2003年04月
2003.04.30
[古本]
望月あきら『ゲンコツの海』第1巻・講談社KC
ここ3日ほど、花粉症による頭痛に悩まされている。よって、「宇宙英雄ペリー・ローダン・シリーズ」の新サイクルを読んですごす。またミュータントの話かよ、って感じのサイクル開始(笑)。
2003.04.29
[古本]
フレデリック・ブラウン『悪夢の五日間』『霧の壁』創元推理文庫
「ミステリマガジン」6月号が「本格ミステリの秘宝」特集というので、2日間にわたって、7件の本屋を探すが見つからず。小平、国分寺、東大和の文教堂、ツタヤはまず全滅。以前、同誌を置いていたパパママ店もすでに取り扱いを終了。最近、「ミステリマガジン」を置いている店が減ってきて、手に入れるのが大変。
ようやく、武蔵村山のメディアで発見。でも、この店も入ったり入らなかったりするんだよなあ。
内容の方は森英俊さんが監修をされているようなので、本格好きには涎もの。シリル・ヘアーやマイクル・イネス等の短編が読める。
新刊書店を回るついでに、ブックオフ3店と、ぶっくセンターいとう3店を観測するが、上記の二冊しか収穫はなし。
2003.04.27
ついに『猪苗代マジック』の原稿が完成。『宇宙捜査艦《ギガンテス》』を除くと、1999年の『諏訪湖マジック』以来の書き下ろしである。本来はとても恥ずかしいことなのだが、「4年ぶりの書き下ろし!」とか、「構想2年、執筆4年!」とかいう惹句で大々的に売り出したい(苦笑)。その方が、業界的にはありがたがってもらえそう。枚数は600枚強だが、捨てた所が300枚強もある。集中して書き下ろさなかった弊害がこれだ。
内容は、水乃サトル君と美並由加理さんが、猪苗代近辺のスキー場へ仕事に行き、そこで《処刑魔殺人事件》と呼ばれる連続殺人事件に巻き込まれる(勝手に飛び込む)というもの。もちろん、今回もアリバイもの。リゾート法の悪行を鋭く断裁する、社会派の要素も多々ある本格推理作品。
文藝春秋の本格ミステリマスターズから、7月に刊行予定。
2003.04.26
[新刊]
横山光輝『音無しの剣』(愛蔵版初期作品集1)講談社
「バビロン5」の第3シーズン放映開始。どんどん、ただの戦争ドラマになっていく。それに引きずられて、「スタートレック/DS9」も戦争ドラマになっていったんだよな。アメリカ人って本当に戦争の好きな国民だ。その真似をして、戦争で金儲けをしようとしている馬鹿な政治家が日本にもうじゃうじゃいるんだから、困ったものだ。
2003.04.25
早川書房の「SFマガジン」2003年06月号に、「トレッカーである歓び」という短い
随筆を書いている。
同誌に、実写版「サンダーバード」についての記事が載っていて、ブレイン役を、「ER」のグリーン先生の俳優がやると書いてあったので大笑い。はまり役だ。
2003.04.24
ちょっと旧聞になるけれども、東京創元社から「武部本一郎画集 新装版」が限定で発売されることになった。これは20年ほど前に出ていたものの新装復刻版であるが、当時も2万円ほどしていたので、今回の23,000円という値段はさほど高いとは言えない。5月12日までに申し込めば、まだ購入できるようである。エドガー・ライス・バローズの本の表紙を飾ったあの見事な絵が大判で手に入るのは嬉しい。
2003.04.23
[新刊]
小山正・日下三蔵監修『越境する本格ミステリ』扶桑社
笠井潔・東浩紀『動物化する世界の中で』集英社新書
探偵小説研究会 編著『本格ミステリこれがベストだ! 2003』創元推理文庫
森博嗣『墜ちていく僕たち』集英社
青井夏海『赤ちゃんがいっぱい』創元推理文庫
[古本]
西谷祥子『こんにちはスザンヌ』全3巻・集英社。今村洋子『うちのチイママちゃん』全2巻・若木書房
小学館のPR誌「本の窓」の7月号から、「僕らの愛した手塚治虫」という漫画論的随筆を連載するので、その打ち合わせ。
2003.04.22
[新刊]
鮎川哲也『クライン氏の肖像 (三番館の全事件 3)』出版芸術社
e-novels(2003年4月22日号(隔週火曜日更新)[Vol.144])が更新。
拙著『軽井沢マジック』のPDF通常版とPocketPC用PDA版を発売開始する。
年末と年始に購入した2台のHDD/DVDレコーダー(パイオニア DVR-77H)だが、当初に、HDDからDVD-Rへのダビングの際に、ナビマークが転送されないという不具合を発見。タイトル・メューのプログラム・ミスらしいと見当を付けて、さっそく客相へ電話するも、最初は不具合はないとの抗弁に始終。しかし、2週間に渡る検証の末、プログラム・ミスがあったことをやっと認め、新しいファームウェアが出来たら連絡する、との返事をもらう。
そして、ようやく、サービスがうちへやってきて、ファームウェアの更新を行なう。パソコンを、本体横にある端子に独自ケーブルでつなぎ、マザーボードのBIOSを書き換える、という作業であった。一台目は50分で終了。2台目は再起動に失敗して、やり直し。
いまや、レコーダーも、MPEG録画に徹した単なるパソコンと化したことがよく解ったしだいである。
2003.04.21
[新刊]
ロバート・ファン・ヒューリック『雷鳴の夜』ポケミス
H・S・サンテッスン編『密室殺人傑作選』早川ミステリ文庫
ポール・アルテの『死が招く』を読了。大感激のでき。私の中でもは、今年度海外部門の本格ナンバー1はもう決定した。素晴らしい! 探偵小説黄金時代の傑作に比類する完成度。
アルテって、100パーセント純粋培養のディクスン・カーだってことが、この作品で再確認できた。日本の新本格推理作家も、クイーンを崇拝したり、カーを標榜したり(私もそうだ)して、作品を書いている人は多いが、ここまで前任者とそっくりに書く人はいない。というのも、何か別のものが混ざるからだ。たとえば、私の場合だと、カーに、ルブランや乱歩が混じる。思想や蘊蓄や余剰が混ざる人もいる。しかし、アルテはまったく迷いがない。一直線でカーをやり、ただ単にまっとうな探偵小説を書こうとしているのだけなのだ。読んでいて、すがすがしく、嬉しくなるのがアルテって作家だ!
『死が招く』の過去の事件の扱い方なんて、カーの『帽子収集狂事件』や『死時計』の過去の事件の扱い方――主筋に絡む副筋――を綺麗に踏襲。犯人はカーのアレ、密室トリックはカーのアレ、なんて、読後にファン同士で話をする楽しみもある。
というわけで、6月を胸膨らませて待て!
早川ミステリ文庫から、傑作アンソロジーの『密室殺人傑作選』が出た。帯の推薦は有栖川有栖氏。
2003.04.19
[新刊]
アントニイ・バークリー『ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎』晶文社ミステリ
泉谷迪『手塚治虫少年の実像』人文書院
『死が招く』をインストール中……(しかしながら、冒頭からすさまじい密室殺人が起きることだけは書いておこう)。
2003.04.18-2
『死が招く』のゲラに、原題等のデーターが何も付いていなかったので、殊能将之氏のサイトで調べさせてもらった。『La mort vous invite, 1988』であることが解った。ツイスト博士シリーズの第2作目である。
2003.04.18
[新刊]
山田正紀『風水火那子の冒険』、
西村京太郎『新・寝台特急殺人事件』
西村京太郎『新装版 寝台特急殺人事件』以上、光文社カッパノベルス
早川書房から、ポール・アルテの新刊『死が招く』の解説依頼が来る。ポケミスより、6月発売の予定。(ゲラで)一足先に読めるのがとても嬉しい。役得、役得。できれば、年に3冊くらいポール・アルテを出してほしいのだが。
掲示板で『ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎』が出たと教えてもらったので、bk1で検索。現われたのでそのまま注文。bk1もamazonもかなり便利だけれも、何故、[今日発売の新刊]みたいなページがないのだろう(それともあるのか)。
って、書いてアップしようとしたところに、『死が招く』のゲラが到着。表紙をめくると、「うわっ!」。いきなり第1章の章題が「切り裂きジャックについて」と来るではないか。しかも、喧噪著しいパブの中で物語の幕があき、ツイスト博士がロンドン警視庁のハースト警部と事件の話をしているのである。
くぅぅっ、たまんないねえ!
もう、今日は仕事はやめだ!
2003.04.17
宇宙歴2003.04.07が鉄腕アトムの誕生日ということで、様々なキャンペーンや催し物が行なわれている。三度目のアニメも始まっている。その中で、ファン的に一番嬉しかったのが、メディアファクトリーが出した『鉄腕アトムコンプリートブック』(定価\2,800)。何しろ、付録の方が本体より大部で、しかも、その付録が、「サンケイ新聞」に連載された「アトム今昔物語」の完全版復刻なのである。その後の単行本で削除された90ページ近い部分が初出のまま収録されている。天馬博士の過去が解る楽しみもある。現行版とぜひ読み比べてみてほしい。
2003.04.16
[新刊]
北森鴻『桜宵』講談社
黒田研二『クレイジー・クレーマー』実業之日本社
[古本]
『アンデルセン小説・紀行全集』全10巻・東京書籍。『日本SF・原点への招待』全3巻・講談社。
文藝春秋社の「本格ミステリ・マスターズ」参加作品『猪苗代マジック(仮)』の清書中。完成度50パーセント。ワープ6で航行。
2003.04.15
試写会に続き、立川の映画館で、「スタートレック/ネメシス」を鑑賞。歴代スタートレック映画の中では一番のでき。もちろん、トレッカー(トレッキー)的には突っ込み所もたくさんあるんですが。
2003.04.12
本格ミステリ作家クラブのサイト:会報の最新号を掲載。