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不定期日記(過去ログ)

2002年09月



2002.09.30
『宇宙神の不思議』(角川書店)の刊行は少し遅れます。見本刷りが今週中にできあがるということなので、書店には来週早々に並ぶのではないでしょうか。どうぞよろしく。
 なお、『増加博士と目減卿』(原書房)は、11月上旬刊行を目指して進行中です。
 徳間文庫版『諏訪湖マジック』は、早ければ10月5日頃に書店に並びます。

 創元推理短編賞受賞作『昆虫記』を読了。かなり物語ってくれる作品で、雰囲気も良し、です。

 収穫:小泉喜美子『女は帯も謎もとく』トクマノベルズ。カー『ジュニア版世界の名作推理全集15 古城の連続殺人』秋田書店(新カバー、これで新・旧が揃い)。

2002.09.29
『家蠅とカナリア』は、27日に読了ずみ。とてもいいです。心理的証拠と物的証拠が過不足なく配分されていて、それが結末の犯人特定の際にみごとに結集します。できれば、殺人場面にトリックがあればなお良かったと思います。『暗い鏡の中に』より上。ヘレン・マクロイをすっかり見直しました。

「持っているけど読んでなかった本を読了したぞコーナー」第一弾は、『私のすべては一人の男』ボアロー・ナルスジャック。勘違いフランス・ミステリーの代表作家の作品だけに、今回も、テレビのできの悪い二時間ミステリー・ドラマのような内容でした。結末に何のひねりもなてくすぐに検討がついてしまったし、臓器移植も、当時はともかく、今となってはね、です。

2002.09.28
 午前10時に新宿の紀伊国屋書店へ。一階に単行本が移動してしまい、二階に新書や文庫があるので不便です。ここで晶文社ミステリのアントニィ・バークリー『ウィッチフォード毒殺事件』を発見して購入。同時にバークリーが二冊も出るなんて。何て良い時代になったんでしょう。

 午前11時。芦辺拓さんと喫茶店で、これまでの本格推理のこと、これからの本格推理のことを、あれこれと話し合いました。
 芦辺さんによる、鮎川先生の訃報から葬儀までの経緯が、芦辺倶楽部掲示板に書かれています。

2002.09.27
 本日は第12回鮎川哲也賞のパーティーということで、出席のために家を後にしました。鮎川先生のご逝去に伴い、これが鮎川先生御本人による最後の選考になります。思い返せば十三年前、第一回鮎川賞の時、受賞者の芦辺拓さんと一緒に、戸川さんに連れられ、鎌倉へ出かけたのが、鮎川先生にお会いした初めての時でした。それから、何度か、先生と一緒に鎌倉を歩き、花見や梅見にも行きましたが、その時の思い出はいつまでも忘れられないと思います。

 さて、まずは高田馬場で下車。芳林堂書店で国書刊行会の世界探偵小説全集第3期第一回配本アントニー・バークリーの『レイトン・コートの謎』を購入。晶文社ミステリからもバークリーが出ているはずが、ここでは発見できず。見たら、今月の「SFマガジン」はSFミステリ特集ということでこれも購入。実は、「SFミステリ」という言葉や本に滅法弱いんですよね。拙著『宇宙捜査艦《ギガンテス》』も紹介していただき、ありがとうございます。

 次に護国寺の光文社ビルへ行き、本格ミステリ作家クラブの執行会議。来年は執行会議委員の選挙がありますので、その準備の開始が議題の一つ。

 午後5時。タクシーで飯田橋の某ホテルへ。
 少し早く着いたので、パーティー会場の前で、探偵小説研究会の面々と立ち話。すると、ドアの前に、20年前に出た『武部本一郎画集』が置いてあり、復刻の予約を取っていました。すぐに名前を記入しました。20年前の定価が25000円で、今度の復刻が22000円ですから、物価上昇分を考えるととても安くなっています。というか、20年前はそんな高いものは買えなかったわけです。そんなことより、武部本一郎氏の素晴らしい絵が大判の画集で手に入るのですから、逃す手はありません。

 午後6時。授賞式とパーティーが開始。鮎川先生の追悼ということもあり、会場は人であふれています(去年から混んでいましたが)。みんな、鮎川先生がここにいらっしゃらないことをたいへん悲しんでいます。
 まず、戸川会長から鮎川先生の訃報が知らされ、黙祷。
 次に、鮎川賞の授賞式。
 受賞者は後藤均氏。受賞作は『写本室の迷宮』。
 はっきり言って、この方のスピーチは長くて閉口しました。その上、半分以上が自分の経歴の自慢。経営コンサルタントか何かをされていたそうですが、官僚とかエグゼクティブなサラリーマンによくいるタイプですね。経歴が自分の価値そのものだと思い込んでしまう奴。まあ、作品評価とは別のことですが。

 私は結婚式であれなんであれ、長ったらしいスピーチが大嫌いです。その意味では、推理作家協会賞の時の東野圭吾氏のスピーチが最高でしたね。なにしろ、無言でピースサインをしただけでしたから。
 短編賞は、『昆虫記』の山岡都氏。こちらのスピーチはちょうど良い長さでした(笑)。
 講評は、鮎川賞が笠井潔氏。短編賞が綾辻行人氏でした。

 で、歓談タイムですが、人が多いので、それぞれの人とじっくり話をする暇もない有様。いっそうのこと、ホテルを借り切り、二日間ぐらいに渡ってコンベンション(大会)形式でやってくれないかしらん。
 森英俊さんからは、鮎川先生の思い出話をした後で、「東北のほんだらけがいいですよ」と新情報をいただく。石井女王様が変名で潜り込んでいるのを発見。東京創元社の編集者が追いかけるも、まんまと逃げられてしまいました。

 午後8時から、某所で「本格ミステリ・マスターズ」会議。そのため、二次会に出られず、ちょっと残念。

 午後12時。新宿のホテルで就寝。

後藤均氏 山岡都氏


2002.09.26
 たいへん悲しいお知らせです。
 日本のミステリー界に多大な功績と足跡を残された本格推理小説の驍将・鮎川哲也先生が逝去されました。生年などは長いこと伏せられていましたが、83歳だったとのことです。葬儀・告別式などは、ご本人の生前の意思により、特に行なわれないとのことです。
 鮎川先生は、『ペトロフ事件』『黒いトランク』『黒い白鳥』『死のある風景』『風の証言』『りら荘事件』他の長編や、「赤い密室」「青い密室」「誰の死体か」「達也が嗤う」等の短編を数々執筆し、その緻密で論理的な作風と、独創的で鮮やかなトリックによって、多くの読者を魅了してきました。また、鉄道ミステリー等のアンソロジーの編纂にも力を入れ、歴史に埋もれた作品や作家を数々発掘してきました。さらに近年においては、長編公募の鮎川哲也賞、短編公募の「本格推理」の選考等を通じて、多数の推理新人を世に生み出してきたのです。私も長い間のファンとして、また、鮎川哲也賞を通じてデビューした後輩作家の一人として、鮎川先生には多大な恩恵を受けてきたと考えています。
 鮎川先生、本当に素晴らしい作品をありがとうございました。そして、いろいろとお世話になりました。
 心から、ご冥福をお祈りします。

2002.09.25
『家蠅とカナリア』を読書中。なかなかよろし。ただ、人物関係の中に事件があるタイプ(1940年代の英米新本格)ですので、やや読みづらい感じがします。また、いかにも翻訳本的な体裁も、もう少し親切にしてくれたらと思いました。たとえば、長々とした地の文があって、会話が改行されずに繋がっている箇所がずいぶんと多いのですが、完訳とはいえ、そういう部分は訳者が改行するなど、親切に手を入れてもいいのではないでしょうか。

 創元推理文庫の合本版『火星の古代帝国』の帯の裏に、たいへん嬉しいことが書いてありました。何と、昔出ていた『武部本一郎画集』を新装版で復刊するかもしれないというのです。その条件が、事前予約が300部以上になったらというものです。予価22000円。詳しくは帯裏をごらんあれ。
 岩崎書店から昔出ていた全3巻の武部本一郎の画集が、古書価で3万ほど。ちょっと悩むところです。

[新刊]
 エドガー・ライス・バローズ 『火星の古代帝国』 創元SF文庫 1800円(合本版 火星シリーズ第4集)

2002.09.23
 高田崇史氏の『試験に敗けない密室』を読了。『QED』シリーズの方が好き。

 テレビ・ドラマの『7デイズ』と『ローン・ガンメン』が終了してしまいました。『ローン・ガンメン』はたった13回(笑)。前者のチープさ。後者の馬鹿馬鹿しさが好きだったのに。

[新刊]
 霞流一 『デッド・ロブスター』 角川書店 1300円

2002.09.22
 9月下旬刊行予定の新刊『宇宙神の不思議』の表紙はこんな感じです。イラストは川越幸子さんです。水乃サトルと武田シオンが、宇宙人による人類誘拐事件の謎に挑みます! (でも、SFじゃないです(笑))


2002.09.21
 e-novels(2002年9月17日号[Vol.129])が更新しています。

「別冊宝石」に抄訳が載ったっきりだったヘレン・マクロイの『家蠅とカナリア』の完訳が、創元推理文庫から出たので嬉しく思いました。当該「別冊宝石」は持っているのですが、あきらかに抄訳と解る少ない頁数だったので、結局読まずにきてしまいました。英米では一つのジャンルを形成している演劇ものということでも興味を惹かれる作品です。

 WindowsXPのSP1を導入。StyleXPのリビジョンアップが必要となったり、ATOK15のオンメモリ辞書が働かなくなったりと、やはり少しトラブルが起きてきます。今のところ、デメリットばかり。

[新刊]
 ヘレン・マクロイ 『家蠅とカナリア』 創元推理文庫 780円
 柄澤齊 『ロンド』 東京創元社 予価3300円+税(10月下旬発売予定)


2002.09.20
 秋田書店「サスペリアミステリー」11月号に、高森夜魚作画の「ビールの家の冒険」が載っています。とても格好いい水乃サトルに仕上がっています。

『宇宙神の不思議』のカバー・ラフの確認。派手で嬉しや。

 貫井徳郎氏、ライターの大地洋子氏と「作家の電脳書斎」をテーマに緊急座談会。

 北山猛邦『『瑠璃城』殺人事件』を読了。なかなかのにぎわいで楽しい部分もあり、しかし、異世界を舞台にしている点が作品の弱点となっていることは処女作と同じでは。

収穫:パイパー『夜明けの惑星』ジュニア版世界のSF・集英社、シムノン『メグレ夫人の恋人』角川文庫。

2002.09.19
 宝島の「このミス」へ、「私の隠し玉」アンケートを記入して回答。ビーム転送。まだ9月なので、ぜんぜん年末企画の実感が湧きません。隠しているものもほとんどありませんし。

『キラー・エックス2(仮)』は完成度90パーセント。最終チェックをしてもらうために、黒田研二氏の所へ原稿をビーム転送。手前味噌ながら、なかなかの作品だと思います。
 エラリー・クイーンがどのようにして合作していたか気になるように、僕と黒田氏がどのようにして共同で作品を書いているか、知りたい方も多いかと思います。基本的には内緒ですが、八ヶ岳に別荘を買ってくれたら、秘密をお教えします。

[新刊]
 光文社カッパノベルスの9月の新刊です。

 斎藤栄 『日美子の魔家族』 800円
 松本清張 『張込み』 848円
 平谷美樹 『呪海』 848円
 朝松健 『一休虚月行』 933円

2002.09.18
『宇宙神の不思議』の第三稿ゲラの確認。いよいよ刊行への秒読みが開始されました。

 佐藤友哉『クリスマス・テロル』を読了。『浦賀和宏殺人事件』を思わせるこのぼやきは何なんでしょうか。

2002.09.17
 殊能将之『樒榁』を読了。天狗の正体が愉快。「何かが何かに見える」という趣向の場合、このくらいの機知に富んでいてほしいですよね。

 推協の理事会と乱歩賞パーティーが帝国ホテルであるので出席。新宿で用事を片づけて到着した時にはもうヘトヘト。多摩地区に住んでいる私のような者には、銀座や日比谷は遠すぎます。
 理事会では、図書館問題がかなりの時間を取って話し合われました。図書館問題は複雑であり、いろいろな利害関係があるので、簡単には結論が出ません。個人的には、図書館が作家の利益を損なっているという観点よりも、著作権そのものを軽んじている点が不満です。



理事長・逢坂剛氏の挨拶
 
受賞者・ 三浦明博氏の挨拶
  
北方謙三氏による乾杯の音頭


黒田研二、太田忠司、二階堂黎人、我孫子武丸

[新刊]
 鮎川哲也 『死のある風景』 創元推理文庫 860円(解説は麻耶雄嵩氏。これが秀逸!)
 日本推理作家協会編 『江戸川乱歩全集13 原子炉の蟹/写楽殺人事件』 講談社文庫 1190円
 日本推理作家協会編 『江戸川乱歩全集14 黄金流砂/焦茶色のパステル』 講談社文庫 1190円

2002.09.16
 ビッグホーンを購入して三ヵ月。そして、先週のことです。ダッシュボードのメーターを見ていたら、ドアをあけても、半ドア警告灯が点かないことに気づきました。各種警告灯の中で、一ヵ所だけエンジンをかけた時に赤く光らない部分があります。それで、いすゞのディーラーに持ち込んで見てもらうことにしました。
「あのお、半ドア警告灯が点かないんです」「あ、じゃあ、すぐにサービスに診させます。ちょっとお待ち下さい」
 待つこと10分。フロントの人が戻ってきて、困ったような顔をして、「お客様。申し訳ありませんが、この車には、半ドア警告灯がないみたいなんです?」「え? どういうことですか」「最初からないようなんですよ」「そんな馬鹿な。前は点いていましたよ」「でも、配線も確認したんですが」「僕は二十年間も車に乗っていますが、半ドア警告灯のない車なんて見たことありませんよ。あなた、そういう車に乗ったことがありますか」「さあ、あまり注意して見たことがないので……」
 それで、二人でマニュアルを見たり、いすゞのお客様センターに電話したりして、何と、確かにこの車のメーターには、半ドア警告灯がないことが解ったのです。
 そんな!

 氷川透「追いし者追われし者」読了。真の解決より、偽の解決の方が面白かったのですが……。
 それから、この作品に限りませんが、新本格第三の波(あるいは、笠井さん曰く脱格派)の大方を占める「《君と僕》派」(二階堂命名。君とか僕のことばっかり書いてあるから)は、やはり私の趣味に合いません。君とか僕に関する(あるいは、その周辺も含む)情報小説というのは、確かに共通認識としての共感を呼びやすいのかもしれませんが、知らないことや、何事かに関する想像に秀でた小説を読みたいという私の欲求をまるで満たしてくれないからです。

2002.09.15
『アジモフ自伝』を読了。アジモフ(呼び方は、アシモフよりアジモフの方が良いと思います)って、バルカン人のスポックみたいな律儀な性格。

『最後の記憶』を読了。題名からして、途中より、もしや?って思っていたのですが、このもしや?が的中(ニヤニヤしたり、困ったなあと思ったり>ね、角川のM嬢さん)。バッタはまったく解りませんでしたけど。
 ただこの本、1頁の行数が21行ありますが、18行くらいにした方が良かったのではないでしょうか。行の下の方に配置した文字列が、『囁き』シリーズほど、版面的に効果を上げていないように思います。

 9.12の日記に誤りがあったので訂正と補足をします。シュリケンには、[アカウント設定]−[高度]−[POP before SMTP]があります。しかし、これを設定しても、私の通信環境では、メールを送れないことがあります。この原因は、CATVインターネットの方で、他のプロバイダーのアカウントからのメール送信を許容していていなからのようです(スパム・メール発信を阻止するため)。ですが、EdMaxだと、今のところ、問題はありません。
 また、シュリケンにないのは、「SMTP(送信メール)サーバの認証設定」でした。そして、これがないため、ニフティの「ウイルスバスター for @nifty Mail 」の送信設定ができないのでした。まあ、この分は、パソコンにインストールしてあるウイルスバスターで対処できるので良いのですが。

2002.09.14
 光文社のミステリー雑誌「ジャーロ」の2002年秋号は創刊2周年特大号。第2回本格ミステリー大賞の授賞式の模様が写真付きで公開。また、有栖川有栖、麻耶雄嵩、柴田よしき、E・D・ホックらの短編読み切りの他、巻末特集に「密室大全」まであります。密室ものの面白さをひもとき、歴史の開設、未訳作品の紹介まであります(ぜひ、翻訳してくれえ!)。1500円。
 さっそく、鯨統一郎氏の読み切り連載「ミステリアス学園」を読了――ううむ。この死因! なるほど、やられました! 千街晶之氏と末國善己氏の評論も力がこもっていて、題材的にも納得もの。

[新刊]
 篠田真由美 『灰色の砦』 講談社文庫 752円(建築探偵シリーズ)
 田中芳樹 『春の魔術』 講談社ノベルス 760円

2002.09.12
 メーラーをJUSTのシュリケンから、Esize="-1"dMaxに完全に乗り換えました。CATVインターネットを使っている関係上、「ニフティには他プロバイダーから入る」ということになるわけで、そのためには、メーラーの設定に「POP before SMTP」が必要なのですが、シュリケンにはなかったからです。シュリケンを使っていて、時々メールが送れないことがあり、不便だったので変更しました。あと、ログがテキストで保存されるのも安全でいいですね。

『アシモフ自伝』と『最後の記憶』を同時に読書中。

 10周年記念クイズです。次の写真を見てください。私は「どこで」「なにを」手にしているのでしょうか。先着正解者1名に何かを送ります。答は[掲示板]に書き込んでください。推測も歓迎(笑)。


2002.09.11
 所沢の駅前で開催される「彩の国古書展」へ。途中、××文庫とブックスいとうと喜国さんの家へ寄るも何の収穫もなし。会場では、森英俊さんとカーに関する打ち合わせの立ち話を少々。それから,石井さんとも遭遇。偕成社の『ベルヌ名作全集』を一冊見つけたのが一番の収穫。
 その後、「ほんだらけ」の横にお風呂屋ができたと喜国さんから聞いていたので、「狸 自然湯」という所に寄り道。温泉ではないのがちょっと残念。胃の不調から腰が痛かったので、マッサージを頼みました。ついでに「ほんだらけ」に立ち寄りましたが、何の収穫もなし。

 収穫:『新版横溝正史全集 全18巻』。『ジュニア版世界のSF 宇宙大作戦』集英社。『アシモフ自伝 全4巻』早川書房。『獄門島』白背初版、『刺青された男』角川文庫。『ベルヌ名作全集 地底の探検』偕成社。『21世紀マンガ読本』21世紀社。

[新刊]
 『別冊シャレード70号 天城一特集7』甲影会

2002.09.09
『白銀荘の殺人鬼』(彩胡ジュン名義、愛川晶、二階堂黎人共著)、『キラー・エックス』(クイーン兄弟名義、黒田研二、二階堂黎人共著)と続いてきた《スキー・サイコ》シリーズですが、今年もやります。クイーン兄弟プロジェクト第二弾『キラー・エックス2(仮題)』がそれです。もちろん、メフィスト賞作家黒田研二氏と私の合作。12月カッパノベルスより刊行予定ということで、鋭意執筆中。完成度65パーセント。
 これまでの作品。《スキー・サイコ》シリーズというわりには、スキー場やスキーをする場面が少ないという苦情が寄せられていましたが、今回は違います。スキー雑誌も真っ青になる本格的なスキー・ミステリーです。
 乞うご期待!

 収穫:ドムーゾン『13の謎』晶文社

[収穫]
 光文社文庫の今月の新刊かの中からミステリー系を紹介します。

 井上雅彦・編 『キネマ・キネマ』 876円(異形コレクション)
 土屋隆夫 『天国は遠すぎる』 686円(新装版)
 太田蘭三 『殺人理想郷』 590円
 赤川次郎 『濡羽色のマスク』 514円
 斎藤栄 『二階堂警視の火魔』 514円
 柄刀一 『4000年のアリバイ回廊』 781円
 笹沢佐保 『十九歳の葬式』 552円
 若竹七海 『ヴィラ・マグノリアの殺人』 648円
 宮部みゆき 『クロスファイア 上・下』 各590円

2002.09.08
 光文社文庫の短編推理小説募集『新・本格推理(3)』の締め切りが迫ってきました。締め切りは今月末です。皆さん、どんどん応募してください。
 何しろ、最終選考委員は私一人です。私一人を感心させる作品を書けばいいのですから簡単ですね。その上、8本くらいの作品が採用されますから、他の賞に比べたら、ずっと当選確率が高いわけです。
 意欲的な作品をお待ちしています。「新・本格推理」募集要項
 この賞からは、北森鴻、柄刀一、田中啓文、加賀美雅之など、そうそうたるメンバーが世に出ています。作品が採用されていると、カッパノベルスでの長編賞《カッパ・ワン》での執筆の機会も与えられます。今、推理小説作家になるもっとも早道がこれかもしれません。

2002.09.07
「ダ・ヴィンチ」10月号の《ミステリー・ダ・ヴィンチ》コーナーで、本格ミステリ・マスターズの特集をやっています。

 相変わらず、ウィルスやスパムに感染したメールが来ます。その度に、パソコンにインストールしてある「ウィルス・バスター」が危険を知らせてくれます。これまで、メールの送受信は、ニフティのパソコン通信形式でやっていました。一応、シュリケンやMdMaxなども使ってはいるのですが、パソコン通信形式の方が便利だし確実性が高いので、インターネット・メールに完全に切り替えてはいなかったのです。
 しかし、あんまりウィルスがうるさいので、ニフティの方でやっている「ウィルス・バスター for mail」というのにも入ることにしました。これに入っておけば、プロバイダーの方で、ウィルス・メールをブロックしてくれます。つまり、自分のメーラーまで、そういう変なメールが届かないわけです。二重のチェックです。このくらいしないと、ウィルス感染は防げませんね。
 ただ、「ウィルス・バスター for mail」に入るには、ニフティの方の設定を、旧ニフティ会員から 新ニフティ会員に変更しなければなりません。それから、そうすると、パソコン通信形式でメールの送受信ができなくなくなります。それは困ります。何日も思案してから、変更することにしました。
 ところが、その結果、パソコン通信までできなくなってしまったのです。失敗でした。ニフティのサイトからインターウェイ形式でフォーラムに入ることはできますが、以前のように簡単に巡回することはできません。よく調べなかったため(というか、そんなこと、どこにも書いてなかったぞ)、失敗しました。

2002.09.06
 宇宙艦隊の立て直し度は60パーセント。今回の敗戦による撤退では、急なキャンセルをするなど、関係者にご迷惑を掛けました。陳謝。

 映画「インソムニア」のパンフレットに推薦文を書いています。

 第三の波”新本格ミステリ”15周年を記念して、探偵小説研究会・編著による『本格ミステリ・クロニクル300』が発売になります。作家の特別寄稿もあり、私もエッセイを寄せています。綾辻さんのデビュー作から今年の話題作まで、300冊のレビューが載っているという、まさに新本格推理がこれ一冊で解る百科事典のような本です。週明けから本屋に並ぶと思われます。
 1997年に、山口雅也さん監修の『ニューウエイブ・ミステリ読本』が企画に上がった時は、 まだ新本格推理に関する評論を書ける人が少なく、誰に執筆を依頼するかけっこう悩みもあったと聞きます。しかし、今は、探偵小説研究会が立派にその責務を果たしています。この本は、作家の紹介でもあると共に、こうして見事に育った彼ら評論家の紹介でもあるわけですね。
 三百冊の内、私が読んでいない本は10冊でした。

『新・スタートレック/第2シーズン』のDVDボックスが到着(今回は発売に到着)。今シーズンにおいて、宿敵ボーグが出てくるんですよね。

[新刊]
 篠田真由美 『幻想建築術』 祥伝社 1900円
 探偵小説研究会・編著 『本格ミステリ・クロニクル300』 原書房 1200円(第三の波”新本格ミステリ”15周年!)

2002.09.04
 一昨日の夜、ボスコーンに負の球体爆弾で攻撃され、宇宙パトロールは壊滅状態。何とか亜空間通信のみで生き残りう探している感じ。

『ふたりのシンデレラ』を読了。結末は綺麗に収まったけれども、鯨統一郎氏の作品にはもっと変なことを期待していました(笑)。

[新刊]
 石黒燿 『死都日本』 講談社 2300円(第26回メフィスト賞。今回も単行本です)
 コニー・ウィリス 『航路 上・下』 ソニー・マガジン 予価各1800円(9月28日発売予定)
 北森鴻 『触神仏』 新潮社 1400円(蓮丈那智フィールドファイル2)

 今月の講談社ノベルスの新刊です。今月は密室本が2冊も。

 蘇部健一 『木乃伊男』 760円(密室本)
 秋月涼介 『迷宮学事件』 760円(密室本)
 倉知淳 『猫丸先輩の推測』 840円
 森博嗣 『赤緑黒白』 980円
 椹野道流 『隻手の声』 780円

2002.09.02
 e-novels(2002年9月3日号[Vol.128]が更新しました。

 なんか雑用がいっぱい。一日の内、半分はメールを書いているよう。

 読書は、鯨統一朗氏『ふたりのシンデレラ』に突入。

[新刊]
 新津きよみ 『ルーム』 実業之日本社ジョイ・ノベルス 838円

2002.09.01
 気が付いたら、デビューしてから十年が過ぎていました。作家生活11年目に突入です。これもひとえに、読者(ファン)の皆さんの応援のおかげです。ありがとうございました。これからも、私並びに本格推理小説への声援をよろしくお願いいたします。

 江戸川乱歩の『正・続 幻影城』とか、鮎川哲也先生の『本格ミステリーを楽しむ法』とか、山口雅也さんの『ミステリー倶楽部へ行こう』とか、本格推理作家が、大好きな本格推理小説について語った本を読むのが楽しくて仕方がありません。私にとって、それらの本はバイブルにも等しいのですが、ここに新たな仲間が加わりました。有栖川有栖さんの新刊『迷宮逍遙』がそれです。有栖川有栖さんの本格推理小説にかける愛、そして、懐の深さと広さがたいへんよく解る名著です。

 そうかあ、綾辻さんの長編は7年ぶりですかあ。

「週刊文春」に『魔神の遊戯』の書評を、「サンケイ新聞」に『僧正の積木唄』の書評を書いて、ビーム転送。

[新刊]
 綾辻行人 『最後の記憶』 角川書店 1600円
 有栖川有栖 『迷宮逍遙』 角川書店 1400円







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