページ。ちょうど、歌野晶午さんの傑作『葉桜の季節に君を想うということ』と同じくらいの厚さだ。

 かつて子供だった大人と少年少女のための『ミステリーランド』講談社の情報更新。[企画進行中]を見よ。

2003.05.30
[新刊]
 横山光輝『風の天兵』講談社
 河あきら『WONDER! (1)』双葉社

[古本]
 スミス『銀河パトロール隊』集英社

 前日は都内某所にて、親指シフト・キーボード関連の極秘会議。議題の一つは、テンキー部のないデスクトップ用親指シフト・キーボードの実現。姫野カオルコさんからも切望されているので、ぜひラインナップに欲しい製品である。

2003.05.27
[新刊]
 別冊宝島『ブラックジャック完全読本』宝島社
 ハリントン・ヘクストの『テンプラー家の惨劇』国書刊行会

 日本推理作家協会の総会と理事会があったので、池袋まで出かける。選挙で選ばれ、また二年、理事を務めることになりましたので、その筋の方はよろしくお願いします(でもなあ、本当は、協会賞とか乱歩賞を取った人にやってほしいよなあ。北森鴻氏とか。北森鴻氏とか。北森鴻氏とか……エンドレス)。

 途中、高田馬場の書店によると、ハリントン・ヘクストの『テンプラー家の惨劇』が出ていたので、驚喜しながら即買い。世界探偵小説全集第4期の中で一番読みたかった本がこれ。

 理事会の話題は、例によって図書館問題、レンタルブック店問題から。他に契約書問題が再熱。相変わらず、著作権物の二次的使用を勝手に自社に縛ろうとする条項を平気で入れてくる出版社があるので、真保裕一氏が激怒。そういう出版社のせいで、またもや契約書委員として奔走しなければならなくなった。

 黒田研二氏の『阿弥陀ヶ滝の雪密室』を読了。派手な事件がいっぱい起きる。シリーズ・キャラも機能を開始。ダイイング・メッセージに大笑い。

 夜は、7月に文芸春秋社から出る本格ミステリ・マスターズ『猪苗代マジック』の巻末インタビュー収録。

 掲示板の方でリクエストがあったので、カウンター450000番を踏んだ方には、何かサイン本を送ります。その旨、 掲示板の方へ書き込んでください。

2003.05.26
[新刊]
 森晴路『図説 鉄腕アトム』河出書房新社

 グレン・ヒューズの新譜「ソングス・イン・ザ・キー・オブ・ロック」が、無茶苦茶格好良くて、渋い(しかも、地味じゃない)。しばらく愛聴盤になりそう。

 相原大輔氏の『首切り坂』を読了。書生小説っぽい味わいと世界観の確立が良い。謎とトリックはやや小粒か。

2003.05.25
[新刊]
 マイケル・ギルバート『捕虜収容所の死』創元推理文庫

 大手出版社の本なら何でも扱っているのかと思ったら、bk1も意外と検索されない本がある。少し前には『新・本格推理03』が出てこなかったし、昨日は、浅暮三文氏の『石の中の蜘蛛』が出てこなかった。その都度、bk1にメールを出して確認しているが、結局、bk1だか出版社側(の営業?)が登録をさぼるとそういうことになるようである。
 というわけで、浅暮三文氏の『石の中の蜘蛛』も、月曜日にはbk1で購入できるようになるはずだ。

 実業之日本社の「Ski」2004.01を買ってくる。もう今年のスキー・シーズンは始まっているのだ。とりあえず、狙いはブーツ。

「ミステリマガジン」7月号は、フランス・ミステリー特集で、ポール・アルテの短編に寄稿まで載っている。なるほど、アルテってこういう顔だったのかあ。次回は、ポール・アルテ特集で一冊作ってほしい。

2003.05.24
 昨夜、某出版社のボーグ・クイーンから「有栖川有栖さんが推理賞を取った模様」との亜空間通信をもらう。すぐに有栖川さんに電話をすると、これが事実と判明。何ともめでたいしだい。嬉しくて興奮してしまう(『双頭の悪魔』を候補にもしなかったあの推協が、ついに悔い改めたわけだから)。
 今朝の新聞を見ると、受賞者は次のとおりだった。知り合いばかりで嬉しさ倍増。
 受賞者の皆さんに、はるか宇宙の彼方から、お祝いを申し上げます。

[長編および連作短編集部門]
 浅暮三文『石の中の蜘蛛』集英社
 有栖川有栖『マレー鉄道の謎』講談社ノベルス
[評論その他の部門]
 新保博久・山前譲 編著『幻影の蔵』東京書籍

2003.05.23
 指が痛くてイライラして、変な所で無関係な人に当たってしまう。

 最近見たミステリー映画で一番面白かったのが『名探偵モンク』。妻に死なれて恐怖症で潔癖性になり文句ばかり言う探偵(だからモンク?)。変なトラウマものかと思ったら、しっかり手がかりから推理していくホームズの流れを汲むもの。ワトソン役のむっちりした看護婦もいい味出している。夏頃からレギュラー放送分がレンタルになるらしいので待ち遠しい。

2003.05.22
[新刊]
 鮎川哲也『サムソンの犯罪』創元推理文庫
 西澤保彦『神のロジック 人間のマジック』文藝春秋(本格ミステリ・マスターズ)

[古本]
 ムーア『月世界の核爆発』少年少女世界SF全集・あかね書房

 一週間ほど前から、左手中指の爪の左端の所が痛んで仕方がない。クック様がいきなり引き綱を引っ張り、その時に、爪のきわに小さな裂傷ができたのだが、どうやら傷口にバイ菌が入って化膿したようなのだ。青くなって腫れてきてもいる。(絆創膏を巻いているが)キーボードを打つ時にかなり痛む。そのため、タイプミスが多くなっている。医者へ行くべきかどうか悩んでいる。

 本格ミステリ・マスターズの5月の新刊の見本刷りが届く。西澤保彦氏の『神のロジック 人間のマジック』である。3月に出た歌野晶午氏の『葉桜の季節に君を想うということ』が無茶苦茶面白かったので、西澤さんの本にも大いに期待(というより、本格ミステリ・マスターズは傑作ばかり)。7月は拙著『猪苗代マジック』が出る予定。
 ところで、この『神のロジック 人間のマジック』の西澤さんのインタビューで、何故か(当然か?)、黒田研二氏の性癖について触れられている。どうやら、この業界では、黒田研二氏が××××博士であることがすっかり認知されたようである。おめでたい。

2003.05.21
[新刊]
 光文社カッパノベルスの新刊から。Kappa-One入選作に注目! 黒田研二の新作もあるぞ!
 相原大輔『首切り坂』
 黒田研二『阿弥陀ヶ滝の雪密室』(ふたり探偵シリーズ)
 梓林太郎『殺人山行 恐山』

 ようやく、Kappa-Oneの第2弾が出た。今月から3ヵ月連続で刊行されるが、残念なことに推理小説はこれ一作。しかし、「本格推理」「新・本格推理」作家の中から、第3弾、第4弾をどんどん出していきたいと私もカッパノベルズ編集部のスタッフも考えている。我こそはと思う人は、「新・本格推理」を登竜門にして、ぜひ挑戦してもらいたい。

2003.05.21
[新刊]
 『手塚治虫COVER [タナトス編]』徳間デュアル文庫
 『手塚治虫』COVER [エロス編]』徳間デュアル文庫
 エドワード・D・ホック『怪盗ニック登場』ハヤカワミステリ文庫
 日下三蔵編『小栗虫太郎集 完全犯罪』ちくま文庫

 折原一さんの『模倣密室』を読了。手を変え品を変えの設定で楽しませてくれる。実は、「ジャーロ」等でほとんど読んでいた。
 アントニイ・バークリーの『ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎』を読了。実に愉快に書いてあるのだが、サスペンス度はゼロ。後半はやや惰性でページをめくる毎日であった。

2003.05.20-2
 本格ミステリ作家クラブより、重要なお知らせとお詫びがあります。サイトの方を御覧ください。
 これに基づき、第3回本格ミステリ大賞の受賞作を以下のように訂正いたします。

[小説部門]
 『オイディプス症候群』笠井潔
 『GOTH リストカット事件』乙一
[評論・研究部門]
 『探偵小説論序説』笠井潔

 今回のミスはひとえに私のせいです。責任を痛感しています。当事者並びに関係者に多大な迷惑をかけたことを深くお詫びいたします。そして、あらためて、受賞者の皆さんにお祝いを申し上げます。

2003.05.20
 e-novels(2003年5月20日号(隔週火曜日更新)[Vol.146])が更新。

2003.05.19
[新刊]
 折原一『模倣密室』光文社
 鯨統一郎『謎解き道中』ノン・ノベル
 篠田真由美『唯一の神の御名』ノン・ノベル
 菅浩江『歌の翼に』ノン・ノベル

 日曜日、用事で南大沢の方へ行ったので、駅前のアウトレットに立ち寄る。しかし、古本屋は存在せず。こんなことでアウトレットと呼べるのか。

 その他。ある事で大失敗をやらかしてしまったので、その謝罪やら対応やら。

2003.05.16
[新刊]
 鯨統一郎『みなとみらいで捕まえて』ジョイ・ノベルス
 近藤史恵『天使はモップを持って』ジョイ・ノベルス
 鈴木輝一郎『罪と罠へのアドレス』実業之日本社

 今年に入ってからも、『ミステリアス学園』(これは傑作!)、『「神田川」見立て殺人』とヒットを飛ばしている鯨統一郎氏の新刊『みなとみらいで捕まえて』が手に入ったので嬉しい。今度の連作短編集は、どんな題材で統一されているんだろうか。

 7月に刊行が開始される講談社の《ミステリーランド》向けの原稿を書き始める。題名は『宇宙捜査艦《ギガンテス》 惑星バルガの怪物』である。もちろん、SFミステリーなのだ。『宇宙捜査艦《ギガンテス》』シリーズの第2弾になるわけだ。締め切り星を目指してワープ8で執筆しようと思う。発進!

2003.05.15
 北森鴻氏の『緋友禅』を読了。『狐罠』『狐闇』と続くこのシリーズは、本当に味があって良い。舞台となる骨董界の怪しさと女主人公の設定が絶妙な緊張感を生んでいるし、文章も繊細で美しい。

 徳間デュアル文庫から、5月21日頃に発売になる、『手塚治虫COVER[タナトス編]』の見本刷りが届く。拙著「火の鳥 〈アトム編〉」が収録されている。また、これまで単行本未収録だった手塚治虫先生の「火の鳥 望郷編(COM版」が再録されるので、価値も大。

 光文社文庫から8月より、江戸川乱歩全集全30巻というものが出るらしい。当サイトの掲示板で読者に教えてもらってびっくり。さっそく光文社文庫の新刊の折り込み広告を見ると、監修・編集は山前譲さんと新保博久さんということである。ならば、中身の充実度は保証されていると考えられる。
 本格ミステリ大賞公開開票会の時に、有栖川有栖氏や貫井徳郎氏にも訊いたが、誰もこの企画を知らなかった。寝耳に水の嬉しい攻撃である。敵はこちらにショックを与えんと、わざと隠していたのかもしれない。ロミュラン人という奴は実に狡猾な種族だ……。


2003.05.14-2
[新刊]
 ミステリー文学資料館編『甦る推理雑誌(6) 「探偵実話」傑作選』、深谷忠記『伊良胡・犬山殺人ライン』、津村秀介『新横浜発12時9分の死者』、愛川晶『夜宴』、西村京太郎『京都駅』殺人事件、都筑道夫『悪意銀行』、土屋隆夫『不安な産声』、斎藤栄『横浜殺人結婚式』、エリス・ピーターズ『修道士の頭巾』光文社文庫

[古本]
 キャンベル『なぞの宇宙物体X』、アシモフ『滅びゆく銀河帝国』ジュニア版・世界のSF・集英社

 昨日の写真整理。
 講談社〈ミステリーランド〉向け作品の構想練り。

2003.05.14
 5月13日、公開開票会の席上で、本格ミステリ作家クラブ主催の第3回本格ミステリ大賞が決定しました。詳しくはこちらを御覧ください。
[小説部門]
 『GOTH リストカット事件』乙一
[評論・研究部門]
 『探偵小説論序説』笠井潔

 記者会見に挑む、 受賞者のお二人の写真です。おめでとうございました。



2003.05.10
 原付型シャトルで立川駅南口方面を航行中、何と、「ぶっくセンターいとう立川南口店」(店名は推測)というのができているのを発見。ただちに探査任務に入る。小さな店で、本は新しいものばかり。結局、何一つ採取せずに地表を離脱する。それにしても、立川に新店を出すのに、わが連邦に何の報告もしないとは。まったくけしからん宇宙人どもである。

 e-novelsで企画進行中の「黄昏ホテル」の原稿を書き始める。最初は、世代宇宙船〈黄昏ホテル〉号の冒険を書いていたのだが、何だか面白くなく、急に「素人カースケ」ものにすることを思いつく。こういうひらめきが意外に大切なんだな。うん。

 講談社U山提督より、〈かつて子供だった大人と子供のための『ミステリーランド』〉の原稿の催促。入稿を一ヵ月早めろとのU山提督命令である。しかし、どんどん締め切りが早くなっているんですが……。
〈かつて子供だった大人と子供のための『ミステリーランド』〉が何か知りたい人は、[企画進行中]を見ること。

2003.05.09
 6月にポケミスから出るポール・アルテの『死が招く』の解説を書き終え、亜空間通信にて発送。『第四の扉』ほどには凝った内容ではないが、その分、切れ味は鋭い。それにしても、ここまで純真に本格探偵小説をやれるアルテが羨ましい。

 来月号の「ミステリマガジン」はフランス・ミステリー特集のようで、当然、アルテの短編も載る。そのゲラを編集長が送ってくれたので、早速読了。冒頭は奇術師の殺人予言という不可能趣味たっぷりの話。

 昨日の話。パズル雑誌の「ニコリ」からインタビュー取材を受ける。6月発売号に載るはず。

2003.05.08
 秋田漫画文庫の『忍法十番勝負』の解説を書いている。発売は5月9日。定価600円。秋田のサンデーコミックスで版を重ねてきた傑作忍者アンソロジーである。
 同時発売の手塚治虫『猫傑作集(1)』の解説者は有栖川有栖氏。

 西澤保彦『リドル・ロマンス』集英社とアントニィ・バークリー『ウイッチフォード毒殺事件』を読了。
 前者は主題の処理の旨さに舌を巻く。ただ、藤子不二雄(A)の『笑ゥせぇるすまん』を思わせる部分がちょっとなあという感じ。
 後者は、ひねっているようでひねっていなくて少しひねっているのがいかにもバークリーらしい。あの毒物の特性については良く引用されているが(私もしている)、その原典がこの本だとは知らなかった。

2003.05.07
[新刊]
 篠田真由美『angels―天使たちの長い夜』講談社ノベルス

[古本]
 ジョン・ブラナー『星は人類のもの連盟』『テレパシスト』創元推理文庫。豊田有恒編『ロマンチックSF傑作選』集英社文庫。ミシェル・ラミ『ジュール・ヴェルヌの暗号』工作舎。ジョゼ・ジョパンニ『気ちがいエロ』ポケミス。南洋一郎『日東の冒険王』『海洋冒険物語』国書刊行会。「豪華版 日本文学全集」全88巻・集英社。エドガー・ライス・バロウズ『ターザンと女戦士』早川SF文庫。

 エンタープライズD型の四駆のランプがエラー点灯を繰り返したため、いすゞのドッグ第35宇宙基地に入れて検査をしてもらう。四駆のカップリング装置の不良で、部品は地球基地から取り寄せとなる。
「ジョーディ、修理に何日かかるんだ?」
「3日です、副長」
「2日でやるんだ」
「解りました。データ、手伝ってくれ」

 スーパーチャンネルで、「キャプテン・スカーレット」や「スティングレー」や「ジョー90」や「謎の円盤UFO」や「スペース1999」をやっているので、懐かしくて全部録画してしまう。「キャプテン・スカーレット」のエンジェル隊って、今見ると、リカちゃん人形のようだ。

 

2003.05.06
[新刊]
 貫井徳郎『被害者は誰?』講談社ノベルス
 有栖川有栖『スイス時計の謎』講談社ノベルス
 北山猛邦『『アリス・ミラー城』殺人事件』講談社ノベルス
 中村うさぎ『九頭龍神社殺人事件』講談社ノベルス

 講談社ノベルスの新刊の内4冊。いずれも「ミステリー7」というフェアに組み込まれている。一押しはもちろん、私が裏表紙の推薦文を書いている貫井徳郎氏の『被害者は誰?』。究極の名探偵&ワトソンものにして、見事なパロディでもある。収められた短編の題名が「被害者は誰?」「目撃者は誰?」「探偵は誰?」名探偵は誰?」ときたら、もう本格推理好きは読まないわけにはいかないでしょう。

 e-novels(2003年5月6日号(隔週火曜日更新)[Vol.145])が更新。
 週刊書評の中で、二階堂黎人編『新・本格推理03』が取り上げられている。

「スタートレック/エンタープライズ」の第1シーズンが終わってしまった。クリフハンガー(次回に続く番組)だったので、ものすごい場面で終わっている。次回が見られるのが半年以上先とは、実に気を持たせる。

2003.05.03
[新刊]
 手塚眞『天才の息子』ソニーマガジンズ
 矢口高雄『ボクの手塚治虫』講談社文庫
 大塚栄志『アトムの命題』徳間書店
 手塚プロダクション監修『鉄腕アトム その夢と冒険』JTB

 立川のオリオン書房ノエルへ行ったら、アトムのアニメ公開に合わせたのか、手塚本がたくさん出ていたので、その中から上記のものを購入。今月は確か、元祖・手塚治虫ファンクラブ会長にして現・手塚プロ資料室長の森晴路氏の書いた本も出るはずなので、それが楽しみ。

 かくいう私も、小学館のPR誌『本の窓』の7月号から『僕らの愛した手塚治虫』というファン・エッセイの連載を始める。ようするに、マンガ世代から見た手塚治虫という切り口。本日はその原稿書き。

2003.05.02
[古本]
 フレデリック・ブラウン『やさしい死神』創元推理文庫。ロバート・シェクリィ『人類の罠』HPB

 ブラウンは相変わらず、何を持っていて、何が出ていたのかよく解らない。そう言えば、創元推理文庫の総目録ってどうなったんだろう?

 カウンター440000番を踏んだ方に、何かサイン本を送ります。掲示板の方に、その旨、書いてください。

2003.05.01
[新刊]
 マイケル・オクダ『スタートレックエンサイクロペディア ニュー・エディション』DAI−X出版

[古本]
 大岡まち子『みにくいネリー』若木書房

 一年も前から刊行が予定されていた『スタートレックエンサイクロペディア ニュー・エディション』がようやく出た。8000円とやや高価だが、内容は充実している。

 はるか昔に「週刊少女フレンド」で読んだ記憶があるマンガで、作者が思い出せずに困っていたものがあった。同年代の女性たちにも尋ねるが、誰も覚えていない。
 ダンゴっ鼻でそばかすだらけの美人ではない女の子が、田舎からパリへ出てきて女優を目指すという連載もの。公演の日、主演女優が病気になり、代役を立てようとするが、彼女だけが台詞を覚えている。最初は誰もが見た目でダメの烙印を押すが、最後には、彼女の才能に惜しみない拍手を送る、という物語。
 そのマンガをようやく見つけた。大岡まち子『みにくいネリー』だった。ついでに「週刊少女フレンド」連載というのは間違いで、昭和42年新年特大号の読み切りだった。舞台もパリではなくニューヨークだった。記憶というのは当てにならん。






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