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不定期日記(過去ログ)

2001年02月



2001.02.28
 ボーグ集合体のI編集者が来訪。森英俊さんと作る『海外密室コレクション』に関する打ち合わせ。『八ヶ岳「雪密室」の謎(仮)』も、喜国雅彦さんの原稿が入り(何と、小説プラスマンガ!)、いよいよできあがってきました。雪の残っている内、3月下旬には刊行したいですね。
『宇宙捜査艦《ギガンテス》』の清書を完了。これからある信頼のおけるフリーの編集さんに校正をお願いし、それが戻ってから、完成原稿をアスキー編集部へビーム転送する予定。
 買いました。スキーボード(ファンスキー)を。いろいろ調べた結果、ファンスキーで解放型のビィンディングが付いているのは、DYNASTARしかないことが解り、安全面から、ここが出しているALPHABETという製品を購入しました。やや幅広の板です。どんな感触か、早く試してみたいのですが、この前八方でひねった膝裏が痛いので、当分、スキーはできそうにありません。

[新刊]
 柴田よしきさんの、大人気シリーズ猫探偵正太郎の、長編第2弾が書き下ろし文庫で出ました。あれもこれも出てくる(笑)。

 書名    消える密室の殺人
 著者名   柴田よしき
 出版社   角川書店
 版型等   角川文庫
 定価    560円
 初版の日付 2001年2月25日
 ISBN  ISBN4-04-342806-5
 * 猫に生まれてきたのに、ボーッとできない!

 あまねく賞で名を馳せた実力派が、ついに問う長編一作! 期待の新鋭。

 書名    黄金の灰
 著者名   柳広司
 出版社   原書房
 版型等   四六版
 定価    1600円
 初版の日付 2001年3月1日
 ISBN  ISBN4-562-03398-3
 * 「黄金はなぜ盗まれなくてはならなかったのか?」トロイの密室――鍵は"猿"

2001.02.26
 ついに届きました「ミステリマガジン」4月号が。そうです、長めの中編『第三の銃弾』を中心としたジョン・ディクスン・カー特集なのです。それにしても、まさか、ここまで巻頭から巻末までカー一色とは。すごいぞ、この編集は! いつも「ミステリマガジン」をあまり買わない貴方(僕もそうですが)、今回だけは買ってください。1700円は高くない、安いです(私も、もう一冊保存用に買います。各者エッセイの他、全長編改題とか、海外作家や、私と芦辺拓氏の偽作短編も入っています。森英俊さんのコーナーでは、『火刑法廷』の見取り図も入っているのが貴重。
 ところで、松田道広さんは、カーのある長編に関して(アイザック・アジモフと同じ)誤読をして、間違いを指摘しているつもりが、かえって御自分が間違っています。この件に関しては、拙著『名探偵の肖像』講談社ノベルスの「ジョン・ディクスン・カーの全作品を論じる」で言及しておきましたから、合わせてお読みください。
 鯨統一郎さんの新刊の推薦文をファックス。
 花粉が猛威を振るっていて、目、鼻、喉に非常に不快です。

[新刊]
 創元推理短編部門受賞作家の書き下ろし長編ミステリーです。

 書名    飾り花
 著者名   伊井圭
 出版社   講談社
 版型    四六版
 定価    1600円
 初版の日付 2001年2月23日
 ISBN  ISBN4-06-210249-8
 * 事件は、徳川埋蔵金論争から始まった!

2001.02.25
 忙しい時に限って、パソコン関係は何かトラブルを起こします。最初は、ルーターでパソコン通信ができない症状の検証をしていたら、その内に、ノートとのLAN接続ができなくなり、最後にはインターネットにまで繋がらなくなってしまいました。結局、最初っからルーターの設定のし直しです。どうも、このメルコのルーターと内のパソコンとは相性が悪いようです。
 鯨統一郎さんの新作連作短編集『涙研究所へようこそ!(仮)』祥伝社(3月30日発売予定)の推薦文を書くために読みました。うまい! 目の付け所が違う! 鯨さんは今、絶好調ですね。笑いと不条理の渦に巻きこまれて揉みくちゃにされた《日常の謎派》というところ。

2001.02.24
『八ヶ岳「雪密室」の謎』のゲラ第2稿を校正。本来ならとっくにできあがっている本で、今頃ゲラを読むはめに陥るとは思ってもみませんでした。忙しい時に、締め切りがみんな重なってしまいます。2年前に原稿を頼んだいに、未だに書いていない人がいるんだから。もう! 内容は、ムチャクチャ面白いです。豪華執筆陣というのは、こういうのを言うんだろうなあ。
『ギガンテス』の清書は5章まで終了。
 前にもトラブりましたが、うちのメルコのルーターは、時々パソコン通信ができなくなります。インターネット接続ができるのに、Telenetで繋がらなくなるのです。何とか対処しなくては。もしかして、ネットワーク・カードの方に問題があるのかなあ。
 一部の地域で、「ミステリ・マガジン」4月号が発売になっているらしいです。もちろん、カー特集。早く読みたいよお。

[新刊]
 芦辺拓の最高傑作にして超大作『時の誘拐』の姉妹編がついに登場です。世紀を超えた謎が解き明かされる。今年度最高の注目作!

 書名    時の密室
 著者名   芦辺拓
 出版社   立風書房
 版型    四六版
 定価    2200円
 初版の日付 2001年3月5日
 ISBN  ISBN4-651-66081-9
 * 連関する迷宮の密室

2001.02.23
 野間美由紀さんのマンガ文庫『ぱずるゲーム☆ハイスクール』3巻の巻末に付く対談ゲラを校正。
 『宇宙捜査艦《ギガンテス》』の清書を始めました。題名はこれに決めました。意見をくださった皆さん、ありがとうございました。
 資料を読みながら、蘭子シリーズの新作『巨大幽霊マンモス事件』を書き始めました。この題名も、『巨大マンモス幽霊事件』などと予告したことがあるのですが、正式に決定です。島田荘司流奇想ミステリー的作品になる模様。
 一太郎11のインターネット・ディスクはぜんぜん使い物になりません。更新してもいないファイルを、「別の場所から更新されている」などとメッセージが出て、再アップを求めてくるからです。もう少しちゃんとしたものにしてから出して欲しかったと思いますね。

[新刊]
 順調に再評価の進む多岐川恭の新編集文庫です。今回は実質的なデビュー作である『氷柱』を含む2長編。

 書名    氷柱
 著者名   多岐川恭
 出版社   東京創元社
 版型    文庫(創元推理文庫)
 定価    980円
 初版の日付 2001年2月23日
 ISBN  ISBN4-488-42903-3
 * 時を経てなお新しい希有のクライム・ストーリー

2001.02.22
 スキーボードですが、何を買うか迷っています。BUZZ99.9を買うつもりでしたが、ネットを見ていると、スキーボードはヴィンディングの解放機能がない物がほとんどなので、けっこう骨折事故などが多発しているようです。解放装置付きは、どうやら、DYNASTARのALPHABETしかないようです。ということは、これに決まりでしょうか(やや幅が広いのが気になるのですが)。
 収穫:アジモフ編『世界SF大賞傑作選8』講談社文庫。

2001.02.21
 東京立川駅前(JR)にビッグカメラができまして、白馬へ行く前の日のことですが、大々的な広告が入りました。限定目玉商品の中に、スキャナー(EPSON 6600U)と内蔵用DVD、CD-RWコンボ・ドライブ(リコー製)があったので、それを目的に開店30分前に店頭へ行きました。すでに300人くらいが並んでいて、これは買えないかなと思ったのですが、何と、前者は最後の2台の内の1台、後者は最後の1台ということで整理券を獲得。購入することができました。
 で、今日は、それらをデルフライヤーに取り付けました。今のところ、どららも満足な製品です。前のスキャナーは、取り込みの度にTWAINを認識させねばならないという変な仕様でしたが、今回の製品はそんなことはありません。

[新刊]
 直木賞作家・桐野夏生氏の待望の新作です。恋愛の本質に迫る問題作、ついに刊行!

 書名    玉蘭
 著者名   桐野夏生
 出版社   朝日新聞社
 版型    四六版
 定価    1800円
 初版の日付 2001年3月01日
 ISBN  ISBN4-02-257583-2
 * 東京戦争に敗れた女は、世界の果てにたどり着いた。


 ホラー、サスペンスの分野で鋭い心理的恐怖を描く新津きよみ氏の書き下ろしサイコホラーです。

 書名    見つめないで
 著者名   新津きよみ
 出版社   祥伝社
 版型    文庫(祥伝社文庫)
 定価    560円
 初版の日付 2001年02月20日
 ISBN  ISBN4-396-32842-7
 * その鏡は,あなたの欲望を映し出す……

 カッパ・ノベルスの2001年02月の新刊です。大沢在昌氏の大人気シリーズのお目見えです。

 書名    灰夜 新宿鮫VII
 著者名   大沢在昌
 定価    838円
 初版の日付 2001年2月25日
 ISBN  ISBN4-334-07418-9

 書名    殺人山行 八ヶ岳
 著者名   梓林太郎
 定価    781円
 初版の日付 2001年2月25日
 ISBN  ISBN4-334-07420-0

 書名    犯行
 著者名   勝目梓
 定価    800円
 初版の日付 2001年2月25日
 ISBN  ISBN4-334-07419-7

2001.02.20
 どうせ半日ということで、ストックのいらないファンスキー(スキーボード)を借りることにしました。前々からやってみたかったんです。SAROMONのBUZZ90。はき始めは、短いのでちょっと頼りなかったのですが、慣れると、軽いし、簡単だし、手はあいているしで、最高に面白いことが解りました。緩いカービングも簡単にできます。後ろ向きになっても、エッジが雪に噛みません。スピード感覚も、自分に合っているようです。こんなに手軽なら、もっと早くやれば良かったと思ったしだい。帰ったら、さっそくスキーボードを買うぞ!
 午後、Qペンションを後にして、ばらけて帰宅。私は笠井さん親子を八ヶ岳に届け、夜、家へ帰りました。
 いつもなら、誰かが大けがをするとか、谷に落ちるとか、迷子になるとかのハプニングがあるのですが、今回は私のストックの破損だけで終わりました。
 それにしても、我孫子さんの体力の低下の著しさが顕著です。すぐにへばってしまいます。一年間、テニスをしたり、犬の散歩でこの日のための体力・持久力維持に努めている私に比べたら、ぜんぜんダメじゃん。技量の点で追い抜くのも間近ですね。

2001.02.19
 まあまあの天気。今日は、八方の隣の隣の栂池に行くことに。ところが、私が道を一本間違えて、手前の岩武スキー場の中腹にある駐車場へ行ってしまいました(しかし、ここは穴場かも)。
 連絡リフトに乗り、下りる時にぼんやりしていて、ストックを片方折ってしまいました。スキー場での殺人事件トリックについて考え込んでいたためです。
 仕方がないので、一番下まで滑り降りて、ストックをレンタルしてきました。昼前から、山の裏側にあるコースで滑っていたら、こっちはガラガラで貸し切り状態。たっぷり滑りました。
 今夜はもちろん、茶色いお湯の倉下の湯へ。やっばりこっちの方が風情があります。
 念のために書きますが、マンガ家四人は、ペンションで仕事をしていました。

2001.02.18
 快晴。スキー日和。笠井さん親子と私の車で出発。八ヶ岳から白馬までの道中も順調。2時間ほどで、毎年泊まっているQペンションに到着。今年は積雪が多いようですが、道路は綺麗に除雪されています。荷物を置いて、さっそく咲花ゲレンデに送ってもらいました。
 土曜日曜と晴れていたので、やや雪面は緩い感じ。北尾根第3、スカイライン・コースともわりと空いていて気持ちよくすべれます。私の新しいスキー板にも慣れてきたので、安心して滑走ができます(でも、やはり重い)。パノラマへ行ってみたら、さすがにこちらは人も多く、雪面も荒れています。その内、ギャップにひっかかって転倒。左膝外側をひねって痛みが走り、しばらく立てませんでした(左のビィンディングが解放しなかったのです)。まあ、軽い捻挫程度だったので、その後は休み休み滑り、下へ戻りました。
 Qペンションへ帰ると、マンガ家の喜国夫婦、河内美加夫婦が電車で到着していました。我孫子武丸夫婦はまだ来ていません。笠井さん親子、河内さんの連れ合いのOさんと温泉へ。いつもなら、倉下の湯へ行くのですが、たまには違った所ということで、47に近い十郎の湯へ行ったところ、これが失敗。かなりの混みようでした。
 夕食前にはやっと我孫子夫婦も到着。

2001.02.17
 翌日から白馬スキー・ツアーなので、細々した仕事を片づけている所へ、八ヶ岳の笠井さんから電話。事情があって、今夜、笠井さんの家へ泊めていただくことになった。その方が、翌日の朝が楽で、白馬へ行くのも近いので好都合です。出がけに、『新・本格推理』の後書きのゲラがファックスされてきたので、急いで校正。
 空いている中央高速道路を音楽をかけながらドライブ。ドライブって、夜、一人でするに限るって思いません?
 笠井さんの仕事場で、カケル・シリーズの『オイディプス症候群』の第一稿を見せていただく。うわお!。出だしから熱いぜ! こっそり盗んで帰ろうと思ったほどですが、できなかったであります。

2001.02.16
「人間空気」のゲラ第2稿を部分校正。
「KADOKAWAミステリ」の「論理の聖剣」の原稿を書いてメール送信。なお、今回分を持って、私はこの書評エッセイの担当をはずれます。しばらくは、小説書きの方に専念するためです。昨年は個人名義の本が一冊も出なかったので、ちょっとだけ反省しています。次回からは、探偵小説研究会の評論家・円堂都司昭氏が担当します。

[新刊]
 二階堂黎人原作の名探偵・二階堂蘭子シリーズの短編がマンガになりました。作画はあさみさとるさんです。2月22日頃の発売です。

 書名    薔薇の家の殺人
 著者名   二階堂黎人・原作 あさみさとるさん・作画
 出版社   秋田書店
 版型    B6版ソフトカバー
 定価    514円
 初版の日付 2001年3月20日
 ISBN  ISBN4-253-1840-X
 * 「密室のユリ」「喰顔鬼」「火炎の魔」「薔薇の家の殺人」を収録。

 先月の『少年の時間』に続いて出た、ハイブリッド・エンタテイメント・アンソロジー『少女の空間』です。執筆者は、小林泰三、青木和、篠田真由美、大塚英志、二階堂黎人、梶尾真治、特別対談:山田正紀と西澤保彦。発売は2月21日頃。

 書名    NOVEL21 少女の空間
 著者名   デュアル文庫編集部
 出版社   徳間書店
 版型    文庫(デュアル文庫)
 定価    648円
 初版の日付 2001年2月28日
 ISBN  ISBN4-19-905041-8
 * 物語を描くのは少女たちのまなざし。もうジャンルはいらない。

2001.02.15
 『八ヶ岳「雪の密室」事件』の後書き23枚を書いて、メール送信。
 続いて、「論理の聖剣」のために読み残していた『スティームタイガーの死走』と『六色金神殺人事件』の読書に入りました。前者は、さすがは霞流一。探偵小説マニアの、マニアによる、マニアのための探偵小説です。マニア度が深いほど、最後まで読んだ時の満足感と面白みは高まるでしょう。ただ、仕掛けの推理が説明的になってしまっているところは、大がかりなトリックだから仕方がないとはいえ、ややおしいかな。
 ジャストシステムはあいかわらずバカです。
 まず、今回の目玉であるインターネットディスクですが(サーバーにファイルを置ける)、インストールすると、勝手にタスクトレイに常駐します。しかも、これを終了させる手段がないんです。何を考えているんだか。
 次にひどいのが、[修太]という校正支援。これは、一太郎7ぐらいから毎回サポートに文句を言っているのですが、ちっとも直りません。送りがなのチェックに、「おくる」がないものだから、送りがなをおくって書いた所が全部ミスとしてひっかかります。ATOKの方には、送りがなを「おくる」という設定があるのにですよ。何を考えているんだか。
 収穫:『世界ミステリ全集 37の短編』早川書房。私、この全集はカーの巻がないので嫌いでして、別に欲しくもなかったのですが、最近、手に入れた貫井徳郎氏がやたらに自慢をするので(そんなことはないか(笑))、急に自分の手元にも置きたくなったんですね。
 

2001.02.14
『悪魔のラビリンス』のゲラの校正を終了して発送。それにしても、毎回のことですが、編集さんと校閲さんの指摘は本当に勉強になります。感謝。この本は、4月の頭に、講談社ノベルスで出ますのでよろしくお願いします>読者の皆様。
 原書房から3月下旬に出る予定の笠井潔編『八ヶ岳「雪の密室」事件』の後書きを書き出したら、5枚の予定が少し長くなって、終わらず。
 一太郎11が出たのでインストール。本体はほとんど無用ですが、ATOK14を使うため。過去、ATOKはバージョンアップする度に反応が鈍くなることがあったのですが、幸い、今回は問題はありませんでした。ただ、環境移行ツールはうまく働かず、結局手動でやらなければなりませでした。
[収穫]
 『時の旅人 H・G・ウエルズの生涯』早川書房。

2001.02.13
 午後、バルタン星人のI編集者が来訪。打ち合わせ及び確認等。
 その間に、『新・本格推理』の前書きのゲラがファックスで来ていたので、速攻で校正して戻しました。
 鯨統一郎氏の『北京原人の日』を読了。これまで読んだ北京原人ものの小説の中で一番面白かった作品です。あいかわらず途轍もない大ボラを吹いてくれる人ですね。今回は、北京原人の謎に、下山総裁轢殺事件、第2次世界大戦開戦の真相などが一つに結びついてくる離れ業です。
 ただ、主人公の青年が最初はパープーだったのに、最後は聡明な人間になってしまっているのはキャラクター設定として変では。あと、「すいません」という口語が目立つのが個人的には気になります。下卑た芸人の林家三平じゃないんだから、ちゃんと「すみません」と書いてほしい。というより、最近の編集者は、こういう所をチェックしないのでしょうか。

[新刊]
『屍鬼』2年。小野不由美さん、初の本格推理小説です。
 
 書名    黒祠の島
 著者名   小野不由美
 出版社   祥伝社
 版型    新書版(ノン・ノベル)
 定価    886円
 初版の日付 2001年2月20日
 ISBN  ISBN4-396-20708-5
 * 孤島、因習、連続殺人。

2001.02.12
 すでに構想のできている蘭子シリーズ書き下ろし中編の「巨大マンモス幽霊事件」の物語を頭の中で練りながら、『悪魔のラビリンス』のゲラを校正開始。
 収穫:ボプラ社『ルパン』2冊。ジェイムズ『カサマシマ侯爵婦人』、エリオット『ロモラ』、オースティン『マンスフィールド・パーク』集英社世界文学全集ベラージュ。いずれも、本邦初訳で、この全集の効き目的作品。ただし、『ロモラ』は戦前に改造社から抄訳が出ていましたから、完全な初訳ではありませんね。

[新刊]
 常に柔軟で新鮮な作品を書き続けている辻真先氏の新作長編です。今回は後書きと資料も見所です。

 書名    悪魔は天使である
 著者名   辻真先
 出版社   東京創元社
 版型    四六版ハードカバー
 定価    1900円
 初版の日付 2001年2月15日
 ISBN  ISBN4-488-01284-1
 * 探偵小説の巨匠一家をめぐる、恋と、計略と、悲痛な死の謎。

 日下三蔵氏編纂による怪奇探偵小説傑作選の第1巻が刊行になりました(全5巻の予定)。好評なら、第2期、第3期もあり得るとのことです。ぜひ応援しましょう。 続巻の予定は、「横溝正史集(3月刊)」「久生十蘭集(4月刊)」「城昌幸集(5月刊)」「海野十三(6月刊)」

 書名    怪奇探偵小説傑作選(1) 岡本綺堂集
 著者名   岡本綺堂、 日下三蔵・編
 出版社   筑摩書房
 版型    文庫
 定価    950円
 初版の日付 2001年2月7日
 ISBN  ISBN4-480-03641-5

2001.02.11
 困ったことが起きました。私が愛用しているキーボード(リュウド社のRboard Pro for PC)が発売完了になるのです。先に、富士通がワープロ専用機からの撤退を表明しましたが、それに伴い、製造部品が手に入らなくなるのが原因らしいのです。私は予備用として、もう一台注文しました。
 それにしても、親指シフト入力と親指シフト・キーボードに関する世間の無知と偏見には頭が痛くなります。先日も、あるパソコン関係の編集者と話をしていて、私たちの『親指シフト・キーボードを普及させる会』について説明すると、「その活動が成功して、世の中のキーボードが全部親指シフトになったら、僕らのようなローマ字打ちは困りますね」と言われたのです。そうではありません。親指シフト・キーボードのアルファベット刻印はQWERTY配列です。そして、他の特殊キーの位置がJISよりも最適な位置にあるため、ローマ字打ちでもずっと使いやすくなるのです。その上、日本語を打つには最適・最速・最快適だと言っているわけです。
 多くのローマ字(JISかな)打ちの方が、キーボードの入力手段の取得と操作に難しさを感じていて、あらためて親指シフト入力を取得するのをもたいへんだと思っているようです。これもまったくの誤解です。親指シフト入力は、文字の配列が日本語頻度に適合させてあるため、簡単に収得できるし、運用できるのです。最初にハードルの高い所から入り、苦労してやっと使いこなしているものだから、他の方法も難しいと考えるのはまったく間違っています。また、一番重要な、マン・マシン・インターフェースにハードルを設けている現在のメーカー主導型パソコン環境(文化?)がそもそもおかしいのです。
 もちろん、現状では、簡単に親指シフト・キーボードは手に入りません。自ら欲しなければ、目に触れることもないでしょう。しかし、パソコンにおける日本語文化を発達させるなら、(親指シフトに限らず)もっと使いやすいキーボードを求めることを必須です。現在の悪しき状況を打破するために、私たちは活動をしているわけです。
 体調、今ひとつ。一週間後にはスキー・ツアーが待っているので、それまでには直さなくては。

2001.02.10
「サスペリア」の《リバイバル劇場》用の原稿を書いてファックス。次回はささやななえさんの「百日紅の下にて」です。その次はたぶん、『獄門島』を再録できると思います。いずれも単行本未収録。
 手塚治虫某アンソロジーの梗概の梗概を作成。メール送信。

2001.02.09
『新・本格推理』の後書き31枚をメール送信。また、収録作家たちにアンケートをお願いしてあったのですが、その一部を読ませていただいたところ、みんな本格推理小説に対する熱い思いを語っていて、非常に面白かったので、できれば、これらも『新・本格推理』に収録したいと考えています。
 
[新刊]
 食通としても知られる北森鴻氏の新作短編集です。
 
 書名    親不孝通りディテクティブ
 著者名   北森鴻
 出版社   実業之日本社
 版型    四六版ハードカバー
 定価    1600円
 初版の日付 2001年2月25日
 ISBN  ISBN4-408-53395-5
 * 博多っ子テッキとキュータのちょっぴりセンチメンタルなハードボイルド・ストーリー

2001.02.08
 カウンター100000番を踏んだ方に、何かサイン本を贈ります。その旨、掲示板に書き込んでください。
 午前中はやはり気分が悪くてだめ。
 午後から、『新・本格推理』の後書きを書き始めました。
 収穫:丘けい子『海をまもる36人の天使』、木内千鶴子『友情のひみつ』集英社MC。

[新刊]
 矢継ぎ早にグレードの高い作品を発表している柄刀一氏の新作短編集です。

 書名    殺意は砂糖の右側に
 著者名   柄刀一
 出版社   祥伝社
 版型    新書版(ノン・ノベル)
 定価    860円
 初版の日付 2001年2月20日
 ISBN  ISBN4-396-20710-7
 * 有栖川有栖氏が面白さを保証!

2001.02.07
 午前中は相変わらず吐き気が抜けず、疲労感も一日中ひどい状態。試しに1000円のドリンク剤を飲んでみましたが、効いたかどうかよく解りません。
『新・本格推理』の前書き35枚を書き終わったので、メール送信。
「スター・トレック/ヴォイジャー」は恐ろしく意外な展開の話でした。だって、本物と、本物そっくりの偽物のヴォイジャーが出てくるのでから。しかし、最後に、あの両船が接近するのは、これまでの飛行時間と航行時間と航行の方向から言っておかしいのでは。

2001.02.06
 午前中は吐き気。夕方には極度の疲労感でダウン。
「人間空気」のゲラの校正。『新・本格推理』の前書きを執筆。
 手塚治虫先生のマンガの、新しいアンソロジーの梗概を作り始めました。
 久々にヤフー・オークションで希望書『年刊SF傑作選(全7巻)』を落札しました。ちょっと予算オーバーだったけれど、揃いだから良しとしましょう。最近、妙にSFのアンソロジーが読みたいのです(といっても、読む時間がないのですが)。
 収穫:西岸良平『たんぽぽさんの詩(3)』祥伝社。ジュデス・メリル編『年刊SF傑作選(全7巻)』創元推理文庫。

2001.02.05
 朝、嘔吐。グロッキーでダウン。講談社から、講談社ノベルスで4月に出る『悪魔のラビリンス』のゲラが届く。

2001.02.04
  光文社文庫『新・本格推理』の選考の結果が出ました。応募者の方々にはすでに当落の通知が行っていることと思います。たくさんの御応募をありがとうございました。私一人による厳選な審査により、次の方々の作品を『新・本格推理』に収録することにいたしました。選外となられた方々も、これに懲りずに、次回、もっともっと頑張ってください。
 以下は一次審査に残った作品で、○が付いているのが、最終的に私が選んだものです。力作、傑作、怪作がずらりと並びますので、読者の皆さんも御期待ください。

 「骨董品盗難事件」雨月行
○「水曜日の子供」井上宗一
○「風変わりな料理店」青山蘭堂
○「竹と死体と」東篤哉
○「暗号名『マトリョーシュカ』」長谷川順子・田辺正幸
○「東京不思議DAY」園田修一郎
 「正解者ゼロ」池月涼太
 「白衣の意匠」坂本富三
 「ホテル・エトランジェの殺人」島村怜
○「時刻表のロンド」網浦圭
 「緋色の塔の密室」塔摩蒼
 「トロイの木馬に恥の上塗り」子守歌克優
○「ガリアの地を遠く離れて」瀬尾こると
 「ふしぎなふしぎなくまさんのおうち」紫希岬真緒
 「遅れてきた告発者」鷹将純一郎
○「白虎の径 密室B13号」榿島和

2001.02.03
 新世紀「謎」倶楽部の『新世紀犯罪展覧会』が3月にカッパノベルスで刊行されます。今回のメンバーは、歌野晶午、篠田真由美、谺研二、小森健太朗、柄刀一、二階堂黎人の6人。そのゲラが出てきたので、自分の書いた「人間空気」のゲラを校正。登場人物の年齢等に問題があることが校閲の指摘で解ったので、修正をしました。ところが、今度は、歌野さんが書いたエピローグと話が合わなくなってしまいました。あれれです。

[新刊]
 講談社ノベルスの2001年2月の新刊です。井上夢人、山口雅也、両ベテランの作品がノベルスになりました。

 書名    プラスティック
 著者名   井上夢人
 定価    820円
 初版の日付 2001年2月5日
 ISBN  ISBN4-06-182168-7
 * 私が私じゃなくてあなたがあなたじゃない

 書名    マニアックス
 著者名   山口雅也
 定価    800円
 初版の日付 2001年2月5日
 ISBN  ISBN4-06-182169-5
 * マニアックな恐怖、マニアックな驚愕、マニアックな収集家たち

 書名    白兎が歌った蜃気楼
 著者名   高里椎奈
 定価    940円
 初版の日付 2001年2月5日
 ISBN  ISBN4-06-182171-7
 * 薬屋探偵妖奇譚シリーズ6

 書名    最後から二番目の真実
 著者名   氷川透
 定価    960円
 初版の日付 2001年2月5日
 ISBN  ISBN4-06-182170-9
 * 逆さ吊りの女子大生を巡り美しい推理が炸裂!

2001.02.01
《ギガンテス》の下書き、完成しました。とても面白い話に仕上がりました。作者、大満足(ただ、作者があまり面白がって書くと、えてして編集者にボツにされることがあるんだな、これが)。ところが、念のために印刷をしていて、たいへんなことに気づきました。執筆中はエディターのマクロを使って原稿用紙枚数をときどき確認していたのですが、実際に40字×40字の書式の中にテキストを流し込んでみたら、2割近くも枚数が多いではないですか。書きすぎた、がーん。
 まあ、いいや。清書してから考えよう。まだ締め切り日までだいぶ日にちはあるし。






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