2001年03月
2001.03.31
うっかりしました。何故、昨日、『ボーンコレクター』のことを書いたかというと、この映画の中で、Kinesis' Patented Family of Contoured Keyboards という人間工学的キーボードが使われていたからです。探偵の横で、女助手がパソコンを操っている時に出てきます。キーが中央で左右に分かれ、手を自然な感覚とハの字型に置くことができ、また、中央の段が低くなっていて、上と下が高くなっているという(つまり、えぐれた感じ)、非常に面白いキー・レイアウトをした101、104系キーボードです。これって、日本でもぷらっとホームが確か売っていて、値段はけっこう高いのですが、シフトやコントロール・キーを、オプションのペダル(つまり足で踏む)で操ることができるなど、非常に高級志向なキーボードなんです。
日本語キーボードで(つまり親指シフト・キーボード)、こういう物が欲しいということを書こうと思って忘れたのでした。
2001.03.30
体調を崩したため、仕事は半日で切り上げて、ビデオを見ることにしました。『X−メン』はまあまあというか、あきらかに子供向けB級ですね。ピカード艦長には、早くST映画に戻ってほしいと思いました。
次は『ボーンコレクター』。これは最後の方で大笑いしてしまいました。途中では、女性の助手の父親が警官で拳銃自殺をしたとかどうとか、どうでもいい話が出てきてバカバカしいばかり(トラウマでページを稼ぐのは、アメリカ型現代ミステリーの常套手段)。終わりで笑ったのは、犯人が出てきたとたんに、単なる通俗サスペンス映画になっちゃったこととか。というか、あれだけ推理したりプロファイリングしていたそれまでの展開がすべて、犯人追及に何の関係もなかったってことが解るわけですね。あれだったら、部長が犯人だろうが、あの女助手が犯人だろうが、まったく無関係な第3者が犯人だろうが、どうでもいいではないですか。おお、素晴らしきC級犯罪小説(映画)よ! TVドラマの『ミレニアム』や『プロファイラー』の脚本の方が50倍はよくできていると思いました。
[新刊]
西澤保彦氏の人気シリーズ最新刊は、書き下ろしを含めた八作品を収録した短編集です。
書名 迷亭論処
著者名 西澤保彦
出版社 祥伝社
版型等 ノン・ノベル
定価 900円
初版の日付 2001年4月10日
ISBN ISBN4-396-20713-1
* 「酩酊推理に酔わずにはいられない!」野間美由紀
2001.03.29
芦辺拓氏の力作『時の密室』を読了。大小のトリックはよく考え抜かれ、メインの謎の周囲に巧妙に配置されています。ただ、今回の題材に学生紛争やその世代感が密接に絡んでいるせいか、いつもの芦辺作品ほど乗れず、読み始めから読み終わるまで時間がかかってしまいました(かなり社会告発的作品だったということです)。これはまったく私個人の資質における問題で、私は藤原伊織氏の『パラソルが何とか』とか、小池真理子氏の『恋』とかを読んでも、何が面白いのかぜんぜん解らないのです。
[新刊]
鯨統一郎氏の抱腹絶倒、超絶推理短編集です。日常の謎派をはるかに超えた超・日常の謎派。二階堂黎人氏も驚いた!
書名 なみだ研究所へようこそ!
著者名 鯨統一郎
出版社 祥伝社
版型等 ノン・ノベル
定価 860円
初版の日付 2001年4月10日
ISBN ISBN4-396-20712-3
* 波田先生の涙が落ちるとき、不思議なフシギな推理がはじまる……。
ミステリーからファンタジー、そして伝奇小説へ。篠田真由美ファン待望の新作。
書名 龍の黙示録
著者名 篠田真由美
出版社 祥伝社
版型等 ノン・ノベル
定価 920円
初版の日付 2001年4月10日
ISBN ISBN4-396-20711-5
* 神か? 悪魔か?
2001.03.28
アウトルックやシュリケンなどのメーラーでメール送信ができない件は、@ニフテイ側の制限であることが判明しました。@ニフティ以外のプロバイダーから、@ニフティの送信メールサーバー(SMTPサーバー)を使うときに、送信前にメールの受信操作を行わないと、送信ができないのだそうです。でも、そんな面倒なことをいちいちやっていられませんね(しかし、そうすると、この前までメール送信できたのは何だったのか?)。
昼は、「ドイツ編」の校正と『巨大幽霊マンモス事件』の執筆。夜は、ウルフ星の将校と、歌野晶午さんと共に、戦果の再評価と今後の戦いにおける作戦会議。
そう言えば、昨日、山前さんのパーティーでお会いした西上心太さんに、今年度の推理作家協会賞の候補作をお訊きしたのですが、私の知っている本は、柴田よしきさんの『フォー・ユア・プレジャー』だけでした。したがって、他の本がなんなのか、記憶にも上ってこず、ここに書くことができません。評論賞の方も、知っているのは、都筑道夫さんの『ミステリ作家ができるまで』だけでした。昨年、私は国内ミステリーを130冊以上読んでいますが(ほとんど本格推理ばかりですが)、それでもこれですから、いかにミステリー全体だとたくさんの本が刊行されたか解りますね。
2001.03.27
e-novels及び「週刊アスキー」に連載される『宇宙捜査艦《ギガンテス》』の挿絵を描いてくださる川越幸子さんと、新宿で打ち合わせ。非常に格好いい絵です。メカも強いとはさすが。その後、「週刊アスキー」のインタビューと写真撮影。撮影は、南口の陸橋の上で行なったので、非常に恥ずかしかったです。
神保町へ行き、山川惣治の『荒野の少年』全3巻を、復刻版『乱歩貼混年譜』のほぼ半額近い金額で購入。あっちは復刻だが、こっちは本物。あっちは200部も刷っているが、こっちは全国でも全巻揃いで持っている人はたぶん十人に満たないでしょう。あっちは2分冊だが、こっちは全3巻。あらゆる点で勝ったな、喜国さんには。
午後六時から某ホテルで、評論家・山前譲さんの『日本ミステリーの100年』の刊行を記念したパーティー。主賓の挨拶は森村誠一さん。乾杯の音頭は赤川次郎さんで、幅広い層の作家や評論家や編集者がお祝いにかけつけていました。
本の著者近影にあった人物を捜していたのですが見つからなかったので、ひな壇にいたどこかのおじさんと一緒に写真を撮ってみました(笑)。
2001.03.25-2
[新刊]
笠井潔氏が「ハヤカワ・ミステリマジガン」に連載中の評論の第1回から第30回までが、単行本にまとまりました。綾辻行人氏との取り下ろし対談もあります。現代本格を俯瞰する格好の評論集です。
書名 ミネルヴァの梟は黄昏に飛びたつか?
著者名 笠井潔
出版社 早川書房
版型等 四六版
定価 2600円
初版の日付 2001年3月31日
ISBN ISBN4-15-208339-5
* 「なるほど評論というものの醍醐味はこのあたりにあるわけか」綾辻行人
津原泰水氏、渾身の作品。文字と文体と物語の魔術とでもいうべき奇跡的な文学がついに単行本化。
書名 ペニス
著者名 津原泰水
出版社 双葉社
版型等 四六版
定価 2000円
初版の日付 2001年4月5日
ISBN ISBN4-575-23411-7
* 性的不能者の現実が幻想物語に溶けこむとき、言葉は虚空に踊る。
2001.03.25
定例作業は二つ。一つは「ロシア館の謎」の続編的性格を持つ作品、『巨大幽霊マンモス事件』の執筆。前短編同様に、若きアルフレッド・カール・シュペア老人が活躍します。もう一つは、文庫版『人狼城の恐怖 第1部ドイツ編』のゲラの校正。
その間に、無線LAN環境の構築を始めました。ケーブルモデムと、ルーターと、無線ルーターの三つを用い、有線パソコンと無線パソコン2台(その内1台はノート)との間で接続を達成しなければなりません。メルコのマニュアルはよく解らないので、独自に構築するは無理とさっさっと判断し、メールで向こうのインフォメーションに問い合わせ。結局、一応のレベルまで動くようになるまで、3日間かかりました。これで、各パソコン間のファイル共有と、インターネット接続ができるようになりました。
しかし、何故か、OUTLOOKやシュリケンなどのメーラーによるメール送受信ができません。宿題になっています。
とにかく、ケーブル接続8Mbpsの威力はすごい。3MBのファイルが1分でダウンロードできます。嬉しい。
2001.03.22
ついに見本刷りができました。2年がかりでやっと完成した『八ヶ岳「雪密室」の謎』。笠井潔さんの監修の元、多数の本格推理作家等(二階堂黎人、我孫子武丸、桐野夏生、貫井徳郎、霞流一、喜国雅彦、鯨統一郎、斉藤肇、柄刀一、布施謙一)が総力を結集して書き上げた、究極のノンフィクション・ミステリーです。
なお、「雪密室」の解答を読者に向けて募集します。優秀解答は原書房の公式サイトで発表され、賞品が出ます。
月末までには店頭に並びますので、ぜひ御一読ください。事件の不思議さにびっくりし、あまりに面白いので目を丸くするでしょう。
[新刊]
書名 八ヶ岳「雪密室」の謎
著者名 笠井潔・編
出版社 原書房
版型等 四六版
定価 1500円
初版の日付 2001年3月30日
ISBN ISBN4-562-03401-7
* スキーツアーにやって来たミステリー作家たちを待っていたのは、なんと「本物の密室」だった!
2001.03.21
奥志賀へスキーに行ってきました(黒田研二さんの日記をとりあえず、見てください)。
が、その話は後。新刊がたくさん出ていますので、御紹介します。
「サスペリア増刊号・名探偵からの贈り物」に、河内実加さんがマンガ化してくださった『クロへの長い道』が載っています。とっても可愛い渋柿シンちゃんに会えますよ。
[新刊]
秋田書店のサスペリア増刊号『名探偵からの贈り物』が出ました。今回のマンガ化は、内田康夫、麻耶雄嵩、太田忠司、芦辺拓、二階堂黎人の各短編の他、二階堂黎人が選ぶ名作推理漫画リバイバル劇場では、ささやななえ(横溝正史原作)の傑作「百日紅の下にて」を収録しています。
メルカトル鮎や、狩野俊介や、森江春策や、渋柿シンちゃんや、金田一耕助や、浅見光彦の活躍をお見逃しなく。
サスペリア4/25増感ミステリーSP
『名探偵からの贈り物』
秋田書店
定価562円
『幻の探偵雑誌』シリーズの第6弾です。今回は「猟奇」。小説の他、コラムや資料など注目の内容です。
書名 幻の探偵雑誌(6)「猟奇」傑作選
著者名 ミステリー文学資料館・編
出版社 光文社
版型 文庫(光文社文庫)
定価 724円
初版の日付 2001年3月20日
ISBN ISBN4-334-73109-9
* 「小粒ながらピリリとした愉快な雑誌」−江戸川乱歩
第4回日本ミステリー文学大賞新人賞の佳作が2冊、本になりました。
書名 HEAT
著者名 成定春彦
出版社 光文社
版型等 四六版
定価 1900円
初版の日付 2001年3月30日
ISBN ISBN4-334-92992-1
* 森村誠一氏推薦!
書名 涙の川
著者名 菅野奈津
出版社 光文社
版型等 四六版
定価 1800円
初版の日付 2001年3月30日
ISBN ISBN4-334-92331-3
* 夏樹静子氏推薦!
癒やし系ミステリー『時計を忘れて森へ行こう』でデビューした光原百合氏の新作です。カバーは野間美由紀さん、解説は西澤保彦さんです。
書名 遠い約束
著者名 光原百合
出版社 東京創元社
版型等 創元推理文庫
定価 560円
初版の日付 2001年3月30日
ISBN ISBN4-448-43201-8
* われら〈なんだいミステリ研〉
カッパ・ノベルスの2001年03月の新刊です。『新世紀犯罪博覧会』は中身が濃いですぞ!
書名 燃える密室
著者名 斉藤栄
定価 800円
初版の日付 2001年3月30日
ISBN ISBN4-334-07421-9
* 日美子の21世紀タロットが迫る!
書名 新世紀犯罪博覧会
著者名 新世紀「謎」倶楽部
出版社 光文社
版型等 カッパ・ノベルス
定価 876円
初版の日付 2001年3月30日
ISBN ISBN4-334-07422-7
* 他ではけっして見られない。6つのミステリー・パビリオンへの招待状。
2001.03.17
新世紀「謎」倶楽部の最新作、『新世紀犯罪博覧会』(まぎらわしいですね(笑))の見本刷りができあがってきました。先に角川書店から刊行された『前夜祭』が、新世紀「謎」倶楽部の第1グループで、今回が第2グループの作品。いわゆる競作という奴ですが、読者の判定によるできばえはいかに。私自身は、手前みそですが、『新世紀犯罪博覧会』の勝ちだと思っております。
今回の『新世紀犯罪博覧会』は、歌野晶午さんにプランナーになっていただき、とっておきのアイデアを提供していただきました。
また、解説は、最近とみに活躍している評論家の杉江松恋氏にお願いしました。リレー小説の系譜から、各作品批評まで、とても読み応えのある解説です。こちらもお楽しみください。
[新刊]
本格ミステリー創作集団、新世紀「謎」倶楽部の最新連作長編『新世紀犯罪博覧会』が3月21日頃に発売になります。今回の豪華執筆陣は、歌野晶午、篠田真由美、谺研二、二階堂黎人、柄刀一、小森健太朗という面々。
過去から送られてきた手紙が巻き起こす犯罪の数々を御覧ください。
書名 新世紀犯罪博覧会
著者名 新世紀「謎」倶楽部
出版社 光文社
版型等 カッパ・ノベルス
定価 876円
初版の日付 2001年3月30日
ISBN ISBN4-334-07422-7
* 他ではけっして見られない。6つのミステリー・パビリオンへの招待状。
2001.03.15-2
1月末に申し込んだのに、いつまでも連絡してこない失礼なNTTフレッツ・ADSLをやめて、CATVインターネットに加入。本日開通しました。しかし、接続の後に承認が必要で、ルーターをかませると、また承認が必要というのは、いささか面倒でした。
ですが、8MBPSという早さは満足以上。これほどの速度の場合、画面表示までにひっかかりがあるとすると、回線の問題ではなく、相手側サーバーの能力不足ということになるのですね。
ところで、ニュースを見ていたら、マイラインでは、NTTへの加入が半分以上ということでした。はっきり言って驚きです。暴利を貪ってきた(未だ貪っている)NTTをさらに設けさせようとする人がこんなに多いなんて。NTTが設けるということは、あなたが損をするということなんですよ。
2001.03.15
光文社の『ジャーロ』第3号が発売になりました。
S・パレツキー他の翻訳小説や、芦辺拓氏、柴田よしき氏を代表とする日本作家の短編の他、今回は、《本格ミステリ作家クラブ》の会長である有栖川有栖氏と、笠井潔氏の「本格ミステリ大賞」に関する対談があります。もちろん、本格ミステリ大賞候補作の発表もお見逃しなく。
定価1500円。
2001.03.14
所沢駅前で、「彩の国古書展」。すごい人出! と思ったら、何でも卵安売りだとかで、皆さん行列をなさっている。古書展の列は別の所(というか、いつもの所)にありました。先頭近い所の森英俊さんと石井女王様が並んでいらっしゃる所に割り込み。花粉対策で帽子を被り、メガネをし、マスクをしていたので、石井さん、最初の内、私が誰だか解らないご様子でした。森さんに、クレイトン・ロースンの奇術書をお貸しし、石井さんから荒地出版社の『殺人芸術』をちょうだいする。ううっ、石井さん、いつもありがとう。それにしても、「チャンドラー他」という筆者名が時代を感じさせます。今なら、セイヤーズ他とかチェスタートン他となるであろうに。
ところで、「KADOKAWAミステリ」に連載していた「論理の聖剣」は、今月号(4月号)をもって終了しました。
収穫:モーム編『世界文学100選』全5巻・河出書房。笠井潔『天使 黙示 薔薇』作品社。南洋一郎『ルパン』2冊・ポプラ社。カー『皇帝の嗅ぎ煙草入れ』中央公論社。
2001.03.12
軽い腹痛と吐き気、花粉症による頭痛で調子悪し。吐き気はもしかるすと、花粉症のせいかもしれません。
午前中、ミツビシの19インチ・ディスプレイが立ち上がらないという事故が起きました。前々から時々、電源を入れても点かないことがあったのですが、電源を何度か入れ直すと画面が表示されるので放ってきたのですが、今回は何度やっても手応えがありません。修理の手配を行ない、サービス・センターへ持っていこうとしたところ、最後にもう一度スイッチを入れたら――点きました。アララです。もうしばらく様子を見ることにしました。
ようやく、推理小説研究家・山前譲さん初のまとまった著書『日本ミステリーの100年』を書店で見つけました。TUTAYA系は3店とも置いておらず、単独の店で。著者近影が著者遠影なのが一番不思議かも(笑)。一家に一冊必携の本ですが、もう少し時代的な考察が書かれていると寄ったのでは。
収穫:久生十蘭訳『ファントマ』コーベブックス。『アガサ・クリスティー読本』早川書房。
[新刊]
日本ミステリーを編年体で振り返るかっこうのガイドブックです。発売中。
書名 日本ミステリーの100年
著者名 山前譲
出版社 光文社
版型等 光文社文庫
定価 648円
初版の日付 2001年3月15日
ISBN ISBN4-334-780881-4
* まだ読んでいないなら幸福のミステリー小説たち。
2001.03.11
親指シフト・キーボードに関する話題です。
STARTさん(http://member.nifty.ne.jp/mstart/index.htm)から、Goldtouch Adjustable Keyboardというものをお借りして、試用しています。このキーボードは、中央から左右に分割されたデザインで、両腕が自然なスタイルで操作できるという、いわゆるエルゴノミックス(人間工学的)キーボードです。残念ながら日本向けではなく、101型英語キーボードです。
これを、日本語環境でも使おうという試みです。
何故、これに興味を持ったかというと、通常使っているRboard Pro for PCは非常にすぐれた親指シフト・キーボードなのですが、ホームポジションに手を置いた時、やや右手と左手を真ん中でくっつけるようにして置かねばならず、肩が窮屈だと感じていたからです(たいていのキーボードが皆そうですね)。さらに、何も考えずに手を机の上に置くと、手の甲がちょうどハの字を描くような形になります。
逆にいうと、キーボードの真ん中が少し左右に離れていた方が、両手を自然にキーボードの上に置けるわけです。実際、こうした試みはされていて、マイクロソフトのナチュラルキーボート・プロは(ロジクールの製品にも同様の物があり)、真ん中が少し離れており、しかも、中央が山形に盛り上がって、手を自然な形で置けるようになっています。
ようするに、親指シフト・キーボードでも、そうした形の人間工学型キーボードが欲しいと思っていたわけです。
その時、STARTさんがウェブサイトで、改造キーボードの紹介をされていたので、ぜひ使わせていただきたいとお願いしたところ、快諾いただいたしだいなのです。
写真(http://member.nifty.ne.jp/mstart/dream/oya12.html)を見ていただくとよく解るのですが、Goldtouch Adjustable Keyboardは、左上のレバーによってロックを解放することによって、キーボード中央から左右にかなり広い範囲でハの字型に広がるようになります。また、中央を山型に盛り上げることも可能です。すなわち、こちらの要望に近い形で好きに変形させることができるのです。
実際にやって使ってキーを打ってみたところ、かなり自然に操作できました。山型にした時には、手前にパームレストが欲しいと思ったですが、なくてもあまり疲れませんでした。
キー入力の感触はちょっと重めで、ゴムの反発を感じるようなふうです。もう少し軽いといいでしょう。ただ、安っぽくて、変にひっかかりのあるキーボードよりはずっと良好です。
エンターの位置が1段低い、DELキーは右側上部に欲しい(私はDELキーをよく使います)、[半角/全角][かな]キーが欲しいということはありますが、まあ、何とか使えます。いずれ、キー配列を変更するアプリを導入して改善を図ろうと考えています。
(HOME END等が左側にあるのは、何の不都合もありません。むしろ、左手の役目が増えて好都合です)
それでは、このキーボードを用いての、親指シフト入力への最適化への方法です。
まず、このキーボードをパソコンに繋ぎ、キーボード・ドライバーを101に変更します。システムのプロバティからキーボードを選び、そのプロバティからドライバーの更新を選びます。そして、一覧を表示するを選択して、ずらずら並んだドライバーから101を指定するわけです。
マシンを再起動した後、[親指ひゅんQ]をインストールして実行します。各種設定を適当なものに合わせます。まず、101を使う、右ALTを日本語IME起動にする、[変換]を[空白]に、[無変換]を[ESC]に割り付けるなどです。実はこのキーボードは、STARTさんが少し改造してあります。スペース・キーが二つに分割されているわけですが、その左側が[ESC]キーのコードを発生するようになっているわけです。
そこで、後は日本語IME(今回はATOK14)の設定の方で、各種機能を、このキーボードのキー配列で使えるようにアレンジするわけです。変換機能は[空白]に、無変換機能か部分確定(私は部分確定を選びました)を[ESC]に割り当てました。
試用十数時間での感想を述べます。はっきりいって、ハの字型人間工学型キーボードは快適です。右側にテン・キーがないので、マウス操作も楽です(テン・キーの欲しい人は、USB接続のテン・キーボードを別に買ってきてマシンに繋げばよろしい)。
可能ならば、キー・タッチの優れたRboard Pro for PCの中央を少し開き、ハの字型、山型になるように改造したいものです。もちろん、テン・キー部分も削ってです。
2001.03.10
『宇宙捜査鑑《ギガンテス》』の完成原稿を、「週刊アスキー」編集部へメール。
講談社より、『悪魔のラビリンス』のゲラ第2稿が到着。解説を評論家(推理小説研究家、探偵小説研究会にも所属)の横井司氏に頼んでおいたのですが、これが素晴らしいできです。当小説の宣伝としての役目も充分な上、「名探偵対怪人の系譜を」というこちらの要求を十二分に汲んでくれた読書案内になっています。それにしても、最近、彼ら若手の評論家の話芸ならぬ文芸には驚かされるばかり。やはり餅は餅屋。小説ならこちらのものですが、解説や評論、書評となると、まるで彼らの文章や蘊蓄には歯が立ちません。小説と評論活動は一体となってジャンルを盛り上げるべきですから、これは実に良いことです。
2001.03.09-3
『親指シフト・キーボードを普及させる会』に、コンパクト・タイプの親指シフト・キーボードの試作機の試用レポートを掲載しました。こちらを御覧ください。執筆者は小森健太朗氏です。
徳間書店から『SF Japan』2001年春季号が発売になっています。SF大賞&新人賞の発表があります。
扶桑社文庫から出ている「昭和ミステリ秘宝」。2月末の新刊、小栗虫太郎の『二十世紀鉄仮面』に推薦用惹句を書きました。次のようなものです。
論理の剣を握り、
博雅と暗黒の兜を被り、
幻想の鎧を纏った浪漫の騎士!
実はこれ、固定ピッチのフォントで見てもらうと解るのですが、1行ずつ下に進むにつれ、3文字ずつ増えていくように考えたんですね。ところが、できてきた本の帯を見たら、プロポーショナル・フォントで印刷されていて、効果がだいなしでした。私が編集さんにきっちり指摘しなかったせいです。ちょっと残念でした。
[新刊]
昭和ミステリ秘宝シリーズの新刊2冊です。幻の小説の他、各種エッセイやリストを収録。発売中。
書名 二十世紀鉄仮面
著者名 小栗虫太郎
出版社 扶桑社
版型等 扶桑社文庫
定価 780円
初版の日付 2001年2月28日
ISBN ISBN4-594-03079-3
* 論理の剣を握り、博雅の兜を被り、幻想の鎧を纏った浪漫の騎士!
書名 加田伶太郎全集
著者名 福永武彦
出版社 扶桑社
版型等 扶桑社文庫
定価 800円
初版の日付 2001年2月28日
ISBN ISBN4-594-03080-7
* 推理小説の分野における著者の業績をあまさず網羅した決定版全集!
2001.03.09-2
危険! 危険! 警告! 警告!
極めて否定的! 計算されません! ワハハハハ!
『宇宙捜査艦《ギガンテス》』の編集校正をお願いしていたN氏より、作業を終了したとの連絡が入ったので打ち合わせ。細々とした点の指摘や、原稿に入った朱を見て、本当に勉強になるし、なるほどと感心する所が多々あり、いつもどおりまったく頭が上がりません。私という作家の生涯にとって、その最初の時に、N氏と、講談社のU氏に付いてもらえたのは本当に幸運なことでした。
書店に寄って、ちくま文庫の『怪奇探偵小説傑作選−2 横溝正史集』を購入し、すぐ側にある中古おもちゃ店を通りかかると、「あ! フライデーがある!」。そう、『宇宙家族ロビンソン』のあのロボットが! それも、昔欲しかった増田屋の高さ30センチほどのトーキング・ロボットなのです。速攻で買ったのは言うまでもありません。後はロビー・ザ・ロボットだな。
2001.03.09
やった! 光文社文庫の『新・本格推理01』の見本刷りができてきました。ものすごく格好いい装丁です。そして、もちろん、中身も太鼓判を押す面白さ! ぜひぜひ、必ずお読みください。
[新刊]
鮎川哲也編集長の『本格推理』シリーズが、二階堂黎人編集長の『新・本格推理01』として再出発します。新たな才能たちの活躍を御覧ください!
13日頃から発売です。
書名 新・本格推理01
著者名 監修・鮎川哲也 編集長・二階堂黎人
出版社 光文社
版型等 光文社文庫
定価 705円
初版の日付 2001年3月20日
ISBN ISBN4-334-73129-5
* 21世紀、本格推理の歴史はここから始まる!
2001.03.08
今日は良い話を二つ。
一つは、WindowsME。メモリーやたらに食うとかバグが多くてけっこう落ちるとか文句ばかり言っているのですが、昨日は助かったことがあります。エディターで文章を打とうとしたら、変なキー・コードが出るようになって、キーボードを取り替えたりしてみたのだけどだめ。そこで、WindowsMEの「復元」機能を使って数日前にシステムを戻してみたところ、正常動作に戻ったしだい。良かった、良かった。
もう一つは財布の話。三年ほど前に、あるオペラ・ハウスで、「椿姫」という妙齢のご婦人からGUESSというブランド名の財布をもらいました。なかなか作りが良くて愛用していたのですが、チャック部分が壊れてしまい、同じ物を捜し求めたのですがありません。仕方なく、同じブランドの違う形の財布を購入。ついでに、「これって修理できますか」と尋ねたところ、「できる」という返事が。そして、3週間。財布は無事に修理されて戻ってきました。今時、直すより買った方が手っ取り早いとかあるのですが、こうしてちゃんと直してくれる所は貴重です。しかも、直し代もほとんど部品代のみという安さ。偉い。
収穫:水野英子『ブロードウェイの星』全2巻・サンコミックス。木内千鶴子『天国が見つからない』集英社MC。
2001.03.07
「ダ・ヴィンチ」4月号に、原書房から3月下旬に刊行される『八ヶ岳「雪密室」の謎』に関する特別インタビュー(笠井潔さん他)「スキーツアーの謎」が載っています。
来月号のデジタル・ダ・ヴィンチで、作家のデジタル道具(使用パソコンやソフト)の紹介をするとのことで、「ダ・ヴィンチ」編集者&ライターさん&カメラ者さんが訪問。ええ、もちろん、親指シフト・キーボードについてたっぷり講義させていただきましたとも。
2001.03.06
手塚治虫先生に関するニュース・ページを新設しました。こちら。
小森健太朗氏と共に、某キーボード・メーカーを訪れ、親指シフト・キーボードを作製してもらうことが可能かどうか、『親指シフト・キーボードを普及させる会』が注文主になって親指シフト・キーボードを発注できるかどうかを打ち合わせしてきました。結果はまあまあ、思ったより良好だったと現時点では報告しておきます。
どちらにしても、日本語キーボードの未来を考えると、一度、日本マイクロソフト、各社パソコン・メーカー、日本語IMEメーカー、そしてユーザー(今まではとにかくユーザー不在であった)を交えて真剣な話し合いを持つ必要があると思います。いつまでも、IBMの55何とかシリーズのキーボードを引きずっていてはまずいでしょう。そのためにも、ユーザーがもっと、メーカーに対して、現状のキーボードは、キー配列を含め、ありとあらゆる点で使いづらいと文句を言ってください(ローマ字入力であってもなくても。JISかな入力をされている方に申し訳ないのですが、JISかなは問題外です)。
大型書店に寄り、資料本の他、スコット『人魚とビスケット』創元推理文庫。ロバート・ファン・ヒューリック『真珠の首飾り』早川ポケミスを購入。しかし、ヒューリックではなくフーリック、題名も、『中国真珠首飾り殺人事件』とかにしてほしかったですね。
この前、白馬で、我孫子武丸さんに、親指シフト入力の話をしようとしたら、露骨に嫌な顔をされたのですが、その訳が解りました。e-NOVELSの今週の特集が「作家とパソコン」というようなもので、登場している作家のほとんどが親指シフト派。インタビューを我孫子さんがした菅浩江さんも、親指シフトについて熱く語っておられるのですが、実際の収録の際には、あの何倍も、親指シフトに関する愛を説いたのだとか。それで、我孫子さんは、もう親指シフトの話はうんざりという心境になっておられたのでしょう。
ここまでの収穫:筑摩書房『日本文学全集70 月報合本』(1巻から69巻までの月報を合本したもの)。ヴォークト&ハル『惑星売ります』創元SF文庫。ケラー『緑のハインリヒ』全4巻・岩波書店(カバー版)。『蘇る幻影城III』角川書店
2001.03.04
前日は軽い腹痛と花粉症による頭痛でダウン。一日寝てしまう。本日、新宿で《本格ミステリ作家クラブ》の執行会議があるので、何とか回復せねばと思っての休養。頭痛は収まったので、新宿へ出かけました。資料探しも兼ねていたのですが、紀伊國屋書店本店は改装中で、欲しい本が手に入りませんでした。
執行会議の議案は、《本格ミステリ作家クラブ》が編集刊行する、年鑑的本格ミステリのアンソロジーに関するものです。本格ミステリ大賞には短編賞がないので、その代わり、年度内の優秀な短編及び評論を選出して、毎年刊行しようということになりました。内容もほぼかたまりました。今年度分は、6月に講談社ノベルスから出ます。もう一つの議案は、本格ミステリ大賞の正賞。5つのラフ・デザインの中から、これは!というものを選びました。
最近、パソコンを使う時、マウスをなるべく左手で操作するようにしています(ボタン配置は右利き用のまま)。フルキーボードだと、テンキーのさらに右側にマウスが来るため、右手が疲れる(特に肩に負担がある)ので、こういうことを試していますが、すぐに慣れましたし、けっこう快適です。だいだい、テンキーが、キーボードの左側にあれば問題はないのですが、そういうことも人間工学の見地から、キーボード・メーカーは考えて作ってもらいたいものです。
2001.03.02
ひどい疲労感とやや体調不良。
「ミステリマガジン」4月号をだらだら読んで暮らす。
フランスのディクスン・カーと呼ばれているポール・アルテがなにやらすごそうな作家という気がしてきました。だって、イギリス人の探偵(フェル博士を痩せさせた感じの人)が主人公で、舞台もイギリスなんですから。そして、怪奇的な密室殺人ばっかり書いているんだっていうではありませんか。どこにでもこんな人っているんですねえ。ものすごく親近感を感じました。いつか、ボール・アルテ vs 二階堂黎人 っていう対談ができないかしらん。もちろん、話題はディクスン・カーについてです。
小森健太朗氏が夢中になっていた翻訳がようやく出ます。解説を読むと……何だ、完結してないんじゃん、この長編シリーズ。
[新刊]
大好評「幻の探偵雑誌」シリーズ5巻目、『探偵文藝』傑作選です。幻の名品を満載して発売中。解説は有栖川有栖氏。
書名 幻の探偵雑誌5「探偵文藝」傑作選
著者名 ミステリー文学資料館・編
出版社 光文社
版型等 光文社文庫
定価 667円
初版の日付 2001年2月20日
ISBN ISBN4-334-73118-X
* 探偵小説草創期に輝かしき足跡を遺す!
講談社ノベルス、2001年3月の新刊です。今月もメフィスト賞をはじめ、濃い作品がいっぱいです。なお、『刻Y卵』は「こくあらん」と読み、「Y」はアルファベットの「Y」ではなく、何かの漢字らしいのですが、何でょ?
書名 スパイダー・ワールド 賢者の塔
著者名 コリン・ウィルソン
定価 1600円
初版の日付 2001年3月5日
ISBN ISBN4-06-182175-X
* 〈意識の在り様〉を問うSFの代表作。
書名 刻Y卵
著者名 東海洋士
定価 880円
初版の日付 2001年3月5日
ISBN ISBN4-06-182173-3
* わが国の幻想文学における一大収穫――竹本健治
書名 あなたがいない島
著者名 石崎幸二
定価 800円
初版の日付 2001年3月5日
ISBN ISBN4-06-182174-1
* 今度は孤島から招待状が!
書名 煙か土か食い物
著者名 舞城王太郎
定価 1000円
初版の日付 2001年3月5日
ISBN ISBN4-06-182172-5
* やりやがった。まったく楽しみな奴だよ。メフィスト賞受賞作。
2001.03.01
一つの仕事が終わったので、資料や本の片づけを行ないました。毎度のことながら、けっこう時間を食います。ゴミもたくさん出ます。使い終わった資料もできれば全部捨てたいくらいですが、またいつか使うこともあるかもしれないので、しまい込むことになります。
さて、次は、原書房の『巨大幽霊マンモス事件』だ!(と、自分に気合いを入れる)。
デジカメのIXY−Dの新しいファームウェア(ファームウェアって、日本語にすると何だ?)がサイトにアップされていたので落としてバージョンアップ。日付リセットのバグのみと注記にはあったのですが、オートだと暗く写る症状が改善されていました。やはり多く人からの苦情が寄せられていたのでしょう。
彩胡ジュン『白銀荘の殺人鬼』(言うまでもなく、私と愛川晶さんの合作)の新カバー本が出回っています。カバーの袖に、私と愛川晶さんの「著者の言葉」が載っています。
お城を購入した際の住宅ローンの更新のため、銀行へ。インターネット・バンキングをしていても、こればかりは本人が行かないとだめなんですね。
夜は電話で打ち合わせ。