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不定期日記(過去ログ)

2000年10月



2000.10.31-2
 富士通から、まったく新しい発想による日本語IME「I am J」(アイ・アム・ジェイ)が発表されました。これを使うと、辞書検索、インターネット検索、ランチャー機能、などが非常に便利になり、しかも、106/109キーボードで、特殊なドライバーもなしに、簡単に親指シフトが使えるようにもなります。
(って、富士通の回し者のようですが、そうではありません(苦笑)。皆さんに、親指シフトを試してもらいたいだけなのです。メーカーお仕着せの使いづらい106・109キーボードを、ローマ字入力などで、苦しみながら使うのはもうやめようじゃありませんか)

---------- 以下が、製品紹介です ----------
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 快適!日本語入力ユーティリィティ「I am J」(アイ・アム・ジェイ)を発表!!
  打鍵数40%OFF!!発売は12月8日。
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★欲しい言葉がすぐ出てくる   −よみを2文字打鍵。候補がドンドンでてきます
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   −既存の文書から瞬時にあなたの辞書を作ります
★打ってるそばから辞書が引ける −辞書を引きたくなった時、シームレスに連携
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ −スーパー統合辞書や各種EPWINGも利用できます。
★標準搭載辞書 なんと6種類  −国語、漢和、英和、和英、類語、故事ことわざ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   
★入力しながらインターネット検索−「ことば」から、直接インターネットへ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
★親指シフトエミュレーション  −標準キーボードで親指シフトが可能
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■詳細はこちらのホームページをご覧ください
  http://www.fujitsu.co.jp/jp/soft/iamj/
■お問合せ 富士通ミドルウェア株式会社 http://www.fmw.co.jp 
  045−471−0282 (9:00〜12:00 13:00〜17:00
 月曜日〜金曜日(祝日を除く))

2000.10.31
「ガラスの家の秘密」は、下書き190億万枚でとりあえずの完成。これから清書に入ります。「メフィスト」5月号に掲載された「寝台特急《あさかぜ》の神秘」と合わせて、『悪魔のラビリンス』という題名で講談社ノベルス化したいと考えています。時期的には来春刊行でしょうね。
 2年前でしたか、某古書展に『鮎川哲也短編推理小説選集』全6巻が4万だったか5万円だったかで出ていて、芦辺拓さんに「揃いではなかなか売りに出ないから、買った方がいいですよ」と言って無理矢理買わせてしまいました。自分の方は、その後、バラでこつこつと集め始め、本日コンプリート! 総額は1万円未満。ウシシ。
 仕事の合間の息抜き代わりに、次のデスクトップ・マシンを物色。現在使っているのは、DELLのDIMENSION XPS R450。機能もまあまあ満足、拡張性も高く、ファンの排気音もそれほど気にならないと良いことづくめですが、そろそろWindows2000も視野にいれようかと思ったしだいです。で、DELLとEPSON DIRECT、一般市販オールイン・ワンなどを比較した結果、やはりDELLの4100シリーズを選ぶことにしました(他はスロットやベイの拡張性が低いので却下)。CPUは1GHzを選択。Windowsは悩んだのですが、2000はやめて、製品的に枯れているMEに。2000は後からでも入れることができますから、とりあえずは安定性(周辺機器に関する2000のドライバー不足が心配)を求めたわけです。ネットで即座に注文。
 収穫:水野英子『エリザベート』文芸春秋社。鮎川哲也『新赤髪連盟』立風書房。ささやななえ『負けてたまるか!』小学館FC。井出ちかえ『ビバ! バレーボール 第5巻』 リボンMC

[新刊]
 ミステリー同人誌「別冊シャレード」の最新版、「小野不由美特集」が出ました。
 評論、イラスト 等で構成されています。
 問い合わせは、往復葉書か、返信用封筒同封の上、下記へお願いします。
 
 発行 甲影会
 〒552-0005 大阪市港区田中2−12−19 福井良昌 あて

2000.10.29
 ひたすら原稿書きの日々。枚数は150億万枚を突破。これと言うのも、西澤さんの枚数に勝手にライバル意識を燃やし、対抗して書いてきたからに他ならない。今度お会いしたら、厚くお礼を述べなくては(笑)。目標は200億万枚です。しかし、そろそろ頭かボーッとしてきました。
 祥伝社から、中編で作った文庫(400円文庫)というのが20冊以上、一気に刊行された模様。本格ファンは、孤島をキーワードにした歌野晶午、西澤保彦、近藤史恵、恩田陸の作品に注目ですね。

[新刊]
 現代本格の名匠・歌野晶午氏の特別書き下ろし新刊です。

 書名    生存者、一名
 著者名   歌野晶午
 出版社   祥伝社
 版型    文庫(祥伝社文庫)
 定価    381円
 初版の日付 2000年11月10日
 ISBN  ISBN4-396-32812-5
 * 孤島=密室。連続殺人。……生き残るの誰か?

2000.10.27
 原稿執筆枚数が間違っていました。エディターの原稿用紙概略枚数表示では100億万枚だったのですが、400字(20字×20字)の書式に流しこんでみたら85億万枚しかありませんでした。悲しい。
 というわけで、今日が本当の100億万枚突破。何でこんなに頑張って書いているかと言えば、ただ単に、西澤保彦さんの枚数を越えたいから。日記に、今日は何枚書いた、翌日は何枚書いた、と記されて頭に来ている作家は私だけではないはず(笑)。というわけで、ただひたひら西澤さんの枚数を抜く目的で執筆しているのでした。
 原書房の「20001 本格ミステリ・ベスト10」の回答を考え始めました。国内は出揃ったのでだいたい決定。海外部門は、今、ミルワード・ケネディの『救いの死』を読んでいるため、それを待って決めたいと思います。

2000.10.26
「ガラスの家の秘密」は100億万枚を突破しました。しかし、相変わらず本題に届かず。
 夕方から、クリンゴン星人のMさんと打ち合わせ。
 その前に立川ルミネのオリオン書房に寄り、「創元推理20 人形の夢」を購入しました。あいらかわずマニアックというか、ド・マイナーな内容で、まったく魅力がないですね。創刊号から惰性で買っています。
 彩胡ジュン『白銀荘の殺人鬼』の正体を発表するため、カバーの「著者の言葉」が変わります。そのゲラが出てきたので確認しました。

[新刊]
 短編ミステリーの名手・北森鴻氏の野心的な新作が出ました。

 書名    顔のない男
 著者名   北森鴻
 出版社   文藝春秋
 版型    四六版ハードカバー
 定価    1429円
 初版の日付 2000年10月30日
 ISBN  ISBN4-16-319640-4
 * 彼を知るものが誰もいなかった――。

2000.10.25
 原稿執筆。枚数は75億6千2百万枚。密室殺人ものなのに、未だ前振り部分を書いていたりします。
 「サスペリア」増刊号向け、《リバイバル劇場》の2回目のラインナップをFAX。
 DVD版『スター・トレック/ジェネレーションズ』を購入しようとしたら、盤の途中で、音声の記録ミスがあることが解りました。各スター・トレック情報にそのように出ていました。というわけで、訂正盤が出る来春までお預け。ちょっと残念。
 収穫:ディクスン『時計の中の骸骨』HPB。

2000.10.24
 半日ダウン。
 夜、クリンゴン星人のMさんと打ち合わせのはずだったが、気分がすぐれないため、延期してもらいました。
 原稿は、現在60億万枚。

2000.10.23
 一日、ダウン。メール処理のみ。

2000.10.22
  朝から調子悪し。
 本格ミステリ作家クラブの準備会の打ち合わせが水道橋で行なわれました。11月3日に行なわれる設立総会&パーティー前の最終打ち合わせのため、さらに細かい点を煮詰めました。
 帰宅してダウン。

2000.10.20-2
  愛川晶さんの新刊が10月25日に出ます。正統派美少女による正統派本格推理小説です。原書房のウェブサイトでも購入可能です。

[新刊]
『堕天使殺人事件』や『夜宴』で大活躍した美少女名探偵・根津愛ちゃんの本格的な短編集。書き下ろしあり、マンガあり、写真あり、ホームページとのタイアップありと、盛りだくさんの内容です。

 書名    根津愛代理探偵事務所
 著者名   愛川晶
 出版社   原書房
 版型    四六版ハードカバー
 定価    1400円
 初版の日付 2000年10月27日
 ISBN  ISBN4-562-03351-7
 * 美少女代理探偵からあなたへの五つの挑戦状!

2000.10.20
「ガラスの家の秘密」の下書きは現在、30億万枚。順調に進んでいます。
 講談社文庫の『「Y」の悲劇』の三刷りが出ています。私の「「Y」の悲劇―「Y」がふえる」には若干の加筆修正があります。
 池袋の「ミステリー文学資料館」で、鮎川哲也の世界展が開かれているそうです。
 収穫:河あきら「ジョーカーの片道切符」双葉社JC(これで、河あきらさんのマンガはコンプリート)。

2000.10.19
 ベタゾイド星人のH編集者から、黒猫フニャ様の取材をしたいとの電話が入りました。「私は愛犬家ですが、それでも良かったらどうぞ」とメールでお答えしました。
 胃痛はわりと軽めでしたので、「メフィスト」用の原稿を書き始めました。蘭子さんの活躍する《悪魔のラビリンス》シリーズ第2弾「ガラスの家の秘密」です。何枚になるのか、現時点ではまったく解りません。しかし、法月綸太郎氏などは短編を分載しているくらいですから、できたところまでを編集部に渡せばいいやと、楽観視しています。
 集英社文庫コミック版「いらかの波」河あきら(1)(2)が届きました。(1)に私の解説が載っています。また、河あきらさんの書き下ろしマンガ回想録が毎巻載っており、ファンには嬉しい贈り物です。

[新刊]
 コミックと小説が入れ子となったアンチ・ミステリ&コミックが登場しました。小森健太朗氏のデビュー作「コミケ殺人事件」の外伝です。

 書名    コミケ殺人事件外伝 ルナティック・ドリーム
 著者名   小森健太朗・早真さとる
 出版社   原書房
 版型    A5版ソフトカバー
 定価    1000円
 初版の日付 2000年10月30日
 ISBN  ISBN4-562-03352-5
 * あの月姫科学研究所《パワード・カルテット》の真相がついに!

 カッパ・ノベルスの2000年10月の新刊です。
 今月は3冊とちょっと寂しいかな。しかし、井上雅彦監修による「異形コレクション綺賓館」シリーズが開幕しました。

 書名    十月のカーニヴァル
 著者名   井上雅彦監修
 定価    895円
 初版の日付 2000年10月25日
 ISBN  ISBN4-334-07407-3
 * 怪奇、幻想、妖美のめくるめく宴

 書名    チャイナブルー
 著者名   加治将一
 定価    848円
 初版の日付 2000年10月25日
 ISBN  ISBN4-334-07406-5
 * 長編クライム小説

 書名    札幌・オホーツク逆転の殺人
 著者名   深谷忠記
 定価    848円
 初版の日付 2000年10月25日
 ISBN  ISBN4-334-07405-7
 * 壮・美緒コンビが復活!

2000.10.17
  「サスペリア増刊号/名探偵特集」用《リバイバル劇場》の解説をファックスしました。その後、編集さんから電話で「体調が悪いようですが、大丈夫ですか」とお見舞いをいただき、「ええ、風邪も治りましたから」と答えた途端、夕食後にまた胃痛に襲われ、1時間ほど脂汗をかくはめに。軽傷のようなので、2、3日で回復するでしょう。
 収穫:日影丈吉『孤独の罠』講談社文庫。『文豪ミステリー傑作選 第2集』河出文庫。英国推理作家協会編『13の判決』講談社文庫。

[新刊]
 ミステリー同人誌「別冊シャレード」の最新版、「芦辺拓特集2」が出ました。
 著者へのインタビュー、評論、解説等、切り抜き、新作短編等、内容も盛りだくさん。
 問い合わせは、往復葉書か、返信用封筒同封の上、下記へ。
 
 発行 甲影会
 〒552-0005 大阪市港区田中2−12−19 福井良昌 あて

2000.10.16
 芦辺拓さんが新しい編集長になられた光文社文庫の『本格推理マガジン』は表紙からして凝っています。帯をはずすと、一番下に、Ashibe Taku's Mystery Magazine と入っていて、遊び心満載。岡村雄輔の『ミデアンの井戸の七人の娘』をはじめ、幻の名作満載です。
 「KADOKAWAミステリ」の『論理の聖剣』の原稿をメールで送付しました。
 「ジャーロ」へ、『新世紀犯罪展覧会』後編用の「人間空気」の原稿をメールで送付しました。
 紀伊國屋書店のミニコミ誌「i feel」14号に、親指シフト・キーボードの勧めに関するエッセイが載りました。
 収穫:水野英子『十月のセラフィーヌ』サンコミ

[新刊]
 書名    本格推理マガジン/特集・知られざる探偵たち 『絢爛たる殺人』
 著者名   鮎川哲也監修 芦辺拓編
 出版社   光文社
 版型    文庫(光文社文庫)
 定価    743円
 初版の日付 2000年10月20日
 ISBN  ISBN4-334-73071-X
 * 世紀の探偵小説!

 書名    相手を不幸にしない会話
 著者名   村瀬継弥
 出版社   うなぎ書房
 版型    四六版ハードカバー
 定価    1680円
 初版の日付 2000年10月28日
 ISBN  ISBN4-901174-06-1
 * きっと笑わせます。ショートショート40連発。

2000.10.15
  前々から話題になっていた折原一さんの新刊がついに出ます。造本自体に仕掛けを施した非常に凝った作品です。「監禁者」と「首吊り島」の2編からなり、結末は一つしかありません。しかも、本の中央に封印されているのです!
 また、東京創元社からは、土屋隆夫集成に続いて、多岐川強の傑作選が出ます。最初はずっと手に入りにくかった『変人島風物誌』。山前譲氏が光文社文庫の『本格推理マガジン』で必読と述べていたものですね。私は昨年、高いお金を出して源桃社版を買って読みました(泣)。
 講談社文庫で、「新世紀ミステリ」フェアが行なわれています。この帯の付いた文庫本には、ミステリー作家の顔写真が刷り込まれた広告が挟まっています(綾辻さんの小指が可愛い)。コレクターズ・アイテムでしょう。

[新刊]
  ついに今年度の本格の真打ちの登場です。折原一さんの代表作・「倒錯」シリーズの完結編です。

 書名    倒錯の帰結
 著者名   折原一
 出版社   講談社
 版型    四六版ハードカバー
 定価    2000円
 初版の日付 2000年10月18日
 ISBN  ISBN4-06-210364-8
 * 「首吊り島」「監禁者」、どちらが始まりで、どちらが終わりか。

 一度も文庫化されたことがなく、長らく幻の作品とされていた多岐川恭の作品が創元推理文庫から出ました。『私が愛した悪党』がカップリングされています。

 書名    変人島風物詩
 著者名   多岐川恭
 出版社   東京創元社
 版型    文庫(創元推理文庫)
 定価    880円
 初版の日付 2000年9月25日
 ISBN  ISBN4-408-53387-4
 * エキセントリックな住人ばかりの小島に起こった3つの事件。さて、犯人は?

2000.10.13
 光文社のカッパノベルスから5月に発売になった『白銀荘の殺人鬼』の覆面作家・彩胡ジュンの正体ですが、実は、愛川晶さん私の合作でした。ここに謹んで公表いたします。著者当てクイズの方ですが、233通の応募があり、正解者は8名でした。一番多かった回答は、綾辻行人さんと宮部みゆきさんとの合作というものだったそうです。お二人の人気の度合いが解りますね。他には、綾辻さんと高木彬光の合作という回答もあったみたいです。
 カバーには、新保博久さんの推薦文がありますが、新保さんにも正体を明かさず、推薦をお願いしました(気に入らなかったら、断わってくださってもけっこうです、と付け加えて)。たぶん、たいへん苦労しただろうと思います。

[新刊]
 SFともミステリーともつかない刺激的な物語を産んでいる北川歩実氏の新作短編集です。発売中。

 書名    もう一人の私
 著者名   北川歩実
 出版社   集英社
 版型    四六版ハードカバー
 定価    1700円
 初版の日付 2000年9月30日
 ISBN  ISBN4-08-774489-2
 * そこに横たわるのは、「もう一人の私」。

 前作『金閣寺に密室』が大いに話題を呼んだ鯨統一郎氏の新作です。今回の題材は古事記です。書き下ろし。

 書名    千年紀末古事記伝
 著者名   鯨統一郎
 出版社   角川春樹事務所
 版型    文庫(ハルキ文庫)
 定価    640円
 初版の日付 2000年10月18日
 ISBN  ISBN4-89456-769-5
 * 本書は『古事記』の真相に触れています。

2000.10.12
 ウーム。「人間空気」は115枚にもなってしまいました。70枚の注文だったのに。45枚も削れるであろうか。
 午後1時30分。バルカン星人のIさんと打ち合わせ。遅れている企画本の進行建て直し、来年度の企画に関する際確認等。
 午後3時30分。暗黒プロデューサーN氏よりインタビューを受ける。某新聞に載るIT革命革命関連記事で、親指シフト・キーボードの普及に関するもの。
 打ち合わせの前に、駅前にある小さな書店に寄ったら、前々から捜していた本に巡り会いました。河あきらさんの『すでにもう善人(2)』。これで、河あきらコンプリートまで残すところあと1冊。
 今月、原書房からは、愛川晶さんの短編集(あの愛ちゃんシリーズ)と、柄刀一さんの長編(今までとガラリと変わった内容らしい)が出る予定です。注目のこと。

2000.10.10
 徳間書店の『SF Japan』第2号(定価1500円)が発売になっています。「筒井康隆&伝奇SF特集号」でです。私は70年代、80年代の日本のSF(あのブームだった頃)をほとんど読んでいません。伝奇SFも内容的に苦手です。
 「人間空気」は110枚で下書きを完成。これから清書です(枚数オーバーだけど、仕方がないでしょう)。
 収穫:水野英子『虹』サンコミ。

2000.10.09
 Mさんという方からメールをいただき、八王子のブックオフに、新潮社の『星新一の作品集』全18巻中15、6冊が並んでいることが解ったため、午前中に車を飛ばしていってきました。その前に、取り置きを頼もうとブックオフに電話を入れたのですが、お話しになりませんでした。
「これこれこうで、ソフトカバーの単行本の『星新一の作品集』十数冊がそちらにあるそうなので、見ていただけないでしょうか」
「マンガですかあ?」
「いいえ、小説です」(お前は星新一を知らないのか!)
「文庫ですか」
「いいえ、ですから、ソフトカバーの単行本です」(今、そう言っただろ!)
「どこにあるんですか」
「ですから、入り口近くの児童書の近くの棚らしいのです」(何度も言わせるな!)
というような会話が五分間も続き、例によって見つからないだの、星新一の本がたくさんあったけど、これかどうか自信がないだのと、無益なやりとりが繰り広げられたのであった。
「いいから、それでは、その本を全部取っておいてください。今から買いに行きますから」
「うちでは、取り置きはしてませーん」
「今すぐ買いに行くんですよ」(解らない奴だな!)
「うちではやってないんです」
「他のブックオフはしてくれますよ」(ホントか?)
「うちではできないことになっているんでーす」
「解りました。もうけっこうです!」(バーカ!)
 日頃温厚で通っている私であったが、ついに堪忍袋の緒が切れ、ついでに電話も切ったのでありました。
 ブックオフへ行くと、目当ての本はがありました。全18巻中15巻が残っています。Mさんに感謝しつつ、レジへ(他には何もなし)。
 その後、佐藤書店、ブックエイト(ここは何もなし)、ブックスいとう豊田店と回って帰宅。
 午後から執筆。短編「人間空気」は80枚を突破。仕方がないので、エピソードを一つ削ることにしました。
 その他の収穫:ホイートリー『アイアミ沖殺人事件』『誰がロバート・プレンティスを捜したのか』中央公論社。浦野千賀子『二死満塁』MC。ヴォークト『武器製造業者』創元推理文庫(初版)。

2000.10.08
 長編は中断して、「ジャーロ」第2号用の原稿を書いています。『新世紀犯罪展覧会』の第2回目中の「人間空気」。3日で50枚強ですから、風邪で体の調子が悪いにしては順調です。70枚で治まるかどうか心配。
 収穫:赤江瀑の角川文庫6冊(4〜9番)。

2000.10.07
 太田忠司さんも風邪を引かれたようですね。やはり今回の風邪は、ネットで伝搬する作家専用のウイルスが原因のようですね。喉の痛みは薄くなりました。おでこに熱さまシートを貼っています。
 倉知淳さんの『壺中の天国』を読み終えました。非常に凝った内容ですが、評価の難しい作品です。私はゆったりした筆致の日常の謎派や、P・D・ジェイムスみたいに過剰に書き込んだ作風が好きでないせいか、着想は100点なのに、全体的には傑作と素直に言えないのがつらいところ。やたらに書き込んである理由が、作者の気弱さ(自信のなさ)の顕われのような気がして残念です。
 光文社文庫の『新・本格推理』は100編を越える応募があったそうです。原稿用紙100枚も書くのはたいへんなので、応募数が少ないのではないかと心配していましたが、まったくの杞憂でした。皆さん、ありがとうございます。
 収穫:水野英子『ハニー・ハニーの素敵な冒険(1)』サンコミ。

[新刊]
 「KADOKAWAミステリ」に連載されていた内田康夫さんの作品が単行本になりました。すでに発売中。
 
 書名    貴賓室の怪人
 著者名   内田康夫
 出版社   角川書店
 版型    四六版ハードカバー
 定価    1600円
 初版の日付 2000年9月30日
 ISBN  ISBN4-04-873242-0
 * 浅見光彦、世界の大海原へ。

2000.10.05
「ダ・ヴィンチ」11月号の《ミステリー・ダ・ヴィンチ》コーナーで密室殺人小説の特集が組まれています。『密室殺人大百科』に関する私のインタビュー、有栖川有栖さんと磯田和一さんの『有栖川有栖の密室大図鑑』制作秘話、小森健太朗さんによる古今の密室傑作津の大分類など。
「季刊・プータオ」秋の号では《名探偵がいっばい!》特集が組まれ、私と野間美由紀さんの対談が掲載されています。
 喉の痛みは引いてきましたが、頭痛が少し残っています。
 収穫:水野英子『シラ』主婦の友社。西谷祥子『不良先生(2)』SC。

[新刊]
 怒濤の勢いで新刊を繰り出している柴田よしきさんの最新作です。
 
 書名    PINK
 著者名   柴田よしき
 出版社   双葉社
 版型    四六版ハードカバー
 定価    1700円
 初版の日付 2000年10月5日
 ISBN  ISBN4-575-23397-8
 * 著者渾身の新感覚サスペンス。

2000.10.03
 風邪を引いてしまいました。喉が痛く、頭痛がしてやや熱があり、肩こりがします。同じような症状の風邪で西澤保彦さんや斎藤肇さんも苦しんでいるようですから、もしかすると、ネットを伝わって移る作家向けのウィルスかもしれません。
 宝島社「このミス」の「私の隠し玉」の原稿をメールしました。予定は未定ばかりですが。
 カウンターで60000番を踏んだ方に何かサイン本を贈ります。掲示板にその旨書き込んでください。
 収穫:浦野千賀子『がめつくシュート』『ドクター・ジュンコ』MC。西谷祥子『不良先生(1)』SC。

[新刊]
 SF界の重鎮・山田正紀氏の隠れた名品が文庫になりました。

 書名    超・博物誌
 著者名   山田正紀
 出版社   集英社
 版型    文庫(集英社文庫)
 定価    560円
 初版の日付 2000年9月25日
 ISBN  ISBN4-08-747240-X
 * 限りなく美しく、果てしなく妖しく。宇宙に舞う生き物たち。リリカルに謳う幻想譚。

 愛川晶氏の代表作が文庫になりました。サスペンスと本格の見事な融合です。解説は柴田よしき氏。

 書名    鏡の奥の他人
 著者名   愛川晶
 出版社   幻冬舎
 版型    文庫(幻冬舎文庫)
 定価    838円
 初版の日付 2000年10月25日
 ISBN  ISBN4-344-40020-8
 * 私はいったいどこにいるのか?

 講談社ノベルス、2000年10月の新刊です(5日発売)。今月の目玉は、柄刀一氏の初短編集でしょう。《三月宇佐見のお茶の会》シリーズという連作短編集の第一弾です(最後の1作は単行本用の書き下ろし)。見たこともないようなアバンギャルドな世界が爆裂します。佳多山大地・二階堂黎人・福井健太・巽昌章による解説競演もお見逃しなく。

 書名    アリア系銀河鉄道
 著者名   柄刀一
 定価    840円
 初版の日付 2000年10月5日
 ISBN  ISBN4-06-182154-7
 * 噂の新鋭が放つロマン本格の精華。

 書名    藍色回廊殺人事件
 著者名   内田康夫
 定価    857円
 初版の日付 2000年10月5日
 ISBN  ISBN4-06-182150-4
 * 浅見光彦、鎮魂の捜査。悲劇の源流は吉野川に。

 書名    窓辺には夜の歌
 著者名   田中芳樹
 定価    740円
 初版の日付 2000年10月5日
 ISBN  ISBN4-06-182153-9
 * 学園祭にしのびよる「拝蛇教」の魔手!

 書名    水戸の偽証
 著者名   津村秀介
 定価    790円
 初版の日付 2000年10月5日
 ISBN  ISBN4-06-182152-0
 * 至芸の時刻表トリック!

2000.10.02
 三雲岳斗『海底密室』を読了。 SFミステリーというより、完全な本格ミステリーです。海底にある研究所で次々と起こる閉鎖状況下の密室殺人。雪の山荘パターンですね。逆におしいのが、さっかく仮装人格モバイルなどを出しておきながら、それがあまり機能していないところ。主人公と仮装人格がディスカッションする場面がもっと多かったらさらに面白かったでしょう。。
 エドモンド・クリスピン『永遠の別れのために』。例によって「玄人好み」すぎる話で、(派手好きの私は)もう一つ細かい人間関係の描写に没頭できませんでした。しかし、終盤の推理による論理展開は緻密であり、これを読む価値は充分にありましょう。
「IN☆POCKET」用の原稿「私のヒーロー」を原稿用3枚で仕上げ、メールで送りました。もちろん、私のヒーローはアルセーヌ・ルパンです。
 収穫:水野英子『エーデルワイス』集英社。
 寡作作家の代表者である倉知淳さんの新刊がようやく出ました。連続殺人ものでミッシング・リンクものらしいので、読むのが楽しみです。

 書名    壺中の天国
 著者名   倉知淳
 出版社   角川書店
 版型    四六版ハードカバー
 定価    1900円
 初版の日付 2000年9月30日
 ISBN  ISBN4-04-873248-X
 * 彼は一人だ。世界中が彼を置き去りにして動いている。彼は四人の人を殺した――。

2000.10.01
 この前、今年の『本格ミステリ・ベスト10』(原書房刊行)の候補作アンケートは、今年1月から9月までの刊行作品が対象と書いたのですが、10月までであると、小森健太朗氏より指摘をいただきました。訂正いたします。
 午前10時。石井女王様以下、ZPな人々が東村山市の社会福祉センターの古本まつりにやってくるとの情報を得て、そこへ行ってみました。しかし、行列の中には誰もいません。変だなーと思いながら、開場と共に古本を眺めます。購入したのは、ヴェリーの『サンタクロース殺人事件』晶文社、スティーヴンスン「世界文学全集」の1巻(「宝島」「プリンス・オットー」「パラントレイ家の世継」が収録されている)、浦野千賀子「アタックbP」1〜4、7、9、10巻・集英社MC、ホイット・マスタスン『非常線』創元推理文庫・カバーを購入。しめて600円にならないという安さ。
 その後、新宿へ。紀伊國屋書店でカーの『囁く影』と『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』全三巻を購入。もちろん、旧版も持っていますが、せっかく復刻してくれたので御祝儀ということで。ところが、6階洋書コーナーへ行ってがっかり。「スター・トレック・ザ・マガジン」18号が売れ切れでないではないですか。今回は「スター・トレック/ヴォイジャー」特集だったので、ぜひ欲しかったのに。くやしー!
 それから、午後二時。東大横の弥生美術館へ。実は、東京に41年刊も住んでいて(つまり、生まれてからずっと)、初めて東大を見ました。この美術館では、今、わたなべまさこ先生や水野英子先生の少女マンガ展覧会が開催されているのです。そして、今日は水野英子先生のサイン会なのでした。サンコミの『ムッシュ泥棒』を持っていったのですが、もっと良いものが会場で売っていました。何と、私家版の『すてきなコーラ』と『ローヌ・ジュレエの庭』(A5判・1000部限定)なのです。しかも、『すてきなコーラ』は「週刊マーガレット」連載バージョンであり、『黒水仙』まで収録されています(もっとすごいのが、この復刻を手がけたのが和田慎二さんだということ)。私は、『ムッシュ泥棒』と『すてきなコーラ』にサインをしていただきました。会場には、生原稿も展示されています。『ハニー・ハニーの素敵な冒険』のカラー原稿は綺麗でしたぜ>西澤保彦さん。
 そして、暗黒プロデューサーのN氏と打ち合わせ。近々、親指シフトに関するインタビューを新聞に載せてくださることになりました。
 夜7時。へとへとになって帰宅。

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