2002年11月
2002.11.29
12月に光文社のカッパノベルスから出る、黒田研二氏との合作『千年岳の殺人鬼』のカバーデザインが出てきました。上にアップしておきます。裏表紙も、スキーヤーのシュプールで、キラー・エックスの顔が描かれているなど、なかなか凝ったものです。
原書房から芦辺拓さんの新作短編集『明智小五郎と金田一耕助』(ミステリー・リーグ、1800円)が出ています。今年は本格系の短編集の当たり年だったんですが、これはその中でもナンバー1ですね。どの短編も単なるパステーシュを超えて、トリック、仕掛け、表現の面で技巧の極地ともいうべきアクロバットを見せてくれます。贅沢三昧の作品集ですね。
2002.11.28
友人がアース・ウインド&ファイヤーのコンサート・チケットを取ってくれたので、見に行くことに。
まず高田馬場へ出て書店を覗くと、おお、扶桑社文庫の「昭和ミステリ秘宝」がいっぺんに4冊も出ているではありませんか。高木彬光『初稿 刺青殺人事件』と鮎川哲也『翳ある墓標』はもちろん、買い物籠へ。前作は題名通りのもの。後者は、鮎川先生が翻訳した作品やエッセイなど、単行本未収録作品も入っているのでたいへん貴重です。
『三色の家』と『古墳殺人事件』は、どれも旧版で持っているし、その作者の作品も好きではないので、どうしようかと一瞬迷ったのですが、変な短編が入っているので(たとえば、島田一男のルパンもの)、やはり買うことにしました。
他には、パーシヴァル・ワイルド『探偵術教えます』晶文社ミステリ、と、E・E・スミス『第二段階レンズマン』創元SF文庫を購入。
で、有楽町の国際フォーラムへ行き、15分遅れの7時15分より、アース・ウインド&ファイヤーの演奏が開始。二曲目にレッツ・グループをやられた日には、みんな総立ち状態。昔、新宿のトゥモロー・USAや六本木のマジックなどで躍りまくった頃が思いだされます(半分は懐メロ状態)。
収穫:世界の科学名作『地球さいごの日』『見えない生物バイトン』『赤い惑星の少年』講談社
2002.11.27
風邪がぜんぜん完治しないので、うさばらしに、パイオニアのDVR-77Hを購入。HDD録画とDVD録画のハイブリット機です。というわけで、これからのスタートレック・シリーズの録画はDVD-Rにするつもり。LPでディスク1枚に4時間撮るモードだと、S-VHSよりやや画質が落ちる(のっぺりした感じ)かなっていうところです。この程度なら、ディスクの取り回しの良さ、収納性を考えれば許容範囲と判断しました。
青色レーザーまでディスク録画機は待つつもりだったのですが、やはりHDD録画の魅力に負けてしまいました(特に年末年始はいろいろ取り溜めしたいですもんね)。
JENNIFER LOPS の新譜はおとなしすぎてペケ。恋愛惚けかしらん。
『新・本格推理03』の最終候補作20編が下読みの方から上がってきました。常連組もけっこう多いですね。3編を読んで、その内の1編がなかなか良好。先行きが楽しみです。
収穫:ジュニア版世界のSF『宇宙船ビーグル号の公開』ボークト・集英社、少年少女世界推理文学全集〈ヴァン・ダイン〉『エジプト王ののろい/スコッチ・テリアのなぞ』あかね書房
2002.11.26
e-novels(2002年11月26日号(隔週火曜日更新)[Vol.134])が更新しています。
2002.11.24
時間冷戦から来たスリバ人の風邪ウイルス爆弾にやられて、撃沈。シールド・ダウン、武器アレイ・ダウン、生命維持装置ダウン、物質半物質融合炉ダウンという最悪の状態。ようやく本日、生命維持装置を20パーセントまで回復。
というわけで、この数日で読めた本は、ヘレン・マクロイの『幽霊の2/3』のみ。持っているけど読んでいなかった本シリーズの第2弾です。『割れたひづめ』の前に読んでおこうと思いまして。やや小粒な作品で、結末もあまりに予定調和的。毒殺トリックも古典的なもので新味なし。人間模様と人間観察はうまいと認めても、ちょっと残念でした。
新聞広告を見ていたら、びっくりする本を発見。何と、小松崎茂の『地球SOS』の完全復刻版が双葉社から出ているではないですか! さっそくamazonで発注して入手。オールカラーで、ページは原稿ではなく(原稿は存在しないでしょう)、雑誌からそのまま起こしています。これで4000円は安い! 前に桃源社から出た時は、全38回中35回しか収録されていませんでしたが、今回は番外編も含めて全部読むことができます。感激! どうせなら、『大平原児』他も出してくれい!
[新刊]
まず、今月のカッパノベルスの新刊から。島田荘司先生の新作が出ています。
島田荘司 『吉敷竹史の肖像』 1143円
愛川晶 『網にかかった悪夢』 800円
松本清張 『声』 848円
富樫倫太郎 『武蔵 巻之弐』 943円
東野圭吾 『ゲームの名は誘拐』 1600円
2002.11.14
新宿で打ち合わせがあり、ヘレン・マクロイの後期の代表作『割れたひづめ』(国書刊行会、2500円)を購入するために、まず青山ブックセンターへ。しかし、ここでは見つからなかったので、紀伊國屋本店の方へ再度転送降下。こちらはちゃんと平積みになっていました。解説では、ヘレン・マクロイの全作品の紹介がされていて、非常に読み応えがあります。
[新刊]
はやみねかおる 『少年名探偵 虹北恭助の新冒険』 講談社ノベルス 700円
はやみねかおる 『少年名探偵 虹北恭助の新新冒険』 講談社ノベルス 740円
2002.11.13
迫光の『シルヴィウス・サークル』を読了。殺人方法解明部分の論理性はなかなか良いと思いました。ただ、当時の時代性を色濃く現実的に描くのか、幻想小説的に描くのかという作品の味わいの点でやや不徹底な印象を受けました。次の作が楽しみです。
太田忠司氏の『紅の殺人』を読了。男爵との対決が見物。お家騒動的な話をこの長さにまとめるうまさがにくいなあ。僕は男爵のような嫌らしい探偵が好きなので、独立して、新しいシリーズを書いてくれないかしらんなどと思いました。
[新刊]
光文社文庫の新刊からミステリー系を紹介します。
ミステリー文学資料館・編 『「黒猫」傑作選』 762円(蘇る推理雑誌(2))
斎藤栄 『日美子 天の橋立の殺人』 476円
阿刀田高 『恐怖特急』 629円
和久峻三 『ひまわり時計の殺人』 457円
土屋隆夫 『赤の組曲』 705円
2002.11.12-2
e-novels(2002年11月12日号(隔週火曜日更新)[Vol.133])が更新しました。
もう一冊、面白いアンソロジーが出ました。東雅夫編の耽美怪奇全集の最新刊ですが、その中で、津原泰水さんが200枚も、ある作家を主題に小説を書き下ろしています。
[新刊]
東雅夫・編 『耽美怪奇全集 村山槐多』 学研M文庫 1250円
2002.11.12
綾辻行人さんが精選した本格ミステリーのアンソロジーが出ます。Who? How? Why? What? Challenge!の5部門に分けてあるのが最大の特徴です。それぞれ「なるほど!」と膝を打ちたくなるような傑作短編が選ばれています。
同時に、恐怖小説のアンソロジーを宮部みゆきさんが、不思議な物語のアンソロジーを瀬名秀明さんが選んでいます。
読売新聞朝刊の光文社の広告を見たら、近い内に島田荘司先生のサイン会があるとのお知らせが載っていました。私も「行こうかな」と思いました。
[新刊]
綾辻行人・編 『贈る物語Mystery』 光文社 1700円
瀬名秀明・編 『贈る物語Wonder』 光文社 1700円
宮部みゆき・編 『贈る物語Terror』 光文社 1700円
2002.11.11
昨夜は、ついに「スター・トレック/DS9」の最終回。初めて見た日から長い年月でした。しかし、あっけない最後でものすごく不満です。変な宗教色が最悪。
で、続いて、「エンタープライズ」が始まりました。こちらはあまりとっつきの良くないキャストだったんで
(人物の顔や性格にメリハリがない)、たいして期待していなかったんですが、けっこう面白かったです。レギュラー放送も楽しみ。しかし、防御シールドがまったくなくて、深宇宙へ出ていくのはいくらなんでも無理では。でも、エンタープライズが発進する所は目がウルウルしました。やっぱり人類未到の地へ行かなくちゃね。
PDFファイル作り。
本日のクック様です。
2002.11.09〜10
e-novelsで出すPDA用PDFファイルに関する設定書や、PDA用の一太郎12書式の説明や、Acrobat
Reader for PocketPCの使い方などを執筆。さらに、それをHTML化。画面キャプチャーを貼るなどしているので、意外に面倒でした。
PDA(PocketPC2002)の画面で見る『宇宙捜査艦《ギガンテス》』は、こんな感じになります。
スキー・シーズンももう間近ということで、ビッグホーンにスキー・キャリアを取り付けようとしたのですが、金具が合いません。カーメイトのRV-INNOというスキー・キャリアです。オートバックスへワープ。金具を適合表で探したところ、この型のスキー・キャリア用の金具がありません(嘘! の次に、泣き!)。仕方なく、また新しいスキー・キャリアを買ってしまいました。車を買い換える度にスキー・キャリアを買い換えるのもずいぶん、不経済な話です。そして、新しいスキー・キャリアを取り付けたら、その金具は、前のスキー・キャリアの金具と同じ物でした。つまり、スキー・キャリアの取り付け部の形状の違いだけで、前の物は取り付かなかったわけです。金具さえ、あれば何てことはないのに(プン!)。
某局からテレビ出演依頼あり。もろもろの都合により、お断りしました。
収穫:少年少女世界SF文学全集7『地底世界ペルシダー』バローズ、あかね書房(箱付でないものを持っていたので、箱付を購入)。世界の科学名作4『宇宙探検220日』マルチノフ、講談社(残念、箱なし)。ボワロ&ナルスジャック『仮面の男』『女魔術師』創元推理文庫。
2002.11.08
ウィルスバスター2003の不具合の件でトレンドマイクロへ電話。「その件では苦情が殺到しています。2002に戻してください」とのこと。苦情が殺到しているなら、サイトの解りやすい所にその旨書いておけばいいのに。そうしたら、こちらの手間も省けるし、向こうだって応対する件数も減るでしょうに。
原書房から週明けに刊行になる『増加博士と目減卿』の見本刷りが到着。書き下ろし200枚を含む《ふえる》シリーズの連作短編集です。早い所は9日くらいから店頭に置かれるかもしれません。
2002.11.06
12月にカッバノベルスから刊行になる、黒田研二氏との合作『千年岳の殺人鬼』のゲラ校正。仕上げてビーム転送。
PocketPC用PDFファイルのひな形作り。一太郎12による書式をほぼ完成。
[新刊]
内田康夫 『不知火海』 講談社ノベルス 933円
西尾維新 『サイコロジカル 上・下』 講談社ノベルス 上840円、下880円
2002.11.05
「緋の魔術王」を書き上げてビーム転送。『魔術王事件』は、これを含まないで、あと2回で完結の予定です。
トレンドマイクロの「ウィルスバスター」を2002から2003にバージョンアップしたら、パソコンが落ちまくりです。ファイアーウォール機能のみ削除したら安定したので、これが何か悪さをしているようです。
[新刊]
甲影会 『別冊シャレード67号 山沢晴雄特集6』
2002.11.04
「緋の魔術王」の原稿のめどがようやく立ったものですから、初日(土曜日)に行けなかった所沢駅前の彩の国古書展へ行ってきました。ですが、まったく何の収穫もなし。クリンゴン人の絨毯爆撃にやられた戦場跡のようでした。
「ダ・ヴィンチ」12月号の原書房の広告(78頁)に、『増加博士と目減卿』の自己宣伝文を書いています。
[新刊]
法月綸太郎 『ノーカット版 密閉教室』 講談社 2300円
高田崇史 『試験に出ないパズル』 講談社ノベルス 820円
西村京太郎 『午後の脅迫者』 講談社ノベルス 790円
2002.11.02
原書房の「本格ミステリ・ベスト10 2003'」への投票と近況をビーム転送。
投票の方は、前述の六作から一作だけなくなく落として……残念です。
楳図かずお先生の『イアラ』の愛蔵本が出ました。小学館、4800円。新編集の決定版です。
また、小学館のフラワーコミックスデラックスからは、西谷祥子先生の『花びら日記』714円と『奈々子の青春』552円が出ています。
どちらも傑作ですので、マンガファンはぜひ買うように――艦隊司令です。
2002.11.01
「サスペリア」用の原稿と、河内実加さん画の『歯なしの探偵』の後書きを書き、亜空間通信で発送。
河出書房新社『江戸川乱歩と少年探偵団』(らんぷの本、1500円)という本を発見して同化。連載当時の挿絵がたくさん見られるのが良。
SANTANAの「SHAMAN」とCHRISTINA AQUILERAの「STRIPPED」という新譜を発見して同化。どちらもけっこう満足。