2001年09月
2001.09.30
早川文庫の『ミステリ・データブック』は、発売延期になった模様です。時期は未定。
カッパノベルスから10月に出る予定だったクイーン兄弟著の『キラー・エックス』は11月の発売になりました。
第8回創元推理短編賞受賞作「とりのなきうた」を読了。探偵小説伝統の往復書簡もので、時代の雰囲気がたっぷり詰まった文体も好ましいもの。事件も魅惑的です。ただ、選者の加納朋子さんも言っているように、冒頭の手がかりの挿入位置が悪いですね。もう少し後の方にさり気なく入れておいた方が効果的だったでしょう。
2001.09.28
午後、本格ミステリ作家クラブの執行会議。もう九月ですので、来年度の本格ミステリ作家大賞選考のための準備を始めなくてはなりません。一年は早いものです。来年度は、候補作を選出する予備選考委員を執行会議委員の他に制定します。
午後六時から、東京某所にて、東京創元社の第11回鮎川哲也賞受賞式パーティーが開かれました。三年ぶりということもあって、大盛況です。鮎川賞の他、第八回創元推理短編賞と評論賞(こちらは受賞なし)の発表もあります。
鮎川賞受賞:『建築屍材』門前典之
創元推理短編賞:『とりのなきうた』氷上恭子
門前典之氏は、以前、『死の命題』という作品を鮎川賞に投じて最終選考に残った人で、後に自費出版しています。それは、本格王道的作品で、なかなか凝った内容でしたが、文章の一部や構成、トリックの開陳に関する表現等にややつたないところがありました。が、捲土重来、今度こそ、新作で鮎川賞を受賞したわけです。『死の命題』も大幅な改稿の上、来春、創元推理文庫で刊行の予定だそうです。
鮎川賞選考経過は島田荘司先生、創元推理短編賞の選考経過は有栖川有栖氏、評論賞は権田萬治氏が発表になられました。受賞者二人の挨拶あり、鮎川先生からブロンズ像が贈られます。それから、日本推理作家協会の逢坂剛理事長の乾杯の音頭によって、立食バーティーが始まったのです。
とにかく、大勢の人が来ていたので、挨拶するのが精一杯という感じ。いろいろじっくり話したいことがあるのですが、少しずつしか会話ができません。それでも、久々に会える人もいたりして、とても楽しい会でした。声を掛け合った作家の方々のお名前をざっと上げますと、鮎川哲也、島田荘司、北村薫、有栖川有栖、篠田真由美、綾辻行人、我孫子武丸、法月綸太郎、竹本健治、柴田よしき、芦辺拓、小森健太朗、加納朋子、井上夢人、愛川晶、北森鴻、鯨統一郎、柄刀一、喜国雅彦、国樹由香、野間美由紀、森英俊、井上雅彦、飛鳥部勝則、乾くるみ、霞流一、河内実加、倉坂鬼一郎、倉知淳、黒崎緑、近藤史恵、西澤保彦……などといった各氏で、超豪華メンバーであります。
パーティーが終わると、『建築屍材』と「創元推理21」をお土産にもらって二次会へ突入。こちらもぎっしり込んでいて、座る場所を探すのもたいへんという感じ。そのため、野間さんや西澤さん等と数人でカラオケ屋に脱出。そちらでゆっくり話などをして、別の場所にいる柴田よしきさん一行を待つことに。しかし、私の場合、12時近くなってもうオネムの時間になったので、一足先に失礼させていただきました。
[新刊]
門前典之 『建築屍材』 東京創元社 1900円。
『創元推理21 2001年冬号』 東京創元社 700円(特集:S・S・ヴァン・ダイン)。
収穫:鈴原研一郎『レモンのグループ』集英社MC。リンゼイ『アルクトゥールスへの旅』サンリオSF文庫。ブレイク『呪われた穴』早川ミステリ文庫(石井さんと森さんにお世話になりました。感謝)。
2001.09.27
USB接続型親指シフト・キーボードの続報です。発売予定は2001年冬。WindowsXP対応。親指シフト制御は、106、109キーボード・ドライバー下において、日本語IMEのJAPANISTのバージョン2の「快速親指シフト機能」によって行なう(OAK
V8とJAPANIST V1でもほぼ問題なく使用可能)。製品は次の2種類。
コンパクト型(USB親指シフトキーボード)。テンキー部がないもの。JAPANIST付属。発売は、富士通高見澤コンポーネント(株)。
フルキーボード型(USB親指シフトキーボード)。発売元は、富士通。JAPANISTは別買い。
値段は現時点では未定ですが、20000円を切りたいとメーカーは考えているようです。どちらもキー・タッチはかなり良好。フルキーボード型(USB親指シフトキーボード)は、本体こそKB-211ベースですが、キータッチはKB-611系を使用しているようで好感色です。
(コンパクト型。手前の手休めは取れる)
(後ろはRboard Pro for PC。フルキーボートとの比較)
(フルキーボード型)
2001.09.26
『ハンガリヤ狂想曲』、『地球・精神分析記録』、『九つの殺人メルヘン』を読了。
リストの伝記小説である『ハンガリヤ狂想曲』はとても面白く読めたのですか、音楽家(ピアニスト)リストの曲や作曲、同時代の人間たちの評価についてはほとんど言及されておらず、恋愛沙汰ばかりに焦点が当たっているところが少し残念でした。
今、最も活躍している鯨統一郎さんの本だけに、『九つの殺人メルヘン』もまったく期待を裏切りませんでした。ユーモアはは絶好調。トリックも秀逸なものが多く、特にファックスを使った物理的トリックには感心しました。
2001.09.25
「火の鳥 アトム編」の下書きを完成。例によって、大幅に注文枚数をオーバーしてしまいました。やっぱり、私に対して50枚ほどで短編を書けというのは無理な注文です。
手塚先生の『火の鳥』では、中国を舞台にした「大地編」と鉄腕アトムが火の鳥と遭遇する「アトム編」が予定されていましたので、今回私は、COM版「望郷編」の続きという形を取りつつ、「アトム編」を書いてみました。なお、単行本未収録の、COM版「望郷編」も、「SFJapan」に収録できる見込みです。
[企画]コーナーに、噂の『キラー・X(エックス)』の画像をアップしてあります。はて? キラー・Xとは何者でしょう?
2001.09.24
日本推理作家協会のウェブサイトで、理事長の「剛爺コーナー」というのと、リレー・エッセイが始まっています。トップ・ページの「お知らせ」からリンクさせていますから、ぜひ見てください。なかなか面白いですよ。
連日。徳間書店の「SFJapan」誌第3号(11月初旬に発売予定)の原稿を執筆中。これは、まるごと手塚治虫特集という大胆な企画で、いろいろな作家が、手塚作品、手塚キャラクターを使って小説を書きます。予定されているところは、井上雅彦氏の「ブラックジャック」、太田忠司氏の「W3」、二階堂黎人の「火の鳥」、森奈津子氏の「リボンの騎士」、山田正紀氏の「魔神ガロン」他。評論や対談、エッセイ、インタビューもあるそうです。話題沸騰は間違いなしですね。
2001.09.23
富士通がこの秋(10月下旬から11月上旬)に発売する予定の、USB接続型親指シフト・キーボードの試作機が、表参道のアクセス(システム青山)と、秋葉原のぷらっとホームに展示されています。
http://pcweb.mycom.co.jp/cgi-bin/pcbuyers/user_article.cgi?ART_ID=1282
http://www.saccess.co.jp
キーボードは、フルキーボードとコンパクト型の二種類が造られるようですが、現在展示されているのはコンパクト・タイプの方です。
USBでパソコンと接続するため、ドライバーは用いず、OAKV8もしくはJAPANISTとの組み合わせで動かすものになると思われます。
収穫:福島正実『華麗なる幻想』芳賀書店。桑田次郎『まぼろし探偵 第7巻』リム出版。
[新刊]
貫井徳郎 『神のふたつの貌』 文芸春秋社 1857円。
鯨統一郎 『鬼のすべて』 文芸春秋社 1381円。
野間美由紀 『パズルゲーム☆はいすくーる (5)』 白泉社文庫 610円。
2001.09.21
秋田書店の「サスペンス・ミステリー」11月号に、ボクちゃん探偵シリーズ「消えた総裁道具」というマンガ。ストーリーは、マンガを担当してくださっている河内実加さんのほぼオリジナルです。
本格度が高くてお勧め作。河内さんの描く幼稚園生の女の子はとっても可愛いのです。
私の「二階堂黎人のリバイバル・ミステリー」というコーナーでは、花村えい子さんとコーネル・ウールリッチを取り上げています。
昼過ぎ、ヴートック星人と打ち合わせ。
夕方から、日本推理作家協会の理事会と、夜は乱歩賞のパーティー。理事会と同じホテルで開催されるため、数年ぶりに乱歩賞のバーティーに顔を出しましたが、以前よりずいぶんこじんまりした感じがしました。これも出版不況のせいでしょうか(なんか、年齢層も妙に高いしね)。北村薫さん、貫井徳郎さん、喜国雅彦さん、国樹由香さん、野間美由紀さん、柴田よしきさん、黒田研二さん、小森健太朗さん、すがやみつるさん、辻真先先生、などとちょっとだけお話。
黒田研二さんは、目の色を変えて、「うわ! ごちそうだ! 胃袋がはち切れるまで詰め込むぞ!」と、食べ物に突進していました。
会場の端で、金星人と簡単な打ち合わせ。
7時過ぎ。私は一足先に帰りました(ああ、私って何て品行方正なの)。
2001.09.19
本日は疲労のため、いくつかの細かい仕事を遂行した後は半分休業。『ギャラクシークエスト』と『アンブレイカブル』を鑑賞。『ギャラクシークエスト』は非常に面白い映画でした。本家スタートレック映画よりよくできているかも。ギャラクエ艦長の、カーク艦長をパロったあのにやけたいやらしさが最高ですね。『アンブレイカブル』は、「何、それだけ?」。
夜は『スタートレック/ヴォイジャー』。バークリーとトロイのゲスト出演でなんとなく嬉しい作品でした。
収穫:ベリャーエフ『金星探検』ジュニア版・世界のSF 集英社。
[新刊]
幻冬舎 『ささらさや』 加納朋子 1600円。
光文社カッパノベルス 『夏の夜会』 西澤保彦 800円。
光文社カッパノベルス 『名探偵で行こう』 日本推理作家協会編 876円。
光文社カッパノベルス 『日美子の公園探偵』 斉藤栄 781円。
2001.09.18
夜は腹痛。朝は吐き気というダブルパンチ。しかし、本日中にゲラ校正を終わらせなくてはならないので、脂汗をかきながら仕事を続けました(偉い!)。これをゲラゲロ病というのでしょうか。
2月に購入したロジテックの内蔵型DVD/CD-R/RWコンパチ機。音楽用CDのバックアップを取ると、何故か11曲目から13曲目あたりが無音になってしまいます。焼きソフトを変えても症状は同じ現象が。修理に出そうかと思い、念のためにロジテックのサイトを見ると、ファームウェアのバージョンアップが掲載されているではありませんか。しかも、音楽データーが吸い取れない症状の改善と書いてあります。これか。というわけで、バージョンアップを実行。なんと、ちゃんと働くようになってしまいました。
DVDレコーダーを購入しようかどうしようか迷っています。理念的にはパイオニア系のDVD-RWの方が程度が高いのですが、現状の完成度や使いやすさはパナソニックのDVD-RAMでしょうね。本体、メディア共に値段が安いし。しかし、どちらも高画質モード1時間、通常画質モード2時間というのはフォーマットとして短すぎるでしょう(長時間モードは画質が悪いし)。やはり青色DVD(20GB)が出て、高画質で6時間は収録できるようになるまで待つしかないかなという感じです。
収穫:アリンガム『反逆者の財布』創元推理文庫。 デュ・モーリア『ジュリアス』三笠書房。ルイス『オタバリの少年たち』岩波少年少女文庫(ニコラス・ブレイクの少年ものです)。
2001.09.16
うっかりしていましたが、e-novels の2001年9月11日号[Vol.91] で、特集[作家と音楽]のアンケートに回答を寄せています。
秘密プロジェクトのゲラ校正。ゲラを見た途端、クラクラしました(笑)。
2001.09.15
『宇宙神の不思議』の今月分の原稿がほぼ完成。サトル君がまた警察といざこざを起こしそうになります。
スーパーチャンネルで、ついに『バビロン5』が始まりました。よく言われていた話ですが、『スター・トレック/ディープ・スペース・ナイン』にそっくり(笑)。どっちが真似したのか知りませんが。初回は2時間の特別編。日系女性以外は、かわいげのない登場人物ばかりです。
これで、土曜日の夜は、『バビロン5』『タイムトラックス』『7デイズ』のSF三連発になりました。
2001.09.13
光文社の「ジャーロ」2001年秋号(第5号)創刊1周年記念号が出ました。定価1500円。笠井潔さんと倉知淳さんの対談の他、折原一、柴田よしき、山田正紀、鯨統一郎、有栖川有栖らの短編が読めます。それに何と、秘密にしておいてほしかった「ミステリー専門古書店ガイド」なんて特集もあるんです。
サトル君の執筆疲れの合間に「ウィルスバスター2001」をデルフライヤーにかけてみたら、WindowsMeの復元ポイントの中にトロイ(happy99)が8つも見つかり、いろいろ苦労してそれを削除しなければならないはめに陥りました。ウィルス恐るべし。
収穫:桑田次郎『エリート』全3巻・ソノラマ漫画文庫。
2001.09.12
朝起きたら(というより、就寝中を通じて)気持ちが悪かったものですから、アブスライドと腹筋をやったら、ますます気持ちが悪くなってしまい、結局吐いてしまいました。
何とか所沢の古書展『彩の国』の開場ちょうどに顔を出すことができました。今回はわりと人が少ない感じ。[児童書コーナー]というのがあったので突進したのですが、欲しい本はありませんでした。
会場で会ったのは、Mさん、Sさん、I女王です。イニシャルだけで、解る人には解るはず(笑)。
その後、Sさん、I女王と共に、私の車で、ブックオフ所沢店、ほんだらけ、古本市場を巡って解散。家に帰って、原稿執筆(ああ、締め切り間近)。
『ハリウッド・サーティフィケイト』を読了。やっばりうまいなあ、というのが感想。扇情的な部分とか醜聞的な部分を取っ払った時の基本的構造が普遍的な探偵小説の騙しの技法を用いられて作られており、しかもそれが、主題を色濃く浮かび上がらせるのに効果的に使われているからです。
[収穫]
岡友彦『白虎仮面』桃源社。水野英子『白いトロイカ』全2巻・白泉社 筑摩書房『世界ノンフィクション全集6』。河あきら『いらかの波』全5巻。講談社KCS。塚本邦雄『十二神将変』河出文庫。
2001.09.11
講談社文庫の『人狼城の恐怖 第4部完結編』の見本刷りが出来たとのこと。とうとう文庫四部作完成のため、クリンゴン星人のK大使と立川で打ち上げを。お茶で乾杯。お互いに大変でしたけど、今はほっと一息ですね。9月15日発売です。新しい後書きもありますので、読者の皆様、よろしくお願いします。
講談社文庫の『ぼくらの時代・猿丸幻視行』(江戸川乱歩全集12)ですが、選考評の一部で、島田荘司先生の『占星術のマジック(現:占星術殺人事件)』のネタバレをあいかわらずしています(評者の南條氏は物故)。この件は、推理作家協会のホームページが出来た時にも、改善してくれるよう、協会へお願いをしておいたのですが、文庫にまでは目が行き届かなかったようです。選考評の中には、『占星術のマジック』に限らずネタバレをしているものが少なからずあるので、読者への注意を喚起する文章を付けるなど、協会並びに講談社文庫編集部には、何らかの対処を期待したいと思います。
夜寝る寸前になって、ちょっとだけ胃の不調(打ち上げのせいではありません)。
[新刊]
講談社文庫 『人狼城の恐怖 第4部完結編』 二階堂黎人 895円。
講談社文庫 『透明な季節・時をきざむ潮』 梶龍雄・藤本泉 1190円(江戸川乱歩全集11)。
講談社文庫 『ぼくらの時代・猿丸幻視行』 井沢元彦・ぼくらの時代 1190円(江戸川乱歩全集12)。
2001.09.10
島田荘司先生の『ハリウッド・サーティフィケイト』を読み始めました。連載時に3分の1くらい読んでいて、あることを推理してあったので、その推理が正しいかどうかという観点で読み進めています。それが正しいとすると、冒頭からずいぶん大胆で、フェアな書き方をしているなと感心させられますが、さてさて的中しているかどうか。
[新刊]
光文社文庫が創刊17周年だそうです。その新刊の中からミステリー系を並べておきます。
『天国荘奇譚』 山田風太郎 857円。
『戦艦陸奥』 山田風太郎 857円。
『玩具館』 井上雅彦監修 838円(異形コレクション)。
『利休鼠のララバイ』 赤川次郎 514円。
『二階堂警視の私刑』 斉藤栄 514円。
『三人の酒呑童子』上・下 和久峻三 各514円。
『勇者の証明』 森村誠一 571円。
『十津川警部の試練』 西村京太郎 552円。
2001.09.09
光文社文庫の第2回「新・本格推理」募集の締め切りは今月9月末です。皆さん、ふるって御応募ください。意欲的な作品を待っています。
『審判の夜』を読了。良く言えば正統的。スラスラ読ませる。悪く言えば映画のノヴェライズのようで薄っぺらい。結末に新味もないし。
アクション・チャンネルの『スペース・レンジャー』を見るが、大チープ(笑)。一時間見通せず。
[新刊]
大進撃を続ける柴田よしきさんの新刊が、さらに2冊も出ました。
祥伝社文庫 『リアル−ゼロ アムール』 柴田よしき 580円(恐怖の3部作、第1弾)。
祥伝社 『ふたたびの虹』 柴田よしき 1700円(恋愛ミステリー)。
2001.09.08
愛川晶『巫女の館の密室』を読了。トリックの解明を含めて最後の盛り上がりはなかなかのもの。実は、密室トリックのネタは、作者から何となく聞いていたのですが、どうやって使うのだろうと思っていたところ、こういう綺麗な処理の仕方をしたんですね。なるほど。ただ、最後に探偵の愛ちゃんが、「人間の命の重み」ウンヌンとかいうのはカンベンして欲しかったですね。『堕天使殺人事件』を読んだことがある人には特にお勧めの本です。
ちくま文庫『二階堂黎人が選ぶ! 手塚治虫SF傑作集』の解説ゲラの校閲。
徳間書店「SFJapanジャパン」手塚治虫特集の原稿と、「KADOKAWAミステリ」連載の原稿の執筆開始。
スーパーチャンネルで『タイムトラックス』パイロット・フィルム版を鑑賞。すでに放送が始まっている『7デイズ』もそうですが、アメリカのこの手のSFドラマって、とってもチープ(笑)。『バビロン5』は大丈夫でしょうか。
収穫:堀江卓『矢車剣之介』全10巻・アース出版。
[新刊]
角川書店 『ハリウッド・サーティフィケイト』 島田荘司 2100円。
2001.09.07
カーの『第三の銃弾』の完全版が、早川のミステリ文庫から出ました。嬉しいのは、森英俊氏による詳細な解説があること。昔から、なんで、こんな中途半ばな長さの(原稿用紙300枚)中編が単行本形式で出たのか不思議に思っていたのですが、この解説を読むと、その疑問が解けます。
収穫:里中満智子『絵里子』全2巻・サンコミ(典型的な悲運もの。内容的に再刊行は無理でしょうね)。
[新刊]
ハヤカワ文庫 『第三の銃弾[完全版]』 カーター・ディクスン 560円。
南雲堂 『パロサイ・ホテル(上)』 島田荘司 1200円。
南雲堂 『パロサイ・ホテル(下)』 島田荘司 1200円。(御手洗潔パロディ・サイト事件2 として刊行されたものです)
2001.09.06
『巫女の館の密室』 愛川晶 を半分まで読み進みました。なかなか本題に入りません(笑)。どんな騙し絵が館に描かれているのか早く知りたいのに。
評論家・日下三蔵氏の編纂による新しい叢書が河出文庫から刊行開始です。『本格ミステリ・コレクション 第1期』と称して、まず、『(1)飛鳥高名作選』が出ました。続いて、岡田鯱彦、楠田匡介、鮎川哲也、島久平、鷲尾三郎が出るっていうのですから、楽しみではありませんか。
『X−ファイル シーズン8』6巻目まで鑑賞。面白いけれども、モロダーがいないので、敵役のCIAと肺癌男の出てくるエピソードがありませんね。
ボーグ・クイーンのM嬢から(いや、セブン・オブ・ナインかな)、原稿締め切り日の確認のメールあり。「抵抗は無意味だ」とのこと(笑)。
収穫:さいとう・たかを『デビルキング(4)』リイド社。
[新刊]
河出文庫 『飛鳥高名作選 犯罪の場』 日下三蔵編 998円
2001.09.05
のっけからですが、本日発売になった講談社ノベルスですが(今月もにぎやかですね)、さて、私は何を最初に読むつもりでしょうか。答えは、本日の一番下に。
斉藤肇さんの久々の単独新刊『たったひとつの』が原書房から出ました。今回もいい意味でひねくれた、こだわりのミステリーになっているようです。講談社ノベルスから最後に出した『夏の死』が、RPGと本格を合体した実験的な作品で、けっこう好きだったものですから、次の長編を期待していたのですが、その後、長い休眠状態に入っておられたのでした。これを機会に、ばんばん書いてもらいたいと思います。
『X−ファイル シーズン8』3巻目までを鑑賞。モロダーのいないX−ファイルなんて、気の抜けたサイダーのようなだろうと思っていたのですが、脚本が良いのでけっこう見られます(面白いことは面白い)。でも、ドケットの性格付けが不安定で、スカリーのモロダーの役までやらせるのは苦しいという感じでした。
収穫:さいとう・たかを『サイレントワールド』全2巻・秋田書店。『デビル・キング(2)』リイド社。『大和和紀初期傑作集』全6巻・若木書房(初期の、忠津陽子みたいな絵柄はいいですね、やっぱり)。
[新刊]
原書房 『たったひとつの』 斉藤肇 1800円
講談社ノベルス2001年9月5日発売のラインナップです。第22回メフィスト賞発表の他、メフィスト賞受賞作家の作品ばかり5冊も並んでいます。壮観だなあ!
講談社ノベルス 『暗闇の中で子供』 舞城王太郎 1200円
講談社ノベルス 『試験に出るパズル』 高田崇史 880円
講談社ノベルス 『長く短い呪文』 石崎幸二 740円
講談社ノベルス 『六人の超音波科学者』 森博嗣 820円
講談社ノベルス 『審判の夜』 津村巧 1250円
河出文庫 『20世紀SF(6) 遺伝子戦争』中村融・山岸真編(1巻目が一番面白く、だんだんつまらなくなってきたこのアンソロジーですが(内容ではなく、SFと小説へのアロプーチという点でですが)、この巻は、バクスターやソウヤーやイーガンやらがいるので読むのが楽しみ)
(さて、『審判の夜』から読もうっと。だけど、霧舎巧がいるのに、津村巧というペンネームは何とかならなかったのでしょうか>講談社文三新部長様)。
2001.09.04
柴田よしき『風精の棲む場所』を読了。そつなくまとめているあたりが手腕ですね。個人的にはもっと書き込んでもらって、藤本泉あたりの路線もありかと思ったのですが。ファンには嬉しいキャラクターも出てきますし。
「サスペリア・ミステリー用」の「二階堂黎人が選ぶリバイバル・ミステリー(仮)」の原稿の下書き。今回は、「TOMOコミックス 名作ミステリー」の花村えい子/ウールリッチの『黒衣の花嫁』を取り上げることに。
2001.09.03
コントロール・バネルのネットワークを確認したり、ケーブル・モデム、ルーター、ブロード・ステーション等の電源を切ったり入れたりしていたら、何となく無線LANが直ってしまいました。どこが良かったのか、見当もつきませんが。
そろそろ高速道路にETCゲートが設置されるようになってきましたが、これが、料金所ごとに、設置場所がまちまち。真ん中にあるのやら、端にあるのやら、位置が一定していないのです。あんなもの、左右の端と決めておけばいいのに。それと、ETCゲートに優先的に入れるレーンを増設しなくては意味ないでしょう(だって、ゲートに行くまでが渋滞じゃあ、しょうがないもん)。相変わらず、運輸省じゃなかった国土交通省の役人は馬鹿ですね。
新しいGPSレーダー探知機を使って走っていると、高速や国道にやたらにNシテスムがあるのが解りました。我々はこんなに、警察からひそかに見張られていたのか。アメリカだったら、絶対に問題になっているんですがね、プライバシーの観点で。
2001.09.02
『二階堂黎人が選ぶ! 手塚治虫SF傑作選《異星人編》』の解説を書き上げ、悪役ランプさんにメール。その後、デルフライヤーのデーターを親指ノートに送ろうとしたら、無線LANがどこかおかしくなっていて、2台の通信ができないことが解りました。まったくこの無線LANという奴は。修復のために、また余計な時間がかかるわけで。
『最上階の殺人』を読了。細かいやり取りは妙味があって面白いんですが、事件も捜査も論理も地味で地味で(それが作者の狙いだと思うけど)、全体的には今ひとつかなあ。まあ、もともとバークリーは地味な事件が多いので、文句は言えないのですが。
2001.09.01
ゲッ、気づいたら、もう9月に入っているではありませんか。
昭和ミステリ秘宝。今回の2冊も、目の越えた収録作の選択、行き届いた解説と大満足。ただ欲を言えば、皆川博子はともかく、朝山蜻一の名前には、どこかにふりがなが欲しかったところですね。探偵小説家には凝った名前の人が多いので、一般読者には読み方が解りませんから。横溝正史だって、初めてみたら、「まさし」なのか「せいし」なのか迷うところです。
[新刊]
国書刊行会 『四人の申し分なき重罪人』 G・K・チェスタトン 2500円(ミステリーの本棚)
扶桑社文庫 『花の旅 夜の旅』 皆川博子 780円(昭和ミステリ秘宝)
扶桑社文庫 『真夜中に唄う島』 朝山蜻一 860円(昭和ミステリ秘宝)