ライン

不定期日記(過去ログ)

2002年04月



2002.04.26
 DELLフライヤー2のセットアップもだいたい終了。さすがに最近は、パソコン環境の移管についての方法論が自分の中で確立してきたので作業が早くなりました。
 新しいマシンの体感速度は、前機種の1.3倍というところでしょうか。少し期待はずれです。
 わけのわからないのが、無線LANを組んだところ、「ネットワーク接続」で、「MAC ブリッジ・ミニポート」というネットワークブリッジが生じて、「ローカルエリア接続」の代わりにこちらが機能していること。これって何? マイクロソフトのサイトで検索すると、次のような説明が。「メディアアクセスコントロール (MAC) ブリッジ. MAC ブリッジは 1 つのセグメントから他のセグメントへのフレームの転送による複数のセグメントのネットワークのネットワークセグメントを相互に連絡します」ですって。それってどういう意味? これって何語? 書いている人は中身を理解しているの?

 その合間に、ノートパソコンの方で原稿書き。白泉社文庫の『パタリロ!』の巻末エッセイを執筆して、小型輸送艦を打ち上げました。

2002.04.25
 池袋のジュンク堂書店で、5月25日(土曜日)に、今月、カッパノベルスでデビューした「本格推理」出身作家のトーク・セッションがあります。司会は私がやります。この4人に会いたい方は、ジュンク堂へ。人数限定ですので、お早めに予約ください。

 石持浅海 『アイルランドの薔薇』 781円(西澤保彦・推薦)
 林 泰広 『The unseen  見えない精霊』 781円(泡坂妻夫・推薦)
 東川篤哉 『密室の鍵貸します』 800円(有栖川有栖・推薦)
 加賀美雅之 『双月城の惨劇』 952円(二階堂黎人・推薦)

 突発的に、DELLからディメンジョン8200を購入(「DELLフライヤー2」と名付ける)。CPUはペンティアム4の2.2GHz、メモリは526MB、HDDは80GB。内蔵セカンドHDDやDVDドライブやZIPドライブ等は、前の「DELLフライヤー」から流用する予定。

2002.04.24
 よしだまさし氏地方をはじめ、日本全国で人気沸騰中の「コミック伝説マガジン」第6号(実業之日本社、680円)が発売になりました。あまりに好評のため、前回までの平綴じの雑誌から、角背の分厚い雑誌に変貌しました。しかも、本誌から続く『宇宙エース』の付録付きという憎い趣向です。他にも、『8マン』、『光速エスパー』、『デロリンマン』などという懐かしい名前が並んでいます。私も今回から、「手塚治虫調査ファイル」というエッセイを連載することになりました。

 朝一番で、運良くメルコのインフォメーションセンターが捕まったので、無線LANの不調を直すためいにいろいろとやっみました。3台のパソコンそれぞれからPINGが通るかどうか確かめたり、IPアドレスを再設定したり、結局、どれもうまくいかず、無線ステーションの故障という結論で、それを修理に出すことになりました。ところが、夕方になり、自分一人で再設定を行なっていたところ、デスクトップからノートだけは見えるようになり、さらにいろいろと手を加えていたら、何とかLANが回復したのでした。どんな理由で無線LANが通じなくなったのか、また、どんな理由で復旧したのか、ついに解らずじまいでしたが、今は正常に戻りました。一日まる潰れです。
 ただ、これまでの経験で解ってきたのは、プロバイダーのサーバーがメンテナンス等で落ちてしまうと、パソコン側のLANの再設定がどうやら必要ということ。なんか理不尽な話です。

2002.04.23
 CATVのプロバイダーがメンテナンスで落ちていた関係で、復旧した後も、インターネットに繋がりません。昼まで待ってもだめないで、CATVに電話をしてみると、とうに開通しているとのこと。それで、CATVモデム、メルコの無線ルーター、有線ルーターの電源を一度落とし、再投入。しばらくすると、インターネットに繋がるようになったのはいいのですが、今度は、パソコン間通信ができなくなってしまいました。設定は何も変えていないのに何故? あれこれ対処してみるも、症状に変化なし。忙しい時に限って、こんなことになるんですから、パソコンは困りものです。

 秋田書店の「サスペリアミステリー」の原稿を書き、小型宇宙輸送船で発送。今回は、関谷ひさしさんの描いた『地獄の道化師』(原作・江戸川乱歩)を取り上げました。

 早川書房の文庫担当の編集さんより電話をいただきました。『三つの棺』の誤訳箇所を確認してもらい、次回重版時より訂正してくださるそうです。ついでに、『死者のノック』にも重大な誤訳があることを告げておきました。

[新刊]
 早見裕司 『Mr.サイレント 仮想世界の優しい奇跡』 富士見ミステリー文庫 500円
 飛鳥部勝則 『バラバの方を』 トクマノベルズ 914円
 浦賀和宏 『こわれもの』 トクマノベルズ 800円

2002.04.21-2
 本格ミステリ作家クラブ員の方々への業務連絡。
 第2回本格ミステリ大賞の投票締め切りは5月7日(消印有効)です。クラブ員の一票一票で作る賞ですので、ぜひ投票をお願いします。

 創元推理文庫から、探偵小説研究会・編著の『本格ミステリこれがベストだ! 2002』が出ます。昨年のこれは、原書房の『本格ミステリ・ベスト10』の二番煎じでつまらない内容でしたが、今回は違います。評論・解説という本来の仕事の面で、執筆者たちの本領が発揮されています。一読の価値あり。
 小森健太朗氏が、クリスティーの『シタフォードの謎』のアンフェアな書き方について弁明している興味深い論考があります。しかし、ほとんど説得力がありませんね。では、何故、犯人はベルを鳴らした後に、2、3分もそこでドアが開くのをそこで待っていたのですか。ベルやノッカーに指紋を付けるためなら、何度もベルを押したり叩いたりする必要もないし。小森氏には、ぜひ、この点にもついても説明をお願いしたいですね。
『スリーピング・マーダー』の時制の書き方を見ても解るとおり、クリスティーというのは随所にアンフェアな作家だというのが、私の常々からの主張です。

[新刊]
 探偵小説研究会・編著 『本格ミステリこれがベストだ! 2002』 創元推理文庫 400円
 ミネット・ウォルターズ 『囁く谺』 創元推理文庫 1100円(文庫オリジナル!)

2002.04.21-1
 ポール・アルテの長編『第四の扉』を読み終わりました。結論から言いましょう。「面白い!」。たぶん、私もそうですが、どうせフランスのミステリーでしょう、なんて侮っている人が多いと思います。ですが、まったくそんなことはありません。まるっきりディクスン・カーです。いや、カーとクレイトン・ロースンを足して2で割った感じです。カーより文章かくだけているので読みやすいし、次々に怪奇的な事件が起き、それが綺麗に解決されます。
 フランス人作家のくせに、登場人物は全部イギリス人で、舞台も第二次大戦後のイギリス。探偵のアラン・ツイスト博士は、カーのフェル博士を痩せさせたような人物です。もちろん、アルテの作品はほとんどに密室殺人が出てくるそうです。『第四の扉』にも、密室と足跡のない殺人、降霊術、幽霊なんて出てくるわけで、好きな人にはこたえられん! という状態です。
 もう、私は、アルテを全部読まないと死ねません。今年は、ミステリー界にアルテ・ブームが起こるのは必至です。来月、この本はポケミスで出ますが、絶対に買って損はありません。《フランスのカー》に注目を!
 殊能将之氏のウェブサイトに、アルテの読書感想が出ています。

2002.04.19-2
 ハヤカワミステリ文庫が、「読者への挑戦フェア」を行なっています。山田正紀さん、芦辺拓さん、西澤保彦さんが選んだ推薦作その他が、大きな本屋では平積みで並んでいると思います。ディクスン・カーでは、『三つの棺』と芦辺さん一押しの『火刑法廷』がラインナップにあります。
 これに合わせて、歴史ミステリーの傑作『喉切り隊長』が重版されましたが、よく見てみると、活字も大きなものに変えて版を組み直してあります。単なる重版ではなく、これは改版ではありませんか。早川書房もなかなかやるものです。
 その一方で、『三つの棺』は第15刷を数えていますが、私や森英俊氏が前々から指摘している誤訳部分が相変わらず訂正されていません。これに関しては、昔、3回ほど早川に訂正してくださいとお願いをしたのですが、何故か直してくれません。不思議です。今回、もう一度、その件について申し入れをするつもりです。結果はまた、この日記で御報告します。

2002.04.19
 日本推理作家協会のソフトボール大会に出席。ちょうど「KADOKAWAミステリ」のゲラ著者校を角川の編集さんに渡す都合があるので好都合でした。野球なんて20数年ぶり、いや、30年ぶりかも。3試合行ない(7回、7回、5回まで)、第2試合はフル出場、第3試合は真保裕一監督に代打で行けと言われて途中から出場。第2試合は4打数3安打、第3試合は2打数2凡打という成績。守ったのはセンターですが、フライはまったく目測ができず、取れませんでした。
 それにしても、理事長の逢坂さんのバイタリティーには圧倒されました。3試合全部にスタメンで出て、打って守って大活躍。その上、ぜんぜん疲れた様子がないんですから、驚きです。

[新刊]
 『別冊シャレード64号 天城一特集(5)』 甲影会

2002.04.18
「月刊 ガラスの仮面」に載るエッセイの原稿を執筆。メール転送。たぶん、5月売り号に掲載されると思います。

 話題のウェブブラウザーのOPERAをインストールしてみました。確かに写真や画像が入ったサイトの表示は、IE6に比べて圧倒的に早くて快適です。しかし、表示された感じが若干異なるとか(フレーム区切りの太さが違ったり、文字の大きさが違ったり)、ツールバーに文字の大きさを変えるアイコンがなかったり、当サイトの掲示板で書き込みが表示されなかったりと、私の環境では若干の問題があります。

2002.04.16
 電脳小説家空間のe-novelsが新しく生まれ変わりました。トップ頁もますます使いやすくなっています。こちらからどうぞ。

[新刊]
 河内実加・画 『看護婦さんになろう!』 小学館 850円(まんが版仕事完全ガイド)

2002.04.14
 フランスのディクスン・カーこと、ポール・アルテの長編『第四の扉』がいよいよ5月にポケミスから出ます。そのゲラを「ミステリマガジン」編集長のIさんからいただく。もちろん、交換条件は、「ミステリマガジン」にアルテに関するエッセイを書くこと。でも、『第四の扉』を人より早く読めるんなら、ちっとも苦じゃありませんとも。

 収穫:志賀公江『ルルが風にのって 全2冊』集英社MC。鮎川哲也『材木座の殺人』双葉社。坂口安吾『私の探偵小説』角川文庫。リイ・ブラケット『赤い霧のローレライ』青土社文庫。ラリー・マードック『空飛ぶ円盤』創元SF文庫。

[新刊]
 赤川次郎 『三毛猫ホームズの仮面劇場』 カッパノベルス 762円
 日下三蔵編 『水谷準集 お・それ・みを』 ちくま文庫 1300円(怪奇探偵小説名作選3)

2002.04.12
 カーター・ディクスン(ディクスン・カー)の『読者よ欺かるるなかれ』の文庫版がとうとう出ましたね。これは、早川文庫が創刊された当時に予告が出ていたのに、何故かずっと刊行されなかったという不思議な本です。結局、20年振りぐらいで文庫されたわけですね。
 解説が泡坂妻夫さんというのがおいしいところ。そう言えば、先月出たクイーンの『スペイン岬の秘密』も解説が笠井潔さんでおいしかったですね。

[新刊]
 カーター・ディクスン 『読者よ欺かるるなかれ』 ハヤカワ文庫 760円
 
 迫光 『シルヴィウス・サークル』 創元クライム・クラブ 1700円(鮎川哲也賞の候補作だった作品)

 黒田研二 『嘘つきパズル』 白泉社MY文庫 705円(へえ、本当に白泉社から出したんだ。そうかあ……)
 如月香 『エンジェル&クラウン』 白泉社MY文庫 638円
 海月一史 『晴れ渡る青空の下でもう一度』 白泉社MY文庫 838円

2002.04.11
 ROMの「ROM」114号到着。今回はアリンガムとマクロイの特集。くぅー、中身が濃すぎますよお。

 講談社の「小説現代5月増刊号 メフィスト」が到着。特別定価1500円。今回も、私は、「黒の魔術王」という作品を書いています。『魔術王事件』の第2回なのです(結局、連載かい)。
 短編陣は、法月綸太郎、貫井徳郎、西澤保彦、倉知淳、物集高音、高田崇史、高橋源一郎(何と)他という豪華なもの。長編連載陣も、恩田陸の新連載の他、山口雅也、篠田真由美、竹本健治といった面々。もちろん、喜国雅彦&国樹由香のマンガも絶好調。

 新本格推理誕生満15周年の記念イベント「新本格ミステリ・フェフティバル」が予定されています。詳しくは「メフィスト」か、こちらのウェブサイトを御覧ください。私も体調が良ければ参加します。

 収穫:佐賀潜編『ミステリー入門』青春出版社

2002.04.10
 昨日は、終日、『二階堂黎人が選ぶ! 手塚治虫SF傑作集 時間旅行者編』の解説を執筆。

 少し前に、国書刊行会のウェブサイトで、「世界探偵小説全集 第4期(6月刊行開始予定)」のラインナップが明らかになりました。このシリーズ、本当にありがたい本で、毎日本棚に並んでいるものを私は拝んで拝んでいるくらいです。
 次は、『大聖堂は大騒ぎ』エドマンド・クリスピン、『ストップ・プレス』マイクル・イネス、『悪魔の足跡』ノーマン・ベロウ、『屍衣の流行』マージェリー・アリンガム、『背後の殺人者』ハリントン・ヘクスト、『レイトン・コートの謎』アントニイ・バークリー、『塩沢地の霧』ヘンリー・ウェイド、『魔法人形』マックス・アフォード、『割れた蹄』ヘレン・マクロイほか。とのこと。
 出るのは非常に嬉しいのですが、私的には、クリスピンやイネスやアリンガムはもういいだろう、という感じです。はっきり言って、いくら読んでも、この人たちの本は退屈なだけです。他にもっと訳してほしい本がたくさんあるんですが。たとえば、フィールディングの『停まった足跡』とか、カーの『蝋人形館の殺人』の完訳とか、スチュウアート・タウンの中編集2冊(クレイトン・ロースンの別名義)とか。

 島田先生の新刊『ミタライ・カフェ』が出ました。ここにある「創作クラブQ&A」は、本格推理小説を書くことを目指す人にはたいへん有益ですので、私が編んだ『新・本格推理 01&02』の檄文と共に参照してください。

[新刊]
 島田荘司 『ミタライ・カフェ』 原書房 1600円

2002.04.09
 今月中旬に発売になる光文社文庫の新刊の内、芦辺拓編『本格推理マガジン 少年探偵王』と、鮎川哲也先生の新装版『鍵孔のない扉』の見本刷りができてきました。前者は、芦辺さんがしばらく前から精魂込めて材料や資料を集めて編んでいたもので、江戸川乱歩、高木彬光、鮎川哲也らの単行本未収録少年探偵小説が収録されています。各編に、それらの成立事情に詳しい人の解説が付されているなど、探偵小説ファン歓喜の傑作アンソロジーと言えましょう。

[新刊]
 芦辺拓編 『本格推理マガジン 少年探偵王』 光文社文庫 857円(懐かしいけどおもしろい)
 鮎川哲也 新装版『鍵孔のない扉』 光文社文庫 667円

2002.04.08
 藤木稟さんの公式ウェブサイト『藤木稟Official Web Site』ができました。こちらです。貴重な情報が満載。

『ハムナンプトラ2』をビデオ鑑賞。1も面白かったですが、この2も面白いですね。

 内田善美の一番入手が困難な本をようやく獲得。美しいイラストだなあ。

 DVD-BOXで『海のトリトン』を購入。『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』のDVD-BOX同様に、見る時間がないのが悩みです。この『海のトリトン』で唯一残念なのが、最終回の絵がやたらに下手だったこと。放映時にもがっかりしたのですが、何で一番肝心なこの回だけ、こんなに手抜きだったんでしょう。

 収穫:内田善美『白雪姫幻想』朝日ソノラマ

2002.04.06
 そう言えば、河出文庫から鮎川哲也先生の新刊が出ているはずだと思い出し、立川の新星堂書店へ。おお、あった! 一冊のみ置かれています。「冷凍人間」という副題が付いていて、「さすが解っていらっしゃる、日下三蔵」と独り言で褒めてしまいました。
 ついでに、私の『ギガンテス』は棚に並んでいるだろうかと、ヤングアダルト文庫のコーナーへ。「おや?」角川のスニーカー文庫で変なものを見つけてしまいました。「密室レシピ?」「ええ、アンソロジーIII?」「あ、IとIIもある」ということで、それらも合わせて購入。そう言えば、誰かにこんなのが出るって聞いていたけど、すっかり忘れていました。豪華なメンバーではないですか。書き下ろし文庫ではもったいないのでは。

[新刊]
 古処誠二 『ルール』 集英社 1680円(メフィスト賞作家初の単行本書き下ろし)

 鮎川哲也 『鮎川哲也名作選 冷凍人間』 河出文庫 日下三蔵編 1260円
 折原一・霞流一・柴田よしき・泡坂妻夫 『密室レシピ』 角川スニーカー文庫 533円(ミステリー・アンソロジーIII。他に、『名探偵はここにいる』と『殺人鬼の放課後』がすでに発売中)

2002.04.05
 取材3日目。帰り支度をしてチェクアウトして、さっそく黒姫ゲレンデへ。ここは中級コースが一キロほど続くので、なかなか楽しめます(しかし、所々、土が見えかかった所もあります)。午前11時には上がってホテルへ戻ったのですが、それには訳があります。実はこの夜、文芸春秋社で、夏から刊行が始まる「本格ミステリ・マスターズ」の創刊記念決起集会パーティーが開かれるので、監修者の一人である私が参加しなければならないのです。それで、黒田氏等と別れて、先に帰ることになったのです。本当は、お昼に、蔵王のお餅屋さんでお餅を食べたかったのですが。
 この取材の模様は、黒田研二氏の日記にも書かれています。
 それから、お気づきかと思いますが、昨年の北海道キロロ・スキーの取材も、『キラー・エックス』取材のため、黒田研二氏と行なったものでした。ここに暴露いたします。

 で、午後5時から文藝春秋で行なわれるパーティーに、きっちりと入ることができました。
 この「本格ミステリ・マスターズ」というのは、笠井潔さんや島田荘司さんを始めとするプレ・新本格から、おおよそ京極夏彦さんまでの第2世代新本格作家を網羅した、体系的な書き下ろし(一部異なる)単行本を目指しています。新作の他、口絵や、年譜、評論家による作家論等が付く予定になっています。
 作家陣などの紹介は、[企画進行中]を御覧ください。
 パーティーの方は、二十人近い作家が集まって、熱い会話が繰り広げられています。監修者の代表である笠井さん、北村薫さんの挨拶によって正式に始まり、談笑が続きます。途中、山田正紀さん、柄刀一さん、綾辻行人さんの挨拶もあり、私もマイクの前へ立たせられました。見知った人ばかりですが、けっこう緊張して上がってしまいました。変なことを言わなかったのなら良いのですが。「活字倶楽部」や「毎日新聞」、「読売新聞」なども取材に来ていました。

 二次会を経て、近くのホテルで睡眠。翌日31日には、また文藝春秋の会議室の方で、監修者の笠井さん、北村さん、綾辻さん、私の四人で対談を収録しました。この模様は、「本格ミステリ・マスターズ」の第一回配本に折り込みで入る予定です。

『見えない精霊』を読了。いくつもの謎が、一点解ることで芋蔓式に解けていくくだりは壮観。

[新刊]
 芦辺拓 『メトロポリスに死の罠を』 双葉社 1700円

2002.04.04
 スキー取材の続き。
 昼食は、蔵王ベースセンター・シュピアで取りました。ここに、来年のスキー板が貸し出しされているのを見つけ、ちょっと拝見。アトミックのアーク・シリーズは色が変わっただけのようで一安心。サロモンのデモ10はまた横幅が広くなったような印象。一番目を引いたのが、ノルディカのビースト・シリーズというもの。色は銀色でパッとしないのですが、形が何しろ格好いい。まるでポルシェ・デザインという感じです。しかし、サロモンのパイロットと同じで、板・ビンディング一体型なので、やたらに重いのが欠点です。

 昼食を終わるともう雪が溶けすぎていて滑れず、早めに切り上げてホテルへ行き、蔵王温泉かいわいを歩き、それからまたホテルへ戻って温泉三昧。露天風呂に浸かっていると、雨がポチポチ落ちてきました。が、さっそくトリックが一つ思い浮かび、イヒヒヒヒなどとほくそ笑む私でした。

 昨夜は、「スター・トレック/ヴォイジャー」の最終回。とうとう終わってしまったのですね。地球へ帰れたのはいいのですが、展開が少しあっけない感じ。もう一回分くらいあって、じっくりと地球帰還の場面を描いてほしかったですね。

[新刊]
 今月の講談社ノベルスの第2弾です(霧舎巧よ、お前もか……と、中年世代の私は少しがっかり)。

 霧舎巧 『四月は霧の00(ラブラブ)密室』 760円(密室本)
 大塚英志 『多重人格探偵サイコ 小林洋介の最後の事件』 840円
 大塚英志 『多重人格探偵サイコ 西園伸二の憂鬱』 840円
 
 それから、横溝正史ミステリ大賞優秀賞作家の第2長編が出ました。

 鳥飼否宇 『非在』 角川書店 1600円

2002.04.03
 また幕間。
 今夜は、「スター・トレック/ヴォイジャー」の最終回なんですよね。3年間楽しみに見続けていた番組が終わってしまう。悲しいなあ。

 収穫:武内つなよし『赤胴鈴之助 全13巻』アース出版局。川崎のぼる『荒野の少年イサム 全7巻』ジャンプコミックスセレクト

[新刊]
 今月の講談社ノベルス紹介の第1弾。おお、柄刀一氏の新作は、原書房から出た大作『サタンの僧院』の派生本ではないですか。「密室本」もあります。

 柄刀一 『奇蹟審問官アーサー』 1200円
 積木鏡介 『芙路魅』 700円(密室本)
 高里椎奈 『蒼い千鳥 花霞に泳ぐ』 820円
 舞城王太郎 『世界は密室でできている』 760円

2002.04.02-2
 幕間(まくあい、と読む)。
 笠井潔さんの『オイディプス症候群』を読み始めたのですが、小説世界中では、『パイバイ・エンジェル』から2年とちょっとしか経っていないのですね。こっちは二十年以上経っているのに。すごい。

2002.04.02
 さて、29日、よく晴れて、昨日より暑いくらいです。ゲレンデは、朝の2時間ほどは凍っていてまあまあ滑れたのですが、昼頃から完全にズクズクに。午前中は百万人ゲレンデあたりで滑っていて、昼に上の台ゲレンデの方へ行き、昼食を食べることに。こっちの方のゲレンデは、さらに状態が悪く、ハーネンカム・コースや国体コースを滑るのを楽しみにしていたのですが、諦めるしかありませんでした。
 前々からインターネットの掲示板で調べていて、蔵王はろくなゲレ食がないということは解っていたのですが、まさにそのとおり。レストランの数も、食べ物の種類もどうにも少なく、私のような和食派には選べられるものがほとんどありません。本当に困りました。
 ところで、今回からゴーグルは、スコット製に代わり、ややピンク色のアンプリファイヤというレンズを使った物になったのですが、これが全天候型で、晴れから曇りまでよく見えます。購入して正解でした。

 

 石持浅海氏の『アイルランドの薔薇』を読了。嵐の山荘物の変種で、徹頭徹尾、論理だけで犯人捜しを行なっていく、硬派の作品で、推理場面は地に足がついていて好ましいものです。ただ、似たような人物が多く、キャラ立てとしてはどうかという弱点が。こういう場面変化の少ない作品では、登場人物の個性を強調しすぎるぐらいに書き分けるべきだと思いますね(ハリウッド映画の常套手段のように、酔っぱらいの老人をメンバーに入れるとか)。 

2002.04.01-2
 東北新幹線、路線バスと乗り継ぎ、午後1時頃に蔵王に到着。周囲にあまり雪がないので、かなり心配。ゲレンデの状態はどうであろう。ホテルでチェックインし、さっそく着替え、ゲレンデへ。よく晴れているので、積雪はかなりグズグズ。蔵王ロープウェイ、山頂ロープウェイに乗り、ゲレンデの一番上まで。残念ながら、樹氷はもうなしでした。上の方はややカリカリに凍っていましたが、少し下ると、もう積雪はシャーベット状に。黒姫ゲレンデ、百万人ゲレンデなどを滑りました。細かいゲレンデが多く、また、リフトの繋ぎ部分のできが悪いので、そういう場所はけっこう歩かねばならず、面倒です。
 最後に下りる際、黒田氏は、横手の壁(斜度38度のコブ斜面)に挑戦。さすが。
 何故か知らないのですが、黒田氏が盛んに、「日本海はどっちでしょう? 日本海は?」と繰り返し尋ねてきます。何故? 何のため?
 夕食前にホテルで温泉に浸かります。白濁の硫黄温泉は大の好み。白骨や万座よりはやや薄い感じですが、疲れが癒やされます。
 食後は、サイコ・スキー・シリーズの第3弾(《クイーン兄弟》としては第2作目)の戦略会議。スケジュールや内容を子細に検討。なかなか面白い作品に仕上がりそうです。本年12月の刊行を目指します。

[新刊]
 西澤保彦 『聯愁殺』 原書房 1700円(本格ミステリー・リーグ)

 カッパノベルス3月の新刊です。

 藤木稟 『陰陽師 鬼一方眼 切千役之巻』 800円
 成定春彦 『天狗』 848円
 あかほりさとる 『こいまげ (2)』 762円
 大沢在昌 『新宿鮫VIII 風化水脈』 895円

2002.04.01-1
 28日から30日まで、蔵王温泉スキー場へ、黒田研二氏と光文社の編集さんと共に取材旅行です。もちろん、今年も《クイーン兄弟》の新作書き下ろしを出すためです。刊行予定は12月。期待してくださいね。
 朝、東京駅へ集合。家からそこまでの電車内で、メフィスト賞受賞作の『『クロック城』殺人事件』を読了。首切りの論理等、随所にセンスを感じるものの、世界観の設定には否定的な感想を持ちました。ようするにアニメ世界で事件が起きるわけですが、異常な世界に以上な館や異常な人物群がいても、ちっとも異常ではないわけですね。作者の勘違いというか計算違いでしょうね。あと、館のトリックは的中しました(笑)。あと、最後に明かされる主題も悪くないのですが、小栗虫太郎や二階堂黎人の長編の先例があるわけで、衝撃度は私としては薄かったですね(また笑)。

 で、集合場所で、光文社の編集さんから、4月末にデビューする『本格推理』出身の新人4人の新作見本刷りをもらいました。「登竜門カッパ・ワン」の第1弾です。装丁も全部新しい感じで統一されていて、非常に格好いいものになっています。

 石持浅海 『アイルランドの薔薇』 781円(西澤保彦・推薦)
 林 泰広 『The unseen  見えない精霊』 781円(泡坂妻夫・推薦)
 東川篤哉 『密室の鍵貸します』 800円(有栖川有栖・推薦)
 加賀美雅之 『双月城の惨劇』 952円(二階堂黎人・推薦)

 加賀美雅之氏の作品は、私が推薦者となって解説を書いています。堂々たる王道的本格作品ですので、私的には絶対的なお勧め。一気呵成に読めてしまう面白さです。東川篤哉氏の作品は軽妙なユーモアもので、各所にひねりが効いているので、実に楽しい作品に仕上がっています。








アイコン
戻る
アイコン
表紙

ライン